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凍てつく夜も、暖かい夜も
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大学からの帰り道、君へメールを送るかどうか迷っている。昨日も同じような事を考えていた。でも、勇気が出なくてメールを送ることは出来なかった。情け無い。ただ情け無い。
君と僕が出会ったのは、大学のテニスサークルだった。初めて君を見たとき、美しいと感じた。この時は、何の下心もなく、ただ純粋に美しいと感じた。恐らく、僕の子供のような無邪気な部分が反応したためだろう。そして君への恋愛感情が芽生えるのは、それからすぐだった。君と会話をしているうちに、君の魅力の虜になってしまった。物事をはっきりと言う性格。この部分は、僕が今まで出会った女の子にはあまり無かった特徴だったので、かなり印象が良かった。そして、一番魅力的だと思った部分。それは言葉で表現するのは、とても難しい。だが、頑張って言葉に表してみようと思う。太陽と言ったら少し違うのだが、彼女には光り輝くものがあった。瞳が純粋な美しさを持っていたと言えばいいのだろうか。街を歩いていて、すれ違う人々とは全く異なるオーラを放っていた。だめだ。上手に表現できない。とにかく、彼女のそんな魅力的なところが大好きだ。しかし、この想いを彼女に素直に伝えられるような僕ではない。
僕は恋愛というものを知らない。大学三回生になった今迄、僕は恋愛未経験で生きてきた。もちろん、彼女が欲しく無かった訳ではないのだが、昔からの恥ずかしがり屋という性格のため、様々な恋心が時間の経過とともに、叶わぬ夢となり、儚く散っていった。だが、その恋心は桜が散るように綺麗に散っていった訳ではない。全ての恋心が後悔というものを残していった。それはそれは辛いものだった。枕を濡らした夜も、幾つかあったと記憶している。そして今回、彼女を好きになった。僕は彼女に想いを伝えようと思った。もちろん、簡単にはいかない。何しろ全てが初めてだからだ。何をすれば良いのかさえ、分からず、ただ時間が足早に走り去っていく。僕は追いかける。走り去る時間に負けないように。でも、いつもあと少しで届きそうなところで、石につまづいてしまう。そして、その痛みに泣いてしまう。傷口は小さくない。血が溢れるように噴き出してくる。真っ赤な海が見えている。そして僕の意識は少しずつ消えていく。
今日、彼女にメールを送った。遂に送ってしまった。まずは一言、
「明日の授業終わりって、空いてたりするかな?」
それに対する彼女返信は、
「人違いじゃない?」あまりにも冷たい。傷口さえも凍ってしまうほどだ。拒絶された訳ではないのだが、僕は少なからずショックをうける。次にどういう返信をすればいいんだろう。一度、冷静になるためにシャワーを浴びる。水は僕の迷いを少しずつ流してくれたみたいだった。
「人違いなんかじゃないよ、空いてたりするかな?」
「普通に用事あるんだけど」何という冷たい返信。シャワーを浴びて温まったはずの僕の身体は、すぐに凍ってしまった。何か大事なものが凍ってしまうのが、自分でも理解できた。もう無理だ。
「オッケー、ありがとうね。」文面だけを見れば、大した用事ではないかのように見せておく。あぁ、辛い。青春の一枚に恋を書き記すことは、どうやら叶いそうにない。僕には恋愛など、向いていないのだろう。もういいんだ。今日は早く寝よう。そして夢の中で君に別れを告げよう。
君が部屋に入って来る。僕は手足を動かすことはできない。目で君を追う。君は少しずつ僕に近づいてくる。足音を立てないように、ゆっくりと。ゆっくりと。君は僕の布団をめくる。そして数十秒動きを止める。何を考えているんだろうか。僕には理解できない。君は僕の隣に座り込む。そして僕のパジャマの下を、ゆっくりと下ろしていく。声を出したい。だが、声は出ない。君は僕のパンツにも手をかける。焦らすようにゆっくりとゆっくりと僕のパンツを下ろしていく。そして僕のペニスを両手で包み込む。君の手の温もりを感じる。君はそのまま、また数十秒動きを止める。温かい。