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二章 〜思惑〜
二十三話 『お茶会』
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ドレスの裾を持ち、アシュリーが頭を下げる。そして、顔を上げた彼女は綺麗な微笑みを見せながら、
「お茶会は今日限りですわ。皆さま、ぜひ楽しんでいってくださいね」
アシュリーの言葉に、参加者達は拍手をする。お茶会かー……前世では当然ながら一回もやったことないし、今世では沢山の人ととお茶会するのは初めてだ。
まぁ、お茶会なんてものは主催者が楽しむためのものだ、とリリィに言われた。流石にそれは漫画の知識に偏りすぎじゃね?って思ったけども。
「では、まず紅茶をどうぞ~」
そう言ってアシュリーは参加者達に紅茶の入った容器を持ち、ティーカップへと注いでいく。……主催者が注ぐの?!メイドの仕事じゃないの?!って思ってびっくりしたけど周りの令嬢達は特に驚いた様子もなく、受け取っていることから見るとベルナール家では普通っぽいのかな?
「ありがとうございます、アシュリー」
そう言いながらもカップを受け取り、飲む。うーん、上手い。お茶会を開くだけのことはある。周りを見ても、やはりみんなアシュリーに目を奪われているようだ。まぁ、美人だもんな。
「流石。アシュリー様……本当に素敵……」
「えぇ、羨ましいわ」
女子達がひそひそと会話をしている。確かに、アシュリーは美しい。このままレオン様とお付き合いしないかしらー。そしたらライバルが一人減るのになー。
「アシュリー様が入れる紅茶、すごく美味しいです」
ローラは目を爛々と輝かせながらアシュリー様に話しかけた。……かわいいな。アシュリーは驚いたあと、少し嬉しそうに微笑むと、ありがとうございます、と答えた。はー。本当に可愛い。ローラは天使だからね……うん。
「それで今夜のお茶会は、アシュリーが主催されたのですよね?」
「えぇ、姉がこの前お茶会をしていたので、私もやってみようと思いまして」
「姉……えーと確か……アリシア・ベルナール様、でしたよね?」
ローラが首を傾げる。アリシア・ベルナール…リリィ曰く、スピンオフの主役らしいが、私はまだ彼女を見たことがない。
「そうですわ。姉は優しい人で、私の憧れですの」
淡々とした口調で答えるアシュリー。うわー。嘘くさいなー!だってすごく淡々なんだもん!目に光もないし何より、目が笑ってない!怖いよアシュリー!
「そうなんですね……」
ローラ興味なさそー。まぁ、興味ないよね、うん。アシュリーのお姉様の話なんて。私も興味ないし。
「ま、姉の話なんてどうでも良いことですよね。そんなことより明日のテストについて話しましょう。私、明日はとても重要な日なんです」
笑顔で話題を変えるアシュリー。……確かにテストは大切だね。でも、明日のテストってそんな念を押すほどかー?
「テスト、ですか?明日は筆記テストですが……そんなに重要でしょうか?」
そう、明日は筆記テストで明後日は実技テストなのだ。どっちかと言うと、明日のテストの方が重要だと思うんだけど……
筆記試験は魔法や歴史などの基本的な教科を出題し、自分の勉強してきた力を試すもの。
実技試験は魔法の精度を試したり、実際に魔物と戦うことで自分の実戦経験を積むものだ。
正直言って、私は筆記より実技の方が重要だと思ってるし。
「ええ。とても重要です。私、ニコラス様と争ってるんですよ」
「え?そうだったのですか?」
ローラが驚いたように言う。ニコラス様とライバル関係だったとは……知らなかった。
「と言っても私が勝手にライバル視しているだけですけど。多分、ニコラス様は私のことなんて把握なんてしてないと思いますけどねー」
そう言って自虐的に笑うアシュリー様。ニコラス様は私の婚約者だから何か慌ててフォローしていたけど、私は気にしてなかった。
「えーと、つまりアシュリーはニコラス様のライバルとして、明後日の試験で良い点数を取りたいと」
「まぁ、そういうことになりますねー」
なるほどねー。勝手にこっちがライバル視して、勝手にライバル視してるだけで、あっちは別に何とも思ってない的な感じかー。
「その、アシュリー様なら実技試験も筆記試験も余裕なのでは?」
ローラが不思議そうに首を傾げる。確かに、アシュリー様は天才って言われてるくらいだし、実技試験も筆記試験も余裕な気がする。
「別にそんなのでは……いつも精一杯ですよ」
謙遜?それとも本気で言ってるのか?アシュリー様、なんか読めないんだよな……ポーカーフェイスだし……
「まぁ、とにかく試験は明日ですからね。私、絶対ニコラス様のライバルになるのですよ……!!」
……ライバルになることが目的か。本当に、アシュリー様はニコラス様のことなんて何とも思ってないらしい。まぁ、別に良いけど。私には関係ないし別にいいけど……なんか釈然としないんだよな……
「ナタリー様。大丈夫ですか?」
ローラが私の顔を覗き込んできて私に使ってそう言った。……え?何が?
