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1巻
1-2
しおりを挟む「もしかしたら、君に直接じゃなくて、君に似た人に前に会ったことがあるのかもしれないね。だったらすぐに出てこないのもうなずける」
「そ、そうですか……私に似た誰か……」
思い当たることがあって肝が冷えた。
お祖母ちゃんだ。
五年前亡くなった、お母さんのお母さん。佐伯さんのところのお祖母さんと友人だったという、私の祖母。
若い頃の顔が私とよく似ていて、祖父母の友人には例外なく「おばあちゃんにそっくりね」と言われてきた。
年を取ってからの姿だとしわくちゃでそうと分からないけど、昔の写真なんかを見ると私が見ても一瞬自分が写っているのかと思うくらい似ている。
……もしかして、主任は昔のお祖母ちゃんの写真を見たことがあるのかもしれない。
だって、主任のお祖母さんと私のお祖母ちゃんは、お祖父ちゃん同士が親友だったことから昔からの知った仲で――だからこそ孫同士をと願ったのだ――当然、昔の若い頃に撮った写真だって残っているだろう。
うちのお祖母ちゃんと主任は直接顔を合わせていてもおかしくない。
だけど、そのことを思い出されたら私は破滅だ!
祖母の友人に似ているからって即親戚って勘ぐられるわけではないだろうけど、怪しまれたらアウトだ。面と向かって嘘をつけるかどうか……
「そう、その大きな目に見覚えがある気が……」
そうつぶやいた主任の手が私に伸びる。
それはあまりに自然で、おそらく本人も無意識の行動だったのだろう。
だから私はその顔に伸ばされた手にまったく気付かず、視界に手が映って初めてその事実に気付いたのだった。
私の顔の十センチ横に、主任の手があった。
それは間違いなく私に伸ばされていて――
だけど私がその手の存在に気付き、ハッと目を見開いたところで視界からソレは消えていた。
瞬きを数回した後、目の前の当人を問いかけるように見上げたけれど、そこには何事もなかったかのように普通の顔をした主任がいて、私は夢か幻でも見た気分だった。
触れようとしていた? ……気のせいかな……?
「さっきから変なことを言ってすまないね。忘れてくれ」
主任が苦笑しながら言った。
「い、いえ、大丈夫です」
「資料ありがとう。さっそく席に戻って確認するから」
「はい。よろしくお願いします」
爽やかな笑顔を残して、主任はまるで今の一連のことなどなかったかのように、部署に戻っていった。
だけど、私はこの一件のことでますます主任を警戒するようになった。
私の顔とお祖母ちゃんを結び付けられるのを恐れて、仕事でやむを得ない場合を除いて、なるべく近寄らないようにした。
それはある程度、成功していると思う。
だってあれ以降主任から、私が誰かと似ているだとかいう話はまったく出なかったから。
「上条ちゃん、さっき仁科主任に褒められてたね」
机に戻った私に、隣の席の水沢先輩がこそっと声をかけてきた。
水沢さんは部署に入りたての頃、私に付いてくれた教育係だった二歳年上のお姉さまだ。
美人というよりかわいい感じの人で、明るくて元気でパワフルで、わが部署のムードメーカー。おまけに仕事だってきちんとこなしている、とても優秀な人なのだ。
「はい。仕事が認められたみたいで嬉しいです」
「実際、上条ちゃんはいい仕事してると思うよ。速くて正確だし、理解速いし」
わあい、水沢さんにまで褒められた!
仁科主任もそうだけど、水沢さんもあんまりお世辞を言ってるところを見る人じゃないから、これは私の仕事ぶりがなかなか良いってことだよね。
ああ、頑張ってこの会社に入って良かった!
