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二章 〜思惑〜
十三話 『尾行』
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「それでねー、アシュリーっていう子ねー。めちゃくちゃ可愛いの!」
「へぇー、アシュリー・ベルナールって言うんですか……」
最近のリリィはずっと考え事をしているんだよなぁ……何か話しても上の空だしなぁ。裏でなんかしてんのか?まあ、そうだとしても私には関係ないだろうけど。
「リリィってば最近ずっと考え事しているわよね。何か思うところでもあるの?相談に乗るよ?」
「………いえ。ナタリー様は何も心配なさらずとも大丈夫です」
「そう?ならいいんだけどさ」
……やっぱりおかしいわよね。絶対隠してると思うんだけど……!でもなー、無理矢理聞くのもなー……。うーん、どうしたものかしらねぇ……。
私が悩んでいる間にも、リリィはいつも通り仕事をテキパキとこなしていき、
「仕事が終わったのでこれで失礼しますね。おやすみなさいませ、ナタリー様」
と言って私の部屋から去っていった。
そして私は、寝る準備をしてベッドに入ったあとに考えた結果――。
「(どうしても気になるわ……明日無理矢理にでも聞き出してみようかな)」
と思い立ったのであった。
△▼△▼
そして次の日――、
「あ、あの……ナタリー様……これは一体どういう状況でしょうか……?」
今の状況を説明するならば、私とローラがリリィの後を追っていた。
「リリィのことが気になるの!だからこうして後をつけているのよ!」
状況を把握出来ていないローラは困惑していたけれど、気にせず追跡を続行した。久しぶりにローラと一緒に行動出来るなんて嬉しいのも少しあるんだけどね。
「えっと……それは分かりましたが何故私まで一緒に行かないといけないのですかね……?」
「リリィはローラに甘いもの!尾行しても許してくれるはずよ!」
「いや、多分それは無いと思いますが……そもそも私が付いてきたところで何も変わりませんし……むしろ邪魔なのでは……?」
「邪魔じゃないわよ?」
寧ろ、こういうことは一人よりも二人の方が楽しいでしょうしね。それに、一人で尾行してたら不審者みたいで嫌だもん。でもー?ローラと一緒ならー?
「ローラに……ナタリー・アルディ?二人してなにやってるんだ?」
声をかけられて振り向くとそこにはレオン様が居た。ふふっ!この前は一人だったけど、今回はローラもいるもの!
「あ、あの。レオン様、こ、これはですね……」
「………ナタリー・アルディ。ローラに何をさせている?」
ギロリ、と睨まれたので一瞬だけ怯んでしまった。しかし、すぐに持ち直したので負けじと言い返す。
「ローラと一緒に……ってあ!リリィが何処かに行こうとしているわ!」
見るとリリィは学園から出ていこうとしていた。このままでは見失うかもしれないので急いで追いかけないと……! レオン様に事情を説明している場合じゃねーよ!
「ちょ、ちょっと待ってくださいナタリー様……!」
「あ!おい!ナタリー・アルディ!」
後ろからレオン様の声が聞こえてきたけど無視することにした。だって早くしないとリリィを見失いそうなんですもの!
「………何なさってるんですか?ナタリー様」
廊下の曲がりきった瞬間、リリィに声をかけられた。
な、なんでバレたの!?
「バレバレです!ローラ様まで巻き込んで……本当に何してるんですか……」
呆れたように溜息をつくリリィに、私は何も言えなかった………。
「へぇー、アシュリー・ベルナールって言うんですか……」
最近のリリィはずっと考え事をしているんだよなぁ……何か話しても上の空だしなぁ。裏でなんかしてんのか?まあ、そうだとしても私には関係ないだろうけど。
「リリィってば最近ずっと考え事しているわよね。何か思うところでもあるの?相談に乗るよ?」
「………いえ。ナタリー様は何も心配なさらずとも大丈夫です」
「そう?ならいいんだけどさ」
……やっぱりおかしいわよね。絶対隠してると思うんだけど……!でもなー、無理矢理聞くのもなー……。うーん、どうしたものかしらねぇ……。
私が悩んでいる間にも、リリィはいつも通り仕事をテキパキとこなしていき、
「仕事が終わったのでこれで失礼しますね。おやすみなさいませ、ナタリー様」
と言って私の部屋から去っていった。
そして私は、寝る準備をしてベッドに入ったあとに考えた結果――。
「(どうしても気になるわ……明日無理矢理にでも聞き出してみようかな)」
と思い立ったのであった。
△▼△▼
そして次の日――、
「あ、あの……ナタリー様……これは一体どういう状況でしょうか……?」
今の状況を説明するならば、私とローラがリリィの後を追っていた。
「リリィのことが気になるの!だからこうして後をつけているのよ!」
状況を把握出来ていないローラは困惑していたけれど、気にせず追跡を続行した。久しぶりにローラと一緒に行動出来るなんて嬉しいのも少しあるんだけどね。
「えっと……それは分かりましたが何故私まで一緒に行かないといけないのですかね……?」
「リリィはローラに甘いもの!尾行しても許してくれるはずよ!」
「いや、多分それは無いと思いますが……そもそも私が付いてきたところで何も変わりませんし……むしろ邪魔なのでは……?」
「邪魔じゃないわよ?」
寧ろ、こういうことは一人よりも二人の方が楽しいでしょうしね。それに、一人で尾行してたら不審者みたいで嫌だもん。でもー?ローラと一緒ならー?
「ローラに……ナタリー・アルディ?二人してなにやってるんだ?」
声をかけられて振り向くとそこにはレオン様が居た。ふふっ!この前は一人だったけど、今回はローラもいるもの!
「あ、あの。レオン様、こ、これはですね……」
「………ナタリー・アルディ。ローラに何をさせている?」
ギロリ、と睨まれたので一瞬だけ怯んでしまった。しかし、すぐに持ち直したので負けじと言い返す。
「ローラと一緒に……ってあ!リリィが何処かに行こうとしているわ!」
見るとリリィは学園から出ていこうとしていた。このままでは見失うかもしれないので急いで追いかけないと……! レオン様に事情を説明している場合じゃねーよ!
「ちょ、ちょっと待ってくださいナタリー様……!」
「あ!おい!ナタリー・アルディ!」
後ろからレオン様の声が聞こえてきたけど無視することにした。だって早くしないとリリィを見失いそうなんですもの!
「………何なさってるんですか?ナタリー様」
廊下の曲がりきった瞬間、リリィに声をかけられた。
な、なんでバレたの!?
「バレバレです!ローラ様まで巻き込んで……本当に何してるんですか……」
呆れたように溜息をつくリリィに、私は何も言えなかった………。
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