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番外編
番外編-3
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「お待たせしてごめんなさい。電話がかかってきたから、つい長話しちゃって……」
そこまで言ってから、美代子は応接室を見回して首を傾げた。
「あら、まなみちゃんは? 先に戻ってきているはずなんだけど」
彰人たち三人は顔を見合わせる。
「いいえ、お祖母さん、まなみは戻ってきていません。別れたのはどのくらい前ですか?」
「十五分くらい前よ」
「十五分――」
とっくに戻ってきていなければおかしい時間だ。
「まさか、あの子迷子になってるとか?」
「いや、それはないよ。今までこの屋敷には何度も来ているだろう?」
「でも、まだ幼い頃だったし……」
沙耶子と隆俊の会話を聞きながら、彰人はソファから立ち上がった。
「探しに行ってきます」
彰人は、まず母親の部屋がある三階を見回った。だが、そこにまなみの姿はなかった。
次に二階を見て回る。だが、やはりどこにも姿は見えない。
最初はそれほど深刻に考えていなかった彰人だが、だんだん不安になってくる。
「……三階の防犯カメラを調べてみるか」
そう言って一階に下りた彰人の耳に、不意に鈴の音が聞こえた。
――チリーン。
その音を彰人はよく知っていた。大学を卒業する年になるまで、この屋敷のあちこちで聞いていた音だったからだ。
「……マナ?」
それは祖母の飼っていた猫――マナの首輪に付いていた鈴の音だった。走るたびにチリンチリンと音を立てる鈴は、どこにいてもマナの所在を知らせてくれたのである。
マナが亡くなり、その音が途絶えて久しい。
だが、この館に帰省したおり、彰人の耳にはふとした拍子に、鈴の音が聞こえることがあった。それは彼に、いつも愛しさと喪失感を同時にもたらす。
美代子は「マーちゃんの魂は、まだこの屋敷で以前と変わらない日常を送っているのよ」と言って、月命日にマナの好物を供えるのを忘れない。
彰人も時々鈴の音を聞くので、そういうこともあるのかと漠然と思っていたのだが、今聞こえてくる音は、いつになくはっきり聞こえる気がした。
――チリン、チリン。
音のする方を見た彰人の目に、ゆらめく尻尾が見えた。その色はマナと同じ青灰色だった。
「マナ?」
彰人の呼びかけに、鈴の音がチリンと応じる。そして、尻尾が廊下の方へ消えた。その先には、裏庭がある。
チリンチリンと音が大きくなる。まるでこっちへ来いと言っているようだ。
「まなみがいる場所を教えてくれているのかい?」
なんとなくそんな気がして、彰人は裏庭に向かった。
低木や花々が整然と植えられている前庭と違って、裏庭はシンプルながら趣がある造りになっている。大きな木々がそれをぐるりと囲み、塀の外から屋敷の中が見えないように隠してくれていた。
そんな裏庭の一角に、小さな墓がある。墓の周囲には小さな花が植えられていて、毎日のように手入れされていた。
小さな墓石に彫られた名前は「マナ」。そう、これは猫のマナの墓だった。
その墓の前に、一人の女性がたたずんでいる。
彰人は安堵の息を漏らすと、その女性に声をかけた。
「まなみ」
まなみが振り返り、彰人の姿を認めて笑顔になる。
「あ、彰人さん!」
「帰ってこないから、迷子になっているのかと心配したよ」
「ごめんなさい」
そう素直に謝ってから、まなみは口を尖らせた。
「でも、さすがの私でも、何度も来たことがある屋敷で迷ったりしませんってば。鈴の音とマーちゃんらしき尻尾を追いかけてたら、ここまで来ちゃって」
「猫の尻尾……」
「うん、あれは絶対マーちゃんの尻尾でした!」
そう言って、まなみはお墓を振り返る。
「ここ、マーちゃんのお墓なんですね。もしかして、お参りに来いってことだったのかな? ……あのね、マーちゃんは、私がこの屋敷の裏門の外で拾った猫なんです」
「まなみが?」
彰人は目を見張る。それから、かつて祖母が言っていた言葉を思い出し、納得して頷いた。
「だからマナという名前なのか」
そうだ。以前、美代子は拾ってくれた子の名前から取ったと言っていた。
――ああ、こんなところでも、君と俺は繋がっていたんだな。
彰人は微笑んだ。
まなみは頷いたが、すぐに顔を曇らせる。
「前はよく会いに来てたんですけど、十年前のことがあってから、あまりこの屋敷にも来なくなってしまって、マーちゃんともそれっきり……」
「そうか……」
関係者の誰もが傷ついた、あの十年前の出来事。あれがなければ彰人とまなみは、偶然この屋敷でばったり出会っていたのだろうか?
