【完結】君に伝えたいこと

花宮

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〜青春編〜

二十話 『爆弾発言』

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心配していた裕介のことも、約束通り誰も話してはいなかったようでホッとした。


そして今日は――、


「いやー、洋介くん。ありがとうね!買い物付き合ってもらって」


羽沢はそう言って笑った。羽沢とは今、体育祭の買い出しだ。応援グッズを買いに来ているのだ。今日は応援うちわとテープを買おうということになったのだが……。


「松岡、大丈夫なの?松岡は応援リーダーだろ?こんなことしていていいのか?」


俺が聞くと、松岡はめちゃくちゃ不機嫌そうな顔をになりながらこう言った。


「いいのよ!応援リーダーなんてやりたくなかったもの!少しぐらいサボっても問題ないでしょ!」


………まぁ、応援リーダーもじゃんけんで負けたらなっただけだしなぁ。


「それに、洋介くんとも一緒にいたかったんでしょ?」


羽沢が松岡を揶揄うように言うと、松岡は慌てた様子を見せた後、


「べ、別にそんなんじゃ……本当にサボりたかっただけなんだから……」


と言ってそっぽを向いてしまった。俺と一緒に?どっちかというと羽沢では?二人は親友だし。


「もうー。素直じゃないんだから~」


羽沢がニヤつきながら言うと、松岡の顔はみるみると赤くなっていく。最終的には耳まで真っ赤になっていき、


「うるさいわね。ほら、早く行くわよ!さっさと選ばないと日が暮れるわよ!」


「はいはい。じゃあ行こうか洋介くん」


「うん」


俺は二人について行き、応援うちわが売っている場所に向かった。100円ショップにも意外と品揃えが豊富だったりするんだよな。


「買うものってうちわとテープだよな?」


「うん。そうだよ~。あとはポンポンかな?」


ポンポン?ああ、あの運動会とかでよく見るアレのことか。あれ、作るの意外と難しいよな……


「中村くんはいいよね。応援リーダーにならなくて。じゃんけんに強くて羨ましいよ」


松岡がため息混じりで言う。確かに、もし俺が応援リーダーになっていたら松岡みたいになってたかもしれないな。指示出すより、買い出しとか雑用の方が楽だしなぁ。


「もうー。瞳ったら。いつまでもグチグチ言わないの!」


羽沢が呆れたような顔をしながら言う。すると、松岡はハッ!と正気に戻って、


「ご、ごめんなさい……。つい愚痴っちゃって……」


と言った。どうやらいつもの調子に戻ったようだ。まぁ、別に気にしてないから謝らなくてもいいんだけどな……それに気持ちは分かるし。


「別にいいよ。誰にだって愚痴る時はあるだろうしさ」


俺の言葉を聞いた松岡は安心した表情を浮かべた後、「ありがとう……」と呟いたときだ。


「あら?中村くんじゃないですか?」


後ろから声をかけられたので振り返るとそこには――、


「石崎さんに笹川さん?何でここに?二人って買い出し班だっけ?」


そうなのだ。そこにいたのは石崎さんと笹川さんの二人で、買い物袋を持っていることから察するに彼女達も買い出しに来たらしい。


「えぇ。私達は体育祭実行委員だから」


なるほど。確かに二人は体育祭実行委員だもんな……実行委員って具体的に何するかは知らないけど、大変なんだろうな。


『つばめさんと二人で、色々と買っていたんです。体育祭の買い出しのついでに夕飯の買い物をしたり』


「良かったらまた来る?中村くん?」


揶揄うようにそう言った石崎さん。……いや、それはちょっと……この前あんなことがあったばかりなのに……もはや、俺にとっては黒歴史みたいなものだし……


「………えー?洋介くん。また……ってことはつばめちゃんの家に行ったの~?」


ニヤニヤしながら聞いてくる羽沢。……こいつ……絶対分かってて言ってるよな……俺が困っている様子を見て楽しんでいるに違いない……。……まぁでも……別に隠す必要もないか……


「ま、まぁ……うん。夕飯をご馳走になった……」


俺が答えると、二人は驚いた様子でこちらを見た。


「へー。そうなんだ~。洋介くん。やっぱり隅には置けないね~」


「……ふーん……。そうなんだ……へぇー……」


松岡は何故かめちゃくちゃ不機嫌になっているし……羽沢もニヤついたままだし………なんか嫌な予感しかしない……


「……ねぇ、洋介くん、今度は私の家に来る?今日もお父さんが出張でいないから……」


……はい?今なんて言いました?……聞き間違い……だよな?


「ちょ、ちょっと待てよ……なんで急にそんな話になるんだよ……」


俺が戸惑っていると、羽沢が俺の腕を掴んできて


「だってー、私、洋介くんのこと好きだもん」


さらっとそう言った言葉に俺は言葉を失った。
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