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このたび、あこがれ騎士さまの妻になりました。
第5話 そうだ、パイを焼こう!!
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……はあ。
王宮での仕事を終え、帰路につく。と言っても、まだ明るい時間。街はまだ賑わいを見せ、道は行き交う人であふれている。
そんななかを、わたしは自分の住処となったエディルさまのお家まで歩いていく。
こんな早い時間に帰れるのは、王妃さまのお計らいだ。
「仮にも主婦なんだから、家のこと、しっかりやらなきゃね~」なんて言って、わたしを他の先輩たちより早く上がらせる。
(どうしよう……)
王宮であったことを思い出し、ため息をくり返す。
王妃さまに申し上げた、「やはりこの結婚、なかったことにしてください」発言。
最後まで言えなかったし、聞かれたかどうかは微妙な部分があるけど……。
(やっぱり、ちゃんと弁明したほうがいいのかな……)
でも、聞こえてなかったのなら、改めてわざわざ言う必要はないだろうし。聞こえてしまってたのなら、どういう理由でなかったことにして欲しいのか説明したい。
(でも、エディルさま、一言もそれに触れなかったのよね)
あの時交わした会話は、陛下の花が迷惑かどうか。
花を贈りすぎなんじゃないのか、贈られすぎて花を飾るわたしが迷惑していないか、それだけだった。
迷惑じゃないし、そこまで王妃さまを想っていらっしゃることをうれしい、喜ばしいって伝えはしたけど。
(問題は、そこじゃないのよ……)
わたしがエディルさまとの結婚をなかったことにして欲しい理由。
それは、エディルさまが、家でゆっくり休めなくなっているから。
エディルさまは、結婚という名の同居が始まって以来、一度も家で休まれたことがない。王宮での仕事が忙しいからと、家で夕食はともにするものの、その後は、王宮に戻られて宿直をされておられる。
(あれって、絶対嘘だよね)
いくら護衛で忙しいからって、毎晩の宿直はあり得ない。陛下の護衛は、エディルさまだけでこなす任務じゃない。交替する者も存在する。それなのに、毎晩のように宿直をなさるのは、わたしが家に居るから。王妃さまの命令で迎えざるをえなかった妻。そんな妻がいたら、家でも休むこともできない。だからって、わたしを無下に追い出すこともできず、代わりに自分が王宮に詰めていらっしゃる。職務が忙しいからと、エディルさまはおっしゃってるけど、そうでないことぐらい、わたしにだってわかっている。
王妃さまから命じられ、無理矢理押し付けられた妻であっても、敬意を払って接してくださる。
エディルさまは、そういうお方だ。優しくて、気遣いのできるお方。陛下は、「気難しい」とかなんとか評価されていらしたけど、そこに「優しい、配慮のできる」というのをつけ加えておきたい。
そのエディルさまの優しさにつけこんで、のうのうと彼の家で暮らすのは、間違ってる気がするし、心苦しい。
もし万が一、わたしとエディルさまが王妃さまのおっしゃるようにお似合いなのだとしても、もう少し時間をかけてゆっくりとお互いを知ってから結婚したかった。命じられて一緒に暮らすのは、違うと思う。
(今のままじゃ、「妹」にしか見えないし……)
もう少し時間が経てば膨らむかもしれない胸を見下ろす。
ストーンッと、足元までよく見える大きさ。
十七歳、結婚できる歳になったといっても、まだまだ未発達な部分の多い身体。背の低さとあいまって、昔っから一つ二つ、歳を下に見られることも多い。
