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第4話
(16)
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「――ここが、お前がこの家で寝泊まりするときに使う部屋だ」
ある部屋の前で立ち止まり賢吾が言う。障子を開けると、ごく普通の和室の客間には二組の布団が並べて敷かれていた。その布団の上に、千尋があぐらをかいて座っている。
突然、部屋にやってきた和彦と賢吾を見ても、驚いた素振りも見せないどころか、千尋は笑みをこぼした。
「待ってたよ、先生」
障子を閉めた賢吾の手が肩にかかる。
これから何が起こるのか察した和彦が感じたのは、不安でも恐怖でもなく、身震いしたくなるような興奮だった。
背骨のラインに沿うように千尋の舌が這わされながら、興奮のため硬く凝った胸の突起を強く引っ張られる。
「んうっ……」
小さく呻き声を洩らした和彦が体を揺らすと、内奥深くにまでしっかりと埋め込まれた、逞しく熱い欲望の存在を強く意識する。
布団に仰向けで横になったまま、賢吾は笑っていた。そんな賢吾の顔を見下ろして、圧迫感に耐え切れず、和彦は賢吾の逞しい胸に両手を突いて前のめりとなる。すると賢吾に軽く尻を叩かれた。
「ほら、先生。しっかり動け。尻に、美味いものを頬張っただけじゃ、楽しめないだろ。掻き回して、擦り上げて、奥をたっぷり突かないと。ここも、苦しそうだ」
そう言って賢吾が指先で弾いたのは、二人の男――父子から与えられる淫らな攻めによって反り返った和彦の欲望だった。さきほどから、尽きることなく透明なしずくを先端から滴らせ、ときおり千尋に嬉々として舌先で舐め取られている。そこまでされながら、まだ絶頂を迎えてはいない。
自分で動くのは苦手だ。だが、体の奥から突き上げてくる強い欲情に逆らえず、和彦はぎこちなく腰を前後に動かし、賢吾の逞しい欲望を、よりはっきりと内奥で感じようとする。
賢吾と千尋に同時に求められ、確かに抵抗があったのだ。しかしそんなものは、横になった賢吾の腰を半ば強引に跨がされ、繋がることを強要された時点で、脆くも崩れ去ってしまった。羞恥も戸惑いも、二人の男から求められる行為の前では、媚薬でしかない。
焦れたのか、賢吾の両手が今度は尻にかかり、乱暴に揺さぶられる。
「あうっ、うっ、ううっ」
湿った音を立て、賢吾のものが内奥から出し入れされる。和彦の背後に回っている千尋からは、その様子がすべて見えているだろう。賢吾に下から数度突き上げられ、和彦が甲高い声を上げたところで、千尋が唸るように言った。
「オヤジばかりズルイだろっ」
和彦の腰が抱え上げられ、内奥から強引に賢吾のものが引き抜かれる。その衝撃に声を洩らした和彦は、上体を賢吾の胸に倒れ込ませていた。和彦の体を抱きとめて、賢吾が微苦笑を浮かべる。
「血気盛んだな。うちの子犬は」
「子犬って言うな」
そんな言葉とともに、硬く張り詰めたものが、綻び喘ぐ和彦の内奥を犯し始める。賢吾のものを引き抜かれたばかりのその場所は、容易に若々しい欲望を呑み込み、締め付ける。
「ああっ――……」
賢吾の体の上で悶えながら、和彦の体は、その息子である千尋の体の一部と繋がっていた。あまりに倒錯した状況に、和彦の理性は蜜を滴らせるように溶けていく。体のほうは、父子の愛撫によってとっくに溶かされていた。
「……先生の中、締まりまくり……。でも、わかるよ。すごく柔らかくなってること。あれだけオヤジに掻き回されてたら――」
しっかりと腰を抱え直され、背後から千尋にゆっくりと、しかし力強く内奥を突かれる。和彦は、刺青の施された賢吾の肩にすがりつき、堪えきれない声を上げる。
汗で濡れた背を賢吾の大きな手で撫でられ、髪を掻き上げられる。促されるように顔を上げた和彦は、そうすることが当然のように賢吾と唇を触れ合わせ、舌を吸い合っていた。
「――こんなことをするのは初めてなんだぜ、先生」
キスの合間に賢吾に囁かれる。一方で千尋の律動が速くなり、脆くなっている和彦の内奥の粘膜と襞は、擦り上げられるたびに狂おしい快感を発する。
