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巻の三十一、蒼穹に舞う鳥、野に咲く花
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蒼穹に隼が舞う。
優雅に。雄大に。勇壮に。
黒と白の羽根は、とても美しく空に映える。
「おおーっ! 久しぶりだが、なかなかのもんだな」
新緑の草むら。そのなかの少し開けた場所で。隣に立った少年が、空を見上げる。
「あー、うっ、あー」
「おお、そうだぞ。あれがお前の親父の隼だ」
少年の肩には、幼い男児。少年と同じように空を舞う隼を見るが。
「コラッ、イテっ! 髪っ、掴むな! ハゲるっ! エイジュ!」
興奮する子に髪を引っ掴まれ、少年が涙目になる。
「いらっしゃい、エイジュ」
その様子に、クスクス笑いながらも、我が子、エイジュを抱き取る。
「ああー、うっ、あー」
「そうね。隼ね。カッコいいわね」
わたしが抱いても、まだ空を指さして隼に興奮している息子。
「言ってる意味、わかんのかよ」
イテテと、髪を撫でさすりながら、少年が問う。
「なんとなく、ね」
まだちゃんとした言葉を発せない息子だけど。それでも言いたいことはなんとなく察せる。
空を舞う隼。
あの時、庚申の市で見た時、彼と約束したこと。
――彼の故郷で空を舞う隼を見る。
ここは、皇族所有の狩り場で。彼の故郷というわけじゃないけど。
それでも、こうして夢を叶えたと思う。
――本当は、もっと早くにキミに見せるつもりだったんだが。
彼はわたしを皇后にしてすぐ、その祝祭も兼ねて鷹狩りを催すつもりだったらしい。
けど、結婚してすぐにわたしの懐妊がわかったから。殺生を行う鷹狩りは延期とされた。
「まあ、あんだけ抱けば子の一人や二人、簡単にできちまうよな」
は、ハクエイ。
セイランはもちろんのこと、ハクエイも、エイジュの誕生をものすごく喜んでくれた。
――子が生まれたら、必ず。
そして、エイジュが一歳となる今日、結婚、出産、誕生日という三つの祝いを重ねて、盛大に鷹狩りが催された。臣下はもちろん、その家族も参加しての鷹狩りだ。
そこで、彼が、自分の秘蔵の隼を飛ばして見せてくれた。
いつもなら、お昼寝してる頃なのに。外にいるからか、それとも隼を見ているからか、ちっとも眠らずに、逆に興奮してる息子。こういう時、やっぱり男の子なんだなと実感する。
「リファ! エイジュ!」
こちらに向けて駆けてくる馬。それに合わせるように、先程まで飛んでいた隼が滑空して馬に近づく。
「どうだった?」
息を弾ませ、馬から降りた夫。
わたしと息子の感想に期待してるのか。目がとってもキラキラしてる。
「とても素晴らしゅうございました」
「あー、うあー」
その夫に、抱っこをせがむように、エイジュが手を伸ばす。促されるまま、息子を抱き上げる夫。わたしが、この日のために仕立てた衣を着た二人。
その隣で、止まる腕を失った隼。困ったように、二、三回羽ばたきをくり返す。
それがまた楽しいのか、エイジュが「キャーッ」と声を上げた。
「ヨッ!」
察したのか、素早く自分の腕に布を巻いて、隼を止まらせてあげたのはハクエイ。
「珍しいわね」
アナタに、動物が懐くなんて。
ハクエイは、普段少年の姿をしてるけど、その本性は虎。それも神獣白虎。
人にはわからなくても、動物にはわかってしまうみたいで、屈強な軍馬ですら彼を恐れて近づかない。
「コイツは、オイラが餌をあげて育ててやったからな」
上手く飛んだご褒美にと、ハクエイが腰につけていた袋から取り出した生の肉を隼にあげる。
鷹狩りの鷹(隼)たちは、獲物を捕まえる扶けはするが、その獲物を野生のままに食らうことはできない。代わりに、そうやって人から餌をもらう。のだけど。
ついでに、もう一切れ取り出して、あーんと自分の口に運んだハクエイ。
