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このたび、あこがれ騎士さまの妻になりました。
第6話 結婚報告!?
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「――ミス・フォレットッ!!」
「エディルさま?」
夕闇時、足元もハッキリしないような暗さのなか、家の扉に手をかけたわたしの後ろから、聞こえてきたのはエディルさまの声だった。
「よかった。家に戻ったら、姿が見えなかったので」
「ああ、すみません。さっきまでパン屋さんでパイを焼かせてもらってたんです」
「パイ?」
「ええ。今日の夕飯にと思って」
軽く手にしていたカゴを持ち上げてみせる。近づいてきたエディルさまの表情が、あきらかにホッとしたものに変わった。
「すみません。ご心配をおかけしました」
「いや。それならいいんです。それなら……」
わたしの帰りが遅くなったことを心配して捜してくれたんだろう。その額には、少し汗が滲んていた。息もかすかに弾んでいる。ついさっきまで走っていた証拠だ。
申し訳ないけど、ちょっとだけうれしい。
「官舎のかまどでは、パイが焼けませんから。アンナさんに教えていただいて、近所のパン屋さんの窯をお借りしてたんです」
わたしの焼いたパイは二つ。一つはわたしたちの夕飯用、もう一つは、窯を貸してくれたパン屋さんと紹介してくれたアンナさんへのお礼。半分こして、それぞれに渡して帰る途中だった。
「家のかまどでは、焼けないのですか?」
「そうですね。ちょっと火加減とか難しいですから」
火の上に鍋やフライパンを置いて調理するしかないので、焼き加減に難がある。
「本当は窯代として1シリング必要なんだそうですけど、今回は初めてだし、特別にってタダで使わせていただいちゃいました」
正確には、「母ちゃんの手伝いえらいな、ご褒美だ」でタダだったんだけど。それを言うと、わたしがチビでガキに見られてることまで説明しなくちゃいけなくなるので黙っておく。
「ここに人たちはみんな親切で優しくて。感謝してもしたりないぐらいです」
わたしも王都育ちだけど、祖父母の家のあった場所はこことは離れている。あちらの人が特別不親切だったわけじゃなく、わたしが子どもだったから、そういう大人のやり取りをよく知らなかっただけだ。祖父母が亡くなってからは、王宮の侍女の部屋で先輩たちと暮らしてたし。
街にこういう親切なやり取りがあることを知り、あらためて自分が大人になったこと、いつでに言えば結婚したことに思い至る。家のことを担う立場にならなかったら、こういうことに気づかなかっただろう。
「シチューも作ってありますから、さっそくですが夕飯にいたしましょう」
ちょっと饒舌気味に話して家に入る。
久々に上手くパイが焼けたこと、それと心配してもらったことで、気分が上がってるのかもしれない。
パイ作りと並行して作ったシチュー。パン屋に焼きに行ってる時間、さすがに冷めていたので、もう一度かまどに火をくべ温め直す。その間にパイを切り分け、食卓に並べる。
人の窯を借りて焼くなんて初めてのことだったけど、サクッと上手く焼けているようだった。
温め直したシチューを皿に盛り、並べると同時に食卓に着く。
エディルさまと向かい合って座る席。ある程度慣れたとはいえ、やはり緊張する。
「では」と軽く感謝の言葉を述べ、エディルさまの手がパイへとのびる。一緒に焼いたパイ。パン屋さんもアンナさんも喜んでい受け取ってくれたけど――。
「――美味しい。美味しいです、ミス・フォレット」
パイを咀嚼し、嚥下したエディルさま。
その言葉と緩んだ頬に、わたしの肩から力が抜ける。
よかった。お口に合ったんだ。
「そのパイ、わたしの亡き祖母直伝の味なんです」
「祖母君の?」
「ええ。わたし、物心つく前に両親を亡くして。王宮に上がる前は、父方の祖父母がわたしを育ててくれたんです」
両親のいなくなったわたしを育ててくれた祖父母。祖父は十三の時に、祖母は十五の時に亡くなったけど、それまでは深く愛情をかけて養ってくれた。わたしが王妃さま付きの花師としてやってこれたのも、パイ作りをはじめ家事をこなせるのも、すべて祖父母のおかげだ。
「よい祖父母君だったのですね」
「そうですね……」
両親はいなかったけれど、幸せに育ててもらったと思う。
パイを齧るたび、祖父母との思い出が胸にせまってくる。
「お二人の墓は、王都に?」
「ええ。都の外れに」
「では、次の休みにでも、お墓に連れていっていただけませんか?」
「え?」
「一度、キチンと報告に上がりたいと思っていたのです」
* * * *
ほ、報告って――っ!!