「あっ、あっ、千、尋っ……」
「先生、イイ声。ねえ、もう、イきそう?」
腰を抱え込まれ、猛った欲望がぐうっと奥深くまで押し込まれる。思わず腰を揺らすと、しっかりと賢吾に抱き締められていた。その感触が、不思議なほど嬉しい。
どんどんヤクザの手口に引き込まれていると思うが、ただ思うだけだ。拒絶する気持ちは一欠片も湧き起こらない。
「俺と千尋は、オンナを共有したことはない。もちろん、こんなふうに、一人のオンナを二人がかりで愛してやったこともな」
ここでまた和彦は、賢吾と唇を触れ合わせる。すると、千尋のものに小刻みに内奥を突かれ、痺れるような快感が腰から背筋へと這い上がってくる。浅ましいとわかっていながら和彦は、賢吾の腰を跨いだ格好で、抱え上げられた腰を振って快感を貪る。
「ううっ……、あっ、くうっ……ん、千尋、千尋っ――」
触れられないまま和彦は絶頂を迎え、賢吾の引き締まった腹部に精を迸らせていた。この瞬間、千尋がひどく頼りない声を上げ、和彦の絶頂から少し遅れて、内奥深くに熱い精を叩きつけてきた。
二人の一連の行為を、賢吾は横になって和彦を抱き締めたまま、目を細めて見ていた。その表情はひどく楽しそうに見え、和彦は強烈な快感の余韻に息も絶え絶えになりながらも、賢吾の顔から目が離せなかった。
「――千尋のオンナにされた顔だな。ゾクゾクするほどイイ顔だ、先生」
ただでさえ魅力的なバリトンに、さらに官能的な響きを加えて賢吾が囁いてくる。和彦は息を喘がせながら、引き寄せられるまま賢吾の肩に顔を寄せていた。
「次は、俺のオンナになるか?」
耳元でさらにこんなことを囁かれ、嫌とは言えなかった。体が壊れても、この男を受け入れたいとすら願ってしまう。
「は、い……、賢吾、さん……」
「いい子だ、先生」
内奥から千尋のものがゆっくりと引き抜かれると、和彦の体は布団の上に横たえられ、賢吾に片足を抱え上げられる。賢吾に、秘部のすべてを見られていた。精を迸らせたというのに、まだ力を失っていない和彦のものも、注ぎ込まれたばかりの千尋の精をはしたなく溢れさせている場所も。
ある部屋の前で立ち止まり賢吾が言う。障子を開けると、ごく普通の和室の客間には二組の布団が並べて敷かれていた。その布団の上に、千尋があぐらをかいて座っている。
突然、部屋にやってきた和彦と賢吾を見ても、驚いた素振りも見せないどころか、千尋は笑みをこぼした。
「待ってたよ、先生」
障子を閉めた賢吾の手が肩にかかる。
これから何が起こるのか察した和彦が感じたのは、不安でも恐怖でもなく、身震いしたくなるような興奮だった。
背骨のラインに沿うように千尋の舌が這わされながら、興奮のため硬く凝った胸の突起を強く引っ張られる。
「んうっ……」
小さく呻き声を洩らした和彦が体を揺らすと、内奥深くにまでしっかりと埋め込まれた、逞しく熱い欲望の存在を強く意識する。
布団に仰向けで横になったまま、賢吾は笑っていた。そんな賢吾の顔を見下ろして、圧迫感に耐え切れず、和彦は賢吾の逞しい胸に両手を突いて前のめりとなる。すると賢吾に軽く尻を叩かれた。
「ほら、先生。しっかり動け。尻に、美味いものを頬張っただけじゃ、楽しめないだろ。掻き回して、擦り上げて、奥をたっぷり突かないと。ここも、苦しそうだ」
そう言って賢吾が指先で弾いたのは、二人の男――父子から与えられる淫らな攻めによって反り返った和彦の欲望だった。さきほどから、尽きることなく透明なしずくを先端から滴らせ、ときおり千尋に嬉々として舌先で舐め取られている。そこまでされながら、まだ絶頂を迎えてはいない。
自分で動くのは苦手だ。だが、体の奥から突き上げてくる強い欲情に逆らえず、和彦はぎこちなく腰を前後に動かし、賢吾の逞しい欲望を、よりはっきりと内奥で感じようとする。
賢吾と千尋に同時に求められ、確かに抵抗があったのだ。しかしそんなものは、横になった賢吾の腰を半ば強引に跨がされ、繋がることを強要された時点で、脆くも崩れ去ってしまった。羞恥も戸惑いも、二人の男から求められる行為の前では、媚薬でしかない。