王妃さまのようにお美しく、女性らしい身体つきなら、もう少し胸を張ってエディルさまに嫁ぐこともできたのに。
エディルさまにつり合うだけの容姿。
アンナさんたちに、「妻」じゃなく「妹」って言ったら、違和感なく受け入れられた。つまり、わたしは「妻」には見えない、せいぜい「妹」が相応しい容姿なんだろう。
(ダメだ、ダメだ。こんな悪いことばっかり考えてちゃ)
ブンブンッと頭をふって、思考を切り替える。
嫌なことばっかり考えてたら、気分も塞いじゃうもんね。
(ってことで、ゴハン、ゴハン。今日は、なにを作ろっかな~)
幸い、早くに帰らせていただいてるおかげで、エディルさまが戻っていらっしゃるまでには、まだ時間がある。国王陛下のお花贈り攻撃(!?)を心配してくださったエディルさまのためにも、ここは一つ、腕をふるって美味しい料理を用意したいんだけど――。
ちょうど街の市場に差し掛かったところで、足を止める。
う~ん。何を作ろう。
エディルさまの好みとか知らないから、いっつも自分の好きなものを作っちゃうんだけど。
(どれもすべて召し上がってくださるからなあ~)
「マズい」とか「好きじゃない」って言われないのはいいけど、好きなものを作って差し上げたい場合、どうしたらいいんだろう。
「おや、リリーじゃないか。今日は、もう仕事、終わったのかい?」
「ああ、アンナさん、こんにちは」
「買い物かい?」
「ええ、まあ。ちょっと夕飯をどうしようか、迷ってて……」
買い物に来たのであろうアンナさん。やや大ぶりなカゴを持った彼女との会話は、まるでデキる主婦の仲間入りしたようで、ちょっとこそばゆい。
「そうだ、アンナさん。パイとか焼いたりすることってありますか?」
「パイ?」
「ええ。久しぶりにパイでも焼きたいなって思ったんですけど……。あの官舎って、かまど、ないですよね。だから、どうしてるのかなって思って……」
官舎は、同じような間取りの家が連なる長屋。それは、騎士の身分、家族構成を問わず一緒で、どの家もかまど兼暖炉しかついていないはずだ。
かまど兼暖炉は、煮込んだり焼いたりはできるけど、パイを焼くのに適しているかと言われるとかなり微妙。フライパンを火にかけ焼くことはできるけど、できることなら窯を使って焼きたい。
エディルさまに感謝を込めてって考え、一番に思いついたのが"ミートパイ”だった。
ひき肉と、玉ねぎマッシュルームを刻んで、トマトソースといっしょに入れたミートパイ。サクッとした食感と、お肉の旨みがたまらない一品。
亡き祖母から教わったわたしの得意料理だし、気にかけてくださったお礼に、作って差し上げたいんだけど……。
「ああ、それなら、パン屋にでもお願いしたらいいよ」
「パン屋?」
「そうさ。パン屋にちょっと駄賃を払って窯を借りたらいいんだ」
そんなこと、できるの?
祖父母が生きていたころ暮らしていた家には窯がついていたので、そういうところで借りるという発想がなかった。
驚くわたしを連れて、アンナさんがパン屋に入っていく。
「いらっしゃい……って、なんだ、アンナさんかい。買い忘れたもんでもあったか?」
「違うよ。この子に窯を貸してもらえないか、相談に来たんだよ」
「窯ぁ~?」
「パイを焼きたいんだってさ。ほら、ウチの官舎に窯はないからね」
パン屋の主とアンナさんは懇意の仲なのか、店主と客というより、友だちに近い話し方をしていた。年頃も、アンナさんと同じぐらいだろう。上背があって、ガッシリした体格だけど、人好きのする顔が印象的な人だった。
「なるほどなぁ。窯ぐらい貸してやってもいいけど……嬢ちゃん、エライな。母ちゃんの手伝いでもしてるのか?」
か、母ちゃんの手伝いっ!?