エディルさまの提案に驚くしかないわたし。
だって。だってね。
(そんなの、本当に結婚したみたいじゃないっ!!)
わたしの結婚は、あくまで(仮)であって。泉下の祖父母に報告するようなもんじゃないと思うのよ。
――仮の夫婦として暮らして、じっくりわかり合う。
そういう、王妃さまからの命令なんだもん。
それなのに。
二人そろって取れた休日の朝。
王都の外れにある教会墓地。そこに小さな花束を二つ持ったエディルさま。二つ並んで建つ祖父母の墓の前に膝を折り、花束を供える。
(やっぱり、カッコいいなあ~)
不謹慎かもしれないけど、墓に向かって瞑目するエディルさまの横顔は、凛々しくてカッコいい。こんなステキな人がダンナさまだなんて、(仮)でしかないけど、お祖父ちゃんもお祖母ちゃんもきっと驚くだろうなあ。
今も、墓の下で目を丸くしてるに違いない。リリーに何があったんだって。
「さて。今日、これから何か予定は?」
立ち上がったエディルさまが問う。
「いえ。特にないですけど」
墓を参りたいというエディルさまの希望に合わせて休みを取ったけど、特にその後のことなんて考えていなかった。強いて言うなら、「お布団干したかったな~」とか、「またパイでも焼きたいな~」ぐらいのやることはあったけど、別に、「絶対!!」と言うわけじゃないので、予定というほどのものはない。
「なら、これから一緒に街に出かけませんか?」
へ? 街?
「先日のパイのお礼がしたいので、つき合ってくれませんか?」
「エディルさま?」
夕闇時、足元もハッキリしないような暗さのなか、家の扉に手をかけたわたしの後ろから、聞こえてきたのはエディルさまの声だった。
「よかった。家に戻ったら、姿が見えなかったので」
「ああ、すみません。さっきまでパン屋さんでパイを焼かせてもらってたんです」
「パイ?」
「ええ。今日の夕飯にと思って」
軽く手にしていたカゴを持ち上げてみせる。近づいてきたエディルさまの表情が、あきらかにホッとしたものに変わった。
「すみません。ご心配をおかけしました」
「いや。それならいいんです。それなら……」
わたしの帰りが遅くなったことを心配して捜してくれたんだろう。その額には、少し汗が滲んていた。息もかすかに弾んでいる。ついさっきまで走っていた証拠だ。
申し訳ないけど、ちょっとだけうれしい。
「官舎のかまどでは、パイが焼けませんから。アンナさんに教えていただいて、近所のパン屋さんの窯をお借りしてたんです」
わたしの焼いたパイは二つ。一つはわたしたちの夕飯用、もう一つは、窯を貸してくれたパン屋さんと紹介してくれたアンナさんへのお礼。半分こして、それぞれに渡して帰る途中だった。
「家のかまどでは、焼けないのですか?」
「そうですね。ちょっと火加減とか難しいですから」
火の上に鍋やフライパンを置いて調理するしかないので、焼き加減に難がある。
「本当は窯代として1シリング必要なんだそうですけど、今回は初めてだし、特別にってタダで使わせていただいちゃいました」
正確には、「母ちゃんの手伝いえらいな、ご褒美だ」でタダだったんだけど。それを言うと、わたしがチビでガキに見られてることまで説明しなくちゃいけなくなるので黙っておく。
「ここに人たちはみんな親切で優しくて。感謝してもしたりないぐらいです」
わたしも王都育ちだけど、祖父母の家のあった場所はこことは離れている。あちらの人が特別不親切だったわけじゃなく、わたしが子どもだったから、そういう大人のやり取りをよく知らなかっただけだ。祖父母が亡くなってからは、王宮の侍女の部屋で先輩たちと暮らしてたし。
街にこういう親切なやり取りがあることを知り、あらためて自分が大人になったこと、いつでに言えば結婚したことに思い至る。家のことを担う立場にならなかったら、こういうことに気づかなかっただろう。