「……う~ん。やっぱ肉は焼いたほうが旨えな」
「コラ! お行儀悪いわよ」
エイジュが真似したらどうするのよ。
この子、なんでも真似するんだから。特に、大好きなアンタのことなら絶対。
子を産んでみてわかったのだけど、ハクエイはとても子ども好きの性分だった。
子がむずがれば、乳母より早くすっ飛んできてあやす。一度抱っこしたら、なかなか手放さない溺愛っぷり。面倒見のいいお兄ちゃんって感じ。
今も頼んだわけじゃないのに、ずっとエイジュを肩車してくれていた。
「リファ」
彼がわたしの名を呼んで、近くに控えてた者たちに目配せを送る。
近づいてきた侍女、スーメイとミリャン。
あの時、別の勤め先を探してた二人を、彼はわたしの侍女として雇い入れてくれた。気心知れた侍女がいれば、暮らしやすいだろうということだったのだけど。
最初は、「皇后っ!? あたしたちがどうしてそのような方の侍女にっ!?」ってひっくり返りそうなぐらい驚いてたけど、皇后がわたしだと知って、今では筆頭侍女として、頑張ってくれている。
その二人が、すべてを察し、彼の腕のなかにいたエイジュを引き受ける。
「あー」
抱いてくれたスーメイが嫌いなわけじゃないけど、エイジュが不満の声を上げる。
「残念だったな。お前の父ちゃんは母ちゃんをご所望なんだ」
そのエイジュの頭を、いたずらっぽくハクエイが撫でた。
「カッコいいとこ、見せたいんだよ。母ちゃんに」
カッコいいとこ? ――って。
「きゃあっ!」
ガシッと抱き上げられたわたしの体。
「よくわかってるじゃないか、ハクエイ」
朗らかな彼の声が背中に響く。
気がつけばわたし、彼といっしょに馬に乗ってる?
視界が高い。エイジュを抱くスーメイたちが、見下ろす形でそこにいる。
「お前の狭量さ、ネエちゃんへの溺愛っぷりは、嫌ってほど知ってるんだよ」
隼を腕に止まらせたまま、ニッとハクエイが笑う。
「なら、しばらく息子のことは任せた!」
「きゃああっ!」
「ハッ!」と掛け声をあげると同時に、馬を疾走させた彼。
座らされてるだけのわたしは、振り落とされないように、彼にしがみつくしかない。
「ハハハッ!」
なにがおかしいのよぉ。
すっごく怖いんだからね!
*
「ここは……」
走らせることしばらく。
馬は、紫色の花、菫の咲き乱れる丘に着いた。
「これも、キミに見せたかったんだ」
ともに馬から降りた彼が言う。
「これを、わたしに……?」
「ここは、亡き父と母の思い出の地なんだ。父はここで母に愛を誓ったのだそうだ。もう記憶もおぼろげだが。父は狩りに来るたび、ここに立っていた。母を偲んでいたんだろうな」
「そう……なんだ」
見たこともないのに、なんとなくその情景が思い浮かぶ。
この菫の咲く丘で。愛しい女性と誓いを交わす皇子。そして、亡き妻を偲ぶためにここに立つ皇帝。
遠く切ない、セイランの両親の姿。
(わたし。必ず彼を幸せにします)
これまでも。これからも。
彼が「もうたくさんだ」って言うぐらい、ずっと愛していきます。彼が求めてくれる限り、彼に寄り添っていこうと思います。
あの時、わたしのいる裏門の戸を叩いてくれた彼。
親にも見捨てられたわたしを助けてくれた彼。
戸を開いて、入ってきたのが彼でよかった。彼がわたしの夫でよかった。心の底から、そう思っているから。
「セイラン、愛してるわ」
気持ちが溢れ出る。
結い上げたわたしの髪には、彼が贈ってくれた赤珊瑚の簪。
圧し折られた簪を、彼が直して、もう一度贈ってくれた。
皇后には相応しくない安い簪。でも、コウ・セイランの妻には相応しい簪。
この簪と同じで、彼への想いは、どんなことがあっても折れることなく貫く覚悟。
「リファ……」
どちらからともなく抱きしめ合い、見つめ、口づけを交わす。
戸を開けたことで始まった、この恋。この運命。
長く、長く。彼といっしょに生きていけますように。
