信州観劇日記

ことい

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ネオンホール

『名もなきオープンマイク0 vol.207』(ネオンホール・長野県長野市) 2025/5/30

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斎藤木馬さんゲスト会。
いったんライブをやめるとのことで貴重な回に居合わせてしまった。

良いとか悪いとかって言うより、好みの問題であると思う。
講談というか落語というか歌舞伎というか、所謂べらんめぇ調の節回しに自分には無いはずの江戸っ子魂をくすぐられる。たぶん前回リアルでネオンに来た時も居合わせてるはずでその特別感もあってのファン…のつもりだったが、記憶が定かでない。でも、オンラインだけで自分がここまでのめり込むとも思えず。

で、今回はそのうねりに生命力の原点みたいなのを感じた。相変わらず言葉は雰囲気で受け取っていてテキストで補完したいのが本音だが、悲哀とか怒りとかやるせなさとかそういうのが振動に乗って伝わる感覚。

照明を落として、手元のランタン?でわずかな強弱を付ける見せ方もよかった。無駄なものがないっていうか。それでいて存在感がある。

辛うじて記憶に残っている『漁師』の単語から『漁火』というやつかしら?と思う。実際はわからないが、遠洋漁業の現場に結果的な女人禁制を感じる。それが何かを歪める訳ではなく、そこでの生き方が綴られる感覚。

あんま性差とか言いたくないし、『男の苦悩』とかいつもなら鼻で笑う意地の悪さが自分にはあるわけだが、なんか、こう、生きてるんだって素直に感じられた。何もない中で生きてく力みたいなのをお裾分けしてもらった気がする。それもあの音域と声帯だからこそなんだろうし、同じ人生はトレース出来ないわけで。

この記事を書くのに検索したら、当のGOKUさんや植草さんが熱く語る動画があるらしく、素晴らしさはそちらに委ねるべきかと思う。



当日は他にもお久しぶりの方がいて、バッキバキに世界観を発揮してた。しかもパワフルに。やっぱ表現の場が必要な人っているんだと思う。その姿が見られて、帰り道でご一緒できたのもよかった。黒岩さんも弾けてた。

GOKUさんらが「詩の朗読が多いのが珍しい」と言っていてちょっと面白かった。自分はBL漫画から失恋を振り切ろうとする一説を。あれはハッピーエンド終わるんで、ちょっと躊躇いながら…まぁいい。

勝手に弱っていた自分に生きる力をお裾分けしてもらえました。感謝。



間口広く、表現との出会いの場にとかく場に、是非また。
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