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五、放鳥
(三)
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「気がついたか?」
その声に、うっすら戻ってきた意識が、ハッキリと覚醒へと向かう。
「――皇子?」
驚き、体を起こそうとするけど、すっげえ頭痛い。ガンガンする。煙を吸い込んだせいだ。
「寝ていろ」
手で頭を押さえてもグラグラしたので、言われるままにおとなしく体を横たえる。
(オレ、生き延びたんだな……)
いつの間にか自分に馴染んだ、見慣れた天井の模様にそんなことを思う。ここは、オレにあてがわれた室。皇宮で治癒師として働くために用意された室。
あの蔵子の火事。あそこからオレを助けてくれたのはこの皇子とジェスだ。どうやってここまで運ばれたのかは知らねえけど、二人が助けてくれたことだけはボンヤリ覚えている。
煤と砂まみれだった衣も着替えさせられ、傷もちゃんと手当してある。
日は暮れているのだろう。暗い室にほんのりと灯された明かりが、陰影を作り出す。
「……すまなかった」
絞り出された皇子の声。
「きみをこんな目に遭わせてしまった」
謝りながらも、オレと視線を合わせることを避けた皇子。明かりに照らされた横顔が、苦しそうに歪められた。
もしかして、この一件も自分のせいだと思ってる? 自分のせいで、オレが危険な目に遭ったと?
「謝るな!」
体を起こし、その両頬を両手でべシーンと挟んで向き直させる。
「リュカ……」
「この事件はお前のせいじゃねえ! だから謝るな!」
驚く皇子の青い目を覗き込む。
「そりゃあ、お前があのゴロツキを雇ってあんなことをしたのなら、どんだけでも謝ってもらうし、ぶん殴らせてもらうけどな! そうじゃなければ、お前が謝る必要はどこにもねえんだよ!」
「でも、僕のせいできみは……」
「だから、お前のせいじゃねえって!」
叫んだら、皇子の青い目がフワリと揺れた。
「でも、僕のせいでみんな傷ついていくんだ。ライゼルだって……」
「ライゼル?」
「セイハの同僚だ。三年前、僕が襲われた時に、僕をかばって死んだんだ」
揺れたのは溢れた涙のせい。皇子の目からツッと涙が流れ落ちた。声も肩も、全てが震える。
「僕の周りにいる者は、みんな死んでいく。母上もお祖母様もライゼルも……。きみだってそうだ。僕はみんなを死なせる。僕なんて、生まれてきちゃいけなかったんだ」
「ばっかやろっ! んなわけあるかっ!」
再びその頬を叩いて、うつむきかけた顔を持ち上げる。
「生まれてきちゃいけねえ、生きてちゃいけねえって誰が決めるんだよ! 神様か? そもそも生まれてきちゃいけねえって言うのなら、お前の両親に文句を言え、両親に!」
「リュカ……」
「いいか、人ってのはな、両親がそういうことをしなきゃ生まれないんだよ。だからお前が生まれた責任は、お前の親にあるんだよ!」
木の股から人は生まれない。男女の営みがあって、子は生まれる。
「そして生まれたからには、その生はお前のもんだ。誰かが決めていいもんじゃねえ。お前の体が『疲れた』って心の臓を止めるまで、お前は生きていいだよ。お前の命の年限を決めるのは、お前とお前の体だ。ほかの誰かじゃねえ」
言い切ってから、ようやく皇子の頬を手放す。
「でも、僕が生きているせいで争いが……」
「それもお前のせいじゃねえ。道端にウンコが落ってたとして。それを踏んづけて悪態つかれてもウンコのせいじゃねえんだよ。悪いのはそこに用足していったやつの責任だ。ウンコは堂々とそこに落ちていればいいんだ」
「僕はウンコか」
「そうだ。踏まれても悪態つかれてもそこにある、でっかいでっかいウンコだ」
笑おうとして失敗し、涙をボロボロこぼした皇子。
(コイツ、こんなに思い詰めてたのか)
もしかしたら、オレを近づけようとしなかったのも、これが原因だったのかもしれない。
皇宮に来て知ったことだけど、皇子の周りには、極端に人が少ない。第二皇子であるジェスの周りにはうんざりするぐらいお付きがいたのに、皇子の周りにはオッサンぐらいしかいなかった。
