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二章 〜思惑〜
五話 『ドロドロ展開になるのか問題』
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そしてあれからニコラス様の相手は私がすることになった。とは言っても、向こうはローラに話しかけてばかりいるので私に構うことはあまりなかった。
「僕はナタリーさんではなく、ローラさんに話しかけているんだけど?」
と、言われたが、私は 知らんぷりを決め込んだ。知らん。ローラが怖い、と言うのだから辞めてくれ
「……ローラが怖がってるんでやめてもらえますか」
と言ったら、彼は悔しそうな顔をして去って行った。……違和感がある。彼、こんな人でしたっけ?こんなのまるで――
「……ありがとうございます。ナタリー様。庇ってくださって……」
「え……?ああ!うん!そうよ!だって私はあなたの親友だもの!」
そう言って笑いかけると、彼女はとても嬉しそうに笑った。………可愛いわね。リリィがローラガチ勢になるのがよくわかるわ~~。
「おい、メイド。何で俺の邪魔を……」
「私の勝手でしょう?」
レオン様にはリリィにはついて来てくれるし。レオン様まで相手する気力は私にはないしね。
「リリィさんにも迷惑がかけて……申し訳ないです……」
ローラが謝ると、私は首を振る。そんなことローラが気にする必要性は全くない。私もリリィも好きにやってるだけだし。
「全然構わないわ。ローラが気にするようなことは一つもないわよ。だってこれは私達が好きでやってることだし」
するとローラは少し安心したように微笑んだ。そうそう。ローラは笑顔の方が似合うわよ。
そして授業が始まる。今日は魔法実技の時間なので一緒にいることはできないが、ローラは希少の光属性なので誰とも被ることはないし、素早くローラの元に駆けつけることができるだろう。
ニコラス様は授業が一緒だし、ニコラス様より早く出ていけばいいだけの話だし
でも、心配なのはレオン様よね……レオン様はリリィと授業が被ってないし……レオン様の方が早く授業終わるかもしれないし……ちょっと不安かも。
でもまあ、最悪私がレオン様を対応すればいい話だしね。
……そう思ったのだけど――。
「ローラ。ナタリー・アルディとはいない場所で話がある。あいつには絶対聞かれたくないからな」
なんて言われてるのを見てしまった。え、これヤバくないかしら!? 私は慌てて二人の元へ駆け寄ろうとしたが、それより先に、リリィが私よりも早く二人の元へ向かった。
私はとりあえず様子を見ることにした。
リリィはレオン様を睨みつけながら言う。
「ローラ様に近づくな……と言わせていただきましたよね?それなのに何故あなたはローラ様に近づこうとするのですか?」
「俺はただ話がしたいだけだ。お前に何かを言われる筋合いはない」
「あります。私はナタリー様にローラ様のことを頼まれていますから」
きっぱりとそう言ったリリィを見て、レオン様は舌打ちをする。そしてそのままどこかへ行ってしまった。
私はホッと息をつく。
「ごめんね。来るのが遅れたわ。私も行こうとしたんだけど、なかなか行けなくて……。助かったわ。ありがとう、リリィ」
「いえ、これは私の仕事ですから」
リリィは首を横に振る。相変わらず、ローラの前だと冷静沈着なメイドになるわね。
「ところで、レオン様は一体何を言ってきたの?」
「知りません。興味もありません」
「そ、そう……」
やっぱり、ローラのことになると怖いのね……いつもの可愛らしい顔つきじゃなくなるというか……冷徹な顔になるというか。ほら、ローラも少し引いてるじゃん……
「そんなことより!レオン様のことは私に任せてください!ローラ様には近づかせないようにしますので!」
「あ、ありがとうございます……で、でも、レオン様を遠ざける必要はあるのでしょうか……?」
「当然です。あの方はニコラス様と親しい関係なんです。そんな人と情報共有なんてしたらめんどくさいことになります。ドロドロで疑心暗鬼になり、最終的には学園を巻き込んだ大騒動になりかねません」
何だそれは……漫画でそんなエピソードあるのか……?いかんせん、漫画を読んでないからなー。
「そ、そんなことになるんですか……?」
「なります。友人を疑うのは辛いものはありません。レオン様がそんなことをする人でないとはいえ、レオン様は友達少ないし」