「……いや、だってナタリー様の婚約者でしょう?ニコラス様」
ヒソヒソと私に耳打ちするローラ。…まぁ、一応婚約者だけど、別にニコラス様のこと気になってないし。
「気を遣ってくれてありがとうね、ローラ。でも、私あの人のこと別に興味ないから」
笑顔でローラに言う。本当にそうだからなぁ。私が興味あるのはローラだけだし。
「そ、そうなんですか?でも、少しは気にしてあげたほうが良いと思いますよ……?」
「大丈夫よ。ニコラス様も私も愛なんてないし、本当に政略結婚だから」
「でも……それでも……ニコラス様はナタリー様の婚約者なんですし……」
心配そうに言ってくれるローラ。本当優しいなぁ。でも、私はそんな感情であのボンクラの心配なんてしたくないから良いんだよー!うん!
「…ま、ありがとうね。そんなことより明日のテスト、頑張ろうね。正直なところね、私……筆記より実技の方が好きなんだよねー」
そう言って話題を変える。とゆうか、今更だけど、テスト前に何呑気にお茶なんて飲んでるんだ。勉強しろ。勉強。
「あー、分かります。実技は身体を動かせるから楽しいですよね」
そんなたわいもない会話をしながら、私たちはお茶会を楽しんだのだった。
「お茶会は今日限りですわ。皆さま、ぜひ楽しんでいってくださいね」
アシュリーの言葉に、参加者達は拍手をする。お茶会かー……前世では当然ながら一回もやったことないし、今世では沢山の人ととお茶会するのは初めてだ。
まぁ、お茶会なんてものは主催者が楽しむためのものだ、とリリィに言われた。流石にそれは漫画の知識に偏りすぎじゃね?って思ったけども。
「では、まず紅茶をどうぞ~」
そう言ってアシュリーは参加者達に紅茶の入った容器を持ち、ティーカップへと注いでいく。……主催者が注ぐの?!メイドの仕事じゃないの?!って思ってびっくりしたけど周りの令嬢達は特に驚いた様子もなく、受け取っていることから見るとベルナール家では普通っぽいのかな?
「ありがとうございます、アシュリー」
そう言いながらもカップを受け取り、飲む。うーん、上手い。お茶会を開くだけのことはある。周りを見ても、やはりみんなアシュリーに目を奪われているようだ。まぁ、美人だもんな。
「流石。アシュリー様……本当に素敵……」
「えぇ、羨ましいわ」
女子達がひそひそと会話をしている。確かに、アシュリーは美しい。このままレオン様とお付き合いしないかしらー。そしたらライバルが一人減るのになー。
「アシュリー様が入れる紅茶、すごく美味しいです」
ローラは目を爛々と輝かせながらアシュリー様に話しかけた。……かわいいな。アシュリーは驚いたあと、少し嬉しそうに微笑むと、ありがとうございます、と答えた。はー。本当に可愛い。ローラは天使だからね……うん。
「それで今夜のお茶会は、アシュリーが主催されたのですよね?」
「えぇ、姉がこの前お茶会をしていたので、私もやってみようと思いまして」
「姉……えーと確か……アリシア・ベルナール様、でしたよね?」
ローラが首を傾げる。アリシア・ベルナール…リリィ曰く、スピンオフの主役らしいが、私はまだ彼女を見たことがない。
「そうですわ。姉は優しい人で、私の憧れですの」
淡々とした口調で答えるアシュリー。うわー。嘘くさいなー!だってすごく淡々なんだもん!目に光もないし何より、目が笑ってない!怖いよアシュリー!
