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小話 お茶会への招待状 ※
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「シャーリー!シャーリー!」
お父様が慌てて私の部屋に飛び込んできた。
「お父様、どうしたの?そんなに息を切らして?」
「招待……招待状。」
「あら、招待状?私宛?」
私はお父様からその手紙を受け取って、固まった、
この封蝋……封蝋は……
王家の!!つまりこれは王家からの王妃様主催のお茶会の招待状!!
「何で!何で!」
シャーロレット=ディ=サー=ヴィクセレーネ様
私宛……。
何回みても間違えない。
今までこんな大それたお茶会なんて呼ばれたことはない。
まあ、お母様ならあるけど私宛なのだ。
わ、た、し!!
絶対に王太子殿下の仕業だ。
どうする?って断れないじゃない!
「シャーリー、早く返事を書くんだ。」
「欠席……
じろりとお父様に睨まれた。
「していいわけないわよね。あ!もう!王太子殿下何してくれたのよ!」
ばっとお父様に口を塞がれた。
「大声で言うんじゃない。だれが聞いてるかわからない!
不敬罪で牢獄に入れられるぞ!」
私は自分の口に手をあてて周りをきょろきょろ見回した。
「大丈夫・・そう?」
「しかしシャーリー、王太子殿下を知っているのか?」
「ん・・三回ほどお会いしたかしら?」
「ルースは知っているのか?」
「は?何でルースが関係するの?わけわからいこと言うのね。
1回はザイン家でお会いしたからルースもいたわよ。」
なんだかお父様がホッと胸をなでおろした。
「変なお父様。」
「シャーリー!シャーリー!」
今度はお母様だ。
「今、洋服屋を呼んだわ。お茶会用の服を作らないと。
あなた全然持っていないでしょう?」
「えー!服ならルースにもらったものがたくさんあるからいいわ。」
「駄目よ!」
「もったいないじゃない。」
「駄目!!!」
お母様に押し切られた・・・。
「おい!ケイン!ケインはいるか」
お父様が廊下にでて隣の部屋のお兄様を呼んだ。
お兄様が自分の部屋の扉から顔を出した。
ケインお兄様まで引きずりだされた。
「もう、さっきからうるさいな。なんだよ?」
「お前、この日は仕事か?」
ひょいっと招待状をみて日にちを確認した。
「ああ、申し訳ないけど仕事だよ。」
「お前休めないのか?」
「は?無理だよ。」
「私達もどうしても外せない外交があるのよ。」
「エスコートはどうするんだ!」
「舞踏会じゃないから必要ないんじゃない?」
ジョーカスがドアの影から現れて言った。
「そうか!そうだな!」
「シャーリー一人でいける?」
「多分・・・。」
「知っている人いないでしょう?大丈夫?」
「多分・・・。」
「私達は朝早くからいないけどちゃんと支度できる?」
「多分…」
「あー!サンドラ! 頼むわよ!」
「ねえ、ルースはダメなの?」
「駄目!あいつと姉さんを一緒に行かすなんて!兄さん!その提案は却下です!」
何だ?この会話は?
ひとまず何やら大事になっている。
私はなぜか騒動の真ん中にいるはずなのに蚊帳の外だ。
もう勝手にやってください。
ようやくみんないなくなって部屋のソファに一人ゆっくり座っていたら
サンドラが近づいてきた。
「お嬢様、大変でしたね。」
「もう、みんなして何?お茶会にいくだけなのよ?」
本当にうちの家族はみんな落ち着きがないというかまっすぐにしか見れないというか・・・。
「お嬢様、ルーズローツ様から伝言です。」
「あら?サンドラ。」
サンドラがオレンジのジュースを私に渡しながら話しかけてきた。
「ルースが?何だって?」
「お茶会の日は迎えに来るそうです。」
「は?」
あわててせっかくもらったグラスを落としそうになった。
えっ?誰がルースに話したの?
なんかそんなに大事になってない?
単にお茶会に行くだけなんだけど?
「さっき使いの人が来てこの服を置いていきました。」
・・ルース・・気が利くわ。それに仕事早すぎ・・・。
あまりお茶会とかおしとやかにするのは苦手なのよね。
途中で抜けて王宮でも散策するとしましょうか。
でもせっかく王宮で開かれるお茶会ですもの。
きっといろいろ今後に役にたつかもしれないわ。
王太子殿下ルートだと絶対に王宮が舞台になるはずよね。
ふふふ。
逢引きに使えそうな場所とか、告白に使えそうな場所とか
チェック!チェック!!