確かに、レオン様はあんまり友達にしたい!とは思わない性格してるけども……リリィはキッパリと言い切った後、ローラに対しこう言った。
「大丈夫ですよ。ローラ様。この件に関しては私に全てお任せください。ローラ様は安心して生活していればいいんです」
そう言ったリリィはめっちゃくちゃカッコよかった。
△▼△▼
そして放課後になり、私達はローラを寮に送り、私達は馬車の中で向かい合っていた。
そして、私が今一番気になっている話題について話すことになった。
「三時間目にローラに話してた……あれは……漫画であった出来事なの?」
「………漫画であった出来事……?はて、何のことを言っているのかさっぱりわかりませんが……」
「誤魔化さないで。リリィ言ったじゃない。ローラに"ドロドロで疑心暗鬼になり、最終的には学園を巻き込んだ大騒動になりかねません"って。あれは一体どう言う意味なの?」
私がそう言うとリリィはああ……と思い出したように呟いた。
リリィは一呼吸置いて口を開く。
「ああ。あれは口から出まかせです。そんなエピソード、漫画にはありません。ニコラス様とレオン様がバチバチになるシーンはあってもドロドロになっているシーンはありませんでしたし」
リリィはそう言い切る。リリィは嘘をつかないし……リリィがそう言い切るってことは本当にないんだろう。
じゃあ、なんであんなこと言ったのよ……という目をリリィに送ると、リリィはこう言った。
「あのときそう言ったのはただ一つ。ローラ様とレオン様が何か仲良くなっているからです。ローラ様が嬉しそうにレオン様のことを話すから無理矢理にでも引き離さないと!と思っただけです」
淡々とそう述べるリリィに私は思わずため息をついた。
ま、まさかリリィがこんなことを考えていたなんて……それにしても、嫉妬したからと言って、レオン様との仲を引き裂こうとするのはやりすぎよ……と、言うとリリィはこう言った。
「嫌でーす。だって、ナタリー様とローラ様のターンが終わったら後はひたすらローラ様がレオン様に溺愛されるだけの溺愛地獄ですよ!?そんなもん、誰が見たいんですか!!」
溺愛地獄……そこまで言うか……普通。でも、まあ、その気持ちも分からなくもないけど……
「あ、でも、ナタリー様がローラ様のことを溺愛するなら見たいです」
結局はそこなのか……ローラを溺愛かー。
ローラのことは好きだけれど溺愛出来るか?そもそも、溺愛ってどんな感じなんだろ……?と頭を悩ませてる間に家に着いた。
「僕はナタリーさんではなく、ローラさんに話しかけているんだけど?」
と、言われたが、私は 知らんぷりを決め込んだ。知らん。ローラが怖い、と言うのだから辞めてくれ
「……ローラが怖がってるんでやめてもらえますか」
と言ったら、彼は悔しそうな顔をして去って行った。……違和感がある。彼、こんな人でしたっけ?こんなのまるで――
「……ありがとうございます。ナタリー様。庇ってくださって……」
「え……?ああ!うん!そうよ!だって私はあなたの親友だもの!」
そう言って笑いかけると、彼女はとても嬉しそうに笑った。………可愛いわね。リリィがローラガチ勢になるのがよくわかるわ~~。
「おい、メイド。何で俺の邪魔を……」
「私の勝手でしょう?」
レオン様にはリリィにはついて来てくれるし。レオン様まで相手する気力は私にはないしね。
「リリィさんにも迷惑がかけて……申し訳ないです……」
ローラが謝ると、私は首を振る。そんなことローラが気にする必要性は全くない。私もリリィも好きにやってるだけだし。
「全然構わないわ。ローラが気にするようなことは一つもないわよ。だってこれは私達が好きでやってることだし」
するとローラは少し安心したように微笑んだ。そうそう。ローラは笑顔の方が似合うわよ。
そして授業が始まる。今日は魔法実技の時間なので一緒にいることはできないが、ローラは希少の光属性なので誰とも被ることはないし、素早くローラの元に駆けつけることができるだろう。
ニコラス様は授業が一緒だし、ニコラス様より早く出ていけばいいだけの話だし
でも、心配なのはレオン様よね……レオン様はリリィと授業が被ってないし……レオン様の方が早く授業終わるかもしれないし……ちょっと不安かも。
でもまあ、最悪私がレオン様を対応すればいい話だしね。
……そう思ったのだけど――。
「ローラ。ナタリー・アルディとはいない場所で話がある。あいつには絶対聞かれたくないからな」
なんて言われてるのを見てしまった。え、これヤバくないかしら!? 私は慌てて二人の元へ駆け寄ろうとしたが、それより先に、リリィが私よりも早く二人の元へ向かった。