「そうなんですね……」
ローラ興味なさそー。まぁ、興味ないよね、うん。アシュリーのお姉様の話なんて。私も興味ないし。
「ま、姉の話なんてどうでも良いことですよね。そんなことより明日のテストについて話しましょう。私、明日はとても重要な日なんです」
笑顔で話題を変えるアシュリー。……確かにテストは大切だね。でも、明日のテストってそんな念を押すほどかー?
「テスト、ですか?明日は筆記テストですが……そんなに重要でしょうか?」
そう、明日は筆記テストで明後日は実技テストなのだ。どっちかと言うと、明日のテストの方が重要だと思うんだけど……
筆記試験は魔法や歴史などの基本的な教科を出題し、自分の勉強してきた力を試すもの。
実技試験は魔法の精度を試したり、実際に魔物と戦うことで自分の実戦経験を積むものだ。
正直言って、私は筆記より実技の方が重要だと思ってるし。
「ええ。とても重要です。私、ニコラス様と争ってるんですよ」
「え?そうだったのですか?」
ローラが驚いたように言う。ニコラス様とライバル関係だったとは……知らなかった。
「と言っても私が勝手にライバル視しているだけですけど。多分、ニコラス様は私のことなんて把握なんてしてないと思いますけどねー」
そう言って自虐的に笑うアシュリー様。ニコラス様は私の婚約者だから何か慌ててフォローしていたけど、私は気にしてなかった。
「えーと、つまりアシュリーはニコラス様のライバルとして、明後日の試験で良い点数を取りたいと」
「まぁ、そういうことになりますねー」
なるほどねー。勝手にこっちがライバル視して、勝手にライバル視してるだけで、あっちは別に何とも思ってない的な感じかー。
「その、アシュリー様なら実技試験も筆記試験も余裕なのでは?」
ローラが不思議そうに首を傾げる。確かに、アシュリー様は天才って言われてるくらいだし、実技試験も筆記試験も余裕な気がする。
「別にそんなのでは……いつも精一杯ですよ」
謙遜?それとも本気で言ってるのか?アシュリー様、なんか読めないんだよな……ポーカーフェイスだし……
「まぁ、とにかく試験は明日ですからね。私、絶対ニコラス様のライバルになるのですよ……!!」
……ライバルになることが目的か。本当に、アシュリー様はニコラス様のことなんて何とも思ってないらしい。まぁ、別に良いけど。私には関係ないし別にいいけど……なんか釈然としないんだよな……
「ナタリー様。大丈夫ですか?」
ローラが私の顔を覗き込んできて私に使ってそう言った。……え?何が?
「……いや、だってナタリー様の婚約者でしょう?ニコラス様」
ヒソヒソと私に耳打ちするローラ。…まぁ、一応婚約者だけど、別にニコラス様のこと気になってないし。
「気を遣ってくれてありがとうね、ローラ。でも、私あの人のこと別に興味ないから」
笑顔でローラに言う。本当にそうだからなぁ。私が興味あるのはローラだけだし。
「そ、そうなんですか?でも、少しは気にしてあげたほうが良いと思いますよ……?」
「大丈夫よ。ニコラス様も私も愛なんてないし、本当に政略結婚だから」
「でも……それでも……ニコラス様はナタリー様の婚約者なんですし……」
心配そうに言ってくれるローラ。本当優しいなぁ。でも、私はそんな感情であのボンクラの心配なんてしたくないから良いんだよー!うん!
「…ま、ありがとうね。そんなことより明日のテスト、頑張ろうね。正直なところね、私……筆記より実技の方が好きなんだよねー」
そう言って話題を変える。とゆうか、今更だけど、テスト前に何呑気にお茶なんて飲んでるんだ。勉強しろ。勉強。
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