そして心地良い。まるで、ペニスだけを温泉に入れているように温かい。僕はペニスが勃起していくのを感じる。恥ずかしい。でも君は何も反応しない。そして両手でペニスを包み込んまま、上下に運動させていく。どんどん勃起していく。僕にはそれを止めることは出来ない。君は少し笑顔を見せる。その笑顔を見た途端、ペニスが一気に膨張し、爆発を起こしそうになる。僕は目で君に、止めてと訴えかける。でも君は微笑を浮かべたまま、首を左右に振り、運動を止めない。そして僕のペニスは我慢の限界とともに、爆発を起こす。それは今までに経験したことのない程の快楽だった。爆発は一回では止まらず、立て続けに数回起きる。君は笑顔を浮かべている。そして何も言い残すことなく、蜃気楼のように、ふわっと消えていく。僕は君ともう少し、時間をともにしたいと思う。でも、身体は動くことなく、目で君を見送ってしまう。どっと汗が噴き出す。
電話が鳴る音で目を醒ます。額の汗を拭い、電話に出る。テニスサークルの友人の俊からだった。
「なんだよ、こんな早くに」と、冗談を話すような口調で俊に問いかける。しかし俊からは、言葉がない。
「おい、俊、なんかのドッキリか?」と、もう一度、俊に先ほどと同じような口調で話しかける。
「実は…」俊が、かなり重たい口調で口を開く。
「奈津美が亡くなった…」
僕は一分ほど、沈黙する。俊の言葉の意味が分からなかった。頭をフル回転させて、理解しようとする。
「奈津美ってテニスサークルの奈津美?」
「馬鹿、それ以外どの奈津美がいるんだよ。」やっぱり僕の頭で考えて出した結論と、残念ながら合っていたようだった。
「でも奈津美は夜中に…」と言いかけた。だが、うまく話せない。目の前が潤んでくる。そんなのおかしいよ。だって、奈津美は夜中に僕の部屋に来たはずなのに。僕に笑顔を見せてくれたのに。一旦、電話を切り、トイレに向かう。トイレが凄く遠く感じられた。トイレに着き、座り込む。なんだか、パンツが濡れていて気持ち悪い。そして冷たい。傷口が大きく開いていくのが分かる。血が噴き出す。目の前が真っ暗になる。ここは何処だろう。僕は知らない真っ暗な部屋に閉じ込められてしまったみたいだ。そして真っ暗な部屋に冷気が入り込む。寒い。僕は身体が凍っていくのを感じる。
君と僕が出会ったのは、大学のテニスサークルだった。初めて君を見たとき、美しいと感じた。この時は、何の下心もなく、ただ純粋に美しいと感じた。恐らく、僕の子供のような無邪気な部分が反応したためだろう。そして君への恋愛感情が芽生えるのは、それからすぐだった。君と会話をしているうちに、君の魅力の虜になってしまった。物事をはっきりと言う性格。この部分は、僕が今まで出会った女の子にはあまり無かった特徴だったので、かなり印象が良かった。そして、一番魅力的だと思った部分。それは言葉で表現するのは、とても難しい。だが、頑張って言葉に表してみようと思う。太陽と言ったら少し違うのだが、彼女には光り輝くものがあった。瞳が純粋な美しさを持っていたと言えばいいのだろうか。街を歩いていて、すれ違う人々とは全く異なるオーラを放っていた。だめだ。上手に表現できない。とにかく、彼女のそんな魅力的なところが大好きだ。しかし、この想いを彼女に素直に伝えられるような僕ではない。
僕は恋愛というものを知らない。大学三回生になった今迄、僕は恋愛未経験で生きてきた。もちろん、彼女が欲しく無かった訳ではないのだが、昔からの恥ずかしがり屋という性格のため、様々な恋心が時間の経過とともに、叶わぬ夢となり、儚く散っていった。だが、その恋心は桜が散るように綺麗に散っていった訳ではない。全ての恋心が後悔というものを残していった。それはそれは辛いものだった。枕を濡らした夜も、幾つかあったと記憶している。そして今回、彼女を好きになった。僕は彼女に想いを伝えようと思った。もちろん、簡単にはいかない。何しろ全てが初めてだからだ。何をすれば良いのかさえ、分からず、ただ時間が足早に走り去っていく。僕は追いかける。走り去る時間に負けないように。でも、いつもあと少しで届きそうなところで、石につまづいてしまう。そして、その痛みに泣いてしまう。傷口は小さくない。血が溢れるように噴き出してくる。真っ赤な海が見えている。そして僕の意識は少しずつ消えていく。
