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2章

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朝食も終わったので食堂から帰って、私の部屋へ。

これから少し時間を空けてシエラ先生の授業が始まる予定だ。
今日は国際情勢のお話らしい。
なんだか近くの国々も小競り合いをしているらしいのだ。
あんまりダンジョンとは関係ないし、私は興味ない話だなあ。


そんなことよりはさっきの話だ。ダンジョンからドラゴン連れて帰ってをペットにする。
それはとってもすばらしいことだと思う。でもだからって……


「だからってプリンちゃんは要らないって訳じゃないから拗ねないでよ」

(プルプル)


プリンちゃんからは何を言ってるのかよくわからない言葉のようなものが聞こえてくるなあ。
プルプルって何なんだろう。別にドラゴン仲間にしてもいいのよってことかな?


(プルプルプル!)

「怒った!やっぱりダメってことかあ」


ドラゴンなんか仲間にしないで!私だけを見て!ってことだな?
なかなかスラちゃん達もやりおるのう。

やっぱり時代はモフモフよりぷにぷにだろ?って言いたいに違いない。


(ぷるぷる)

「うんうん。って言ってるのね。うーん、でも私はモフモフも欲しいしドラゴンちゃんもワンちゃんや猫ちゃんも仲間にしたいよ?スラちゃんはスライム以外はダメ?」

(ぷる~)


もう一押しだ!これは押せばいける!
今こそ必殺のナナメ45度!下からおねだりのポーズ!ママに教えてもらった必殺技を使う時だ!


「ねえ~んいいでしょう、ぷりんちゃーん?もうムカデさんもいるんだしさあ~?」

(しょうがないプルなあ)

「よっしゃあ!って、あれ!?今お話できた!?」

(できてるプル?)

「やった!やった!いっよっしゃー!ついにスラちゃん語をマスターしたぞ!あーしゃ は すらちゃんご を おぼえた! だね!」

(そうとも言うプル。神様にも報告しとくプル)

「神様ってだれ?」

(それは……言っちゃだめプル。そのうち分かるって言ってるプル)

「ふーん?」


なんだかよく分からないけどスラちゃん語をマスターできたので良しだ!
それにしてもスライム語を喋れるようになる日が来るとは驚きだなあ。シエラ先生にも自慢しないと


「ね!プリンちゃん!」

(そうプルね)

「アーシャ様・・・プリンちゃんとお話してるんですか?」


あ、シエラ先生が入ってきてた。
プリンちゃんとのお話に夢中で全く気付かなかった。


「あ、シエラ先生!私プリンちゃんとお話できるようになったよ!」

「そうですか。早かったですねえ」

「スライムちゃん達とお話できるようになるのってよくあることなの?」

「契約しているモンスターと念話が出来るようになるというのは時々あります。色んな条件をクリアしている事が前提ですけどね」

そうなんだ。知らなかったなあ。他のモンスターたちとも会話が出来るようになるんだろうか?それにしても色んな条件か。プリンちゃんの場合どんな条件だったんだろう?

「先生、条件ってどんな?」

「いろいろな場合がありますが、術者に一定以上の魔力があることや、それから契約したモンスターもある程度以上成長していることなどが考えられていますね。もちろん両者の仲がいいことが大前提らしいですが。おそらくは他にも色々な条件があると考えられていますよ。ですが何しろモンスター側にも条件は良く分かっていないようです」

「ふーん?そうなんだ?」

(そうプル。気が付いたら伝わるようになるプル)

「気が付いたら伝わるようになるって言ってます」

「そうらしいわよ?アーシャちゃんにもどうして話が出来るようになったかわからないでしょう?人間にもモンスターにも良くわからないものらしいわ。いつの間にかできるようになるって話しか伝わってないのよ。それにしてもうらやましい。先生の牛乳スライムもお話できるようにならないかしらねえ」

「先生!愛情だよ愛情!」


これはきっと私のプリンちゃんに対する愛情が生み出した奇跡!なのだ!
そうだといいなあ。


「愛情ですか。確かにそれは大変重要な要素だと思いますよ。ところでアーシャ様、ここ最近、国外が少しきな臭い状況になっているのはご存知でしょうか?」

「え?そうなの?わかんない」

「アーシャ様には誰も教えてなかったようですね。ユグドラシル王国の位置する精霊の森から東に位置するドワーフの国『ドヴェルグ王国』とそのさらに東側にある人間の国である『ローレル王国』の間できな臭いことになってきています。だから私も出征する事になりました。」

「出征って……戦争に行くんだよね?」

「そうです。私も軍人ですので。まあ、今回はドワーフどもの国を偵察がてら見に行ってきますよ。ローレル王国の方もどうやらあまり本気ではないようですし、特に戦闘にはならないでしょう。」

「ならいいんだけど。気をつけてね」

「はい。姫にはその間に宿題を出しておきますね。そうですね、姫は直接戦闘が不得手なので、魔力を纏っていてくださいね、できれば寝る時以外ずっとですよ。」

「え?こう?」


魔力を全身に薄く纏わせる。
ぼんやりと魔力の光を纏っているだけだが、これだけでも少しは防御力が上がりそう。
でも疲れるし、集中してないとすぐに切れちゃいそうだなあ。


「そうです。それを私が帰ってくるまでずーっとですよ。頑張ってくださいね」

「ええっ!これそんなに長く続かないよ」

「慣れれば大丈夫ですよ。慣れればね。息をするように魔力を纏うことができます。そしてそのうちもっと濃い魔力を体内で纏い続けるようになれます。というかダンジョンの深層にいくならそのくらい出来ないと困りますよ」

「むむっ。がんばる」

「頑張ってくださいね。アーシャ様もいずれ学園に通うでしょうし、その頃までにはマスターしないと」


学園。学園かあ……


「先生、私は学園にいきたくないよ。知らない人と遊ぶのはちょっと苦手だし、寮なんてやだよ。ママやシエラ先生と一緒にいたいよ。それにダンジョンにもいけなくなっちゃうんでしょ?」


学園は15歳になると通わないといけないとだけ聞いている。みんな寮生活をするんだって。

すっごく嫌だ。

ダンジョンにも好きな時にいけなくなるし、スラちゃんたちともお別れだし、パパやママや、お城のみんなともなかなか会えなくなっちゃう。そんな辛いの嫌だよ。


「行きたくない……お別れしたくないよ」

「まあ!アーシャ様、泣かないで。先生が悪かったわ。もし学園に行くようになってもどうにかしてみんなで一緒に暮らせるようにしましょう。それまで先生も頑張るから。ね」

「うわあああんシエラ先生ぇー!」


お別れの事を考えると涙が止まらなくなって、シエラ先生に抱きついて泣いてしまった。
何事かとメイドのみんなが部屋の入り口に来て心配してくれているのが分かる。でも涙が止まらないよ。


「大丈夫ですよ。皆さん仕事に戻ってください」

「はい。失礼します姫様」


カリナの声がした。
そちらを見るとカリナがメイドのみんなに指示を出していたみたい。
カリナともお別れかあ、と思うと悲しくなって今度はカリナに抱きついて泣き出してしまった。
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