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「オマエ、今日でクビ。いらん。マジで」
オレはいきなり勇者に宣告された。
この世界には労働基準法もなければ、そもそも人権意識もほぼ皆無。
異世界だから。
「ダンジョンの奥深くでいきなり…… なんとかなりませんか。旦那ぁぁ~」
オレは思い切り謙ってお願いしてみる。
頭を地面にもぐりこませるくらい土下座をしながらだ。
勇者に見せていない地に伏せた顔。
オレは怒りに震え、歯を食いしばっていた。
なんという、理不尽な仕打ちなのかということだ。
「だって、オマエさぁ、下級職しかつけないし、だからヘボイスキルしかないしなぁ。だからクビ」
ビシッとオレを指差す勇者。
人を指差すときは、残りの三本の指は己に向いているということを知れ。
と、思うが、そんな思いを全く出さず、オレはただ媚びた笑みを浮かべるだけだった。
「そうね。荷物運びと、モンスターの肉を調理してクソ不味い料理をつくるしか能がないし――」
パーティの魔法使いのお姉さままで、酷いことをいう。
露出のおおきな黒服で、大きなおっぱいを揺らす。
全身から童貞の致死量に達するだろうフェロモンを撒き散らすのだから困る。
「ここで、ポアするのも情けというものですね~」
女僧侶が全く生命の尊厳に対し敬意を払うことのない言葉を吐く。
まったくもって、ブラックパーティなのであるが、女メンバーはふたりとも凄い美貌の持ち主で見ているだけで、目の育成状況がよろしくなる感じがする。感じだけだけど。
「とにかく、オマエの装備品、服までオレが金だしているしな、全部持ってくぞ」
「え――――っ!! マジですか!! 勘弁してください!」
「アホウか、当然だろ。オマエなんか、何も持ってないだろ」
というわけで、オレは真っ裸でダンジョンの奥に放置された。
パーティのメンバーは先に進み、オレは追放されてしまったわけだ。
孤独というなの人を蝕む、病がオレの肌からズンズンと浸透してくるのだけど、どうにもならんな――と、いう気分で呆然とするしかなかった。
「ああ、ダンジョンの奥にきたら追放されちまった。どうしよう」
オレは暗闇に向かい、どんよりした目で、棒読みの台詞を言うしかなかった。
オレはいきなり勇者に宣告された。
この世界には労働基準法もなければ、そもそも人権意識もほぼ皆無。
異世界だから。
「ダンジョンの奥深くでいきなり…… なんとかなりませんか。旦那ぁぁ~」
オレは思い切り謙ってお願いしてみる。
頭を地面にもぐりこませるくらい土下座をしながらだ。
勇者に見せていない地に伏せた顔。
オレは怒りに震え、歯を食いしばっていた。
なんという、理不尽な仕打ちなのかということだ。
「だって、オマエさぁ、下級職しかつけないし、だからヘボイスキルしかないしなぁ。だからクビ」
ビシッとオレを指差す勇者。
人を指差すときは、残りの三本の指は己に向いているということを知れ。
と、思うが、そんな思いを全く出さず、オレはただ媚びた笑みを浮かべるだけだった。
「そうね。荷物運びと、モンスターの肉を調理してクソ不味い料理をつくるしか能がないし――」
パーティの魔法使いのお姉さままで、酷いことをいう。
露出のおおきな黒服で、大きなおっぱいを揺らす。
全身から童貞の致死量に達するだろうフェロモンを撒き散らすのだから困る。
「ここで、ポアするのも情けというものですね~」
女僧侶が全く生命の尊厳に対し敬意を払うことのない言葉を吐く。
まったくもって、ブラックパーティなのであるが、女メンバーはふたりとも凄い美貌の持ち主で見ているだけで、目の育成状況がよろしくなる感じがする。感じだけだけど。
「とにかく、オマエの装備品、服までオレが金だしているしな、全部持ってくぞ」
「え――――っ!! マジですか!! 勘弁してください!」
「アホウか、当然だろ。オマエなんか、何も持ってないだろ」
というわけで、オレは真っ裸でダンジョンの奥に放置された。
パーティのメンバーは先に進み、オレは追放されてしまったわけだ。
孤独というなの人を蝕む、病がオレの肌からズンズンと浸透してくるのだけど、どうにもならんな――と、いう気分で呆然とするしかなかった。
「ああ、ダンジョンの奥にきたら追放されちまった。どうしよう」
オレは暗闇に向かい、どんよりした目で、棒読みの台詞を言うしかなかった。
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