今となっては分からない。ただ、過去を通して、色々な人たちを通じて、自分たちは繋がっている。そのことに、今はただ感謝したい気持ちだった。
「きっとマナは、自分にも挨拶しろって言いたかったんだろうな」
もう鈴の音は聞こえてこない。墓参りをしてもらって、マナは満足したのかもしれない。
「そうかもしれませんね……」
しみじみと言ってから、まなみはふと顔を上げて彰人の手を取り、もう片方の手で裏門を指差した。
「彰人さん、あそこ。あの裏門の近くを散歩してた時に、猫の鳴き声が聞こえたんですよ」
「そうか。よく見つけたね」
彰人はその手を握り返して、説明するまなみを愛おしそうに見下ろした。
「本当に偶然なんですけど、見つけられてよかったです。段ボールに入れられたまま放置されて、弱っていたんですよ。でも、タオルがいっぱい敷いてあったので、多分、元の飼い主も捨てたくて捨てたんじゃないって思えるのが救いです」
「マナにとって救いなのは、まなみに拾われて、命を助けられたことだと思うよ」
「違います」
まなみはそう言って、笑いながら彰人を見上げた。
「美代子おばあちゃんに引き取られて、彰人さんにうんと可愛がってもらったのが、一番の救いだったんです」
「そうかな。……うん、そうだといいね」
「絶対そうです」
彰人とまなみは互いの顔を見て笑みを交わすと、どちらともなくマナの墓を見下ろした。
「今度また二人でここに来ようね」
「はい」
マナの墓の前で手を握り合う二人の傍を、爽やかな風が通り過ぎていった。
ガ-ルズトーク
ある日の昼休み。ランチを少し早く終えた私、水沢さん、川西さん、浅岡さんの四人組は、休憩室でコーヒーを啜っていた。
たわいもない話をしていたら、不意に水沢さんが「そういえばさ」と前置きしてから、こんなことを言い出す。
「私さぁ、上条ちゃんが課長と付き合ってると知ってから、ずっと聞きたかったことがあるんだよねぇ」
私はキョトンとして首を傾げた。
「私にですか?」
「もちろん、上条ちゃんによ。今や仁科課長の婚約者として会社中に知られている上条ちゃんにね」
「ハハハ」
私は乾いた笑いを浮かべた。
私が仁科課長――本名佐伯彰人さんと婚約して、それを彰人さんに会社で暴露されてから数ヶ月が経つ。未だに社員の間で話題にのぼることが多いらしく、私の名前や所属部署も完全に知れ渡っていた。
自分は相手を知らないのに、相手は私を知っているということが多くて、さすがにちょっと辟易している。
人の噂も七十五日と言われているのに、それを過ぎても噂され続けてるってどうなの?
でも、これはある意味仕方のないことかもしれない。それだけ彰人さんはこの会社の中で特別な存在なのだ。
「これは、この会社の中では上条ちゃんにしか聞けないことなの」
紙コップの中のコーヒーを一気に飲み干した水沢さんが、真剣な眼差しを私に向けた。
え、何? 聞きたいことって、水沢さんがこんなに真剣になるほど重要なことなの?
思わず居住まいを正す私だったけれど、水沢さんが続けた言葉は意外なものだった。
「課長のアレってどうなの? 大きいの? それとも小さいの?」
ブブ――ッ!
思わず飲んでいたコーヒーを口から噴き出す。……といっても、コーヒーを噴き出したのは私ではなく、川西さんと浅岡さんの二人だった。
アレ? 大きい? 小さい?
一体、なんのことを言っているのだろうか?
質問の意味がさっぱり理解できない私は内心首を傾げながら、質問してきた水沢さんと、咽ている川西さんたちを交互に見た。
「……あ、明美、いきなり何を言い出すの、あんたは!」
ゴホゴホと咳をしながら言ったのは、川西さんだ。
「び、びっくりしたぁ。もう、水沢さん、唐突すぎますよ!」
浅岡さんも、ハンカチを口に当てながら抗議する。
そんな二人に、水沢さんはあっけらかんと言う。
「いや、だってさ、知りたくない? あの仁科課長のだよ? 私はすごく興味あるなぁ」
「そう言われると……確かに知りたいわね。というか、ぜひとも知りたいわ」
川西さんが難しい顔で頷くと、浅岡さんも頷く。
「……そうですね。私も興味あります。すごく」
それから二人は、同時に私を見た。
「で、どうなの?」
水沢さんが真剣な顔のまま、再び聞いてくる。
けれど、三人の視線を一身に集める私はといえば、相変わらずキョトンとしていた。
本当にアレってなんなんだろう?
