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第1部
10日目
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コトミの基地からの引っ越しは1日で無事終了した。
「住処が大きくなったのは、素直にうれしい。」
コトミがそう言ってくれてよかった。
「私はずっと一人だった。こんなに人がいたなんて、思いもしなかった。一人じゃなかったんだね。」
これまでどれだけ一人で寂しい思いをしてきたのだろう。
僕なんて、一人のほうがどれだけ楽かって思うときあるよ。
「ゾンビとこんなに戦ったのも初めてだけどね。」
ごめんよ、僕らが情けないから、手助けばかりさせてしまって。
「こんなに話したのは初めてだ。話せてよかったよ。」
いやまだ4行しか喋ってないよ。そうだな。ご趣味はなんですか?
「趣味か。畑をいじってるときは楽しかったかもしれない。」
ごめんよお。銀杏くんが3日で出来るようにしちゃってェ!楽しみなんてないよね!3日じゃね!
「私のことよりたかしのことが聞きたい。私からも聞いてみよう。趣味はなんですか?」
僕の趣味…。そうだな。銀杏くんとゲームすることかな。ほんと、毎日ずっとやっててさ。銀杏くんはなんでも上手いんだ。僕はただ着いていくだけ。着いていくだけで精一杯なんだ。
「そうか。銀杏はそんなにすごいのか。」
うん、すごいよ。
「やめろ!たかし、聞こえてる。なんか、むずむずするぜ!」
いけね、ゾンビ世界の通信はミュートにできないのか。
コトミは、この世界、どう思う?ゾンビがいるのってオカシイと思わない?
「ああ、いや、わからない。物心ついた頃から、人は死んだらゾンビになっていた。」
普通、死んだらもう動かないものなんだけどな。
「私が生まれるずっと昔は、そうだったらしい。お婆ちゃんがいってたの。」
お婆ちゃんって、コトミの御祖母ちゃん?
「ううん、違うかな。独りぼっちだった私を面倒みてくれたお婆ちゃんなの。」
そっか。いい人だったんだね。
「うん。私が殺した。」
え?
「最期を看取って、ゾンビを殺した。それだけ。」
そっか。みんなゾンビになるなら、最期は殺さなきゃいけないのか。
「お婆ちゃんのことはとっても大好きだった。だから、ゾンビのままでいさせたくなかった。」
ごめん、辛いことを聞いちゃったね。でも、聞かせてほしい。
ゾンビは死んだらどうなるの?
「砂になって、風に乗って消えていくのよ。」
そっか。どおりで、道に砂が多いと思った。そうか。砂になるのか。
となると、今までたまに砂が口に入ることあるけど、それって、ゾンビの死体が口に入ってるってことかな?うへえ、ぺっぺ!
「気持ちはわかる。私はお婆ちゃんの砂、少し保存して持ってるの。」
首から提げていた小袋を見せてくれる。
そっか、それがお婆ちゃんなんだね。
「おはなし中に済まない。外に応援にきてくれ。ゾンビが群れでこの建物に歩いてきてる。」
銀杏くんの通信が入る。すぐに僕らは臨戦態勢に入った。
今までは逃げてたけど、ここを襲われるわけにはいかないから。
ショットガンを持つ手に力が入る。
「たかし、私は先に外にいく。たかしは、3人の様子をみてから来てくれ。」
コトミと別れて3人を探す。3人とも新たな畑ゾーンで遊んでいた。
「3人とも、教会の中に入っていて。どうやらゾンビが来てるみたいだから。」
「え…大丈夫なの?なんとかできそう?」
シュウがオロオロしている。
「我が夫よ!私たちに手伝えることはあるかな?」
レナ、ありがとう、気持ちだけ受け取っておくよ。
僕は銀杏くんたちを手伝いにいくから、君たち3人は待っていて。
3人を避難させて銀杏くんのもとへ駆けつける。
ギルがいたときと同じように壁の外に。
この書き方だと誰か死にそうだな。やめよう。
門をバリケードに攻撃態勢を整えたのです。
「ゾンビが30はいそうだ。気を抜くなよ。」
近寄ってきたゾンビをまず銀杏が
ズダダダっとアサルトライフルを斉射する。
そして撃ち漏らしたヤツを、僕のショットガンとコトミのハンドガンで倒していく。
弾はもったいないが、ここでもったいぶってはいけない気がした。
槍では、一体づつと戦ったときでしか倒せなそうだった。
ダンっ
タタタタ!!
