信州観劇日記

ことい

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犀の角

『犀の夜 act.23』(犀の角・長野県上田市) 2024/11/9 

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正直、気を抜いて向かった回ではあった。GOKUさんはともかく、もこてぃさんはオープンマイクで何度かお見かけしている。歌い手さんへの自分の感性には自信がない。

が、なんかもうイロイロ持ってかれた。



まず、もこてぃさんの印象が全然違った。そりゃまぁ多数の一人としての10分の枠と、一人としての30分で変わるのは分かる。し、語るべきことを持ってる人ってのはいるんだな…って。息を取り込みながら吹き続ける法螺貝。そのロングトーンとウネリの心地よさもありながら、なんかリズム楽器のような印象を受けた。音の出し方としては自分が苦手な金管楽器に近いはずなのだけど、印象がガラリと変わった。語りはスピ界隈でよく聞く話題でもあったのだけど、その空気感と人柄と実体験のリアルさとで、なんかすんなりと入ってきた。この目の前の愛おしいものに感謝しようって。それでいいんだって。

そして、uiさん。
この方がほんとに繊細で。いや、力強くはあってメッセージ性もあって、WRADWINPS…って言うと前々前世みたいなキャッチーな曲のイメージだけどコンサートで聴いて素直に感動した曲があって、そこからさらにエグミとかエゴとか野心とかノイズとか、全部沈殿させた感じ。WRADはそのエグミが味でもあるんだけど、無くても良くて。歌詞とか全部受け取れてないくても、この世になること自体の儚さとか有り難さとかそんな感覚があった。この目の前の人が生きていてくれるだけで奇跡だなって。余韻もすごくて、妙な時間差で涙が出てきたりした。



とはいえ、自分がやれることは相変わらずなので、自分のオープンマイク枠では、マイペースにやらせてもらった。なんか場を彼岸に戻せた気が勝手にしている。戻らなくてもいいんだけどさ。
この日はGOKUさんもいつになく剥き身な印象で、別の知人がわざわざ賞賛しに行ったのが、個人的に面白かった。観客的には一人目なのだけど、リハなり何なりを経ての舞台とするとなんか納得する。もしかしたら、もこてぃさんもそうなのかもしれないし、お互いにそうなのかもしれないし。そういうウネリの渦中でのGOKUさんが観られたのは有り難かったな、とか。
また、是非。
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