好きです、今も。

めある

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大会、覚悟。

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「面!」

ぐわり、立ち込める熱気。
剣道特有の掛け声、竹刀のぶつかり合う音。そして、湧きあがる拍手。
いつもとは全く違う緊張感。


―大会当日である。


決意を固めたあの瞬間から、あっという間に時は過ぎて行き、気がつけば、俺はこの舞台に立っていた。

頬を伝う汗を拭いつつ、じっとトーナメント表を眺める。すでに準決勝までは終えていて、残すは決勝のみ。これに勝てば、全国大会の出場が確約される。俺たちは、危なげなくここまでたどり着いた。

―だが、きっと、次はそううまくいかないだろう。

俺たちの次の相手。それは、全国大会常連の超強豪校だった。この高校にはこの決勝の場で何度も戦ってきたが、一度も勝てたことがない(らしい)。
その名前を見て、無意識に手に力が入っていたらしい。ぐしゃり、とトーナメント表が歪んだ。


緊張を解くように深く呼吸をして、周りを見渡す。
横に並ぶ仲間たちは、眉間にわずかに皺を寄せて、竹刀を強く握りしめていた。
その中で、安達はいつも通り、真剣な眼差しで前を見据えていた。
一年生でありながら、中堅という大役を任された、頼もしい存在。
―そして、俺の胸をざわつかせる、不思議な存在。思わず、その整った横顔をじっと見つめてしまう。

―いや、いつも通りじゃないな。いつもより顔が強張ってるし、すっと下された拳は強く握りしめられている。…こいつも、緊張しているのか。思いがけず、ふっと笑みがこぼれた。


俺たちの高校の名前が呼ばれた。逸る鼓動を抑えつつ、立ち上がる。
安達は呼吸を整えながら、小さく拳を震わせて、立ち上がる。
その背中を見ると、自然に手が伸びた。

ぱしん。

軽い音が響く。


「大丈夫だ、楽しもうぜ。」


安達は一瞬、ぴくりと小さく肩を震わせた後、かすかに頷いた。
交わる視線、その輝く金の瞳の奥に強い覚悟を感じて、あぁ、なんだ、これなら大丈夫そうだと、また小さく笑みをこぼす。
俺も深く頷き返し、仲間たちの並んでいる場所へと向かった。


―汗がにじむような熱気、天井から降り注ぐ照明の光、鳴りやむことのない拍手。


「ビーッ!!」



全ての音をかき消すように、試合開始の笛が鳴り響く。
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