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その25 木の下にて
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思わずルースを拒絶してしまった…。
どうしよう。
きっと気づいた。私が彼を怖がっているのを気付かれたはずだ。
雷が近い。光と音が同時にする。地響きのような音、地面が揺れる。稲光が絶え間なく光る。花火よりもすごい芸術を空に描く。
「ルース…違うの…」
…言い訳をしても無駄だ。だってルースは下を向いたままだ。傷ついている。私が傷つけた。私がルースを怖いと思っている感情が隠せなかったからだ。
私は分かったはずだ。
私は彼が好きだ。いつも隣にいて笑ってくれる彼が好きだと…。
無言が続く。空で雷がその存在を主張しているが今の私にはなぜか遠いものに思えた。
彼が無言なのは全てわかっているからだ。
私があの日の彼を見たこと。
一瞬光る赤い目を見たこと。
今、私が彼を怖いと思っていること…。
何か訳があるはずだ…。でもきっとそれは私には言えないことなのだ。
その時雷が鳴り響き、近くの木に雷が落ちた。その衝撃に驚いてジーザスが興奮した。
「ジーザス・・・大丈夫だよ。少しの我慢だ。ほらほらそう、いい子だ。」
ルースが沈んだ声でジーザスに声をかけながら彼の鬣をさすっていた。ジーザスは少し落ち着いた。
「ルース…」
その言葉にチラッとこちらを見たがまた下をむいた。
泣きそうな顔をしていた。
胸が締め付けられる。
ルースはいつも隣にいる。私の大好きな幼なじみだ。そして私の大切な人だ。
いつも隣で笑っている。まあ性格曲がってそうだけど…
雷鳴が鳴り響いた。私は雷が大の苦手だ。
前世からとにかく無理なのだ。震えが止まらない。
震えるのは怖いから?
雷に?ルースに?
「シャーリー?大丈夫?君は雷は苦手だったよね?」
また光る。すぐに轟音が鳴り響く。あまりの音の大きさに思わず耳を塞ぐ。
続けて稲妻がまた近くの木を切り裂いた。今度は炎が上がった。
「きゃっ!」
思わずルースに飛びついてしまった。
「シャーリー?大丈夫かい??」
ルースは腕を私の背中に回した。優しい腕だ。
ルースの顔を見上げた。
心配そうに私をみる目はいつもの青い目のルースだ。しかしいつもの笑顔はない。
私は恥ずかしくなった。
私が彼を突き落としている…。彼が怖い??
違う・・・。違う。
私が泣いていたら慰めてくれるルースの声は優しい。
私が困っていたら差し伸べられる手は暖かい。
私が笑うと一緒に笑ってくれ笑顔は愛しい。
彼は常に私を見てくれていた。
彼は私を守ってくれていた。
いつも側にいてくれた。
彼の存在に何度彼に助けられただろう。
気づかない間に彼の存在は私の中でこんなに大きくなっていたんだ。彼が大事だ。大切だ。好きだなんて今までなんで気付かなかったのだろう。
私が前世なんかに縛られていなければ
ルースは私に話してくれていたはずだ。
私が…私がバカだったんだ。
こんな大切にしてくれていたことに気づかなかった。
なんで彼を怖いと思えるのだろう。
そんな彼に対して怖いだなんて拒絶してしまう私は何なんだ。彼に何をした?彼に何を返した?
拒絶されたという絶望だけじゃない。
私が夢物語を話していてもちゃんと聞いてくれる。
私の全てを受け入れてくれた。前世に囚われていた私を解放してくれた。
じゃあ今度は私がルースを受け入れて、彼が抱える何かから彼を守ってあげなきゃいけない。
…守っていきたい。
彼が大切だ。彼が闇の中で迷って立ち尽くしてしまっているなら私がそこから連れ出してあげたい。
彼を受け入れてなかった私の心が弱かったのだ。
もう大丈夫だ。彼を真っ直ぐ見るために、彼を受け止めるために私は強くなるんだ。
「ごめんなさい・・・」
「大丈夫。少しだけの間だよ。すぐに遠くなるよ。」
違う・・・それじゃない。
「ごめん・・・。」
「だから大丈夫だって。僕がいるから大丈夫。ひとりじゃないでしょ?」
ルースは私を一人にしたことはない。
一瞬だけど私は彼を一人にしてしまった。
彼の全て受け入れてあげたい。
抱きしめていてあげたい。
だからずっとそばにいさせて・・・そしていつかきっと話しね。
自惚れているかもしれないけど、多分ルースは私が大事よね?
