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二章 〜思惑〜
二十一話 『宣戦布告』
しおりを挟む「好きよ!私、ローラのこと」
「………え?」
私は今まで我慢していた気持ちを打ち明けた。もう、迷わない。後悔したくないから――。
「私、ローラが好き」
――ヤケクソ、という文字がお似合いの告白。ロマンもなければムードもないそんな告白。でも、それで良かった。
私は、気持ちを打ち明けられただけで満足だったから。
「あ、あの……ナタリー様……?私も、ナタリー様のこと、好き……ですが…?」
困惑気味に、でも、嬉しい、というような声色でローラが言う。
ローラはいつも優しくて。
みんなに分け隔てなく接して。
誰とでも仲良くなれるような人懐っこい子だった。そんな子が私のことを好きだと言ってくれている……!嬉しくて、幸せでどうにかなってしまいそうだった。
その『好き』は友達として、ということを私は知っている。ローラは、私に恋愛感情を持ち合わせていないことも分かっているし、私が持つローラへの好意は友情の枠を越えることは絶対にないと、分かっている。
「そうよね。私も、好きよ、ローラのこと」
「急にどうしたんですか…?」
戸惑うローラを無視して私は続ける。
「けど、違うの。私がローラに抱いている『好き』は友達としてじゃない。そう!私は――」
ローラのことが好き。大好き。好きすぎて、苦しいほどに――!!
「おい。ナタリー・アルディ」
私の告白を遮って、レオン様が私に話しかけてきた。そこには嫉妬の目とか、怒りの色とかは無く、ただ、いつも通りの感情が読めない表情があった。
レオン様は私の恋のライバルだし、ライバルに情けをかける暇なんてレオン様にもないのだろう。
私はレオン様の鋭い目をしっかりと見て、言う。
「レオン様、ローラは貰っていきますね」
私の宣戦布告。ローラは『え?え?何?どういうことですか!?』と、慌てふためいていてとても可愛かった。
「――そうか」
それだけ言って、レオン様は黙っている。……あれ。邪魔しないの……?宣戦布告してきてよ!レオン・メルヴィル!! 私は心の中でそう叫んだ直後。
「俺も、ローラ・クレーヴのこと好きだから」
レオン様は爆弾発言を残して、去っていった。
「え?え?」
状況についていけず、困惑しているローラと――、
「望むところで~す!!」
と、私は大声でそう返事をした。
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