百均怪盗ハンドレット

千音 兎輝

文字の大きさ
7 / 17

7.危機

しおりを挟む
「も、もうムリ・・・・・・」
 も、燃え尽きたゼ。
 何とか問題集を三冊解ききった。
「お疲れ様です」
 彩香が冷たい麦茶を注いでくれた。
「さんきゅ」
 麦茶を飲み干し、バックからスマホを出した。
「夕飯も食べていきますか?」
 彩香が魅力的な提案をしてくれた。
「いいの?」
「頑張る人にはご褒美があるのです」
 なんとまあ、優しいんでござんしょ! 彩香神様!
「精一杯頑張らせていただきます!」
 夕飯が楽しみだぜ、ヒャッハー!
 俺がうきうきしているとー
「戒場君、この紙って何なのですか?」
 彩香が持っている紙は屋敷侵入のためのルートが記されたルーズリーフだった。
「あー、それは・・・・・・」
 まさかそれは、忍び込むために用意した屋敷の中の図面ですとは言えない。どうしよ・・・・・・あっ!
 いい言い訳を考えた。どうでもいいけどいい言い訳を考えたって言いにくいな。
「実は今、ラノベを書いているんだ。それで資料として用意したんだ」
「ふーん」
 顔が怪しんでいる。俺は汗を拭こうとハンカチを取り出した。
 すると彩香は顔をひきつらせ、
「そ、それって・・・・・・」
「ん?」
 よく見るとブラジャーだった。
「あっ! こ、これはだな、ベッー」
「キャーッ!!」
 彩香は立てかけてあった木刀で俺をめった打ちしてきた。
「こ、これには理由が・・・・・・ガクッ」
 


 俺が目を覚ましたのは十分後だった。

「ごめんなさいです!」 
 すげー勢いで謝られた。
「元は私がベットに置き忘れたのがいけないんです。本当にごめんなさい」
 こんなに謝られるとこっちが悪いことをされたように感じてしまう。
「別にいいよ、本当に悪いのは俺だから。慌ててポケットに入れなかったら良かったんだから」
 いやはや本当に申し訳ない。俺はこの気持ちでいっぱいだ。
「ただいまー」
 どうやらだれか帰ってきたようだ。
「えっ!? 何で帰ってきたのですか!?」
 彩香が慌てている。どうやら俺がいるとマズいようだ。
「帰ったほうが良い?」
 彩香にこそっとつぶやいた。
「あー、大丈、夫です、たぶん」
「たぶんかよ」
 こんな時間まで男を家に置いていて良いと言う親はいないだろう。
「あら、誰か来てるの?」
 終夜君ぴーんち! マズいぞこれは。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜

来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。 望んでいたわけじゃない。 けれど、逃げられなかった。 生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。 親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。 無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。 それでも――彼だけは違った。 優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。 形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。 これは束縛? それとも、本当の愛? 穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

『出来損ない』と言われた私は姉や両親から見下されますが、あやかしに求婚されました

宵原リク
恋愛
カクヨムでも読めます。 完結まで毎日投稿します!20時50分更新 ーーーーーー 椿は、八代家で生まれた。八代家は、代々あやかしを従えるで有名な一族だった。 その一族の次女として生まれた椿は、あやかしをうまく従えることができなかった。 私の才能の無さに、両親や家族からは『出来損ない』と言われてしまう始末。 ある日、八代家は有名な家柄が招待されている舞踏会に誘われた。 それに椿も同行したが、両親からきつく「目立つな」と言いつけられた。 椿は目立たないように、会場の端の椅子にポツリと座り込んでいると辺りが騒然としていた。 そこには、あやかしがいた。しかも、かなり強力なあやかしが。 それを見て、みんな動きが止まっていた。そのあやかしは、あたりをキョロキョロと見ながら私の方に近づいてきて…… 「私、政宗と申します」と私の前で一礼をしながら名を名乗ったのだった。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

貴方の側にずっと

麻実
恋愛
夫の不倫をきっかけに、妻は自分の気持ちと向き合うことになる。 本当に好きな人に逢えた時・・・

処理中です...