真紅の髪の女体化少年 ―果てしなき牝イキの彼方に―

中七七三

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その4:牡と牝の間で揺らぐ肢体に加えるメス調教

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「中々、楽しい。良い買い物だったぞ」

 キリシャガは尊大さを隠そうともせず言った。
 いやむしろ、自分が尊大であることを示し、相手に対し然るべき態度をとる人物であることを強要するかのような態度だ。
 それが彼にとって自然な振る舞いになっているのかもしれない。

「お褒めいただき、奴隷商ひとあきない冥利に尽きるという物です」

 これもまた慇懃さ感じさせるまでの態度だ。
 キリシャガが懇意としている奴隷商だった。

「体がメスになっている間、犯しまくった――」
 
 キリシャガは、メイド兼肉奴隷の用意した紅茶を口に含み言った。
  
「ほう、それはそれは――」
「しかし、メスからオスへの変化が始まった」
「まあ、そういう生き物ですからな」
「途中の状態というのも、中々に面白いが…… 無理は出来ん。壊しては元も子もない」
「さすが、お優しいことです。キリシャガ様のような方がご主人である奴隷は幸せでしょうな」
「ふふん、奴隷の幸せか――」

 アバロウニは、周期的に雌有体、雄有体へと肉体が変化する。
 その変化は朝起きたらいきなり性別が変わっていたというものではない。
 その器官が徐々に変化し、そして安定期に入るというものだ。

 アバロウニは今、その途上にあった。
 膣道が収縮し、クリトリスが肥大してきている。
 卵巣は精巣へと機能を切り替え膣道を通り、体の外へと飛び出そうとしていた。
 
 その変化の途上の器官を見るのは、それはそれで興味深いものがあった。
 しかし、どうにも無茶ができる状況に思えない。
 最近は乳首刺激と強制イマラチオ、肥大化したクリトリスを中心とした責めを行っている。

 キリシャガが気にしているのは、この間の快楽が、アバの肉体をどっちの方に固定化していくのかと言う点だ。
 
「あれは、クリトリスから放尿するのだな」
「メス汁も吹きませぬか?」
「おお、そうだな、吹くぞ。イキまくると痙攣させ、クリトリスから汁を噴き出す…… 面白い」

 毎夜繰り返されるメス調教のセックス。
 アバの肉体は牝イキアクメを覚えつつあった。
 しかしだ――
 牝肉と心を隔てる、薄い皮1枚が破れていない。
 
 そして、アバの肉体は雄体化が始まっている。
 今までと同じでは、牝堕ちではなく、オスの快楽を覚えさせてしまうかもしれなかった。
 そこで、奴隷商を呼んだのだ。
 
「でだ―― メス調教のことだが。なにかあるか?」
「はい、キリシャガ様」

 キリシャガは、トンと手に持ったカップを置いて、奴隷商を見やる。
 奴隷商は、会話が商売の方に切り替わったことを理解する。
 彼の銭儲けに特化した頭脳はめまぐるしく動きだす。
『この金持ちはいったい何を望んでいるのか?』とだ。

「中途半端な身体の者に対する調教ですな――」
「まあ、そうだな」
「であるならば――」
「薬は使いたくない。あれは面白くない――」

 キリシャガは先回りして行った。
 媚薬や催淫剤のようなものには頼りたくなかった。
 己の肉体が持つ本来の牡として力で、相手を牝にしたかったからだ。

「さすが、キリシャガ様でございます。と、なりますと―― 道具は?」
「まあ、それは良いだろうさ。今でも足枷、手枷だ。ディルドでも責めている」
「ふむぅ……」

 奴隷商はもったいぶったように考え込む。
 もうすでに、頭の中に答えはあったが、それは商売上の演出だ。
 顧客のために一生懸命、考えていますというポーズだった。

 そんな、奴隷商を口の端に笑みを浮かべ、見つめるキリシャガ。
 銭で動く者は好ましかった。銭がある限り裏切らないからだ。

「でれば、すぐに用意させましょう。メス調教のための新しい道具を――」
「ほう――」
「男の肉を持つ者に、女の快楽を感じさせる。そういった技術も道具もあります」

 奴隷商は手もみをしながらそう言ったのだった。

        ◇◇◇◇◇◇

 アバの部屋の窓から、暖かな陽光が差し込む。
 春の朝の日差しだった。

 手枷、足枷をされ、肥大化しオス器官になろうとしているクリトリスには貞操帯が装着されている。
 すでに、それは肥大化したクリトリスと言うより、貧弱なオス器官というべきものとなっていた。

