殺人鬼と綺麗な人形はやがて手を取り涙する

なつみかん

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不幸自慢編

人形は孤独から仲間を探した-13 ★

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【SPECIAL CASE INARI】

「俺はウミガメの産卵が見たいんだ」

「は?」

九尾の病院へと連れていかれた稲荷は、その上の階の九尾の住まいへと引きずられた。反省させられている子どもがそうするように、わざわざ床に正座をした稲荷が、九尾の唐突な言葉に眉を寄せた。

当の九尾はソファにドカッと腰をおろし、足を組んで下僕を見下ろすそれのように稲荷を冷たく見下ろしていた。

「ウミガメだ、ウミガメ」

「はあ・・・」
それは海に連れていけというこということなのか、と首を傾げる。

「分かったら、とっとと脱げ」

「え?」
脱げ?何で?全裸で運転しろということか?九尾の趣味だろうか?もう本当にこの医師の考えることが分からなさすぎて怖い。

幼い頃からずっと・・・それこそ20年以上の付き合いになるはずなのだが、未だに何一つ分からない。
いや、たった一つだけ分かっていることがあった。

この医師は稲荷の事が嫌いなのだ。

「脱げ、そう言ったんだ、聞こえなかったか?」
九尾の声が低くなり、苛立ちを示すように腕を組んでいる指がトントンと肘を叩いている。

「は、はいっ!」
理由も分からず脱げるか、などと恭華だったら真っ先に口にするのであろうが、悲しいかな長年染みついた下僕根性がそうはさせない。

何の躊躇いもなく、ただただ恐怖だけを感じながら素直に脱いでいく。

「よし、そこに四つん這いになれ」
脱げと言われ、何も説明せずとも全裸になる稲荷に満足気に頷くと次の命令を顎で示す。

「な、何を・・・」
不安で目を潤ませながら、大人しく九尾の指示に従う。

「ウミガメはな、一回に50~100個産卵するらしい」
九尾が何やら手に握っているものをそれとなく目にした。

だがそれを目にして後悔した。見なければ良かった。

「い、いやッス!!」
稲荷が真っ青になりながら首を振る。

だが命令された四つん這いは解かない。下僕の鏡だ。

「ほう、察しがいいな」
ニヤリと九尾が口の端を持ち上げた。

「センセー、や、やめて・・・俺はカメじゃないッス」
潤ませていた目からはポロリと涙を零す。

九尾の手に握られているもの、それはアナルパール。それもきっとウミガメの産卵に似せるために用意させたと思われる。

一つ一つの大きさが通常のアナルパールより遙かにデカい。更に嫌な予感しかしないが、終わりが見えないのだ。
九尾の手に握られているそのアナルパールの終わりの部分が・・・

「100個・・・足りなかったか?」
満足そうにその玩具の様子を観察し、稲荷を見つめる。

「ま、待って!!!まさかそれ全部!?」
無理に決まっている。腸内の容量を考えてくれ、あんた医者だろ?そう口に出てしまいそうなのを必死におさえる。

口にした瞬間に人生終わったようなものだ。本気で殺されるだろう。

「安心しろ。最初は実験だ。いくつまで挿入できるか・・・」

わぁ、安心!なんて思えるはずもなく、ひたすら稲荷が首を振る。だが動きはしない。知っているからだ。

動いた瞬間に人生終わったようなものだ。本気で殺されるだろう。

ウミガメの産卵が見たいと言っていた以上、そういうことなのだろうが、「それ、挿れた後どうするの?」なんて聞きたくない、考えたくもない。

「分かっているだろう?何しろ、俺に比べていかにキツネがマシかを恭華に語ってやるくらいだからな?」
稲荷をウミガメへと変身させるアイテムを手に握り、不敵に男が微笑む。

「ひぃぃぃっ~!ち、ち、違っ・・・ご、ご、ごめ、ごめ・・・」
これから何をされるのか恐怖すぎて、舌が上手く回らない。

床についている手はカタカタと震える。

「せめてもの温情でローション使ってやる」
一生分の恩を売ったかのような言いぶりの九尾は、手にポンポンとローションの瓶を弄び、稲荷に見せつけている。

「い、嫌ッス・・・センセー、やめ・・・」
ローションがどうした!?それがあったところでやることは変わらないだろう?それよりもこの企画を中断してくれないだろうか?是非とも。

「ほう、ならやめよう」
興醒めだと、掌からボトッと瓶を落とす。

ゴトッ、ゴロゴロゴロと転がっていったローションの瓶を自然と目で追っていたが、目の前に迫った影にハッとする。

「じゃあ、挿れるぞ」
おもむろに稲荷の背後に回る。

「ま、待って、センセー!!お、俺が・・・俺が悪かったッス!!!海より深く反省してるから使って!使って欲しいッス!!お願いします!」
ゴツッと音がする勢いで額を床に擦り付ける。

