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第27話
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「いいよ。ずっと先生に責任取ってもらうから」
それは困る、と思った和彦だが、千尋に性急に唇を塞がれ、言葉が口をついて出ることはなかった。
千尋の汗ばんだ両てのひらが脇腹から胸元へと這い上がり、すぐに指先に左右の突起を探り当てられ、押し潰すように刺激される。体を押し付けてくる千尋の情熱に圧倒されながら、和彦ものろのろと手を動かし、千尋の体をTシャツの上からまさぐる。いつの間にか逞しさを増した若い体だが、和彦が愛しているしなやかさは少しも損なわれていない。
Tシャツの下に手を潜り込ませ、熱く滑らかな肌を撫で回す。この肌に刺青が彫られるのかと考えると、正直惜しい。だが同時に、千尋の肌に彫られた刺青を撫で回す瞬間を想像すると、和彦はひどく高ぶるのだ。
「先生、興奮してる」
和彦の両足の間を、パンツの上から押さえつけた千尋が嬉しそうに洩らす。思わず手を押し退けようとしたが、そのときにはすでに、ベルトを外されているところだった。
「千尋、立ったままでっ……」
「どうせ俺、若くして妙な性癖の持ち主だし」
「そんなことで開き直るな。すぐそこにベッドがあるだろ」
「見えない。――先生しか見えない」
真顔で千尋に囁かれ、感じた気恥ずかしさを誤魔化すように和彦は顔をしかめる。
「……何言ってるんだ、お前は」
「つまり、たっぷり俺と気持ちよくなろうってこと」
パンツの前を寛げられ、下着ごと引き下ろされる。ポロシャツすらも脱がされながら、無駄だと思いながら和彦は一応忠告しておく。
「シャワーも浴びてないから、汗くさいぞ」
「先生の汗の匂い、大好き」
半ば予測できた千尋の返答に、和彦はもう苦笑を洩らすしかない。身につけていたものをすべて脱がされてしまうと、羞恥に身じろぐ間もなく千尋に抱き締められた。
千尋のてのひらが、うなじから背、腰から尻へと移動する。たったそれだけで、鳥肌が立ちそうな疼きが背筋を駆け抜け、和彦は小さく声を洩らしていた。顔を覗き込んできた千尋と唇を啄ばみ合っていると、もう片方のてのひらが胸元をくすぐってくる。
期待で硬く凝った突起を指の腹で転がされているうちに、和彦のほうが堪えられなくなり、千尋の頭を片腕で抱き締める。和彦の無言の求めを察し、千尋は嬉々とした表情で胸の突起を咥えた。
「んっ」
足元がふらついた和彦は冷たいガラスにしっかりともたれかかり、むしゃぶりつくという表現がふさわしい様子で、突起を愛撫する千尋を見つめる。真っ赤に色づいた突起を、千尋がこれみよがしに唇に挟んで引っ張ってから、舌先で弄る。和彦は、胸の奥で湧き起こる狂おしい情欲に身を任せつつ、千尋の髪を手荒く掻き上げてやる。
顔を上げた千尋が、露骨な仕種で自分の指を舐めて、濡らす。その目的を理解して和彦はうろたえ、咄嗟に背後を振り返る。このマンションの周囲に高い建物はないし、バルコニーの手すり壁があるため、すべてが見えてしまう心配はないのだが、やはり気になる。
「先生、しっかり窓にもたれておいてね」
「……何をする気だ」
「いいこと」
軽い口調で言った千尋に次の瞬間、片足を持ち上げられる。千尋に言われるまでもなく、無理な体勢となった和彦は身動きが取れず、されるがままになるしかない。
唾液で濡れた千尋の指が尻の間に這わされ、内奥の入り口を探り当てられる。蠢くようにして一本の指が侵入を始め、和彦は異物感に眉をひそめる。
「きつい……」
そう感想を洩らしたのは千尋だった。和彦は千尋を睨みつけて、軽く頬を抓り上げてやる。
「それは、ぼくの台詞だ」
「でも、先生の中の感触が、よくわかる」
千尋がぐいっと腰を押し付けてきた拍子に、内奥にさらに深く指を埋め込んでくる。立って片足を抱え上げられるという無理な姿勢もあり、いつも以上に内奥で蠢くものの感触をよりはっきりと感じることができる。
「むちゃくちゃよく締まってるよ。それに、中が熱くて、いやらしくヒクヒクしてる。……ここ、擦ってやると、すぐに柔らかくなるんだよね。それで、俺をたっぷり甘やかして、包み込んでくれる」
千尋に露骨な言葉を囁かれているうちに、背で感じていたガラスの冷たさが気にならなくなる。それどころではないのだ。
唇を吸われて、心地よさに声を洩らす。千尋は内奥で指を蠢かしながら、和彦の首筋に唇を這わせ、肩先には歯を立ててくる。胸の二つの突起を舌先で転がされる頃には、和彦の欲望は身を起こし、先端から透明なしずくをこぼしていた。それを確認した千尋が、ようやく内奥から指を引き抜く。