今日、彼女にメールを送った。遂に送ってしまった。まずは一言、
「明日の授業終わりって、空いてたりするかな?」
それに対する彼女返信は、
「人違いじゃない?」あまりにも冷たい。傷口さえも凍ってしまうほどだ。拒絶された訳ではないのだが、僕は少なからずショックをうける。次にどういう返信をすればいいんだろう。一度、冷静になるためにシャワーを浴びる。水は僕の迷いを少しずつ流してくれたみたいだった。
「人違いなんかじゃないよ、空いてたりするかな?」
「普通に用事あるんだけど」何という冷たい返信。シャワーを浴びて温まったはずの僕の身体は、すぐに凍ってしまった。何か大事なものが凍ってしまうのが、自分でも理解できた。もう無理だ。
「オッケー、ありがとうね。」文面だけを見れば、大した用事ではないかのように見せておく。あぁ、辛い。青春の一枚に恋を書き記すことは、どうやら叶いそうにない。僕には恋愛など、向いていないのだろう。もういいんだ。今日は早く寝よう。そして夢の中で君に別れを告げよう。
君が部屋に入って来る。僕は手足を動かすことはできない。目で君を追う。君は少しずつ僕に近づいてくる。足音を立てないように、ゆっくりと。ゆっくりと。君は僕の布団をめくる。そして数十秒動きを止める。何を考えているんだろうか。僕には理解できない。君は僕の隣に座り込む。そして僕のパジャマの下を、ゆっくりと下ろしていく。声を出したい。だが、声は出ない。君は僕のパンツにも手をかける。焦らすようにゆっくりとゆっくりと僕のパンツを下ろしていく。そして僕のペニスを両手で包み込む。君の手の温もりを感じる。君はそのまま、また数十秒動きを止める。温かい。そして心地良い。まるで、ペニスだけを温泉に入れているように温かい。僕はペニスが勃起していくのを感じる。恥ずかしい。でも君は何も反応しない。そして両手でペニスを包み込んまま、上下に運動させていく。どんどん勃起していく。僕にはそれを止めることは出来ない。君は少し笑顔を見せる。その笑顔を見た途端、ペニスが一気に膨張し、爆発を起こしそうになる。僕は目で君に、止めてと訴えかける。でも君は微笑を浮かべたまま、首を左右に振り、運動を止めない。そして僕のペニスは我慢の限界とともに、爆発を起こす。それは今までに経験したことのない程の快楽だった。爆発は一回では止まらず、立て続けに数回起きる。君は笑顔を浮かべている。そして何も言い残すことなく、蜃気楼のように、ふわっと消えていく。僕は君ともう少し、時間をともにしたいと思う。でも、身体は動くことなく、目で君を見送ってしまう。どっと汗が噴き出す。
電話が鳴る音で目を醒ます。額の汗を拭い、電話に出る。テニスサークルの友人の俊からだった。
「なんだよ、こんな早くに」と、冗談を話すような口調で俊に問いかける。しかし俊からは、言葉がない。
「おい、俊、なんかのドッキリか?」と、もう一度、俊に先ほどと同じような口調で話しかける。
「実は…」俊が、かなり重たい口調で口を開く。
「奈津美が亡くなった…」
僕は一分ほど、沈黙する。俊の言葉の意味が分からなかった。頭をフル回転させて、理解しようとする。
「奈津美ってテニスサークルの奈津美?」
「馬鹿、それ以外どの奈津美がいるんだよ。」やっぱり僕の頭で考えて出した結論と、残念ながら合っていたようだった。
「でも奈津美は夜中に…」と言いかけた。だが、うまく話せない。目の前が潤んでくる。そんなのおかしいよ。だって、奈津美は夜中に僕の部屋に来たはずなのに。僕に笑顔を見せてくれたのに。一旦、電話を切り、トイレに向かう。トイレが凄く遠く感じられた。トイレに着き、座り込む。なんだか、パンツが濡れていて気持ち悪い。そして冷たい。傷口が大きく開いていくのが分かる。血が噴き出す。目の前が真っ暗になる。ここは何処だろう。僕は知らない真っ暗な部屋に閉じ込められてしまったみたいだ。そして真っ暗な部屋に冷気が入り込む。寒い。僕は身体が凍っていくのを感じる。
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