「チッ、手間をかけさせるな」
ブツブツ言いながらも、九尾は瓶を拾い、アナルパールにタラタラと垂らしていく。

「ひっ!し、舌打ち・・・」
九尾の舌打ちに新たな涙を零しながら、逃れられなくなったこの状況に絶句する。いつもそうだ。いつも絶対に逃れられない状況を作り出される。

どうしてか最後は稲荷の方からお願いする形となるのだ。なぜだ。

「す、すみませんっした!」
頭が上げられないまま、尻が上がった体勢を保っていると、高い位置から臀部にローションが垂れ流された。

「つ、冷たっ!」
驚いた稲荷が顔を上げる。

だが上がった頭上を、九尾により勢いよく踏みつけられた。自分で打った時よりも遙かに大きな音を立て、額が床にご挨拶した。

「うっ!!」
ガンッと頭蓋骨が割れるような音と、額から頭蓋を抜けて骨を響かせる痛みに呻いた。咄嗟に頭を持ち上げようとしたが、踏みつけている九尾の足がそうさせない。

「誰が勝手に上げていいって言った?」
九尾の高圧的な声がする。

額が痛い。理不尽だ。不条理だ。でもそんなことを口にする勇気など稲荷にはない。ローションが流れ卑猥に照らし始めた蕾にローションの瓶が捩じ込まれる。

「ひっ!セ、センセー・・・や、やめ」
瓶が突き刺さった尻を情けなく突き出し、抜いてくれと九尾に懇願する。逆さになった瓶から、ローションの中身がすべて稲荷の中に流れ出てくるのだ。

タラタラと孔からローションを溢れさせ、内股を濡らしていく。

稲荷の願い通りに瓶が抜かれたが、望んでもいない、記念すべき一つ目が稲荷の窄みへと充てがわれていた。

「あぁっ・・・」
一粒が卵の大きさのそれはローションの滑りを借り、硬く閉ざしていた稲荷の蕾を割り、ツルンと滑らかに入っていった。アナルパールの容量分のローションが代わりに押し出されて、ツーっと零れていく。

「美味しそうに呑み込むじゃないか」
男の声に、顔は見えずともニヤっと口の端を持ち上げ、意地悪そうに笑っている表情が容易に想像できた。

何も言えずに堪えていると、九尾が四つん這いの稲荷の背中に腰かけた。

「うっ!重っ!センセー、太ったッスか?」
ズシッと背中がたわむ程の重みを感じ、思わず口からポロリと出た。

稲荷の悪い特性だ。言わなければいいことを、余計なことを、と他者が聞いていたら必ず思うことを、あえて口にしてしまう。そしてそれが悪かったことだということに、しばらく気が付かないのだ。

「ああ、そうだな。最近運動量が足りないらしい。安心しろ今日は存分に運動不足を解消するつもりだ。もちろん協力してくれるよな?」
九尾の口角は上がっていく。稲荷の顔は青ざめていく。

こうして稲荷の地獄行きは決まったのだった。

「ぅっ・・・センセー・・・く、苦しい・・・」
腸内の許容範囲を超え、肛門の入口付近に詰め込まれたアナルパールが塊を作っているのが分かる。

腹部の下部の付近まで、ゴロゴロとパールが蔓延っているのが感じられる。詰め込まれる度にゴツゴツと内部のパールが音を立て、蠢く。パールの形に歪に膨れている腹は限界を訴えている。

だが、九尾の手が止まらない。
詰め込まれている途中で九尾に電話があった。「解放される!」と顔を輝かせた稲荷だったが考えが甘かった。砂糖以上に甘い男が考えることなど、何をとっても甘いのだ。

「ああ、ああ、分かっている。それでいい」
電話をしている片手間に、次々に稲荷の中に詰め込んでいく。

「ぅっ・・・」

「いや、悪い。明日は朝からは無理だ。昼過ぎになる」
稲荷の呻きも気にせず電話を続ける。
詰め込んでいく手は止めずに。

「センセー・・・も、やっ!」

「うるさい、静かにできないのか?」
受話口を押さえ、ベチッと稲荷の尻を叩く。

「痛っ!だ、だって・・・お腹痛いッス・・・」
それに九尾が重いのだ。四つん這いを支えている腕がプルプル限界を訴えている。何も敷かれていない床に直接つけている膝も痛い。

何より、もう腸内の余分なスペースは一切ないくらい、詰め込まれているのだ。七匹の子ヤギのオオカミだって真っ青な程に詰まっているのだ。今川に落とされたら間違いなくおぼれ死ぬ。

「ああ、それでいい。そうしてくれ」
稲荷の訴えを無視し、次々に押し込んでいく。

「ぅっぐっ・・・うぅっ・・・」
ポロポロと流していた涙はポタポタと床に垂直に零れ、粒だった水滴が徐々に水溜りを作っていく。

「また連絡する」
漸く九尾の電話が切られた。
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