モブ以下転生者のゲーム世界無双〜序盤で死ぬモブの女の子を守るために最強になったら、物語に巻き込まれました〜

あおぞら

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最終章前編 女神サラ降臨

第146話 分体の融合②

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 俺たちが転移した先は、ゲームでも何度か観たことのある場所だった。

 全体的に暗く、禍々しい雰囲気の漂っているこの場所は、ゲームでも終盤に行くことのできる様になる特別な場所。

「……初めましてだな——魔王」

 俺は目の前の玉座に座っている日本の禍々しいツノの生えた魔族に声をかける。

 その魔族は全ての魔族の頂点に君臨する絶対的な力を持った魔王だ。

 しかしその魔王が今回ばかりは少し驚愕しているかの様に目を開いていた。

「……貴様……何者だ……? 我の転移陣を解析して自らここへ来るとは……」

「そんなのお前にだってできるだろ? それに呼んだのはお前だろうが。それで? 何の用だ? 俺は別にお前に用事はないんだが?」

 本当は普通に一つ要件があるが、取り敢えず向こうの意図が確実に掴めているわけではないので確認のために惚けてみる。

 すると魔王はふんっと鼻を鳴らすと、

「よく言うな……用件がないならわざわざここに来なくてもいいだろう。……まぁいい。貴様のここに来た目的はコイツだろう?」

 魔王がそう言うと、まるで指し示したかのように後方にある巨大な扉が開く。

 そこから1人の女の子が入ってきた。

 見た目はサラそのものなのだが……

「……小さい」

「あらら……相変わらず小さいままなのね……」

「あの子が最後の1人なのか? 幾ら何でも年齢が違いすぎるだろ」

 その子は見た目は完全に小学生で、身長は120cm程しかない。

 みんなが小さいと言っていると、小学生サラが大声を上げる。

「先程から小さい小さい五月蝿いですよ! 幾ら頑張っても小さいままなんだから言わなくても良いじゃないですかっ!」

 そう言って涙目になる小学生サラ。

 うっ……サラの顔で泣かれるとコチラに物凄いダメージが……。

 しかし一番ダメージを受けていたのは……

「サラ!? 此奴らは決してわざと言ったわけではないと思うぞ! ただ見たままの事を……」

「パパが一番酷いっ!! いいもん! どうせ私は小さいままだもん! だって分かれた時に子供心と受け継いだもんねっ!」

「う、うむ……すまない……我が悪かった……」

 何と魔王だった。

 魔王がトドメのような言葉を発したせいでマジで泣きそうになったサラに魔王がアセアセしながら謝っている。

 …………誰だよお前……ゲームではそんな一面見たことも聞いたこともないぞ。

 ゲームでの魔王は極悪非道で残虐な諸悪の根源とまでは行かないものの、普通に悪役のような奴だった。

 だが、今目の前にいる魔王はどこからどう見ても子供の面倒を見ている苦労人なパパにしか見えない。

「……どうなってんだよこれ……コイツ元々こんな奴だったのか……?」

「……私も知らない」

「うーん……少しこれは予想外だったかなぁ?」

 俺達が2人のやり取りを見て困惑していると、小学生サラがいきなりコチラに振り向いてタタタタッと走ってくる。

 何かあるのかと俺が身構えていたが、小学生サラはそのままサラに抱き付く。

「サラーー! おめでとう! やっと好きな人出来たんだねー!」

「ん、ありがとう。それで———」

 サラが言いにくそうにしていると、小学生サラが笑って答える。

「勿論言いたいことは分かってるよ! こんな身体でも何百年も生きてるんだからねっ! 約束通りベースは貴方にしてあげるよ!」

「……ありがとう」

「うんうん、私もいるんだけどね。まぁいいか。じゃあ早速始めちゃう?」

 舞姫サラがそう言った瞬間に、

「そんなことは我が許さん! 今回はその為に呼んだのだからな!」

 まさかの魔王からの反対の声が上がった。


―――――――――――――――――――――――――
 新作を投稿しました。
 ぜひ見てみて下さい。

『元勇者の俺は、クラス転移された先で問答無用に殺されかけたので、魔王の部下になることにした』
 

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