「あー、駄目ね。上条ちゃん、意味分かってないわよ」
川西さんが両手を上げて肩をすくめる。
「婚約者がいるのに、相変わらず初心なのね、上条ちゃんは」
水沢さんはやれやれと首を横に振った。
そんな二人に、浅岡さんがおずおずといった様子で尋ねる。
「あの……もしや上条さんたち、まだそこまで至ってないとか……?」
「そんなわけないでしょ」
「それはさすがにないわー」
水沢さんと川西さんが同時に即答した。
「あの課長が、目の前の子猫……じゃなかった、子羊を、指咥えて大人しく見ているわけがないでしょう?」
水沢さんが言えば、川西さんもうんうんと頷く。
「捕獲するまで長ーい禁欲生活を余儀なくされてたんだから、がっちり首輪を嵌めた今は、食いまくってるハズよ」
なんだろう、すごいことを言われている気がする。禁欲生活とか、食いまくってるとか……
それってやっぱり、その、夜の生活に関すること……だよね? となると、水沢さんがさっき言っていたアレっていうのも、それに関係すること?
再び首を傾げた私だけれど、次の川西さんの言葉にピキッと固まってしまった。
「課長、週末になると上条ちゃんを自分の部屋に連れ込んで、実家に帰らなきゃいけない時間になるまで放さないらしいわよ」
あわわわわ、川西さん、一体なぜそんなことを知ってるんでしょうか!?
自分じゃ見えないけれど、一気に頬を真っ赤に染めたであろう私は、慌てふためいた。
でも……実は思い当たる節がある。田中係長だ。いや、間違いない。田中係長が、恋人である川西さんに教えたに違いない。
だって、田中係長には週末に彰人さんの部屋にいるところを見られたことがあるのだ。それだけじゃない。週末、彰人さんの携帯に田中係長から電話がかかってくることがあるんだけど、そういう時彰人さんは、私が部屋にいることをわざわざ伝えている。
そもそも田中係長は彰人さんの親友で、仕事でも右腕みたいな存在だ。私が毎週末に彰人さんの部屋で過ごしていることを、係長が知らないわけがない。
だけど、いくら親友とはいえ、夜の生活を含む彰人さんのプライベートを暴露してもらっては困る。
後で文句を言ってやらなければ!
そう密かに心に決める私をよそに、水沢さんが川西さんの言葉に狂喜乱舞していた。
「おーっと、いいネタゲットした!」
今にも手帳にメモしそうな勢いの水沢さんに、川西さんがビシッと注意する。
「言っておくけど、明美。これは他の人には言っちゃダメだからね。未だに課長に憧れている女性たちの耳に入ったら、どうなることか」
「分かってるって。上条ちゃんと課長の話は身内限定よ!」
力強く頷いてから、水沢さんは話題を元に戻すことにしたようだ。
「やることはやってるみたいだから、単に上条ちゃんは私の言ってることに、ピンときてないだけなのね」
水沢さんは自分に言い聞かせるようにうんうん頷くと、今も田中係長への怒りを燃やし続ける私を真剣な顔で見た。
「上条ちゃん、私が聞きたいアレっていうのはね、夜の生活に使う男性のアレよ」
「……へ?」
「だからアレよ、課長の股間にぶら下がっているヤツよ」
夜の生活に使う男性の……? 彰人さんの股間にぶら下がっている……?
ま、まさか……!
それがなんなのかを理解したとたん、私は思わず仰け反った。
「ええええええ!?」
それってアレだよね!? 彰人さんの、彰人さんの……
何度か目撃したことのあるそれが脳裏に浮かんで、私はうろたえた。真っ赤になって椅子ごと後ろに下がり、助けを求めるように視線をあっちこっちに向ける。
この時は完全にパニクっていたから自覚がなかったけれど、かなり挙動不審だったことだろう……
そんな私に構わず、水沢さんが畳み掛けてくる。
「で、どうなの? 大きいの? 小さいの?」
「あう、あの……あう……」
こ、言葉になりません~! みんなの前で、なんという質問をしてくるんだ水沢さんは! どうりで、さっき川西さんと浅岡さんがコーヒーを噴き出したわけだよ!
顔から火が出そうな思いで、目の前の三人を見回してみれば、みんな興味津々な顔で私を見守っていた。
こ、これ、答えなきゃ駄目なのかな? 彰人さんの……その、アレが大きいか小さいかを、答えなきゃ駄目なの?
どんな羞恥プレイだ、それは!