あ、何かイベントでも起こるかもしれないわ。
そんなふうに思うとなんだか楽しみだわ。
ふふふ。
しかしあんなことになるなんて思いもしなかった・・・。
お父様が慌てて私の部屋に飛び込んできた。
「お父様、どうしたの?そんなに息を切らして?」
「招待……招待状。」
「あら、招待状?私宛?」
私はお父様からその手紙を受け取って、固まった、
この封蝋……封蝋は……
王家の!!つまりこれは王家からの王妃様主催のお茶会の招待状!!
「何で!何で!」
シャーロレット=ディ=サー=ヴィクセレーネ様
私宛……。
何回みても間違えない。
今までこんな大それたお茶会なんて呼ばれたことはない。
まあ、お母様ならあるけど私宛なのだ。
わ、た、し!!
絶対に王太子殿下の仕業だ。
どうする?って断れないじゃない!
「シャーリー、早く返事を書くんだ。」
「欠席……
じろりとお父様に睨まれた。
「していいわけないわよね。あ!もう!王太子殿下何してくれたのよ!」
ばっとお父様に口を塞がれた。
「大声で言うんじゃない。だれが聞いてるかわからない!
不敬罪で牢獄に入れられるぞ!」
私は自分の口に手をあてて周りをきょろきょろ見回した。
「大丈夫・・そう?」
「しかしシャーリー、王太子殿下を知っているのか?」
「ん・・三回ほどお会いしたかしら?」
「ルースは知っているのか?」
「は?何でルースが関係するの?わけわからいこと言うのね。
1回はザイン家でお会いしたからルースもいたわよ。」
なんだかお父様がホッと胸をなでおろした。
「変なお父様。」
「シャーリー!シャーリー!」
今度はお母様だ。
「今、洋服屋を呼んだわ。お茶会用の服を作らないと。
あなた全然持っていないでしょう?」
「えー!服ならルースにもらったものがたくさんあるからいいわ。」
「駄目よ!」
「もったいないじゃない。」
「駄目!!!」
お母様に押し切られた・・・。
「おい!ケイン!ケインはいるか」
お父様が廊下にでて隣の部屋のお兄様を呼んだ。
お兄様が自分の部屋の扉から顔を出した。
ケインお兄様まで引きずりだされた。
「もう、さっきからうるさいな。なんだよ?」
「お前、この日は仕事か?」
ひょいっと招待状をみて日にちを確認した。
「ああ、申し訳ないけど仕事だよ。」
「お前休めないのか?」
「は?無理だよ。」
「私達もどうしても外せない外交があるのよ。」
「エスコートはどうするんだ!」
「舞踏会じゃないから必要ないんじゃない?」
ジョーカスがドアの影から現れて言った。
「そうか!そうだな!」
「シャーリー一人でいける?」
「多分・・・。」
「知っている人いないでしょう?大丈夫?」
「多分・・・。」
「私達は朝早くからいないけどちゃんと支度できる?」
「多分…」
「あー!サンドラ! 頼むわよ!」
「ねえ、ルースはダメなの?」
「駄目!あいつと姉さんを一緒に行かすなんて!兄さん!その提案は却下です!」
何だ?この会話は?
ひとまず何やら大事になっている。
私はなぜか騒動の真ん中にいるはずなのに蚊帳の外だ。
もう勝手にやってください。
ようやくみんないなくなって部屋のソファに一人ゆっくり座っていたら
サンドラが近づいてきた。
「お嬢様、大変でしたね。」
「もう、みんなして何?お茶会にいくだけなのよ?」
本当にうちの家族はみんな落ち着きがないというかまっすぐにしか見れないというか・・・。
「お嬢様、ルーズローツ様から伝言です。」
「あら?サンドラ。」
サンドラがオレンジのジュースを私に渡しながら話しかけてきた。
「ルースが?何だって?」
「お茶会の日は迎えに来るそうです。」
「は?」
あわててせっかくもらったグラスを落としそうになった。
えっ?誰がルースに話したの?
なんかそんなに大事になってない?
単にお茶会に行くだけなんだけど?
「さっき使いの人が来てこの服を置いていきました。」
・・ルース・・気が利くわ。それに仕事早すぎ・・・。
あまりお茶会とかおしとやかにするのは苦手なのよね。
途中で抜けて王宮でも散策するとしましょうか。
でもせっかく王宮で開かれるお茶会ですもの。
きっといろいろ今後に役にたつかもしれないわ。
王太子殿下ルートだと絶対に王宮が舞台になるはずよね。
ふふふ。
逢引きに使えそうな場所とか、告白に使えそうな場所とか
チェック!チェック!!
あ、何かイベントでも起こるかもしれないわ。
そんなふうに思うとなんだか楽しみだわ。
ふふふ。
しかしあんなことになるなんて思いもしなかった・・・。
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