皇太子であっても不遇の皇子だから。寄るべきもののない悲運の皇子だから。そう思っていたけど、もしかしたらコイツ自身が人を遠ざけていたのかもしれない。
もう誰も死なせないために。誰も巻き込まれないために。
女装を言い出したのだって、そう言えばオレが遠ざかると思ったから。
(ほんと、不器用なやつ)
責任感強すぎで、大きな悩みを抱えているのに、誰かに頼ることがトコトン不器用で。強がるくせに、どこか脆くて。
「リュッ、リュカ?」
気づいたら、その頭を思いっきり抱き寄せてた。ついでにその背中をポンポンッと叩いて慰める。泣きたい時ぐらい、こんな時ぐらい思いっきり泣け。オレじゃ頼りにならねえかもしれねえけど、そばにいてやるからさ。
皇子も、驚きはしたけど、嫌がるでもなくオレの胸に頬を寄せ続けた。
静かに。とても静かに泣くために。
涙が、薄いオレの衣に染み入る。
「そうだ、皇子。腹減ってねえか?」
皇子の涙が落ち着いたのを見計らって問いかける。
「お腹?」
「オレ、結構減ってるんだけど。よければ一緒になんか食わねえか? 最高にうめえもん作ってやるよ――って、お前、ケガしてるのか?」
よく見れば、皇子の白い頬に赤い筋。
「刀傷か?」
皇子の顎を持ち上げ、よく観察する。目の下あたりから、顎にかけて赤く血の滲んだ痕。オレを助けたときにでもついたのだろうか。
「たいしたことない」
皇子がそっぽ向く。
「たいしたことないわけねえだろ。せっかくそんなキレイな顔してるのに。もっと大事にしろよな」
傷が残ったらもったいねえだろ。
「まあ、ここまでスッパリ切れてるんだったら、きれいに治るだろ。切り傷ってのは、ほかの傷よりも痕が残りにくいんだよ」
切った断面がスッパリしてるほど、痕が残らない。そして治りも早い。
「治癒師バカだな、きみは」
「一流の、名治癒師さまと呼べ。お前専属の、お前のすべてを癒す治癒師さまだ」
言ってニッと笑うと、皇子もつられて笑った。けど皇子は、目を細めた拍子に流れた涙が傷に触れたらしく、少しだけ顔を歪めた。
「――リュカッ!」
(うおわっ!)
バンッと勢いよく開かれた扉。飛び込んできたのはジェス。その姿に、あわてて皇子から手を離す。男と男が見つめ合ってるなんて恥ずかしいとこ見られてたまるか! ……って、今のオレ、姫だったわ。まあ、それでも恥ずかしいっちゃあ恥ずかしい、きまりの悪い場面だけど。
「お前、ケガはっ!? もう起きていいのか?」
「ああ。問題ねえ。心配かけたな」
床に駆け寄ってきたジェス。その頭を撫でてやる。
「お前もオレを助けるのに力を貸してくれたんだよな。ありがとな」
「……なあ、リュカって本当に姫なのか?」
え?
「その言葉遣い」
「えー、ああ。ホホホ。つい下街ぐらしの頃の癖が出てしまっただけですわ。ホホホホホ……」
あわてて取り繕うけど。
「ウソくさい……」
胡散臭げにジェスの目が細められ、ルーシュンが深くため息を漏らした。
その声に、うっすら戻ってきた意識が、ハッキリと覚醒へと向かう。
「――皇子?」
驚き、体を起こそうとするけど、すっげえ頭痛い。ガンガンする。煙を吸い込んだせいだ。
「寝ていろ」
手で頭を押さえてもグラグラしたので、言われるままにおとなしく体を横たえる。
(オレ、生き延びたんだな……)
いつの間にか自分に馴染んだ、見慣れた天井の模様にそんなことを思う。ここは、オレにあてがわれた室。皇宮で治癒師として働くために用意された室。
あの蔵子の火事。あそこからオレを助けてくれたのはこの皇子とジェスだ。どうやってここまで運ばれたのかは知らねえけど、二人が助けてくれたことだけはボンヤリ覚えている。
煤と砂まみれだった衣も着替えさせられ、傷もちゃんと手当してある。
日は暮れているのだろう。暗い室にほんのりと灯された明かりが、陰影を作り出す。
「……すまなかった」
絞り出された皇子の声。
「きみをこんな目に遭わせてしまった」
謝りながらも、オレと視線を合わせることを避けた皇子。明かりに照らされた横顔が、苦しそうに歪められた。
もしかして、この一件も自分のせいだと思ってる? 自分のせいで、オレが危険な目に遭ったと?