抱えられていた片足を下ろされ、ほっとする間もなく、和彦は体の向きを変えられた。
それは困る、と思った和彦だが、千尋に性急に唇を塞がれ、言葉が口をついて出ることはなかった。
千尋の汗ばんだ両てのひらが脇腹から胸元へと這い上がり、すぐに指先に左右の突起を探り当てられ、押し潰すように刺激される。体を押し付けてくる千尋の情熱に圧倒されながら、和彦ものろのろと手を動かし、千尋の体をTシャツの上からまさぐる。いつの間にか逞しさを増した若い体だが、和彦が愛しているしなやかさは少しも損なわれていない。
Tシャツの下に手を潜り込ませ、熱く滑らかな肌を撫で回す。この肌に刺青が彫られるのかと考えると、正直惜しい。だが同時に、千尋の肌に彫られた刺青を撫で回す瞬間を想像すると、和彦はひどく高ぶるのだ。
「先生、興奮してる」
和彦の両足の間を、パンツの上から押さえつけた千尋が嬉しそうに洩らす。思わず手を押し退けようとしたが、そのときにはすでに、ベルトを外されているところだった。
「千尋、立ったままでっ……」
「どうせ俺、若くして妙な性癖の持ち主だし」
「そんなことで開き直るな。すぐそこにベッドがあるだろ」
「見えない。――先生しか見えない」
真顔で千尋に囁かれ、感じた気恥ずかしさを誤魔化すように和彦は顔をしかめる。
「……何言ってるんだ、お前は」
「つまり、たっぷり俺と気持ちよくなろうってこと」
パンツの前を寛げられ、下着ごと引き下ろされる。ポロシャツすらも脱がされながら、無駄だと思いながら和彦は一応忠告しておく。
「シャワーも浴びてないから、汗くさいぞ」
「先生の汗の匂い、大好き」
半ば予測できた千尋の返答に、和彦はもう苦笑を洩らすしかない。身につけていたものをすべて脱がされてしまうと、羞恥に身じろぐ間もなく千尋に抱き締められた。
千尋のてのひらが、うなじから背、腰から尻へと移動する。たったそれだけで、鳥肌が立ちそうな疼きが背筋を駆け抜け、和彦は小さく声を洩らしていた。顔を覗き込んできた千尋と唇を啄ばみ合っていると、もう片方のてのひらが胸元をくすぐってくる。
期待で硬く凝った突起を指の腹で転がされているうちに、和彦のほうが堪えられなくなり、千尋の頭を片腕で抱き締める。和彦の無言の求めを察し、千尋は嬉々とした表情で胸の突起を咥えた。
「んっ」
足元がふらついた和彦は冷たいガラスにしっかりともたれかかり、むしゃぶりつくという表現がふさわしい様子で、突起を愛撫する千尋を見つめる。真っ赤に色づいた突起を、千尋がこれみよがしに唇に挟んで引っ張ってから、舌先で弄る。和彦は、胸の奥で湧き起こる狂おしい情欲に身を任せつつ、千尋の髪を手荒く掻き上げてやる。
顔を上げた千尋が、露骨な仕種で自分の指を舐めて、濡らす。その目的を理解して和彦はうろたえ、咄嗟に背後を振り返る。このマンションの周囲に高い建物はないし、バルコニーの手すり壁があるため、すべてが見えてしまう心配はないのだが、やはり気になる。
「先生、しっかり窓にもたれておいてね」
「……何をする気だ」
「いいこと」
軽い口調で言った千尋に次の瞬間、片足を持ち上げられる。千尋に言われるまでもなく、無理な体勢となった和彦は身動きが取れず、されるがままになるしかない。
唾液で濡れた千尋の指が尻の間に這わされ、内奥の入り口を探り当てられる。蠢くようにして一本の指が侵入を始め、和彦は異物感に眉をひそめる。
「きつい……」
そう感想を洩らしたのは千尋だった。和彦は千尋を睨みつけて、軽く頬を抓り上げてやる。
「それは、ぼくの台詞だ」
「でも、先生の中の感触が、よくわかる」
千尋がぐいっと腰を押し付けてきた拍子に、内奥にさらに深く指を埋め込んでくる。立って片足を抱え上げられるという無理な姿勢もあり、いつも以上に内奥で蠢くものの感触をよりはっきりと感じることができる。
「むちゃくちゃよく締まってるよ。それに、中が熱くて、いやらしくヒクヒクしてる。……ここ、擦ってやると、すぐに柔らかくなるんだよね。それで、俺をたっぷり甘やかして、包み込んでくれる」
千尋に露骨な言葉を囁かれているうちに、背で感じていたガラスの冷たさが気にならなくなる。それどころではないのだ。
唇を吸われて、心地よさに声を洩らす。千尋は内奥で指を蠢かしながら、和彦の首筋に唇を這わせ、肩先には歯を立ててくる。胸の二つの突起を舌先で転がされる頃には、和彦の欲望は身を起こし、先端から透明なしずくをこぼしていた。それを確認した千尋が、ようやく内奥から指を引き抜く。
抱えられていた片足を下ろされ、ほっとする間もなく、和彦は体の向きを変えられた。
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