もしお祖父ちゃんの会社にコネで入っていたら、きっと同じように褒められても、私はそれが本当かなってずっと悩むことになっていたと思う。
仕事が良かったからなのか、それとも三条の親戚だからそうお世辞で言ってくれてるのかな……とかさ。
だけどここではそんな風に気遣われることはないのだから、純粋に私への評価だと受け止められる。
「ところでその仁科主任について、最新情報があるのよ」
にやり。
周りの人に聞こえないように声を潜めて言う水沢さんの顔には、楽しくて仕方ないとでも言いたげな笑みが浮かんでいた。
「仕事中におしゃべりはできないから、お昼休みに言うわね」
ああ、またですか……
水沢さん、実はかなりのゴシップ好きだ。
誰とでも打ち解けられるその性格を生かして、いろいろな所から情報を仕入れてくる。
同じ部署内はともかく、全然接点のない部署の人間関係とか、誰と誰が付き合ってるとか別れたとかの情報まで把握してるっていうんだから、もうすごいとしか言いようがない。
その情報収集能力ときたら、スパイも真っ青って感じ。
その能力を以ってしても秘密だらけの仁科主任の素性は今のところバレてないようだけど、素行については週刊誌並みに嗅ぎつけられて暴露されているんだよね。
ホント、美形で人気あると大変だ。
仁科主任本人は自分の私生活が噂されているのに気付いているのか分からないけど……
ちなみにその素行っていうのは当然、女性関係です。ハイ。
「ええっ、F社の美人秘書さんとはもう別れたんですかぁ?」
同僚がすっとんきょうな声をだした。
昼休み、会社近くのカフェでランチをいただいたあと、私たちはそのままお茶タイム=ゴシップタイムに突入した。
メンバーは私と水沢さんを含め四人だ。
「ちょっと、声でかいよ」
口に人差し指をあてて、声を落とすように圧力をかけたあと、水沢さんは声を潜めて話し出す。
「そうらしいのよ。F社に勤めている友人がいるんだけど、彼女が言うにはその美人秘書さんがフリーになったっていう噂が社内を駆け巡っているんですって」
「ほえー。付き合い始めて三ヶ月しか経ってないですよね。たしか」
「そうね。その前に付き合っていたC社のやり手営業さんが半年続いたことを思えば、短いわよね」
クスッと笑って言ったのは、我が部署のマドンナ的存在の川西さん。彼女は水沢さんの同期で有能かつ器量よしなお方だ。
でも性格はとてもサバサバしてて漢っぽい。姉御肌っていうんだろうか。
噂によると、こっそり「川西女史」とか呼ばれているらしい。
「きっと早々にお付き合いのその先を望んでしまったのでしょうね。いつものパターンよ」
あらら、川西さんったら、バサッとF社の美人秘書さんを斬りましたよ。
つまりですね。
仁科主任が付き合っている女性と別れる原因って、ほぼ相手の女性が将来を……ええとつまり、結婚を望むようになるかららしいんだよね。
でも主任は結婚をする気はなくて、付き合う女性にもそのことをはっきり最初から伝えてあるようなんだけど、何ヶ月か付き合っているとやっぱり女性は期待しちゃうんだよね、結婚。
主任のお相手は美人で有能でキャリア志向の強い女性ばっかりみたいだけど、そこはやっぱり女ですから。
とくに相手が仁科主任みたいに男前で将来有望となると、その先を望んでしまうっていうのも分からなくはない。
でも、結婚の二文字を仄めかそうものなら、即アウト。
女性は過去の女になってしまい、新たな蝶々たちが甘い蜜を持つお花に群がるってわけ。
情報通の水沢さんによれば、主任の過去の女性はほぼ一〇〇%向こうからお付き合いを望んで近寄ってきた方々で、主任から交際を申し込んだ人はいないらしい。
もう入れ食い状態。
きっとすでにF社の美人秘書の後釜を狙って、女性たちが主任に言い寄っているに違いない。
ここまでくると何様よアンタ、と思うでしょ?
でも主任の人気は落ちないんだよね。
大きな要因の一つとして、彼が付き合う女性っていうのが全員他の会社の人で、SAEKIの女性社員とトラブルを起こしたことがないっていうことがあるだろう。
きちんと自分の中で一線を引いているらしくて、おかげで振られる我が社の女性社員が後を絶たないけど、その姿勢を貫く姿がストイックに見える……みたい。
あと、主任ってとにかく仕事第一って感じで、結婚を忌避している理由も仕事を優先しているからって思われてるみたい。
本当は親が決めた許婚がいるからなんだけどねっ! ……多分。
実は、私はこの仁科主任の女性関係を知った当初はひどいカルチャーショックを受けた。
何しろ中学高校と女子校だったから男の人にあまり免疫がなくて、当然付き合った人もなし。
大学はこれじゃいかんと思って普通の男女共学にしたのに、男が傍にいるっていう状況に慣れるのに時間がかかって、結局恋人を作るどころじゃなかった。
おかげで未だに処女でファーストキスもまだ……
そんな恋愛未経験者の私には、仁科主任の女性関係はとても理解できることじゃない。
許婚である舞ちゃんがいるのに、どうして別の女性と付き合えるんだろう。
しかも、とっかえひっかえしているなんて、不潔よ、不潔!