「謝るな!」
体を起こし、その両頬を両手でべシーンと挟んで向き直させる。
「リュカ……」
「この事件はお前のせいじゃねえ! だから謝るな!」
驚く皇子の青い目を覗き込む。
「そりゃあ、お前があのゴロツキを雇ってあんなことをしたのなら、どんだけでも謝ってもらうし、ぶん殴らせてもらうけどな! そうじゃなければ、お前が謝る必要はどこにもねえんだよ!」
「でも、僕のせいできみは……」
「だから、お前のせいじゃねえって!」
叫んだら、皇子の青い目がフワリと揺れた。
「でも、僕のせいでみんな傷ついていくんだ。ライゼルだって……」
「ライゼル?」
「セイハの同僚だ。三年前、僕が襲われた時に、僕をかばって死んだんだ」
揺れたのは溢れた涙のせい。皇子の目からツッと涙が流れ落ちた。声も肩も、全てが震える。
「僕の周りにいる者は、みんな死んでいく。母上もお祖母様もライゼルも……。きみだってそうだ。僕はみんなを死なせる。僕なんて、生まれてきちゃいけなかったんだ」
「ばっかやろっ! んなわけあるかっ!」
再びその頬を叩いて、うつむきかけた顔を持ち上げる。
「生まれてきちゃいけねえ、生きてちゃいけねえって誰が決めるんだよ! 神様か? そもそも生まれてきちゃいけねえって言うのなら、お前の両親に文句を言え、両親に!」
「リュカ……」
「いいか、人ってのはな、両親がそういうことをしなきゃ生まれないんだよ。だからお前が生まれた責任は、お前の親にあるんだよ!」
木の股から人は生まれない。男女の営みがあって、子は生まれる。
「そして生まれたからには、その生はお前のもんだ。誰かが決めていいもんじゃねえ。お前の体が『疲れた』って心の臓を止めるまで、お前は生きていいだよ。お前の命の年限を決めるのは、お前とお前の体だ。ほかの誰かじゃねえ」
言い切ってから、ようやく皇子の頬を手放す。
「でも、僕が生きているせいで争いが……」
「それもお前のせいじゃねえ。道端にウンコが落ってたとして。それを踏んづけて悪態つかれてもウンコのせいじゃねえんだよ。悪いのはそこに用足していったやつの責任だ。ウンコは堂々とそこに落ちていればいいんだ」
「僕はウンコか」
「そうだ。踏まれても悪態つかれてもそこにある、でっかいでっかいウンコだ」
笑おうとして失敗し、涙をボロボロこぼした皇子。
(コイツ、こんなに思い詰めてたのか)
もしかしたら、オレを近づけようとしなかったのも、これが原因だったのかもしれない。
皇宮に来て知ったことだけど、皇子の周りには、極端に人が少ない。第二皇子であるジェスの周りにはうんざりするぐらいお付きがいたのに、皇子の周りにはオッサンぐらいしかいなかった。
皇太子であっても不遇の皇子だから。寄るべきもののない悲運の皇子だから。そう思っていたけど、もしかしたらコイツ自身が人を遠ざけていたのかもしれない。
もう誰も死なせないために。誰も巻き込まれないために。
女装を言い出したのだって、そう言えばオレが遠ざかると思ったから。
(ほんと、不器用なやつ)
責任感強すぎで、大きな悩みを抱えているのに、誰かに頼ることがトコトン不器用で。強がるくせに、どこか脆くて。
「リュッ、リュカ?」
気づいたら、その頭を思いっきり抱き寄せてた。ついでにその背中をポンポンッと叩いて慰める。泣きたい時ぐらい、こんな時ぐらい思いっきり泣け。オレじゃ頼りにならねえかもしれねえけど、そばにいてやるからさ。
皇子も、驚きはしたけど、嫌がるでもなくオレの胸に頬を寄せ続けた。
静かに。とても静かに泣くために。
涙が、薄いオレの衣に染み入る。
「そうだ、皇子。腹減ってねえか?」
皇子の涙が落ち着いたのを見計らって問いかける。
「お腹?」
「オレ、結構減ってるんだけど。よければ一緒になんか食わねえか? 最高にうめえもん作ってやるよ――って、お前、ケガしてるのか?」
よく見れば、皇子の白い頬に赤い筋。
「刀傷か?」
皇子の顎を持ち上げ、よく観察する。目の下あたりから、顎にかけて赤く血の滲んだ痕。オレを助けたときにでもついたのだろうか。
「たいしたことない」
皇子がそっぽ向く。
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「まあ、ここまでスッパリ切れてるんだったら、きれいに治るだろ。切り傷ってのは、ほかの傷よりも痕が残りにくいんだよ」
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言ってニッと笑うと、皇子もつられて笑った。けど皇子は、目を細めた拍子に流れた涙が傷に触れたらしく、少しだけ顔を歪めた。
「――リュカッ!」
(うおわっ!)
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え?
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