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1章
落とし穴
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とりあえず全力のライトニングボルトを撃ってみたわけだが、全然効いてなさそう。
しかも不意をついてだったのに。
ダメだこりゃ。私の今の最強魔法を不意打ちで叩き込んでほとんどダメージになっていない。
どうにか足止めして逃げる方向に方針を変えよう。
「暗黒の霧、混乱の雨」
暗黒の霧は所謂黒魔術だ。各属性魔術とはまた系統のちがう、呪術に近い魔術である。何が出来るかというと、任意の所を暗くして視界を奪う、それだけなんだけど。でも、その上で混乱を誘発する雨を降らす。これに当たると前後不覚に陥る雨なのだ。さらに……
「そして・・・!ウインドスラッシャー!フレイムボム!フレイムボム!ボム!」
縦横斜めに風の刃を打ち込みまくる。そして炎の爆撃だ!見えないのは敵だけじゃない。私にも全く見えていないのだ。打って打って打ちまくる!
壁も地面も天井もない。
むしろ出来れば土も根も全部崩れて通路を埋めてくれ!
「そして必殺の!アースウォール……かーらーの!ウインドバースト!」
見えなくして混乱を誘発し、風の刃で切り刻み、爆発で土煙を立ててさらには壁を作って!
その上で後ろを向いて全力で逃げる!
ウインドバーストは私の背中から出して加速するための魔法だ。風の力で通路を文字通り飛んで逃げる。
これでどうじゃあ!逃げきったるで!
『才は認めるガ、マダまダ青い。ヤハリ子供だナ』
「なっ!があッ!」
ウインドバーストで逃げている私にさくっと追いつき、背中に拳を叩きつけられる。元々の加速で勢いが付いているので床に壁にとドカドカあちこちぶつかって止まる。
プリンちゃんがさりげなくクッションになってくれたが、そうでもしなきゃあっちこっち折れてそう。
擦り傷はいっぱい出来てるけど。
「いったたたた。プリンちゃんありがと。」
プリンちゃんはプルプルと返事をしてくれる。
くっそー。あいつホントにとんでもない奴だな!
やっぱりさっさと逃げとけばよかった。
こりゃ私の今の力じゃだめかもなあ。一度見つかったら逃げることすら出来ない。
でも、あの状況であの子達を見捨てて逃げるという選択もできなかった。
そうすれば助かるのは分かっていたんだけども。見捨てて逃げるなんて事私には出来ない。出来ないよなあ?
『大人しくしロ。悪イ様にはせンぞ』
「悪い様にはって、すでに凄く痛いんですけど!」
『そレは貴様が逃ゲルからダ』
「はいはい、私が悪うございました」
頑張って入り口まで逃げようかと思ったけど、どうにも難しそうだ。どうしよう?どうすればいい?
走ったり魔法で補助して逃げるのもさっきより早くは無理だ。魔法をぶつけてもちょっとやそっとじゃ無理そう。このままじゃあカリナたちにも追いつかれる。
どうすれば……!どうすれば逃げられる?……?
逃げる?逃げ?入り口の階段まで、階段?ん?
あ!あああああっ!階段!そうだ!
その時、私に悪魔的な閃きが訪れた。
そうだ、入り口に逃げる必要は何一つなかった。ダンジョンの奥に行っちゃえばいいじゃん。
奥、正しくは下の階層に行けばいい。
オークたちは階段のほうから来ていた。あっちは埋まっているだろうけど、ほかに道がないわけじゃない。
それにあいつらは私を狙ってるって言ってたんだからカリナたちのほうを追いかける事もないだろう。
うんうん。我ながらすばらしい考えだな。
そしてやや乱暴な方法だが、この手を使えばすぐに下の階層に移動できる。よし、覚悟は決まった。
「何ヲしテいる?覚悟ヲ決めタのか?」
「そうね。大体そういうことよ。行くわよ……どっりゃああああ!落とし穴MAXパワー!」
私の持つ魔力を半分以上注いで真下の床に穴を開ける。私の大きさと同じ程度に。
こうすればあの大きなオークたちはここから入れない。そして私は合法的に下の階層へ行けるのだ。
大丈夫。私だけじゃない。プリンちゃんもいるから!一人で危ないことしてるには入らない、はず!