カウンター越し、ニコニコと笑うパン屋の主。「母ちゃんの手伝いをしてえらいな、ガキンチョ」っていう、感心と慈しみの笑み。
わたし、妻どころか、母ちゃんの手伝い扱いなんだ。
ちょっとショック。
これで、「一応、結婚してますけど?」なんて言ったら、どんな顔されるんだろ。
「で? そのパイは作ってきたのかい?」
「いえ、まだ……」
だって、作れるかどうかもわからなかったし。そもそも仕事帰りだし。
「じゃあ、仕込んでから持ってきな。パンと一緒でよければ焼いてやるよ」
王宮での仕事を終え、帰路につく。と言っても、まだ明るい時間。街はまだ賑わいを見せ、道は行き交う人であふれている。
そんななかを、わたしは自分の住処となったエディルさまのお家まで歩いていく。
こんな早い時間に帰れるのは、王妃さまのお計らいだ。
「仮にも主婦なんだから、家のこと、しっかりやらなきゃね~」なんて言って、わたしを他の先輩たちより早く上がらせる。
(どうしよう……)
王宮であったことを思い出し、ため息をくり返す。
王妃さまに申し上げた、「やはりこの結婚、なかったことにしてください」発言。
最後まで言えなかったし、聞かれたかどうかは微妙な部分があるけど……。
(やっぱり、ちゃんと弁明したほうがいいのかな……)
でも、聞こえてなかったのなら、改めてわざわざ言う必要はないだろうし。聞こえてしまってたのなら、どういう理由でなかったことにして欲しいのか説明したい。
(でも、エディルさま、一言もそれに触れなかったのよね)
あの時交わした会話は、陛下の花が迷惑かどうか。
花を贈りすぎなんじゃないのか、贈られすぎて花を飾るわたしが迷惑していないか、それだけだった。
迷惑じゃないし、そこまで王妃さまを想っていらっしゃることをうれしい、喜ばしいって伝えはしたけど。
(問題は、そこじゃないのよ……)
わたしがエディルさまとの結婚をなかったことにして欲しい理由。
それは、エディルさまが、家でゆっくり休めなくなっているから。
エディルさまは、結婚という名の同居が始まって以来、一度も家で休まれたことがない。王宮での仕事が忙しいからと、家で夕食はともにするものの、その後は、王宮に戻られて宿直をされておられる。
(あれって、絶対嘘だよね)
いくら護衛で忙しいからって、毎晩の宿直はあり得ない。陛下の護衛は、エディルさまだけでこなす任務じゃない。交替する者も存在する。それなのに、毎晩のように宿直をなさるのは、わたしが家に居るから。王妃さまの命令で迎えざるをえなかった妻。そんな妻がいたら、家でも休むこともできない。だからって、わたしを無下に追い出すこともできず、代わりに自分が王宮に詰めていらっしゃる。職務が忙しいからと、エディルさまはおっしゃってるけど、そうでないことぐらい、わたしにだってわかっている。
王妃さまから命じられ、無理矢理押し付けられた妻であっても、敬意を払って接してくださる。
エディルさまは、そういうお方だ。優しくて、気遣いのできるお方。陛下は、「気難しい」とかなんとか評価されていらしたけど、そこに「優しい、配慮のできる」というのをつけ加えておきたい。
そのエディルさまの優しさにつけこんで、のうのうと彼の家で暮らすのは、間違ってる気がするし、心苦しい。
もし万が一、わたしとエディルさまが王妃さまのおっしゃるようにお似合いなのだとしても、もう少し時間をかけてゆっくりとお互いを知ってから結婚したかった。命じられて一緒に暮らすのは、違うと思う。
(今のままじゃ、「妹」にしか見えないし……)
もう少し時間が経てば膨らむかもしれない胸を見下ろす。
ストーンッと、足元までよく見える大きさ。
十七歳、結婚できる歳になったといっても、まだまだ未発達な部分の多い身体。背の低さとあいまって、昔っから一つ二つ、歳を下に見られることも多い。
王妃さまのようにお美しく、女性らしい身体つきなら、もう少し胸を張ってエディルさまに嫁ぐこともできたのに。