2人の発砲音がこだまする。
今倒しているゾンビも、元は人間だったのかと少し悲しくなりながら。
「気にしてはダメ。ゾンビになったら普通は殺すもの。でないと被害者が増えるだけ。」
そっか。割り切れてるんだな。
僕も切り替えなきゃ。
迫りくるゾンビの頭に向けてダンッと弾をぶちこむ。スイカのように弾ける頭。
僕ら二人は死なないが、コトミがゾンビに噛まれでもしたら大変だ。いきたままゾンビ化の感染がおきてしまうらしい。
その後も続く発砲音。なるほど、ゾンビが砂になるってのもよくわかった。
門の前が砂だらけになっていた。
「たかし、見渡してもうゾンビはいない、大丈夫そうだぜ。」
ほっとした。コトミを守れたこと、教会を守れたこと、チビ3人を守れたこと、達成感があった。
教会の中に戻ると3人が迎えてくれた。
「お兄さん、生きててなによりです。」
「我が夫め。よくがんばったぞ!撫でてやろう。」
「イエーイ!」
ありがとう。なんだか救われるよ。
もうその日はゾンビも来なかった。
今日のようにまとまって来る回数が増えたらどうしようなどと考えながら、夕食を取った。
「確かに来るかもしれないな。外に物資を取りに行く班と、家の留守を守る班にわかれよう。」
順当にいくなら、銀杏くんとコトミで探索、僕と子どもたちで家を守るってとこだね?
「それがいいと思う。そうしよう。」
話も終わって、寝床につく。
今日も3人は僕と一緒に寝るようだった。
「寂しくなんかないんだからね」
という、レナの頭を撫でながら、深い眠りについた。
「住処が大きくなったのは、素直にうれしい。」
コトミがそう言ってくれてよかった。
「私はずっと一人だった。こんなに人がいたなんて、思いもしなかった。一人じゃなかったんだね。」
これまでどれだけ一人で寂しい思いをしてきたのだろう。
僕なんて、一人のほうがどれだけ楽かって思うときあるよ。
「ゾンビとこんなに戦ったのも初めてだけどね。」
ごめんよ、僕らが情けないから、手助けばかりさせてしまって。
「こんなに話したのは初めてだ。話せてよかったよ。」
いやまだ4行しか喋ってないよ。そうだな。ご趣味はなんですか?
「趣味か。畑をいじってるときは楽しかったかもしれない。」
ごめんよお。銀杏くんが3日で出来るようにしちゃってェ!楽しみなんてないよね!3日じゃね!
「私のことよりたかしのことが聞きたい。私からも聞いてみよう。趣味はなんですか?」
僕の趣味…。そうだな。銀杏くんとゲームすることかな。ほんと、毎日ずっとやっててさ。銀杏くんはなんでも上手いんだ。僕はただ着いていくだけ。着いていくだけで精一杯なんだ。
「そうか。銀杏はそんなにすごいのか。」
うん、すごいよ。
「やめろ!たかし、聞こえてる。なんか、むずむずするぜ!」
いけね、ゾンビ世界の通信はミュートにできないのか。
コトミは、この世界、どう思う?ゾンビがいるのってオカシイと思わない?
「ああ、いや、わからない。物心ついた頃から、人は死んだらゾンビになっていた。」
普通、死んだらもう動かないものなんだけどな。
「私が生まれるずっと昔は、そうだったらしい。お婆ちゃんがいってたの。」
お婆ちゃんって、コトミの御祖母ちゃん?
「ううん、違うかな。独りぼっちだった私を面倒みてくれたお婆ちゃんなの。」
そっか。いい人だったんだね。
「うん。私が殺した。」
え?