 アバはベッドの上で身を起こし、窓から外を眺める。
 遠くに湖が見え、深緑の山々には霧がかかっているようだった。

(ボクは…… どうすればいいんだ)

 自由が欲しいと思った。
 ここから逃げたいと思った。
 足枷を見る。とても、自分の力で壊せるものではない。
 そもそも、手枷もされているのだから、無理な話だ。

 そして、首には奴隷の証である首輪が巻かれている。
 武骨な鎖が、彼を繋ぎ止めているのだった。
 部屋の中を動くことはできた。
 
(体が男に戻ろうとしている――)

 彼は自分の胸を見た。
 緩やかなラインを描いて膨らんでいた胸は徐々に薄くなってきている。
 まだ、女性的なラインを残している。
 元々、アバは、男になっても中性的な雰囲気を持っている。
 そして、彼はその自分の身体が好きではなかった。
 ただ、今こうやって、男に戻ろうとする体は、彼の精神こころよすがとなっていた。

(しばらく、アレはない――)

 アレとは、キリシャガによるアバのメス堕ち調教のセックスだった。
 毎夜、あの男の牡器官を身体の奥深くまで叩きこまれた。
 激しい抽送で、なんども声を上げ、そしてアパは男の肉では感じることのできない快感に貫かれた。
 その快感こそが恐怖だった。
 まるで、男としての自分を削り取り、溶かしていくような感覚だった。
 アバの肉体が変化を始め、男としての特徴を色濃くみせるようになってからそれは行われていない。

 ただ、いつやるのかという恐怖は付きまとう。
 夜が来るのが恐怖なのは変わらない。

(アレを欲しくなる―― ボクが……)

 己の肉を貫くキリシャガの肉槍。
 体内に放たれる熱い精液の感覚。

 真紅の髪の頭を振り、その記憶を振り払おうとした。
 嫌悪と屈辱だけじゃない。恐怖――
 自分があれを求めるようになるかもしれないという恐怖が大きかった。

 アバは、肉体は雄体化しても、どこか中性的な印象を残している。
 ただその精神の核は雄体優位の存在だった。
 自分が女になる――
 それは、自分が自分でなくなること。それは死の恐怖に近い。
 
(どうなるんだろう…… ボクは……)

 奴隷狩りに遭い、奴隷の身となった。
 そして、キリシャガに買われた。
 三度の食事は保障されているし、メス調教以外では無理なことは一切しない。
 むしろ、大切に扱われていると言ってよかった。
 身の回りの世話も屋敷の他の奴隷がやってくれた。

 ガチャリとドアが開く音がした。
 アバはビクンと身を震わせ、振り向いた。
 そこには、キリシャガが立っていた。

 陽の沈まぬうちに、彼が来るのは珍しいことだった。

「さあ、散歩だ。屋敷の中だけだがな―― 気晴らしにはなるだろう」

 キリシャガはそう言った。

        ◇◇◇◇◇◇

 首輪から繋がれた鎖は、軽い革製の物に変わった。
 足枷も、歩くことが可能なように右と左を皮ひもで結んだものとなった。
 
 キリシャガに首につながる皮ひもを持たれながら、アバは歩いた。
 そして、広いバルコニーに出た。
 風が吹いている。真紅の髪がふわりと風の中を舞った。
 
 美麗な横顔。大きな瞳がその光景を見つめていた。
 湖畔の豊かな自然の風景だ。
 キリシャガは幾つかの屋敷を所有している。
 アバが暮らしている屋敷はその内のひとつだった。