誓うように口づけるわたしたちの足元で、紫の花が、そよと風に揺れた。
優雅に。雄大に。勇壮に。
黒と白の羽根は、とても美しく空に映える。
「おおーっ! 久しぶりだが、なかなかのもんだな」
新緑の草むら。そのなかの少し開けた場所で。隣に立った少年が、空を見上げる。
「あー、うっ、あー」
「おお、そうだぞ。あれがお前の親父の隼だ」
少年の肩には、幼い男児。少年と同じように空を舞う隼を見るが。
「コラッ、イテっ! 髪っ、掴むな! ハゲるっ! エイジュ!」
興奮する子に髪を引っ掴まれ、少年が涙目になる。
「いらっしゃい、エイジュ」
その様子に、クスクス笑いながらも、我が子、エイジュを抱き取る。
「ああー、うっ、あー」
「そうね。隼ね。カッコいいわね」
わたしが抱いても、まだ空を指さして隼に興奮している息子。
「言ってる意味、わかんのかよ」
イテテと、髪を撫でさすりながら、少年が問う。
「なんとなく、ね」
まだちゃんとした言葉を発せない息子だけど。それでも言いたいことはなんとなく察せる。
空を舞う隼。
あの時、庚申の市で見た時、彼と約束したこと。
――彼の故郷で空を舞う隼を見る。
ここは、皇族所有の狩り場で。彼の故郷というわけじゃないけど。
それでも、こうして夢を叶えたと思う。
――本当は、もっと早くにキミに見せるつもりだったんだが。
彼はわたしを皇后にしてすぐ、その祝祭も兼ねて鷹狩りを催すつもりだったらしい。
けど、結婚してすぐにわたしの懐妊がわかったから。殺生を行う鷹狩りは延期とされた。
「まあ、あんだけ抱けば子の一人や二人、簡単にできちまうよな」
は、ハクエイ。
セイランはもちろんのこと、ハクエイも、エイジュの誕生をものすごく喜んでくれた。
――子が生まれたら、必ず。
そして、エイジュが一歳となる今日、結婚、出産、誕生日という三つの祝いを重ねて、盛大に鷹狩りが催された。臣下はもちろん、その家族も参加しての鷹狩りだ。
そこで、彼が、自分の秘蔵の隼を飛ばして見せてくれた。
いつもなら、お昼寝してる頃なのに。外にいるからか、それとも隼を見ているからか、ちっとも眠らずに、逆に興奮してる息子。こういう時、やっぱり男の子なんだなと実感する。
「リファ! エイジュ!」
こちらに向けて駆けてくる馬。それに合わせるように、先程まで飛んでいた隼が滑空して馬に近づく。
「どうだった?」
息を弾ませ、馬から降りた夫。
わたしと息子の感想に期待してるのか。目がとってもキラキラしてる。
「とても素晴らしゅうございました」
「あー、うあー」
その夫に、抱っこをせがむように、エイジュが手を伸ばす。促されるまま、息子を抱き上げる夫。わたしが、この日のために仕立てた衣を着た二人。
その隣で、止まる腕を失った隼。困ったように、二、三回羽ばたきをくり返す。
それがまた楽しいのか、エイジュが「キャーッ」と声を上げた。
「ヨッ!」
察したのか、素早く自分の腕に布を巻いて、隼を止まらせてあげたのはハクエイ。
「珍しいわね」
アナタに、動物が懐くなんて。
ハクエイは、普段少年の姿をしてるけど、その本性は虎。それも神獣白虎。
人にはわからなくても、動物にはわかってしまうみたいで、屈強な軍馬ですら彼を恐れて近づかない。
「コイツは、オイラが餌をあげて育ててやったからな」
上手く飛んだご褒美にと、ハクエイが腰につけていた袋から取り出した生の肉を隼にあげる。
鷹狩りの鷹(隼)たちは、獲物を捕まえる扶けはするが、その獲物を野生のままに食らうことはできない。代わりに、そうやって人から餌をもらう。のだけど。
ついでに、もう一切れ取り出して、あーんと自分の口に運んだハクエイ。
「……う~ん。やっぱ肉は焼いたほうが旨えな」
「コラ! お行儀悪いわよ」
エイジュが真似したらどうするのよ。
この子、なんでも真似するんだから。特に、大好きなアンタのことなら絶対。
