信州観劇日記

ことい

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犀の角

『HAGOROMO』(自宅・長野県松本市) 2025/1/某日

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忘れたころに届いたリターン品。
現場はともかく、なんか苦労もあったみたいでこうして手元に届いたことが有難い。



映画『部落差別法』などを手掛けるインドのシャンタールさんが、荒んだ世情に心を痛めながら飛行機こら見下ろした富士山の美しさに心を打たれ、その美の体現としてSPAC(静岡の演劇)の美加理さんとともに、インドと日本で『羽衣伝説』を舞台化する…の2年目。

以前のトークイベントでは森の中にある建物のような写真だった記憶で、ステージも一部木々が覆っているような見た目。セットと言ってしまえもするが、自然を感じる。それで言いながら、続々と入ってくるお客さん。程なく満席になる。素晴らしい。

羽衣伝説というのは国内だけでなく様々あるようだが、今回のベースとなっているのは能の羽衣っぽい。羽衣を取った側の理不尽は控えめ、それは奪い返す天女も正攻法で誠を示しながらとなる。そもそもの発端として飛行機から富士山を見たシャンカルさんが「無条件で美しいものを」と意図した内容か心配したのは、杞憂だったみたいだ。

漁師を現地の女優さん、天女が美加理さん。打楽器と歌唱がそれぞれの動作と台詞の代わりに奏でられる。そもそも天女を人が演じるって発想もスゴいことだと思うけど、人ならざるものを演じてきた方だけあって、美しい所作だった。寄った図だと違う印象かもだけど、これはこれで我儘としておく。

さて、来年の日本公演はあるのか?楽しみ。
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