というか……彰人さんのアレの大きさって……平均的なんじゃないの? 本人が前にそう言っていたような……
――そう、あれは彰人さんとそういう関係になって間もない頃のことだ。
ベッドの上で服を脱がされた私は、自ら服を脱いで欲望の証を露わにした彰人さんを前に、恐れおののいた。
初めてまともに見た彰人さんのそれは、浅黒くて太くて、先端が濡れていて、まるで別の生き物のように反り返っていたのだ。
想像していたよりもずっと大きくて、どう考えても物理的に入らないと思った。
「む、無理です、入りませんよ、そんなもん! 大きすぎます!」
喚く私に、彰人さんはにこやかに笑いながら……
「大きすぎるなんてことはないだろう。標準サイズだから」
「標準? 嘘! それが標準!?」
「本当、本当。それに無理ってこともないよ。ここにちゃんと収まることは、すでに実証済みのはずだし?」
そう言って、彰人さんは私の剥き出しになった秘部に指を這わせる。
私はビクッと身体を揺らした。
「やっ、ちょ、待って……」
確かに、この時はもう何回かイタしていた。だから彼の言うことは、間違いではないんだけれど……
「大丈夫。俺に任せて……」
「ちょ、あ、ああっ……!」
その後すぐベッドに押し倒されてしまい、アレのサイズに関してはうやむやになってしまった。けれど確かにあの時、彰人さんは自分のは標準サイズだと言っていたのである。
とはいえ、私はその言葉を疑っている。彼は怯える私を宥めるために、ああ言ったのではないかという気がしているのだ。もちろん、あれ以来それについて聞いたことも調べたこともないけれど。
あんなのが本当に標準サイズなんだろうか……? っていうか、そもそも標準サイズってどれくらい?
なんてことを考えていたら、また脳裏に彰人さんのアレが浮かんできてしまい、私は内心「ぎゃあああ!」と悲鳴をあげた。
早く頭から消え去れと念じつつ、火照った頬に手を当てていると、三人が私の様子をじっと見つめていることに気付いた。
あ、そうだ。彰人さんのアレが大きいか小さいか聞かれてたんだった……
「思い出して身悶えするってことは、そんなに大きいの? 上条ちゃん」
「それとも、実は小さいから答えにくいの? 上条ちゃん」
「何を想像したのかなぁ、上条さんったら。すごく挙動不審だったよ?」
水沢さん、川西さん、浅岡さんが、それぞれ好き勝手に推測したことを口にする。
彰人さんの名誉に関わることだから(?)、勝手に決めつけられないうちに答えなきゃ!
とりあえず、本人が自分で標準だと言っていたのだし、そう答えておけば間違いないだろう。
そう思って、私は口を開いた。
「え、えーと、ふ、普通の大きさ、です!」
ところが私の答えを聞いたとたん、女性陣は一斉に胡乱げな目つきになる。
「こっちは模範解答なんて求めてないのよ、上条ちゃん」
「私たちが知りたいのは、上条ちゃんがどう感じているかなのよ」
「自分が感じた通りに答えればいいと思うの、上条さん」
三人から追及され、私はすっかりタジタジだ。
「な、な、な、なんでそんなに課長の……その、大きさを知りたがるんですかー!?」
私は川西さんと浅岡さんの恋人のアレのサイズなんて、ちっとも知りたいと思わないのに!
真っ赤になって叫ぶ私に、三人は即答した。
「興味があるからに決まってるでしょう!」
……ハモってますよ、皆さん。
三人の迫力に、私は屈した。更に真っ赤になった顔をあさっての方に向けながら、正直に打ち明ける。
「実は、大きいのか小さいのか、分からないんです……」
「はぁ?」
疑問符のついた声が、三人の口から一斉にあがる。それは恐ろしいまでのシンクロ率だった。
「だから……その……、比べるものがないから分からないんです……」
私はボソボソと答えた。
そう。他の男性のアレを見たことがないので、正直言って分からないのだ。比較できる対象がないから、大きいとか小さいとか言っても、それは単なる私の感想でしかない。
まぁ厳密に言えば、小さい頃、従兄弟たちと一緒にお風呂に入った時に見ているんだけど、それと比較してもなんの意味もないだろう。
きっと決して小さくはない……っていうか、もしかしたらものすごく大きいのではないかと疑っているけど、はっきりしたことは分からないままだ。
「そういや、上条ちゃんは課長に捕獲されるまでバージンだったもんね」
「そっか。課長が初体験の相手なんだから、そりゃ課長のしか知らないはずだわ」
「比較できるものがなければ、大きいか小さいかなんて分かりませんよね」
うんうんと頷いている三人。
私はそれを見て、この話題は終わるものと思った。だけど――どうやら甘かったようだ。
「そういえばさ」
水沢さんが急に私を見て言った。
アレの話題が終わったと思って安心していた私は、無防備に「はい?」と首を傾げる。さっきの話題も、水沢さんの「そういえばさぁ」という言葉から始まったなあ、と思いながら。
「上条ちゃん、もちろん避妊はしてるよね?」
明日の天気って、晴れだよね? というのと同じような感じで水沢さんが口にした言葉に、私は固まった。
ひにん、ヒニン……否認?