私の事が大好きなのよね?勘違い?
それでもいいか。
私があなたを好きなんだから。私があなたを離してあげない。
何だか楽しくなってきた。やっぱり人を好きになるってことは楽しいし嬉しい。
私はルースの胸に顔を押し付けたままルースの腰に両手を回し、ぎゅっと抱きしめた。
なんだか笑ってしまうわね。本当さっきまでの自分はなんだったの。
ルースが怖いなんてバカみたいだ。
「シャーリー、大丈夫?」
ルースの優しい声が耳元でする。くすぐったい。でも私はこれが好き。彼が私を大事にしてくれてると感じる。
「ごめんね。ルース。」
「嫌だな。何回言うの?シャーリーが雷が嫌いなことずっと知ってるから。もう大丈夫だから。」
「違うの。ルース、違うの。ごめんね。でも、もう大丈夫。」
私はルースを見上げた。
「あなたが大切なの。あなたの全て受け止める。だからごめんね。」
さっきまで私の背中にまわして抱きしめていてくれた腕から力が抜けた。
ん??伝わらなかった?
ルースはなぜか呆然としていた。
私からはさっきの恐怖はもう消えている。目の前見えるのはいつもの私の大好きなルースの顔。
どんなルースでも変わらない。全部私の大好きなルース。
「だからあなたの全部を私が受け止めてあげる。ルースはルース。かわらない。大好き。」
ルースの腕がぴくっと動いた。
「ルース、大好き。」
ルースが顔を上げて空を見た。私も同じように空をみた。まだ雨は降っているし雷も鳴り響く。空も暗い。
ルースは私に視線を戻した。上から彼の顔がのぞく。
安心したルースの表情。少し涙ぐんでいた青の瞳。その瞳は今まで見た何で一番綺麗だと思った。
「だから何度も言うけど、私は大丈夫。何があってもあなたを受け止める。だってあなたを離したくないから。あなたと一緒にいたいから。」
そういうと彼は私の肩に顔をうずめた。さっきとは比べ物にならないほど力を入れて抱きしめられた。
確かに私が悪い。何もしらないのにルースを怖いと感じてしまった。彼は私に嫌われるのを怖がっていたんだ。大丈夫、安心してあなたが嫌だといっても私が抱きしめている。私はあなたといる未来を手に入れたいの。
「ルース、大好き。」
何度だってあなたの気が済むなら言ってあげる。
認めないわけにはいけない感情。
抑えられない感情。
何度でも言える。私の気持ち。
「ルース…好き」
「シャーリー…」
「ルース、大好き。ふふふ」
ルースの腕に力が入った。
ルースが顔を上げた。ルースの顔が少し赤くなっているように見えた。そして艶めかしい視線を感じた。
ちょっと待って・・・。何やら私好きだと連呼しすぎていない?何回言った??
いけない!それにこんな視線をむけられたら・・・腰に回された彼の右手がいつの間には外されていた。その右手が私の頬を包んだ。蕩けた色気を前面に押し出したルースの顔が近づいてきた。
いけない!!
「シャーリー…僕も君が…
ルースが目を閉じて顔を少し横に傾けた。
くる!!
「何たってルースは私の大切な幼なじみだもんね。ははは」
「はぁっ?今?そこ?」
何故かルースは呆れていた。
すみません…何となく何度も好きだと言ってしまい、いっぱいいっぱいになってしまいました。
更にそんな視線で私を見るから恥ずかしくなってしまいました・・・。
だってキスされそうだった…よね?誤魔化しました。
本当にごめんなさい・・・。
その先はもう少し待ってください!!!!
しかしルースは頬に触れるだけのキスを落とした。
私は真っ赤になった顔を隠す為にルース胸に顔を埋めた。
しまった。逆効果だ!