焦れたのか、賢吾の両手が今度は尻にかかり、乱暴に揺さぶられる。
「あうっ、うっ、ううっ」
湿った音を立て、賢吾のものが内奥から出し入れされる。和彦の背後に回っている千尋からは、その様子がすべて見えているだろう。賢吾に下から数度突き上げられ、和彦が甲高い声を上げたところで、千尋が唸るように言った。
「オヤジばかりズルイだろっ」
和彦の腰が抱え上げられ、内奥から強引に賢吾のものが引き抜かれる。その衝撃に声を洩らした和彦は、上体を賢吾の胸に倒れ込ませていた。和彦の体を抱きとめて、賢吾が微苦笑を浮かべる。
「血気盛んだな。うちの子犬は」
「子犬って言うな」
そんな言葉とともに、硬く張り詰めたものが、綻び喘ぐ和彦の内奥を犯し始める。賢吾のものを引き抜かれたばかりのその場所は、容易に若々しい欲望を呑み込み、締め付ける。
「ああっ――……」
賢吾の体の上で悶えながら、和彦の体は、その息子である千尋の体の一部と繋がっていた。あまりに倒錯した状況に、和彦の理性は蜜を滴らせるように溶けていく。体のほうは、父子の愛撫によってとっくに溶かされていた。
「……先生の中、締まりまくり……。でも、わかるよ。すごく柔らかくなってること。あれだけオヤジに掻き回されてたら――」
しっかりと腰を抱え直され、背後から千尋にゆっくりと、しかし力強く内奥を突かれる。和彦は、刺青の施された賢吾の肩にすがりつき、堪えきれない声を上げる。
汗で濡れた背を賢吾の大きな手で撫でられ、髪を掻き上げられる。促されるように顔を上げた和彦は、そうすることが当然のように賢吾と唇を触れ合わせ、舌を吸い合っていた。
「――こんなことをするのは初めてなんだぜ、先生」
キスの合間に賢吾に囁かれる。一方で千尋の律動が速くなり、脆くなっている和彦の内奥の粘膜と襞は、擦り上げられるたびに狂おしい快感を発する。
「あっ、あっ、千、尋っ……」
「先生、イイ声。ねえ、もう、イきそう?」
腰を抱え込まれ、猛った欲望がぐうっと奥深くまで押し込まれる。思わず腰を揺らすと、しっかりと賢吾に抱き締められていた。その感触が、不思議なほど嬉しい。
どんどんヤクザの手口に引き込まれていると思うが、ただ思うだけだ。拒絶する気持ちは一欠片も湧き起こらない。
「俺と千尋は、オンナを共有したことはない。もちろん、こんなふうに、一人のオンナを二人がかりで愛してやったこともな」
ここでまた和彦は、賢吾と唇を触れ合わせる。すると、千尋のものに小刻みに内奥を突かれ、痺れるような快感が腰から背筋へと這い上がってくる。浅ましいとわかっていながら和彦は、賢吾の腰を跨いだ格好で、抱え上げられた腰を振って快感を貪る。
「ううっ……、あっ、くうっ……ん、千尋、千尋っ――」
触れられないまま和彦は絶頂を迎え、賢吾の引き締まった腹部に精を迸らせていた。この瞬間、千尋がひどく頼りない声を上げ、和彦の絶頂から少し遅れて、内奥深くに熱い精を叩きつけてきた。
二人の一連の行為を、賢吾は横になって和彦を抱き締めたまま、目を細めて見ていた。その表情はひどく楽しそうに見え、和彦は強烈な快感の余韻に息も絶え絶えになりながらも、賢吾の顔から目が離せなかった。
「――千尋のオンナにされた顔だな。ゾクゾクするほどイイ顔だ、先生」
ただでさえ魅力的なバリトンに、さらに官能的な響きを加えて賢吾が囁いてくる。和彦は息を喘がせながら、引き寄せられるまま賢吾の肩に顔を寄せていた。
「次は、俺のオンナになるか?」
耳元でさらにこんなことを囁かれ、嫌とは言えなかった。体が壊れても、この男を受け入れたいとすら願ってしまう。
「は、い……、賢吾、さん……」
「いい子だ、先生」
内奥から千尋のものがゆっくりと引き抜かれると、和彦の体は布団の上に横たえられ、賢吾に片足を抱え上げられる。賢吾に、秘部のすべてを見られていた。精を迸らせたというのに、まだ力を失っていない和彦のものも、注ぎ込まれたばかりの千尋の精をはしたなく溢れさせている場所も。
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