……って、違うよね。さっきの話題の後ということを考えると、ほぼ間違いなく――避妊、だ。
この時、もし口の中にコーヒーを含んでいたら、私はそれを噴き出していたことだろう。
そこまで言ってから、美代子は応接室を見回して首を傾げた。
「あら、まなみちゃんは? 先に戻ってきているはずなんだけど」
彰人たち三人は顔を見合わせる。
「いいえ、お祖母さん、まなみは戻ってきていません。別れたのはどのくらい前ですか?」
「十五分くらい前よ」
「十五分――」
とっくに戻ってきていなければおかしい時間だ。
「まさか、あの子迷子になってるとか?」
「いや、それはないよ。今までこの屋敷には何度も来ているだろう?」
「でも、まだ幼い頃だったし……」
沙耶子と隆俊の会話を聞きながら、彰人はソファから立ち上がった。
「探しに行ってきます」
彰人は、まず母親の部屋がある三階を見回った。だが、そこにまなみの姿はなかった。
次に二階を見て回る。だが、やはりどこにも姿は見えない。
最初はそれほど深刻に考えていなかった彰人だが、だんだん不安になってくる。
「……三階の防犯カメラを調べてみるか」
そう言って一階に下りた彰人の耳に、不意に鈴の音が聞こえた。
――チリーン。
その音を彰人はよく知っていた。大学を卒業する年になるまで、この屋敷のあちこちで聞いていた音だったからだ。
「……マナ?」
それは祖母の飼っていた猫――マナの首輪に付いていた鈴の音だった。走るたびにチリンチリンと音を立てる鈴は、どこにいてもマナの所在を知らせてくれたのである。
マナが亡くなり、その音が途絶えて久しい。
だが、この館に帰省したおり、彰人の耳にはふとした拍子に、鈴の音が聞こえることがあった。それは彼に、いつも愛しさと喪失感を同時にもたらす。
美代子は「マーちゃんの魂は、まだこの屋敷で以前と変わらない日常を送っているのよ」と言って、月命日にマナの好物を供えるのを忘れない。
彰人も時々鈴の音を聞くので、そういうこともあるのかと漠然と思っていたのだが、今聞こえてくる音は、いつになくはっきり聞こえる気がした。
――チリン、チリン。
音のする方を見た彰人の目に、ゆらめく尻尾が見えた。その色はマナと同じ青灰色だった。
「マナ?」
彰人の呼びかけに、鈴の音がチリンと応じる。そして、尻尾が廊下の方へ消えた。その先には、裏庭がある。
チリンチリンと音が大きくなる。まるでこっちへ来いと言っているようだ。
「まなみがいる場所を教えてくれているのかい?」
なんとなくそんな気がして、彰人は裏庭に向かった。
低木や花々が整然と植えられている前庭と違って、裏庭はシンプルながら趣がある造りになっている。大きな木々がそれをぐるりと囲み、塀の外から屋敷の中が見えないように隠してくれていた。
そんな裏庭の一角に、小さな墓がある。墓の周囲には小さな花が植えられていて、毎日のように手入れされていた。
小さな墓石に彫られた名前は「マナ」。そう、これは猫のマナの墓だった。
その墓の前に、一人の女性がたたずんでいる。
彰人は安堵の息を漏らすと、その女性に声をかけた。
「まなみ」
まなみが振り返り、彰人の姿を認めて笑顔になる。
「あ、彰人さん!」
「帰ってこないから、迷子になっているのかと心配したよ」
「ごめんなさい」
そう素直に謝ってから、まなみは口を尖らせた。
「でも、さすがの私でも、何度も来たことがある屋敷で迷ったりしませんってば。鈴の音とマーちゃんらしき尻尾を追いかけてたら、ここまで来ちゃって」
「猫の尻尾……」
「うん、あれは絶対マーちゃんの尻尾でした!」
そう言って、まなみはお墓を振り返る。
「ここ、マーちゃんのお墓なんですね。もしかして、お参りに来いってことだったのかな? ……あのね、マーちゃんは、私がこの屋敷の裏門の外で拾った猫なんです」
「まなみが?」
彰人は目を見張る。それから、かつて祖母が言っていた言葉を思い出し、納得して頷いた。
「だからマナという名前なのか」
そうだ。以前、美代子は拾ってくれた子の名前から取ったと言っていた。
――ああ、こんなところでも、君と俺は繋がっていたんだな。
彰人は微笑んだ。
まなみは頷いたが、すぐに顔を曇らせる。
「前はよく会いに来てたんですけど、十年前のことがあってから、あまりこの屋敷にも来なくなってしまって、マーちゃんともそれっきり……」
「そうか……」
関係者の誰もが傷ついた、あの十年前の出来事。あれがなければ彰人とまなみは、偶然この屋敷でばったり出会っていたのだろうか?
