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2話

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「やばいな。寒いし、そもそも全裸はコンプライアンス的にアウトではないか?」

 オレはガクガク震えながら独り言をいったりする。
 脳内が孤独に汚染されているのやもしれんと、思ったりもするが、おそらくそうだろう。
 最悪の事態への妄想をニューロン回路が紡ぎだし、オレの不安をかきたてる。
 というか、全裸ダンジョンで不安になるなという方が無理。
 忍者じゃないし。
 伝説の上級職である忍者なら全裸でシャーマン戦車並みの防御力となるらしいが、この例えもよくわからない。
 500メートルくらいから一式47ミリ機動速射砲に打ち抜かれそうだし。

 と、いらぬ妄想をしているばかりではらちがあかないとオレは思った。
 とりあえず、現状確認のため、パラメータを確認した。
 半分「もうどーでもいいかぁ~」という諦めもあったのだけど、他にすることもないのでしてみた。

「ステータスパラメータ、オープン」と、いうと現状のオレのステイタスパラメータと、職業、スキルが表示されるわけである。この点は、よいこの皆のお約束だ。

===========
 職業:無敵の人
 HP:不可説不可説転グーゴルプレックス
 MP:不可説不可説転グーゴルプレックス
 攻撃力:不可説不可説転グーゴルプレックス
 防御力:不可説不可説転グーゴルプレックス
 魔法攻撃力:不可説不可説転グーゴルプレックス
 魔法防御力:不可説不可説転グーゴルプレックス
 幸運:不可説不可説転グーゴルプレックス
 速さ:不可説不可説転グーゴルプレックス
 魅力:不可説不可説転グーゴルプレックス
===========

「なんだこれは!」
『はははは、驚くな無敵の人よ――』

 あまり驚天動地のことに脳が爆裂しそうなほど驚いたオレ。 
 しかも、声まで聞こえてくる始末なので、手に負えない。

『不可説不可説転とは10の37かん乗なのだ』
「え? かんって……」
『10の36乗なのだ』

 オレは考えたつまり、10の後ろに0の数が36個×37つくということか。
 なんだそれは……

『ちなみに、グーゴルプレックスは10の10の100乗乗である』

 もう訳が分からん。
 とにかく遥かかなたまで0が永遠に続く巨大な数ということしか把握できない。
 
『お前は守るべきもの、大事な物も失った。もはや何も恐れるものはない。よって「最強の人」のとなったのだ』

 と言うわけで、なんかのチュートリアルのような説明を聞いて俺は納得。
 つまるところ、俺は「無敵の人」となったのだった。
 ダンジョンの中で最強無双無敵の産声をあげた存在である。
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