子を産んでみてわかったのだけど、ハクエイはとても子ども好きの性分だった。
子がむずがれば、乳母より早くすっ飛んできてあやす。一度抱っこしたら、なかなか手放さない溺愛っぷり。面倒見のいいお兄ちゃんって感じ。
今も頼んだわけじゃないのに、ずっとエイジュを肩車してくれていた。
「リファ」
彼がわたしの名を呼んで、近くに控えてた者たちに目配せを送る。
近づいてきた侍女、スーメイとミリャン。
あの時、別の勤め先を探してた二人を、彼はわたしの侍女として雇い入れてくれた。気心知れた侍女がいれば、暮らしやすいだろうということだったのだけど。
最初は、「皇后っ!? あたしたちがどうしてそのような方の侍女にっ!?」ってひっくり返りそうなぐらい驚いてたけど、皇后がわたしだと知って、今では筆頭侍女として、頑張ってくれている。
その二人が、すべてを察し、彼の腕のなかにいたエイジュを引き受ける。
「あー」
抱いてくれたスーメイが嫌いなわけじゃないけど、エイジュが不満の声を上げる。
「残念だったな。お前の父ちゃんは母ちゃんをご所望なんだ」
そのエイジュの頭を、いたずらっぽくハクエイが撫でた。
「カッコいいとこ、見せたいんだよ。母ちゃんに」
カッコいいとこ? ――って。
「きゃあっ!」
ガシッと抱き上げられたわたしの体。
「よくわかってるじゃないか、ハクエイ」
朗らかな彼の声が背中に響く。
気がつけばわたし、彼といっしょに馬に乗ってる?
視界が高い。エイジュを抱くスーメイたちが、見下ろす形でそこにいる。
「お前の狭量さ、ネエちゃんへの溺愛っぷりは、嫌ってほど知ってるんだよ」
隼を腕に止まらせたまま、ニッとハクエイが笑う。
「なら、しばらく息子のことは任せた!」
「きゃああっ!」
「ハッ!」と掛け声をあげると同時に、馬を疾走させた彼。
座らされてるだけのわたしは、振り落とされないように、彼にしがみつくしかない。
「ハハハッ!」
なにがおかしいのよぉ。
すっごく怖いんだからね!
*
「ここは……」
走らせることしばらく。
馬は、紫色の花、菫の咲き乱れる丘に着いた。
「これも、キミに見せたかったんだ」
ともに馬から降りた彼が言う。
「これを、わたしに……?」
「ここは、亡き父と母の思い出の地なんだ。父はここで母に愛を誓ったのだそうだ。もう記憶もおぼろげだが。父は狩りに来るたび、ここに立っていた。母を偲んでいたんだろうな」
「そう……なんだ」
見たこともないのに、なんとなくその情景が思い浮かぶ。
この菫の咲く丘で。愛しい女性と誓いを交わす皇子。そして、亡き妻を偲ぶためにここに立つ皇帝。
遠く切ない、セイランの両親の姿。
(わたし。必ず彼を幸せにします)
これまでも。これからも。
彼が「もうたくさんだ」って言うぐらい、ずっと愛していきます。彼が求めてくれる限り、彼に寄り添っていこうと思います。
あの時、わたしのいる裏門の戸を叩いてくれた彼。
親にも見捨てられたわたしを助けてくれた彼。
戸を開いて、入ってきたのが彼でよかった。彼がわたしの夫でよかった。心の底から、そう思っているから。
「セイラン、愛してるわ」
気持ちが溢れ出る。
結い上げたわたしの髪には、彼が贈ってくれた赤珊瑚の簪。
圧し折られた簪を、彼が直して、もう一度贈ってくれた。
皇后には相応しくない安い簪。でも、コウ・セイランの妻には相応しい簪。
この簪と同じで、彼への想いは、どんなことがあっても折れることなく貫く覚悟。
「リファ……」
どちらからともなく抱きしめ合い、見つめ、口づけを交わす。
戸を開けたことで始まった、この恋。この運命。
長く、長く。彼といっしょに生きていけますように。
誓うように口づけるわたしたちの足元で、紫の花が、そよと風に揺れた。
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