信州観劇日記

ことい

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県内いろいろ

『鶴と亀と「人間失格」』劇団ハルナツコとアキフユコ(ライブスタジオカフェビーンズ・長野県長野市) 2025/3/8

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 三つ巴を観劇いただいて、お返しのつもりで観劇。でなきゃ、回避してたと思う。

今更の『人間失格』。

タイトルの鶴と亀の意は分からなかったが、今までで一番素直に受け取れたと思う。

男1人に群がる女たち。多種多様な女をジューシーさんが演じる。ココ・シャネルの謳い文句のようにシンプルなブラックドレスに、色とりどりの小物を替えて。ときに可愛らしく、ときに儚げで、押し付けがましくて、狂ったようで、重たくて。

男を演じるのがラッキーさんという女性だったのも私には良かったのだと思う。それぞれの女の重さ、煩わしさがそのままあり、それに戸惑う男に対しても怒りより同情を先に持てた。

そして、何より当日の自分にはその男の空っぽな様がまさに自身のようでひどくこたえた。

私には何もない。世を蔑みがら、道化として機嫌をとってやり過ごしている。

それでも生きてしまった以上は仕方なく。それに惹かれてしまった女たちも仕方なく。愛おしいものは仕方なく。だから、その日の私も仕方なかったのだな…と。

本当に困った作品であり、困った作者である。

あらためて、このご縁に感謝。そして、またの機会に。
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