うへへ。やったぜ!半年以上1階層だけで我慢してた甲斐があったわあ。
するるるるーっと落ちていく。何処まで落ちるんだこれ?まあいいや。落ち始めたらもうどうにもなんない。
空を飛べない私に出来るのはせいぜい落下のショックを和らげることくらい。なるようになるさ。
うーん、なるようになる。
なんてすばらしい言葉だろう。
しかも不意をついてだったのに。
ダメだこりゃ。私の今の最強魔法を不意打ちで叩き込んでほとんどダメージになっていない。
どうにか足止めして逃げる方向に方針を変えよう。
「暗黒の霧、混乱の雨」
暗黒の霧は所謂黒魔術だ。各属性魔術とはまた系統のちがう、呪術に近い魔術である。何が出来るかというと、任意の所を暗くして視界を奪う、それだけなんだけど。でも、その上で混乱を誘発する雨を降らす。これに当たると前後不覚に陥る雨なのだ。さらに……
「そして・・・!ウインドスラッシャー!フレイムボム!フレイムボム!ボム!」
縦横斜めに風の刃を打ち込みまくる。そして炎の爆撃だ!見えないのは敵だけじゃない。私にも全く見えていないのだ。打って打って打ちまくる!
壁も地面も天井もない。
むしろ出来れば土も根も全部崩れて通路を埋めてくれ!
「そして必殺の!アースウォール……かーらーの!ウインドバースト!」
見えなくして混乱を誘発し、風の刃で切り刻み、爆発で土煙を立ててさらには壁を作って!
その上で後ろを向いて全力で逃げる!
ウインドバーストは私の背中から出して加速するための魔法だ。風の力で通路を文字通り飛んで逃げる。
これでどうじゃあ!逃げきったるで!
『才は認めるガ、マダまダ青い。ヤハリ子供だナ』
「なっ!があッ!」
ウインドバーストで逃げている私にさくっと追いつき、背中に拳を叩きつけられる。元々の加速で勢いが付いているので床に壁にとドカドカあちこちぶつかって止まる。
プリンちゃんがさりげなくクッションになってくれたが、そうでもしなきゃあっちこっち折れてそう。
擦り傷はいっぱい出来てるけど。
「いったたたた。プリンちゃんありがと。」
プリンちゃんはプルプルと返事をしてくれる。
くっそー。あいつホントにとんでもない奴だな!
やっぱりさっさと逃げとけばよかった。
こりゃ私の今の力じゃだめかもなあ。一度見つかったら逃げることすら出来ない。
でも、あの状況であの子達を見捨てて逃げるという選択もできなかった。
そうすれば助かるのは分かっていたんだけども。見捨てて逃げるなんて事私には出来ない。出来ないよなあ?
『大人しくしロ。悪イ様にはせンぞ』
「悪い様にはって、すでに凄く痛いんですけど!」
『そレは貴様が逃ゲルからダ』
「はいはい、私が悪うございました」
頑張って入り口まで逃げようかと思ったけど、どうにも難しそうだ。どうしよう?どうすればいい?
走ったり魔法で補助して逃げるのもさっきより早くは無理だ。魔法をぶつけてもちょっとやそっとじゃ無理そう。このままじゃあカリナたちにも追いつかれる。
どうすれば……!どうすれば逃げられる?……?
逃げる?逃げ?入り口の階段まで、階段?ん?
あ!あああああっ!階段!そうだ!
その時、私に悪魔的な閃きが訪れた。
そうだ、入り口に逃げる必要は何一つなかった。ダンジョンの奥に行っちゃえばいいじゃん。
奥、正しくは下の階層に行けばいい。
オークたちは階段のほうから来ていた。あっちは埋まっているだろうけど、ほかに道がないわけじゃない。
それにあいつらは私を狙ってるって言ってたんだからカリナたちのほうを追いかける事もないだろう。
うんうん。我ながらすばらしい考えだな。
そしてやや乱暴な方法だが、この手を使えばすぐに下の階層に移動できる。よし、覚悟は決まった。
「何ヲしテいる?覚悟ヲ決めタのか?」
「そうね。大体そういうことよ。行くわよ……どっりゃああああ!落とし穴MAXパワー!」
私の持つ魔力を半分以上注いで真下の床に穴を開ける。私の大きさと同じ程度に。
こうすればあの大きなオークたちはここから入れない。そして私は合法的に下の階層へ行けるのだ。
大丈夫。私だけじゃない。プリンちゃんもいるから!一人で危ないことしてるには入らない、はず!
うへへ。やったぜ!半年以上1階層だけで我慢してた甲斐があったわあ。
するるるるーっと落ちていく。何処まで落ちるんだこれ?まあいいや。落ち始めたらもうどうにもなんない。
空を飛べない私に出来るのはせいぜい落下のショックを和らげることくらい。なるようになるさ。
うーん、なるようになる。
なんてすばらしい言葉だろう。
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