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1、変身
二章 運命は時に無情に、そして残酷になる
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「ただいまー」
そう言い放った俺の声に覇気は無い。部屋でぐったりしようと思っていたらー
「光! どこに行っていたの!」
「ん?」
母さんに乱暴に肩を捕まれた。
「い、痛いって母さん」
「あっ、ご、ごめんね」
俺は今日の出来事を話した。
「それがさー、奈桜と遊ぶ約束だったんだけど、奈桜が来なくって」
そう言うと母さんは泣きそうな顔をして、震える声で言った。
「奈桜ちゃんが、奈桜ちゃんが・・・・・・交通事故にあって意識不明だって病院から連絡があったの・・・・・・」
「・・・・・・は?」
「光、これを見て」
母さんはスマホの記事を見せてきた。そこには、十六歳の少女がトラックに轢かれたという記事が載っていた。
被害者は四之宮 奈桜さん・・・・・・俺はそこから記事を読むことを止めた。
「母さん嘘はやめてよ、こういう類の嘘は本当に笑えないから」
俺の今の顔はどうなっているのだろうか。
「ほ、本当よ?」
嘘だ。
「ねえ、早く嘘だって言ってくれよ・・・・・・言ってくれよ!!」
嘘だ。ははははは、笑えない、本当に笑えない。
「母さんも人が悪いな、こんな大掛かりな嘘まで仕掛けて・・・・・・」
「光!」
ビクッ!
俺は普段出さない母さんの大声に驚いた。
「現実を受け入れなさい!!」
「そんな・・・・・・」
じゃあ奈桜は? 奈桜はどうなっているんだよ・・・・・・。
「でも、今なら何とかなるかもしれない」
「・・・・・・え?」
俺は耳を疑った。
「光には信じられないかもしれない、だけど何とかなるの。でも最悪の場合、命をも失うかもしれない」
「そ、その方法って?」
藁にもすがりたい俺にとって、衝撃的な話だった。
「刀剣祭よ」
「と、刀剣祭?」
聞いたことの無い名前だった。
「ええ、でもまずは落ち着いて」
ハンカチを差し出され、俺は自分が泣いていることに気がついた。
そう言い放った俺の声に覇気は無い。部屋でぐったりしようと思っていたらー
「光! どこに行っていたの!」
「ん?」
母さんに乱暴に肩を捕まれた。
「い、痛いって母さん」
「あっ、ご、ごめんね」
俺は今日の出来事を話した。
「それがさー、奈桜と遊ぶ約束だったんだけど、奈桜が来なくって」
そう言うと母さんは泣きそうな顔をして、震える声で言った。
「奈桜ちゃんが、奈桜ちゃんが・・・・・・交通事故にあって意識不明だって病院から連絡があったの・・・・・・」
「・・・・・・は?」
「光、これを見て」
母さんはスマホの記事を見せてきた。そこには、十六歳の少女がトラックに轢かれたという記事が載っていた。
被害者は四之宮 奈桜さん・・・・・・俺はそこから記事を読むことを止めた。
「母さん嘘はやめてよ、こういう類の嘘は本当に笑えないから」
俺の今の顔はどうなっているのだろうか。
「ほ、本当よ?」
嘘だ。
「ねえ、早く嘘だって言ってくれよ・・・・・・言ってくれよ!!」
嘘だ。ははははは、笑えない、本当に笑えない。
「母さんも人が悪いな、こんな大掛かりな嘘まで仕掛けて・・・・・・」
「光!」
ビクッ!
俺は普段出さない母さんの大声に驚いた。
「現実を受け入れなさい!!」
「そんな・・・・・・」
じゃあ奈桜は? 奈桜はどうなっているんだよ・・・・・・。
「でも、今なら何とかなるかもしれない」
「・・・・・・え?」
俺は耳を疑った。
「光には信じられないかもしれない、だけど何とかなるの。でも最悪の場合、命をも失うかもしれない」
「そ、その方法って?」
藁にもすがりたい俺にとって、衝撃的な話だった。
「刀剣祭よ」
「と、刀剣祭?」
聞いたことの無い名前だった。
「ええ、でもまずは落ち着いて」
ハンカチを差し出され、俺は自分が泣いていることに気がついた。
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