私はとりあえず様子を見ることにした。
リリィはレオン様を睨みつけながら言う。
「ローラ様に近づくな……と言わせていただきましたよね?それなのに何故あなたはローラ様に近づこうとするのですか?」
「俺はただ話がしたいだけだ。お前に何かを言われる筋合いはない」
「あります。私はナタリー様にローラ様のことを頼まれていますから」
きっぱりとそう言ったリリィを見て、レオン様は舌打ちをする。そしてそのままどこかへ行ってしまった。
私はホッと息をつく。
「ごめんね。来るのが遅れたわ。私も行こうとしたんだけど、なかなか行けなくて……。助かったわ。ありがとう、リリィ」
「いえ、これは私の仕事ですから」
リリィは首を横に振る。相変わらず、ローラの前だと冷静沈着なメイドになるわね。
「ところで、レオン様は一体何を言ってきたの?」
「知りません。興味もありません」
「そ、そう……」
やっぱり、ローラのことになると怖いのね……いつもの可愛らしい顔つきじゃなくなるというか……冷徹な顔になるというか。ほら、ローラも少し引いてるじゃん……
「そんなことより!レオン様のことは私に任せてください!ローラ様には近づかせないようにしますので!」
「あ、ありがとうございます……で、でも、レオン様を遠ざける必要はあるのでしょうか……?」
「当然です。あの方はニコラス様と親しい関係なんです。そんな人と情報共有なんてしたらめんどくさいことになります。ドロドロで疑心暗鬼になり、最終的には学園を巻き込んだ大騒動になりかねません」
何だそれは……漫画でそんなエピソードあるのか……?いかんせん、漫画を読んでないからなー。
「そ、そんなことになるんですか……?」
「なります。友人を疑うのは辛いものはありません。レオン様がそんなことをする人でないとはいえ、レオン様は友達少ないし」
確かに、レオン様はあんまり友達にしたい!とは思わない性格してるけども……リリィはキッパリと言い切った後、ローラに対しこう言った。
「大丈夫ですよ。ローラ様。この件に関しては私に全てお任せください。ローラ様は安心して生活していればいいんです」
そう言ったリリィはめっちゃくちゃカッコよかった。
△▼△▼
そして放課後になり、私達はローラを寮に送り、私達は馬車の中で向かい合っていた。
そして、私が今一番気になっている話題について話すことになった。
「三時間目にローラに話してた……あれは……漫画であった出来事なの?」
「………漫画であった出来事……?はて、何のことを言っているのかさっぱりわかりませんが……」
「誤魔化さないで。リリィ言ったじゃない。ローラに"ドロドロで疑心暗鬼になり、最終的には学園を巻き込んだ大騒動になりかねません"って。あれは一体どう言う意味なの?」
私がそう言うとリリィはああ……と思い出したように呟いた。
リリィは一呼吸置いて口を開く。
「ああ。あれは口から出まかせです。そんなエピソード、漫画にはありません。ニコラス様とレオン様がバチバチになるシーンはあってもドロドロになっているシーンはありませんでしたし」
リリィはそう言い切る。リリィは嘘をつかないし……リリィがそう言い切るってことは本当にないんだろう。
じゃあ、なんであんなこと言ったのよ……という目をリリィに送ると、リリィはこう言った。
「あのときそう言ったのはただ一つ。ローラ様とレオン様が何か仲良くなっているからです。ローラ様が嬉しそうにレオン様のことを話すから無理矢理にでも引き離さないと!と思っただけです」
淡々とそう述べるリリィに私は思わずため息をついた。
ま、まさかリリィがこんなことを考えていたなんて……それにしても、嫉妬したからと言って、レオン様との仲を引き裂こうとするのはやりすぎよ……と、言うとリリィはこう言った。
「嫌でーす。だって、ナタリー様とローラ様のターンが終わったら後はひたすらローラ様がレオン様に溺愛されるだけの溺愛地獄ですよ!?そんなもん、誰が見たいんですか!!」
溺愛地獄……そこまで言うか……普通。でも、まあ、その気持ちも分からなくもないけど……
「あ、でも、ナタリー様がローラ様のことを溺愛するなら見たいです」
結局はそこなのか……ローラを溺愛かー。
ローラのことは好きだけれど溺愛出来るか?そもそも、溺愛ってどんな感じなんだろ……?と頭を悩ませてる間に家に着いた。
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