エディルさまにつり合うだけの容姿。
アンナさんたちに、「妻」じゃなく「妹」って言ったら、違和感なく受け入れられた。つまり、わたしは「妻」には見えない、せいぜい「妹」が相応しい容姿なんだろう。
(ダメだ、ダメだ。こんな悪いことばっかり考えてちゃ)
ブンブンッと頭をふって、思考を切り替える。
嫌なことばっかり考えてたら、気分も塞いじゃうもんね。
(ってことで、ゴハン、ゴハン。今日は、なにを作ろっかな~)
幸い、早くに帰らせていただいてるおかげで、エディルさまが戻っていらっしゃるまでには、まだ時間がある。国王陛下のお花贈り攻撃(!?)を心配してくださったエディルさまのためにも、ここは一つ、腕をふるって美味しい料理を用意したいんだけど――。
ちょうど街の市場に差し掛かったところで、足を止める。
う~ん。何を作ろう。
エディルさまの好みとか知らないから、いっつも自分の好きなものを作っちゃうんだけど。
(どれもすべて召し上がってくださるからなあ~)
「マズい」とか「好きじゃない」って言われないのはいいけど、好きなものを作って差し上げたい場合、どうしたらいいんだろう。
「おや、リリーじゃないか。今日は、もう仕事、終わったのかい?」
「ああ、アンナさん、こんにちは」
「買い物かい?」
「ええ、まあ。ちょっと夕飯をどうしようか、迷ってて……」
買い物に来たのであろうアンナさん。やや大ぶりなカゴを持った彼女との会話は、まるでデキる主婦の仲間入りしたようで、ちょっとこそばゆい。
「そうだ、アンナさん。パイとか焼いたりすることってありますか?」
「パイ?」
「ええ。久しぶりにパイでも焼きたいなって思ったんですけど……。あの官舎って、かまど、ないですよね。だから、どうしてるのかなって思って……」
官舎は、同じような間取りの家が連なる長屋。それは、騎士の身分、家族構成を問わず一緒で、どの家もかまど兼暖炉しかついていないはずだ。
かまど兼暖炉は、煮込んだり焼いたりはできるけど、パイを焼くのに適しているかと言われるとかなり微妙。フライパンを火にかけ焼くことはできるけど、できることなら窯を使って焼きたい。
エディルさまに感謝を込めてって考え、一番に思いついたのが"ミートパイ”だった。
ひき肉と、玉ねぎマッシュルームを刻んで、トマトソースといっしょに入れたミートパイ。サクッとした食感と、お肉の旨みがたまらない一品。
亡き祖母から教わったわたしの得意料理だし、気にかけてくださったお礼に、作って差し上げたいんだけど……。
「ああ、それなら、パン屋にでもお願いしたらいいよ」
「パン屋?」
「そうさ。パン屋にちょっと駄賃を払って窯を借りたらいいんだ」
そんなこと、できるの?
祖父母が生きていたころ暮らしていた家には窯がついていたので、そういうところで借りるという発想がなかった。
驚くわたしを連れて、アンナさんがパン屋に入っていく。
「いらっしゃい……って、なんだ、アンナさんかい。買い忘れたもんでもあったか?」
「違うよ。この子に窯を貸してもらえないか、相談に来たんだよ」
「窯ぁ~?」
「パイを焼きたいんだってさ。ほら、ウチの官舎に窯はないからね」
パン屋の主とアンナさんは懇意の仲なのか、店主と客というより、友だちに近い話し方をしていた。年頃も、アンナさんと同じぐらいだろう。上背があって、ガッシリした体格だけど、人好きのする顔が印象的な人だった。
「なるほどなぁ。窯ぐらい貸してやってもいいけど……嬢ちゃん、エライな。母ちゃんの手伝いでもしてるのか?」
か、母ちゃんの手伝いっ!?
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わたし、妻どころか、母ちゃんの手伝い扱いなんだ。
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