今となっては分からない。ただ、過去を通して、色々な人たちを通じて、自分たちは繋がっている。そのことに、今はただ感謝したい気持ちだった。
「きっとマナは、自分にも挨拶しろって言いたかったんだろうな」
もう鈴の音は聞こえてこない。墓参りをしてもらって、マナは満足したのかもしれない。
「そうかもしれませんね……」
しみじみと言ってから、まなみはふと顔を上げて彰人の手を取り、もう片方の手で裏門を指差した。
「彰人さん、あそこ。あの裏門の近くを散歩してた時に、猫の鳴き声が聞こえたんですよ」
「そうか。よく見つけたね」
彰人はその手を握り返して、説明するまなみを愛おしそうに見下ろした。
「本当に偶然なんですけど、見つけられてよかったです。段ボールに入れられたまま放置されて、弱っていたんですよ。でも、タオルがいっぱい敷いてあったので、多分、元の飼い主も捨てたくて捨てたんじゃないって思えるのが救いです」
「マナにとって救いなのは、まなみに拾われて、命を助けられたことだと思うよ」
「違います」
まなみはそう言って、笑いながら彰人を見上げた。
「美代子おばあちゃんに引き取られて、彰人さんにうんと可愛がってもらったのが、一番の救いだったんです」
「そうかな。……うん、そうだといいね」
「絶対そうです」
彰人とまなみは互いの顔を見て笑みを交わすと、どちらともなくマナの墓を見下ろした。
「今度また二人でここに来ようね」
「はい」
マナの墓の前で手を握り合う二人の傍を、爽やかな風が通り過ぎていった。
ガ-ルズトーク
ある日の昼休み。ランチを少し早く終えた私、水沢さん、川西さん、浅岡さんの四人組は、休憩室でコーヒーを啜っていた。
たわいもない話をしていたら、不意に水沢さんが「そういえばさ」と前置きしてから、こんなことを言い出す。
「私さぁ、上条ちゃんが課長と付き合ってると知ってから、ずっと聞きたかったことがあるんだよねぇ」
私はキョトンとして首を傾げた。
「私にですか?」
「もちろん、上条ちゃんによ。今や仁科課長の婚約者として会社中に知られている上条ちゃんにね」
「ハハハ」
私は乾いた笑いを浮かべた。
私が仁科課長――本名佐伯彰人さんと婚約して、それを彰人さんに会社で暴露されてから数ヶ月が経つ。未だに社員の間で話題にのぼることが多いらしく、私の名前や所属部署も完全に知れ渡っていた。
自分は相手を知らないのに、相手は私を知っているということが多くて、さすがにちょっと辟易している。
人の噂も七十五日と言われているのに、それを過ぎても噂され続けてるってどうなの?
でも、これはある意味仕方のないことかもしれない。それだけ彰人さんはこの会社の中で特別な存在なのだ。
「これは、この会社の中では上条ちゃんにしか聞けないことなの」
紙コップの中のコーヒーを一気に飲み干した水沢さんが、真剣な眼差しを私に向けた。
え、何? 聞きたいことって、水沢さんがこんなに真剣になるほど重要なことなの?
思わず居住まいを正す私だったけれど、水沢さんが続けた言葉は意外なものだった。
「課長のアレってどうなの? 大きいの? それとも小さいの?」
ブブ――ッ!
思わず飲んでいたコーヒーを口から噴き出す。……といっても、コーヒーを噴き出したのは私ではなく、川西さんと浅岡さんの二人だった。
アレ? 大きい? 小さい?
一体、なんのことを言っているのだろうか?
質問の意味がさっぱり理解できない私は内心首を傾げながら、質問してきた水沢さんと、咽ている川西さんたちを交互に見た。
「……あ、明美、いきなり何を言い出すの、あんたは!」
ゴホゴホと咳をしながら言ったのは、川西さんだ。
「び、びっくりしたぁ。もう、水沢さん、唐突すぎますよ!」
浅岡さんも、ハンカチを口に当てながら抗議する。
そんな二人に、水沢さんはあっけらかんと言う。
「いや、だってさ、知りたくない? あの仁科課長のだよ? 私はすごく興味あるなぁ」
「そう言われると……確かに知りたいわね。というか、ぜひとも知りたいわ」
川西さんが難しい顔で頷くと、浅岡さんも頷く。
「……そうですね。私も興味あります。すごく」
それから二人は、同時に私を見た。
「で、どうなの?」
水沢さんが真剣な顔のまま、再び聞いてくる。
けれど、三人の視線を一身に集める私はといえば、相変わらずキョトンとしていた。
本当にアレってなんなんだろう?