ギュッと抱きしめられた。
しかし暖かい。
少しこのままでいた。
どうしよう。
きっと気づいた。私が彼を怖がっているのを気付かれたはずだ。
雷が近い。光と音が同時にする。地響きのような音、地面が揺れる。稲光が絶え間なく光る。花火よりもすごい芸術を空に描く。
「ルース…違うの…」
…言い訳をしても無駄だ。だってルースは下を向いたままだ。傷ついている。私が傷つけた。私がルースを怖いと思っている感情が隠せなかったからだ。
私は分かったはずだ。
私は彼が好きだ。いつも隣にいて笑ってくれる彼が好きだと…。
無言が続く。空で雷がその存在を主張しているが今の私にはなぜか遠いものに思えた。
彼が無言なのは全てわかっているからだ。
私があの日の彼を見たこと。
一瞬光る赤い目を見たこと。
今、私が彼を怖いと思っていること…。
何か訳があるはずだ…。でもきっとそれは私には言えないことなのだ。
その時雷が鳴り響き、近くの木に雷が落ちた。その衝撃に驚いてジーザスが興奮した。
「ジーザス・・・大丈夫だよ。少しの我慢だ。ほらほらそう、いい子だ。」
ルースが沈んだ声でジーザスに声をかけながら彼の鬣をさすっていた。ジーザスは少し落ち着いた。
「ルース…」
その言葉にチラッとこちらを見たがまた下をむいた。
泣きそうな顔をしていた。
胸が締め付けられる。
ルースはいつも隣にいる。私の大好きな幼なじみだ。そして私の大切な人だ。
いつも隣で笑っている。まあ性格曲がってそうだけど…
雷鳴が鳴り響いた。私は雷が大の苦手だ。
前世からとにかく無理なのだ。震えが止まらない。
震えるのは怖いから?
雷に?ルースに?
「シャーリー?大丈夫?君は雷は苦手だったよね?」
また光る。すぐに轟音が鳴り響く。あまりの音の大きさに思わず耳を塞ぐ。
続けて稲妻がまた近くの木を切り裂いた。今度は炎が上がった。
「きゃっ!」
思わずルースに飛びついてしまった。
「シャーリー?大丈夫かい??」
ルースは腕を私の背中に回した。優しい腕だ。
ルースの顔を見上げた。
心配そうに私をみる目はいつもの青い目のルースだ。しかしいつもの笑顔はない。
私は恥ずかしくなった。
私が彼を突き落としている…。彼が怖い??
違う・・・。違う。
私が泣いていたら慰めてくれるルースの声は優しい。
私が困っていたら差し伸べられる手は暖かい。
私が笑うと一緒に笑ってくれ笑顔は愛しい。
彼は常に私を見てくれていた。
彼は私を守ってくれていた。
いつも側にいてくれた。
彼の存在に何度彼に助けられただろう。
気づかない間に彼の存在は私の中でこんなに大きくなっていたんだ。彼が大事だ。大切だ。好きだなんて今までなんで気付かなかったのだろう。
私が前世なんかに縛られていなければ
ルースは私に話してくれていたはずだ。
私が…私がバカだったんだ。
こんな大切にしてくれていたことに気づかなかった。
なんで彼を怖いと思えるのだろう。
そんな彼に対して怖いだなんて拒絶してしまう私は何なんだ。彼に何をした?彼に何を返した?
拒絶されたという絶望だけじゃない。
私が夢物語を話していてもちゃんと聞いてくれる。
私の全てを受け入れてくれた。前世に囚われていた私を解放してくれた。
じゃあ今度は私がルースを受け入れて、彼が抱える何かから彼を守ってあげなきゃいけない。
…守っていきたい。
彼が大切だ。彼が闇の中で迷って立ち尽くしてしまっているなら私がそこから連れ出してあげたい。
彼を受け入れてなかった私の心が弱かったのだ。
もう大丈夫だ。彼を真っ直ぐ見るために、彼を受け止めるために私は強くなるんだ。
「ごめんなさい・・・」
「大丈夫。少しだけの間だよ。すぐに遠くなるよ。」
違う・・・それじゃない。
「ごめん・・・。」
「だから大丈夫だって。僕がいるから大丈夫。ひとりじゃないでしょ?」
ルースは私を一人にしたことはない。
一瞬だけど私は彼を一人にしてしまった。
彼の全て受け入れてあげたい。
抱きしめていてあげたい。
だからずっとそばにいさせて・・・そしていつかきっと話しね。
自惚れているかもしれないけど、多分ルースは私が大事よね?
