乙女ゲームで唯一悲惨な過去を持つモブ令嬢に転生しました

雨夜 零

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家を抜け出そう!

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 スファルニア公爵家に来てから数ヶ月が経った
 そして私は今王都にいる。なぜなら、家族全員が城に用があったようで、私も連れて王都の屋敷に連れてこられた
 もちろんこっちの屋敷も大きくこの街にある建物の中でも城と学園の次にでかい
 そんな私は今、城下街で観光している
 怖いメイドと執事から逃げて

 私が来て次の日
 私には執事とメイドがつけられた
 私は、個人的に2人共怖いと思っている
 なんて言ったってまず足音がない。次に気配もない。それなのにたまにカチャッと金属の当たる音がする
 何より私につけられたメイドと執事は、公爵家にいるメイド長と執事長スファルニア公爵家一家を除いて多分一番強い
 何故なら動きがたまに見えない程早く、二人共見えないだけでとても筋肉質だ
 それに何より魔力も雰囲気も並大抵の人間じゃない
 魔力は私の方が上手いし多いが、武術に関しては多分二人共達人並だ
 だから私はそんな2人を出し抜いて脱出お忍び観光するために複合魔法で偽物の人形を作った
 まず水と火で体温を作り土で形を作る。その後闇魔法で簡易的な命を吹き込み操れるようにした

 そうして2人を出し抜いた私は、髪色を平民に多い茶色に変えてハリーじいから貰ったお金で楽しんでいる 
 まぁ途中に貴族が平民に権力で脅していたりと色々"醜い"事をしていたからそれを止めたりしていたけど…
 そんな中私は道の隅で顔を真っ青にし蹲っている少年を見つけた
 こういう人は産まれた時から、無視できない性格なので話しかけた
「どうしたの?大丈夫?」
 私がそう言うと少年…彼は吃驚したようで勢い良く顔を上げた
 けれどそのまま何も反応はなくそれに焦った私は、魔法で身体強化をして横抱き...所謂お姫様抱っこで運ぼうとしたら我に返ったのか焦ったように
「俺は大丈夫だ!!」
 と言った
 けれど彼の顔が徐々に真っ青になっていくのにつられて私も真っ青になった
 その様子に彼は不思議に思ったのか
「何で顔が真っ青なんだ?」
 と聞いた
 けれどその理由は当たり前だ
 だってやっぱり顔が青くなるって体調が悪いんでしょ?
 早く治療院に連れていかなきゃダメでしょ?
 もっと体調が悪くなったらどうするの?
「え…だって貴方顔が真っ青ですよ!?」
 そう言うと彼は少し目を見開きながら聞いた
「俺を心配しているのか?」
「当たり前でしょう?」
 なんでそんなに当たり前の事を聞くんだろう?
「君は見ず知らずの人がこのような状態になっていたら誰でも助けるのか?」
 まるで"ありえない"とでも言いたげな表情だった
「もちろん!あっでもその人が罪人とかだったら捕まえるかもしれませんが…けれどそれ以外の人だったら声を掛けますよ?必要であれば助けますし…」
「そうか…」
 私がそういうと彼は初めてあった時より幾分か表情が明るくなっていた
「ありがとうもう大丈夫だ」
「本当ですか?」
 なんかさっきとは真逆で顔が若干赤いような…気の所為かな?
「あぁ大丈夫だ。じゃあ俺は帰るよまたな」
「うん。またね」
 嘘ついちゃった
 本当はなんて無い
 彼は平民で
 私は公爵令嬢
 普通なら絶対に会うことはないはずだ
 私は彼が去った後に呟いた
「"またね"なんて嘘をついてごめんなさい」
 その言葉は誰にも拾われることなく、溶けていった
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