信州観劇日記

ことい

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犀の角

『華』河除静香 (犀の角・長野県上田市) 2024/12/22

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なんかギリギリまで予定をキャッチ出来なくって、こっそりヤキモキしていたが、当初のラインナップの通り無事観劇。



河除さんを始めてみたのは上田でのインディペンデント。『見た目問題』に一人芝居で挑む姿に勇気付けられた。

今回は、同じく一人芝居で作られた作品を加えつつ、香川大学の学生さんとの二人芝居となる。

言い方は何だが、学生さんは普通の顔立ち。敢えていうなら、体格は個人的に親近感がある。冒頭、その学生さんの身体表現に、見た目のコンプレックスを呟くセリフが乗っかるシーンから始まる。

よくある女子の悩み事のように見える。その後、生まれつきの病気として手術を要した河除さんの登場、あらためて物語が始まる。まぁ、そうなのだよ。河除さんの体験談として語られるセリフの一つひとつはある種赤裸々で胸をえぐるが、共感できてしまう。同じような体験をした人間はいくらでもいるのではないかと思う。

小二のときクラスの王子様ポジだった男子に「好きな子を教えてやる」と言われてホイホイ寄せた耳元で『お前みたいなブス好きになるかよ』と言われた衝撃…久し振りに思い出した。

親の教育もあるはあって、先日見た親から不細工だと育てられた美人の話…とまではいかないが、何を持って「ブス」とするか「化け物」とするか…実に曖昧だし、環境だったり偶然だったり…なんだかな…と思う。初対面で「?」って思った子がカワイく見えたりするのよ、本当。

結局、河除さんはいくつかの出会いと、それを素直に受け取れた結果、よっぽど幸福に見える。むろんキツイ体験がチャラになる訳でもないし、それも踏まえてのことではある。

旦那さんとの何処の少女漫画だってくらいの馴れ初め話とか、演出の方も言ってたとおり「我々は何を見させられてるんだ」って感じでもある。それでも、紛れもなく無邪気に事実だし、その出会いのお裾分けをしてくれてるんだな…って気になる。もちろん、それは受け手である私の勝手なんだけど。

去り際、図々しくも「一人芝居だったところに他の人が入ることに抵抗はなかったか?」と聞いてみた。むしろ、他の人とやってみたかった、と。自分でない相手から言われて受け取り方が変わったセリフもある、と。自分で育てると宣言するお母様のセリフ。

こうやって外界と関わっていこうとする姿勢に憧れるし、美しい。無責任な言葉だとは思うんだけど、そう改めて思った。

また、次の表現にも居合わせられますように。

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