「あー、駄目ね。上条ちゃん、意味分かってないわよ」
川西さんが両手を上げて肩をすくめる。
「婚約者がいるのに、相変わらず初心なのね、上条ちゃんは」
水沢さんはやれやれと首を横に振った。
そんな二人に、浅岡さんがおずおずといった様子で尋ねる。
「あの……もしや上条さんたち、まだそこまで至ってないとか……?」
「そんなわけないでしょ」
「それはさすがにないわー」
水沢さんと川西さんが同時に即答した。
「あの課長が、目の前の子猫……じゃなかった、子羊を、指咥えて大人しく見ているわけがないでしょう?」
水沢さんが言えば、川西さんもうんうんと頷く。
「捕獲するまで長ーい禁欲生活を余儀なくされてたんだから、がっちり首輪を嵌めた今は、食いまくってるハズよ」
なんだろう、すごいことを言われている気がする。禁欲生活とか、食いまくってるとか……
それってやっぱり、その、夜の生活に関すること……だよね? となると、水沢さんがさっき言っていたアレっていうのも、それに関係すること?
再び首を傾げた私だけれど、次の川西さんの言葉にピキッと固まってしまった。
「課長、週末になると上条ちゃんを自分の部屋に連れ込んで、実家に帰らなきゃいけない時間になるまで放さないらしいわよ」
あわわわわ、川西さん、一体なぜそんなことを知ってるんでしょうか!?
自分じゃ見えないけれど、一気に頬を真っ赤に染めたであろう私は、慌てふためいた。
でも……実は思い当たる節がある。田中係長だ。いや、間違いない。田中係長が、恋人である川西さんに教えたに違いない。
だって、田中係長には週末に彰人さんの部屋にいるところを見られたことがあるのだ。それだけじゃない。週末、彰人さんの携帯に田中係長から電話がかかってくることがあるんだけど、そういう時彰人さんは、私が部屋にいることをわざわざ伝えている。
そもそも田中係長は彰人さんの親友で、仕事でも右腕みたいな存在だ。私が毎週末に彰人さんの部屋で過ごしていることを、係長が知らないわけがない。
だけど、いくら親友とはいえ、夜の生活を含む彰人さんのプライベートを暴露してもらっては困る。
後で文句を言ってやらなければ!
そう密かに心に決める私をよそに、水沢さんが川西さんの言葉に狂喜乱舞していた。
「おーっと、いいネタゲットした!」
今にも手帳にメモしそうな勢いの水沢さんに、川西さんがビシッと注意する。
「言っておくけど、明美。これは他の人には言っちゃダメだからね。未だに課長に憧れている女性たちの耳に入ったら、どうなることか」
「分かってるって。上条ちゃんと課長の話は身内限定よ!」
力強く頷いてから、水沢さんは話題を元に戻すことにしたようだ。
「やることはやってるみたいだから、単に上条ちゃんは私の言ってることに、ピンときてないだけなのね」
水沢さんは自分に言い聞かせるようにうんうん頷くと、今も田中係長への怒りを燃やし続ける私を真剣な顔で見た。
「上条ちゃん、私が聞きたいアレっていうのはね、夜の生活に使う男性のアレよ」
「……へ?」
「だからアレよ、課長の股間にぶら下がっているヤツよ」
夜の生活に使う男性の……? 彰人さんの股間にぶら下がっている……?
ま、まさか……!
それがなんなのかを理解したとたん、私は思わず仰け反った。
「ええええええ!?」
それってアレだよね!? 彰人さんの、彰人さんの……
何度か目撃したことのあるそれが脳裏に浮かんで、私はうろたえた。真っ赤になって椅子ごと後ろに下がり、助けを求めるように視線をあっちこっちに向ける。
この時は完全にパニクっていたから自覚がなかったけれど、かなり挙動不審だったことだろう……
そんな私に構わず、水沢さんが畳み掛けてくる。
「で、どうなの? 大きいの? 小さいの?」
「あう、あの……あう……」
こ、言葉になりません~! みんなの前で、なんという質問をしてくるんだ水沢さんは! どうりで、さっき川西さんと浅岡さんがコーヒーを噴き出したわけだよ!
顔から火が出そうな思いで、目の前の三人を見回してみれば、みんな興味津々な顔で私を見守っていた。
こ、これ、答えなきゃ駄目なのかな? 彰人さんの……その、アレが大きいか小さいかを、答えなきゃ駄目なの?
どんな羞恥プレイだ、それは!