私の事が大好きなのよね?勘違い?
それでもいいか。
私があなたを好きなんだから。私があなたを離してあげない。
何だか楽しくなってきた。やっぱり人を好きになるってことは楽しいし嬉しい。
私はルースの胸に顔を押し付けたままルースの腰に両手を回し、ぎゅっと抱きしめた。
なんだか笑ってしまうわね。本当さっきまでの自分はなんだったの。
ルースが怖いなんてバカみたいだ。
「シャーリー、大丈夫?」
ルースの優しい声が耳元でする。くすぐったい。でも私はこれが好き。彼が私を大事にしてくれてると感じる。
「ごめんね。ルース。」
「嫌だな。何回言うの?シャーリーが雷が嫌いなことずっと知ってるから。もう大丈夫だから。」
「違うの。ルース、違うの。ごめんね。でも、もう大丈夫。」
私はルースを見上げた。
「あなたが大切なの。あなたの全て受け止める。だからごめんね。」
さっきまで私の背中にまわして抱きしめていてくれた腕から力が抜けた。
ん??伝わらなかった?
ルースはなぜか呆然としていた。
私からはさっきの恐怖はもう消えている。目の前見えるのはいつもの私の大好きなルースの顔。
どんなルースでも変わらない。全部私の大好きなルース。
「だからあなたの全部を私が受け止めてあげる。ルースはルース。かわらない。大好き。」
ルースの腕がぴくっと動いた。
「ルース、大好き。」
ルースが顔を上げて空を見た。私も同じように空をみた。まだ雨は降っているし雷も鳴り響く。空も暗い。
ルースは私に視線を戻した。上から彼の顔がのぞく。
安心したルースの表情。少し涙ぐんでいた青の瞳。その瞳は今まで見た何で一番綺麗だと思った。
「だから何度も言うけど、私は大丈夫。何があってもあなたを受け止める。だってあなたを離したくないから。あなたと一緒にいたいから。」
そういうと彼は私の肩に顔をうずめた。さっきとは比べ物にならないほど力を入れて抱きしめられた。
確かに私が悪い。何もしらないのにルースを怖いと感じてしまった。彼は私に嫌われるのを怖がっていたんだ。大丈夫、安心してあなたが嫌だといっても私が抱きしめている。私はあなたといる未来を手に入れたいの。
「ルース、大好き。」
何度だってあなたの気が済むなら言ってあげる。
認めないわけにはいけない感情。
抑えられない感情。
何度でも言える。私の気持ち。
「ルース…好き」
「シャーリー…」
「ルース、大好き。ふふふ」
ルースの腕に力が入った。
ルースが顔を上げた。ルースの顔が少し赤くなっているように見えた。そして艶めかしい視線を感じた。
ちょっと待って・・・。何やら私好きだと連呼しすぎていない?何回言った??
いけない!それにこんな視線をむけられたら・・・腰に回された彼の右手がいつの間には外されていた。その右手が私の頬を包んだ。蕩けた色気を前面に押し出したルースの顔が近づいてきた。
いけない!!
「シャーリー…僕も君が…
ルースが目を閉じて顔を少し横に傾けた。
くる!!
「何たってルースは私の大切な幼なじみだもんね。ははは」
「はぁっ?今?そこ?」
何故かルースは呆れていた。
すみません…何となく何度も好きだと言ってしまい、いっぱいいっぱいになってしまいました。
更にそんな視線で私を見るから恥ずかしくなってしまいました・・・。
だってキスされそうだった…よね?誤魔化しました。
本当にごめんなさい・・・。
その先はもう少し待ってください!!!!
しかしルースは頬に触れるだけのキスを落とした。
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