って、入社直後は思っていたんだけど、さすがに半年も社会人やって、学生時代とは違うアダルトで生々しい男女関係の片鱗を耳にすると(もちろん、それは主に水沢さん経由で入っている社内ゴシップだったりする)私の考え方が古いのかな、という気がしてます。今は。
なので、結婚前だったら仕方ないのかな~と意見を修正中。
実際、許婚っていうのはまだ正式じゃないみたいだし、表面上は仁科主任だって舞ちゃんだってフリーなんだし。
結婚後に恋人作られるのはカンベンして下さいって感じだけど、結婚前ならお互い大人なんだから……ねぇ。
ぶっちゃけ、そう思えるのは私が許婚の筆頭じゃないからなんだけど。
「あーあ、うちの会社の人とは付き合わないって決めてるんじゃなければ、私も主任を狙うんだけどなー」
どうやら話は続いていたようだ。川西さんはコーヒーをフーと冷ますように吹きながら、そんなことをのたまう。
もっともこれは本気ではない。
だって入社直後、女子新入社員からの――
『あんな格好良くてエリートな独身男性がいるのに、好きになったりしないんですか?』
っていう質問に、
『ああいう柔和な笑顔が似合うタイプは、趣味じゃないのよね』
と彼女は答えていたから。
「フリーになったって言っても競争率高そうだよ、主任。秘書課の面々が軒並み狙ってるって話だし、すでに何人も玉砕してるよー」と言って、ケラケラ笑う水沢さん。
そんなことまで把握してるんだ。情報通って恐いなぁ。
「うちの部の女子もみんな主任に憧れてますしね。まぁ憧れ止まりですけど」
うんうんとうなずく同僚に、私は適当にあいづちを打つ。
「ですねー」
多分全員じゃないと思うけどね、と内心思いながら。
だって私は、ちっとも憧れてないから……
どっちかというと避けたい。
もしも私がネコだったら、主任が近づくたびに毛を逆立てて「フシャー」ってうなっていると思う。つまり、警戒心バリバリなのだ。
そうは言っても私も社会人だから、表面上は普通に接してる……つもり。
将来親類になるっていうのを考慮して、多少距離をおいて普通の部下と上司の関係でいるのが無難かな~と思ってさ。
でも、こうして仁科主任の噂をしたり、他部署の女性社員が主任に熱い視線を送っているのを見ると、どことなく優越感を感じているのも事実だったりする。
あのねー。
あの人は本当はこの佐伯グループの御曹司なんですよ。
身元を隠して就業中なのですよ。
しかも親の決めた許婚がいたりするんですよ。
そしてそれは私の従姉妹だったりするんです。
でもって、従姉妹がダメだった場合、4番目の許婚候補が私だったりするんですよ~。
うふふ。
とか、自分一人がみんなの知らない秘密を握っているという事実に悦に入っていたり……するんだよね。
ああ、私ってば、ちょっと腹黒いかも。
まぁ、いつかは私が知っているという事実を仁科主任も知ることになるんだろうけど。
だけどそれまでは、生暖かい目でじっくり観察させてもらいますからね――佐伯彰人さん?
第2話 三条家の人々
「で、まなみはどういう部署で仕事しているんだ?」
正月。新年の挨拶に三条家に行った私に、おじいちゃんが言った。
そういえば、前回この話題が出た時は五月で、まだ所属が決まる前だったから言ってなかったっけ。
えーっと……部署名言っちゃっていい? 大丈夫?
舞ちゃんが何かの理由で許婚にならなかった場合、まかり間違って「同じ部署の上司と部下の間柄で、親しいだろうから」なんて理由で真綾ちゃんや真央ちゃんを飛び越えてこっちにお鉢が回ってきたりしない?