というか……彰人さんのアレの大きさって……平均的なんじゃないの? 本人が前にそう言っていたような……
――そう、あれは彰人さんとそういう関係になって間もない頃のことだ。
ベッドの上で服を脱がされた私は、自ら服を脱いで欲望の証を露わにした彰人さんを前に、恐れおののいた。
初めてまともに見た彰人さんのそれは、浅黒くて太くて、先端が濡れていて、まるで別の生き物のように反り返っていたのだ。
想像していたよりもずっと大きくて、どう考えても物理的に入らないと思った。
「む、無理です、入りませんよ、そんなもん! 大きすぎます!」
喚く私に、彰人さんはにこやかに笑いながら……
「大きすぎるなんてことはないだろう。標準サイズだから」
「標準? 嘘! それが標準!?」
「本当、本当。それに無理ってこともないよ。ここにちゃんと収まることは、すでに実証済みのはずだし?」
そう言って、彰人さんは私の剥き出しになった秘部に指を這わせる。
私はビクッと身体を揺らした。
「やっ、ちょ、待って……」
確かに、この時はもう何回かイタしていた。だから彼の言うことは、間違いではないんだけれど……
「大丈夫。俺に任せて……」
「ちょ、あ、ああっ……!」
その後すぐベッドに押し倒されてしまい、アレのサイズに関してはうやむやになってしまった。けれど確かにあの時、彰人さんは自分のは標準サイズだと言っていたのである。
とはいえ、私はその言葉を疑っている。彼は怯える私を宥めるために、ああ言ったのではないかという気がしているのだ。もちろん、あれ以来それについて聞いたことも調べたこともないけれど。
あんなのが本当に標準サイズなんだろうか……? っていうか、そもそも標準サイズってどれくらい?
なんてことを考えていたら、また脳裏に彰人さんのアレが浮かんできてしまい、私は内心「ぎゃあああ!」と悲鳴をあげた。
早く頭から消え去れと念じつつ、火照った頬に手を当てていると、三人が私の様子をじっと見つめていることに気付いた。
あ、そうだ。彰人さんのアレが大きいか小さいか聞かれてたんだった……
「思い出して身悶えするってことは、そんなに大きいの? 上条ちゃん」
「それとも、実は小さいから答えにくいの? 上条ちゃん」
「何を想像したのかなぁ、上条さんったら。すごく挙動不審だったよ?」
水沢さん、川西さん、浅岡さんが、それぞれ好き勝手に推測したことを口にする。
彰人さんの名誉に関わることだから(?)、勝手に決めつけられないうちに答えなきゃ!
とりあえず、本人が自分で標準だと言っていたのだし、そう答えておけば間違いないだろう。
そう思って、私は口を開いた。
「え、えーと、ふ、普通の大きさ、です!」
ところが私の答えを聞いたとたん、女性陣は一斉に胡乱げな目つきになる。
「こっちは模範解答なんて求めてないのよ、上条ちゃん」
「私たちが知りたいのは、上条ちゃんがどう感じているかなのよ」
「自分が感じた通りに答えればいいと思うの、上条さん」
三人から追及され、私はすっかりタジタジだ。
「な、な、な、なんでそんなに課長の……その、大きさを知りたがるんですかー!?」
私は川西さんと浅岡さんの恋人のアレのサイズなんて、ちっとも知りたいと思わないのに!
真っ赤になって叫ぶ私に、三人は即答した。
「興味があるからに決まってるでしょう!」
……ハモってますよ、皆さん。
三人の迫力に、私は屈した。更に真っ赤になった顔をあさっての方に向けながら、正直に打ち明ける。
「実は、大きいのか小さいのか、分からないんです……」
「はぁ?」
疑問符のついた声が、三人の口から一斉にあがる。それは恐ろしいまでのシンクロ率だった。
「だから……その……、比べるものがないから分からないんです……」
私はボソボソと答えた。
そう。他の男性のアレを見たことがないので、正直言って分からないのだ。比較できる対象がないから、大きいとか小さいとか言っても、それは単なる私の感想でしかない。
まぁ厳密に言えば、小さい頃、従兄弟たちと一緒にお風呂に入った時に見ているんだけど、それと比較してもなんの意味もないだろう。
きっと決して小さくはない……っていうか、もしかしたらものすごく大きいのではないかと疑っているけど、はっきりしたことは分からないままだ。
「そういや、上条ちゃんは課長に捕獲されるまでバージンだったもんね」
「そっか。課長が初体験の相手なんだから、そりゃ課長のしか知らないはずだわ」
「比較できるものがなければ、大きいか小さいかなんて分かりませんよね」
うんうんと頷いている三人。
私はそれを見て、この話題は終わるものと思った。だけど――どうやら甘かったようだ。
「そういえばさ」
水沢さんが急に私を見て言った。
アレの話題が終わったと思って安心していた私は、無防備に「はい?」と首を傾げる。さっきの話題も、水沢さんの「そういえばさぁ」という言葉から始まったなあ、と思いながら。
「上条ちゃん、もちろん避妊はしてるよね?」
明日の天気って、晴れだよね? というのと同じような感じで水沢さんが口にした言葉に、私は固まった。
ひにん、ヒニン……否認?
……って、違うよね。さっきの話題の後ということを考えると、ほぼ間違いなく――避妊、だ。
この時、もし口の中にコーヒーを含んでいたら、私はそれを噴き出していたことだろう。
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