「なかなか、いい景色だろう――」

 妙に優しげな声でキリシャガが言った。
 毎夜、自分を凌辱した男だ。
 アバにとっては、憎悪を向けるべき相手だった。

 しかし――
 この男に対しては「恐れ」はあっても「憎悪」の気持ちが薄かった。
 その理由は分からない。必死に憎もうと思うことで憎むことができる相手だった。

「なんで、こんな……」

 部屋の窓から見える風景とは全く違う。
 空が見える。風を感じる。
 仮初のものかもしれないが、解放された気分にはなる。

「今日は、ここで楽しもうと思ってな――」
「楽しむ?」

 恐怖だった。
 アバは恐怖に襲われ、全身が固まる。
 キリシャガの「楽しみ」とは、アバに対する凌辱だ。
 そのくらいの察しはつく。

「まあ、そう固くなるな―― オマエを気持ちよくさせてやろうというのだ。いつもの夜のようにな。いやー― それ以上にだ」

 春の風の流れ――
 それが闇の色に染まっていく。
 アバはそのような思いで立ちすくんでいた。

        ◇◇◇◇◇◇

「いやだぁぁ!! やめてくれ! なんで! なんでだぁ!!」

 真紅の髪が乱れ、汗ばんだ白い肌に絡む。
 首を振ったところで、抵抗などできないのだ。

 女の肉奴隷二人に取り押さえられていた。すごい力だった。

 今、彼はクリトリスから、未成熟なオス器官となりつつあるものにユルユルと器具が射し込まれているのだ。
 彼の種族は、クリトリス化してもそこに、尿道が存在する。
 その尿道に細い針金のようなものが挿入されていく。
 そして、精緻な皮細工のベルトで固定された。

「あがはぁあああ―― ああ、あ、ああああ―― あががが――」
「ふふ、尿道の生み出す快楽は男も女も同じか――」

 それは、精液の噴出を強制停止させる拷問具だった。
 尿道内に深く侵入して、痺れるような感覚を生み出す。
 しかし、決して射精することはできない。

 まだ、完全に雄体化していない身体であるが、そこから精子以外の分泌液を噴き出すことはある。
 その噴出も強制的に栓をされた形だった。身の内の生じた激しい性衝動の逃げ道がなくなる。

「もう、目が蕩けてきているな…… なかなか、効果的だ」

 女肉奴隷に抑え込まれ、尿道にプラグを装着されたアバだった。
 ガクガクと身体を震わせ、口の端はらヨダレを垂らす。
 意識が遠のき、視界が白く霞んでいた。

「さて、そこに座らせるんだ」

 キリシャガが、「そこ」に視線を送りながら言った。
 薄れ行く意識の中、アバはその方向を見やる――

(な、な…… なにあれ…… あ、あ、あ、あ、あ――)

 アバはそれがなんであるのかよく分からなかった。
 イスだ。箱のようなイス。
 ただ、そこに、水牛の角で作ったアレがあった。
 いや、あれよりは細いかもしれない――

 脇の下に手を回され、ギュッと身体を持たれた。
 キリシャガの女肉奴隷だ。女とは思えない力で抵抗することができない。
 そのまま、その変なイスに座らせられようとした。
 
「あふぅぅッ――!! お尻、お尻ににぃぃッ!!」

 ひんやりとした水牛の角を加工した張形がアバの排泄器官に振れた。
 そしてグッと、体を押し付けられる。
 ズブズブとそれが身体の中に沈み込んでいった。
 
「あああああああ―― あがッ ああがががッ――」

 叫びながら、白い喉を見せ、顔をのけ反らせるアバ。
 一気に貫かれていた。

「どうだ、そっちの穴ならいつでも使えるだろう?」

 キリシャガが言った。
 そして―― 動いた。アバの身体の中でウネウネとそのモノが動き出したのだ。

 肉奴隷のひとりがイスについているハンドルを回したのだった。
 そのハンドルを回すことで、張形は回転運動と、抽送運動を同時に行う。
 これは、そういったカラクリのイスだった。奴隷商から買ったのだ。

(ふふ、いい反応じゃないか―― これは、これで面白い)

 キリシャガは身体を押さえつけられながらも、ガクガクと震えるアバを見やった。

「どうだ? 素晴らしい風景を見ながら―― 気もち良いだろう?」

「あぅ、あぅぅぅぅ―― やッ! ああああああ―― やらぁぁぁッ―― あ゛あ゛あ゛あ゛」

 アバは身の内に生じた恐るべき感覚に振るえていた。
 それは、まだ体内で、牡化の途上にあった子宮と卵巣を裏から蹂躙するものだった。

(死‥… 死んじゃうぅぅぅ……)

 そしてアバは顎をぐいと握られたのを感じた。
 たまらず、口を開く。ヨダレがツーッと白い肌の上をこぼれ落ちていく。

 ピンク色をした唇が喘ぐような呼気を漏らしていた。
 そこにぶち込まれた。太く硬いオス器官だった。
 キリシャガが、己の物を咥えさせたのだった。

 そして、キリシャガはアバの真紅の髪をグッと掴んだ。
 浅黒い彼の指に真紅の髪が絡みつく。
 ぐいぐいと頭を腰に押し付けられる。熱い温度をもった肉の槍がヌルヌルと喉の奥を犯していく。 
「さあ、上手く舌を使うんだ――」

 牡と牝の揺らぎの中にあったアバの美しい肢体。
 そこに加えられる被虐の快楽。恐怖――

 大自然の中、それに包まれたバルコニーで、メス堕ち調教が続く。
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