「……」
ハイ。ここで警戒スイッチオンです。
「えーと、事業推進部ってところで、事業立ち上げの計画にかかわったり、製品の売り出しのための戦略を練ったりする部署に所属になったの。……で、私のグループは主に同事業を展開する企業の調査と動向を測ったりする仕事してる」
う、嘘じゃないですよ。やっている仕事も内容も。
ただ……部署名が正式名称とは若干違うってだけで……
たまたま同じ部屋にいた従兄弟の透兄さんが、私の顔をちろっと見たような気がしたけど、それは本当に気のせいだと思いたい……
「上司にセクハラされたり、いじめられたりしてないかい? 嫌なことがあったら、すぐにおじいちゃんに知らせるんだよ。おじいちゃんの会社にいつでも転職すればいいんだから」
と心配そうに言われて、私は慌てて首を横に振った。
「もー、おじいちゃんたら心配性なんだから。会社の人、みんな良い人だよ!」
「だけど、まなみはかわいいし、女子校育ちで男にあまり免疫ないからなぁ。変な男にだまされないか、うちの男連中はみんな心配してるんだぞ。うちの会社にいれば、透が目を光らせて守ることもできるけど、よその会社じゃなぁ」
おじいちゃん……爺バカですよ、それは。
舞ちゃんや真綾ちゃんや真央ちゃんは美人だけど、私はちっとも綺麗じゃない。十人並みもいいとこ。
「気にしすぎだって。大学でもそうだったけど、会社でも私、全然モテないんだから。それに今は仕事が面白くなってきているから、恋愛なんて二の次」
というか、仕事が面白くなくても恋愛できるかどうかは疑問だけど。
小学六年生の頃、男の子にいじめられて以来、私は軽い男性恐怖症だったりする。
ちょうど中学受験の時期だったこともあって、おじいちゃんの薦めで中高一貫の女子校に通うことになり、男の人が傍にいない生活を送ってきた。
関わりのあった男の人といえば、親戚関係くらいなもの。
そして六年間女子ばっかりに囲まれて生活していくうちに、いつの間にか男性恐怖症は治ったけど、彼氏はおろか恋愛にもまったく疎くなっていた。
「これじゃいかん!」と大学は共学のところにしたけど、知らない男の子が傍にいるという状況に慣れるのにかなりの時間がかかった。
合コンに行っても何をしゃべっていいのか分からなくて、携帯番号の交換すらできずに終わった日々。
結局、何もないまま就職活動に入ってしまって、今に至るというわけ。
会社でも同僚や先輩の男の人の傍にいてもドキドキしないしなぁ。
唯一、傍に近寄られるとドキドキするのが仁科主任だけど、それは警戒スイッチが入っているからであって恋愛感情じゃないし……
「まなみが仕事第一だって言っても、お前を狙って言い寄ってくる男がいないとも限らないじゃないか。まっとうな男であればいいが、いい加減な男も世の中には多いし……。うちの会社にくれば、そんな男をまなみに近づけずにすむんだがなぁ……」
あくまでおじいちゃんは、私を自分の会社に入れたいという気持ちを隠さない。
男云々というより、私を自分の身近に置いておきたいのだ。
五年前におばあちゃんを肺炎で亡くしてからというもの、おじいちゃんは身内を自分の傍においておきたいという気持ちが強まったように思う。
多分、おばあちゃんが危篤になった時、仕事で海外に出ていて死に目に会えなかったことが影響しているんだろう。
そんなおじいちゃんの心境を慮って、私たち従兄弟もなるべく会いに来るようにしているのだけど、とはいえ私が三条の会社に入るかどうかは別問題だ。
監視されながら仕事したり、人間関係にまで口出しされるのはご勘弁です。
私はその後も心配するおじいちゃん相手に「会社の人はみんなやさしくて良い人」で、「自分は男にはまったくモテないから心配ない」というある意味虚しい主張を繰り返し、来客が訪ねてきたのを機にようやく逃げ出した。
向かった先は一階のダイニング。
そこにはすでに正月の挨拶をすませた従姉妹の三人がいて、アップルパイを前にお茶の準備に入っていた。
「まなみちゃん、ちょうど良かった。アップルパイがあるからお茶にしましょう」
ポットを片手に声を掛けてきたのは、赤い振袖を着た舞ちゃんだ。
「アップルパイ!」
私は三条家のお抱えシェフの力作であるアップルパイに目を輝かせ、テーブルに直行した。
シェフの作ったアップルパイは、薄いパイ生地の上にシナモンなどで味付けされた林檎がのっていて、そこにバニラアイスが添えられている。
温かいパイと冷たいアイスが一度に楽しめてすっごく美味しくて、もう毎日でも食べたい! って思うくらい。
三条家ではこのアップルパイを、使った林檎の皮で作ったアップルティーでいただくのが定番だ。
林檎の香りに包まれながら、至福の時を過ごしたあと、私たちはお喋りタイムに突入した。
ひとしきりお互い近況報告をしたあと、私は気になっていることを尋ねた。
「舞ちゃん、一人暮らしはどんな感じ? 真綾ちゃんと同じマンションだよね?」
「しょっちゅうお手伝いさんが来てくれるから、一人暮らししている感じしないのよね」
ティーカップを持ちながら、眉間にしわを寄せる舞ちゃん。
舞ちゃんのマンションの部屋には、ほぼ毎日のように三条家から家政婦さんが派遣されていて、掃除、洗濯、部屋の片付け、それから夕飯の支度までしていくのだそうだ。
おじいちゃんか伯父さんの差し金なのだろうけど、そんな状況ならたしかに一人暮らししている気がしないのは当然だろう。
私も一人暮らししたいけど、そんな監視付きは絶対ゴメンだ。
まぁ、舞ちゃんは去年、家出騒動を起こしている身だから、監視付きでも文句が言えないのだろうけど。
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