知らない世界に転生したと思ったら、すぐ側にガチ勢がいた件について

花宮

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二章 〜思惑〜

十話 『話と夢』

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「でねー。ニコラス様と喧嘩した後謎の美女とすれ違ってねー」


「………」


「それでねー、あの謎の美女が誰なのか探ってほしいのよ」


「………」


「……リリィ、聞いてる?もしもーし」


「黙ってください」


「はい」


……最近のリリィ、私の扱い雑じゃないですか?と思う今日この頃……いや、まぁ、別にいいんだけどね?そう思いながら、私はリリィの言葉を待った。


「その謎の美女……漫画にあったような気がします」


「そうなの?」


私は漫画を読んでないからなー……と思ってると、 コンコン と扉をノックする音が聞こえた。
 

「ナタリー、いいか?」


「お爺様!もちろん大丈夫ですよ!」


私はすぐさま扉を開け、お爺様を招き入れる。お爺様――もといローガス・アルディが入ってくると、リリィはすぐさま仕事モードへと切り替わった。


「旦那様、何か御用でしょうか」


「リリィ……ナタリーと仲がいいことはいいことだと思うが……侍女としての立場を忘れないようにな」


「心得ております。では、私はここで失礼致します」


と言って、部屋から出ていった。私は慌てて引き留めようとしたが、それよりも早く出ていってしまった。


「……ナタリー、お前は令嬢としての自覚を持て。侍女と仲良くするのは構わないが、もう少し気をつけるように」


鋭く、重い声で注意されてしまった。うーん……確かに最近はちょっと浮かれすぎてたかもしれないな……反省しないと。


「ごめんなさい。お爺様」


「わかればいいんだ。それよりナタリー、学園生活はどうだ?楽しいか?」


唐突にそんなことを聞かれたので、少し驚いたが、素直に答えることにする。


「ええ。楽しいですわ!友達もできましたし」


「そうか。それはよかったな。後、ニコラス・シャトレと復縁したが…大丈夫か?」


そういえば、そのことも報告してなかったなと思い出し、私は説明することにした。ニコラス様のことを話すと、なぜか頭を撫でられた。怒られるかと思ったのに……
まぁ、とりあえず、私にとってこの学園は楽しい場所だということは伝わったはずだ。


これから先どうなるのかはわからないけど、精一杯楽しむぞ! そう決意した私であった。


△▼△▼


その日、夢を見た。懐かしい景色が目の前に広がる。
そこには、前世で会った妹の姿があった。私を見て、嬉しそうに駆け寄ってくる。


小さい頃の妹は可愛かったんだよな~。まぁ、最後は?彼氏寝取られましたけどね~~? と、思い出したらムカついてきた。


ただ、まぁ夢の中の妹に文句言っても意味ないし、ここは我慢しよう。
それにしても、久しぶりに見た妹の顔は相変わらずだった。
黒髪ロングのストレートヘアで、顔立ちは整っている。スタイルもいいし、背も高い。


そして何より、あの笑顔。媚びるような目つきが嫌いだった。
私に対して、姉だからといっていつも上から目線で見てくるのも嫌だった。


「……私はお前のことなんて大嫌いよ!あんたがいなけりゃ私はもっと幸せだったはずなのに!」


私は怒りのまま叫んだ。すると、妹が悲しげな表情をする。なんでそんな顔をするのよ……イラつくわね。
でも、所詮これはただの夢なんだから……気にする必要もない。


「大嫌いよ!あんたなんか!!」


「……奇遇ね。私も嫌いよ」


夢なのに夢じゃないような不思議な感覚に陥る。久しぶりに妹と会話をしたからだろうか?そして場面が切り替わる。今度は――、


『ごめんね。ごめんね……』


泣いている少女……親友がそこにいた。そう、美香だ。側には私の遺影がある。美香……来てくれた?それとも、私の妄想?夢なんだから妄想よね……。
だけど、夢の中の美香は私のことを想ってくれていたようで、とても嬉しかった。


『私、奈緒ちゃんの親友になれて良かった。今までありがとう。ずっと大好きだよ。さようなら』


ああ、行かないで……お願いだから置いていかないで……


「行かないで!!!」


そこで、私は目が覚めた。


「うわっ。びっくりした……どうかしたんですか?ナタリー様……」


「あ、あれ?リリィ……どうしてここに?」


私がそう聞くと、リリィは呆れたような表情になりながらこう言った。


「ナタリー様。もう朝ですよ?そろそろ起きてください」


「へ?あっ!本当だ!!やばい!遅刻する!」


時刻は既に8時を回っていた。私は慌ててベッドから飛び起きる。
そのまま着替えを済ませ、朝食を食べて馬車に乗り込んだ。
学園に到着すると、すでにみんな登校していた。
急いで教室に入り席に着く。ギリギリセーフかな……と思っていると、

先生が来たので、授業が始まった。


「では、今日から魔法の基礎についての授業を始めます」


授業の内容はめちゃくちゃ退屈だったし教科書を読んで理解している内容だったので、全く面白くない。
それでも真面目に受けているフリをしていると、


「………つまんねぇ」


ニコラス様の声が小さく聞こえてきた。
うん。わかる。私もそう思う。というか、私以外の生徒もきっとそう思ってるだろう。
だって、基礎中の基礎だし…。


『……ナタリー・アルディ。話がある』


そんなことを思っていると、不意にそんな声が聞こえてきた。……ニコラス様の声だ。……こいつ、脳内に直接!?スティーブン様しか出来ないと思ってたけどお前もできるんかーい!因みにこの魔法は『テレパシー』と言って、精神干渉系の魔法の1つらしい。


テレパシーって魔法なの?って思ったのだが、リリィ曰く、そういうものらしい。そういうもの、なのか……
とにかく、私はテレパシーなんて使えないのでニコラス様が一方的に何か言っている状態だ。


「(めんどくせぇー。でも、従うか……)」


喧嘩している状態で二人っきりとかめちゃくちゃ嫌だけども!なんて思いながら。
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