「シチューも作ってありますから、さっそくですが夕飯にいたしましょう」
ちょっと饒舌気味に話して家に入る。
久々に上手くパイが焼けたこと、それと心配してもらったことで、気分が上がってるのかもしれない。
パイ作りと並行して作ったシチュー。パン屋に焼きに行ってる時間、さすがに冷めていたので、もう一度かまどに火をくべ温め直す。その間にパイを切り分け、食卓に並べる。
人の窯を借りて焼くなんて初めてのことだったけど、サクッと上手く焼けているようだった。
温め直したシチューを皿に盛り、並べると同時に食卓に着く。
エディルさまと向かい合って座る席。ある程度慣れたとはいえ、やはり緊張する。
「では」と軽く感謝の言葉を述べ、エディルさまの手がパイへとのびる。一緒に焼いたパイ。パン屋さんもアンナさんも喜んでい受け取ってくれたけど――。
「――美味しい。美味しいです、ミス・フォレット」
パイを咀嚼し、嚥下したエディルさま。
その言葉と緩んだ頬に、わたしの肩から力が抜ける。
よかった。お口に合ったんだ。
「そのパイ、わたしの亡き祖母直伝の味なんです」
「祖母君の?」
「ええ。わたし、物心つく前に両親を亡くして。王宮に上がる前は、父方の祖父母がわたしを育ててくれたんです」
両親のいなくなったわたしを育ててくれた祖父母。祖父は十三の時に、祖母は十五の時に亡くなったけど、それまでは深く愛情をかけて養ってくれた。わたしが王妃さま付きの花師としてやってこれたのも、パイ作りをはじめ家事をこなせるのも、すべて祖父母のおかげだ。
「よい祖父母君だったのですね」
「そうですね……」
両親はいなかったけれど、幸せに育ててもらったと思う。
パイを齧るたび、祖父母との思い出が胸にせまってくる。
「お二人の墓は、王都に?」
「ええ。都の外れに」
「では、次の休みにでも、お墓に連れていっていただけませんか?」
「え?」
「一度、キチンと報告に上がりたいと思っていたのです」
* * * *
ほ、報告って――っ!!
エディルさまの提案に驚くしかないわたし。
だって。だってね。
(そんなの、本当に結婚したみたいじゃないっ!!)
わたしの結婚は、あくまで(仮)であって。泉下の祖父母に報告するようなもんじゃないと思うのよ。
――仮の夫婦として暮らして、じっくりわかり合う。
そういう、王妃さまからの命令なんだもん。
それなのに。
二人そろって取れた休日の朝。
王都の外れにある教会墓地。そこに小さな花束を二つ持ったエディルさま。二つ並んで建つ祖父母の墓の前に膝を折り、花束を供える。
(やっぱり、カッコいいなあ~)
不謹慎かもしれないけど、墓に向かって瞑目するエディルさまの横顔は、凛々しくてカッコいい。こんなステキな人がダンナさまだなんて、(仮)でしかないけど、お祖父ちゃんもお祖母ちゃんもきっと驚くだろうなあ。
今も、墓の下で目を丸くしてるに違いない。リリーに何があったんだって。
「さて。今日、これから何か予定は?」
立ち上がったエディルさまが問う。
「いえ。特にないですけど」
墓を参りたいというエディルさまの希望に合わせて休みを取ったけど、特にその後のことなんて考えていなかった。強いて言うなら、「お布団干したかったな~」とか、「またパイでも焼きたいな~」ぐらいのやることはあったけど、別に、「絶対!!」と言うわけじゃないので、予定というほどのものはない。
「なら、これから一緒に街に出かけませんか?」
へ? 街?
「先日のパイのお礼がしたいので、つき合ってくれませんか?」
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