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1話
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「いい加減にしなさいなっ!この泥棒猫!」
ヒステリックな叫び声が頭に響きます。
あぁ、どうしてわたくしはここに居るのでしょうか。もう帰りたいのですが…。
申し遅れました、わたくしマリオン伯爵家長女のエマ=マリオンと申します。
現在わたくしの目の前でヒステリックな叫び声を上げていらっしゃるお方はクロエ=アリーリア公爵令嬢。わたくしの幼馴染でございます。…本当は腐れ縁と呼びたいです。
マリオン伯爵家はアリーリア公爵家にむかしから大変お世話になっておりますから、いくらわたくしがクロエから離れたくとも離れられない、家族が許してくれないのです。
現在クロエが何をしているかというと、クロエの婚約者であるチャールズ王子のお気に入りのエミリー=ハリス男爵令嬢を糾弾中です。
わたくしの役目はやりすぎだと感じる前にクロエを止めることなのです。
何かを仕掛ける前に止めることもできますが、そうすると私以外への八つ当たりが酷いので適度に発散させなければなりません。
あぁっ、そろそろクロエが手を上げそうです。
「クロエ様」
静かに名前にだけを呼んで首を振ります。
それを見たクロエは
「あまり調子に乗りすぎないことねっ」
と言い捨ててわたくしたち…通称【クロエの腰巾着】を連れて颯爽と歩いていきます。
周りの方がホッと息を吐くのと同時に「あれが噂の悪役令嬢」とやらをぼそぼそと言っているのが聞こえます。
わたくし、地獄耳なのですよ。
もう、腰巾着、辞めたいです…!
ヒステリックな叫び声が頭に響きます。
あぁ、どうしてわたくしはここに居るのでしょうか。もう帰りたいのですが…。
申し遅れました、わたくしマリオン伯爵家長女のエマ=マリオンと申します。
現在わたくしの目の前でヒステリックな叫び声を上げていらっしゃるお方はクロエ=アリーリア公爵令嬢。わたくしの幼馴染でございます。…本当は腐れ縁と呼びたいです。
マリオン伯爵家はアリーリア公爵家にむかしから大変お世話になっておりますから、いくらわたくしがクロエから離れたくとも離れられない、家族が許してくれないのです。
現在クロエが何をしているかというと、クロエの婚約者であるチャールズ王子のお気に入りのエミリー=ハリス男爵令嬢を糾弾中です。
わたくしの役目はやりすぎだと感じる前にクロエを止めることなのです。
何かを仕掛ける前に止めることもできますが、そうすると私以外への八つ当たりが酷いので適度に発散させなければなりません。
あぁっ、そろそろクロエが手を上げそうです。
「クロエ様」
静かに名前にだけを呼んで首を振ります。
それを見たクロエは
「あまり調子に乗りすぎないことねっ」
と言い捨ててわたくしたち…通称【クロエの腰巾着】を連れて颯爽と歩いていきます。
周りの方がホッと息を吐くのと同時に「あれが噂の悪役令嬢」とやらをぼそぼそと言っているのが聞こえます。
わたくし、地獄耳なのですよ。
もう、腰巾着、辞めたいです…!
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