「最期を看取って、ゾンビを殺した。それだけ。」
そっか。みんなゾンビになるなら、最期は殺さなきゃいけないのか。
「お婆ちゃんのことはとっても大好きだった。だから、ゾンビのままでいさせたくなかった。」
ごめん、辛いことを聞いちゃったね。でも、聞かせてほしい。
ゾンビは死んだらどうなるの?
「砂になって、風に乗って消えていくのよ。」
そっか。どおりで、道に砂が多いと思った。そうか。砂になるのか。
となると、今までたまに砂が口に入ることあるけど、それって、ゾンビの死体が口に入ってるってことかな?うへえ、ぺっぺ!
「気持ちはわかる。私はお婆ちゃんの砂、少し保存して持ってるの。」
首から提げていた小袋を見せてくれる。
そっか、それがお婆ちゃんなんだね。
「おはなし中に済まない。外に応援にきてくれ。ゾンビが群れでこの建物に歩いてきてる。」
銀杏くんの通信が入る。すぐに僕らは臨戦態勢に入った。
今までは逃げてたけど、ここを襲われるわけにはいかないから。
ショットガンを持つ手に力が入る。
「たかし、私は先に外にいく。たかしは、3人の様子をみてから来てくれ。」
コトミと別れて3人を探す。3人とも新たな畑ゾーンで遊んでいた。
「3人とも、教会の中に入っていて。どうやらゾンビが来てるみたいだから。」
「え…大丈夫なの?なんとかできそう?」
シュウがオロオロしている。
「我が夫よ!私たちに手伝えることはあるかな?」
レナ、ありがとう、気持ちだけ受け取っておくよ。
僕は銀杏くんたちを手伝いにいくから、君たち3人は待っていて。
3人を避難させて銀杏くんのもとへ駆けつける。
ギルがいたときと同じように壁の外に。
この書き方だと誰か死にそうだな。やめよう。
門をバリケードに攻撃態勢を整えたのです。
「ゾンビが30はいそうだ。気を抜くなよ。」
近寄ってきたゾンビをまず銀杏が
ズダダダっとアサルトライフルを斉射する。
そして撃ち漏らしたヤツを、僕のショットガンとコトミのハンドガンで倒していく。
弾はもったいないが、ここでもったいぶってはいけない気がした。
槍では、一体づつと戦ったときでしか倒せなそうだった。
ダンっ
タタタタ!!
2人の発砲音がこだまする。
今倒しているゾンビも、元は人間だったのかと少し悲しくなりながら。
「気にしてはダメ。ゾンビになったら普通は殺すもの。でないと被害者が増えるだけ。」
そっか。割り切れてるんだな。
僕も切り替えなきゃ。
迫りくるゾンビの頭に向けてダンッと弾をぶちこむ。スイカのように弾ける頭。
僕ら二人は死なないが、コトミがゾンビに噛まれでもしたら大変だ。いきたままゾンビ化の感染がおきてしまうらしい。
その後も続く発砲音。なるほど、ゾンビが砂になるってのもよくわかった。
門の前が砂だらけになっていた。
「たかし、見渡してもうゾンビはいない、大丈夫そうだぜ。」
ほっとした。コトミを守れたこと、教会を守れたこと、チビ3人を守れたこと、達成感があった。
教会の中に戻ると3人が迎えてくれた。
「お兄さん、生きててなによりです。」
「我が夫め。よくがんばったぞ!撫でてやろう。」
「イエーイ!」
ありがとう。なんだか救われるよ。
もうその日はゾンビも来なかった。
今日のようにまとまって来る回数が増えたらどうしようなどと考えながら、夕食を取った。
「確かに来るかもしれないな。外に物資を取りに行く班と、家の留守を守る班にわかれよう。」
順当にいくなら、銀杏くんとコトミで探索、僕と子どもたちで家を守るってとこだね?
「それがいいと思う。そうしよう。」
話も終わって、寝床につく。
今日も3人は僕と一緒に寝るようだった。
「寂しくなんかないんだからね」
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