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タカシは帰りの電車の中で、相変わらず周りの人達のスマホを覗き見していた。
(は~ん、英語ってヤツを勉強してんのか...どれどれ、こっちは何だ? あ~音楽ね。はんはん...こっちは...ん?)
覗いていた中年の男はマンガを読んでいた。裸の男女が抱き合うベッドシーンだった。
(こ、これは!?...まさか、これがこの星の挨拶なのか!!)
スマホを持ってる男は、自分の肩越しにガン見しているタカシの鼻息に気付き、サッと離れスマホを見られないようにした。
(なんだよ! どケチ野郎め!)
タカシは鬼のような顔つきで男を睨んだ。
そんなタカシは周りから異様な人に映っていた。
「あ~、今日もいっぱい勉強したな~」
電車を降りるとルンルン気分で家に向かった。
こっちへ向かって歩いてくる人をジッと睨みつけ、目が合うとニコッと笑った。
相手が気味悪がって足早に去っていくと、
「オレってば、すっかり人間してるよな~。キャッ」
タカシは照れ笑いして喜んだ。
家のドアを開けるとふわぁっといい匂いが漂った。
美貴が鶏のささみチーズカツを作っていた。
「おかえり! 鶏が安くってさ。2日続けて鶏で悪いけど、味付けは変えてるから我慢してね」
美貴は笑顔でテーブルに食べ物を並べた。
タカシは無言でテーブルに近づき、チーズカツを一切れ取ろうとした。
「こらっ! ちゃんと手を洗ってうがいしてからよ!」
美貴が怒るので、タカシは言う通りに洗面所に行って手を洗った。
ガラガラガラガラ.....ゴックン!
(やっぱ飲んだ...)
洗面所の様子を窺っていた美貴は見なかったことにした。
「手洗いうがいしたぞ」
タカシは笑顔でテーブルに戻ると、早速、手でカツをつまみ上げ、「あ~ん」とパクッと食べた。
「美味っ!」耳がパタパタ羽ばたくように動いた。「昨日もすごくおいしかったけど今日もすごくおいしい! 鶏って何?」
「ニワトリっていう動物のお肉よ」
喜ぶタカシに美貴は微笑んだ。
タカシはすぐにスマホでニワトリを調べた。
「ニワトリ.....」タカシの顔が不機嫌になった。「...君たちは共食いをするのか?」
「へ? 共食い? イヤだ。私達は人間で、ニワトリは動物だから共食いじゃないわ」
「同じ地球上の生物だろ? 仲間じゃないか。それなのに食べるのか?」
「まぁ、地球上の生物っていうくくりにされるとそうなるわね..でも...」
「君たちはサイテーだな。共食いをするなんて、どんだけ文明が低いんだ」
批判するような目でタカシは美貴を見た。
「う~ん...」
美貴が答えに困っている横で、タカシは耳をパタパタ動かしながら鶏ささみカツを美味しそうにパクパク食べていた。
口の周りにご飯粒をいっぱいつけたタカシが美貴を見た。
「んふー、これサイコー! まだある? おかわり!」
「タカシも今は人間なんだから共食いするのやめたら?」
ふふーんと、美貴は仕返しするように嫌味っぽく言った。
「オレ、宇宙人だし、関係ないよ! おかわりちょうだい! じゃんじゃん持ってきて!」
(くっ...この野郎...)
「違う星だったら食べていいの? 星は違っても同じ宇宙の生物だから、結局は共食いになるんじゃないの?」
美貴はムキになった。
「ならないよ」タカシはテレビを見ながら答えた。
「なんでそう言い切れるの?」
「種類が違うじゃん」
「人間と鶏だって種類が違います!」
「そう思ってんのは美貴だけだよ」
「あ~っそう! じゃ、その体は人間である、私の夫の体だから、今後は鶏の料理は作りません!」
「えー! なに言ってんの! オレ、宇宙人だから関係ないって言ったじゃん!」
「体は人間です。関係大アリです。共食いになりますからね~」
美貴はツーンっとそっぽを向いた。
「くっ...」
タカシはギリッと唇を噛んだ。悔しそうな顔をプルプルッと横に振り、
「...わかった。そこまで言うなら共食いじゃないことにしてやろう!」
こぶしを上げて大声で叫んだ。
「なら、人間は鶏を食べてもいいのね」
美貴はほくそ笑んだ。
「ああ、許可してやる...」
拳を震わせながら美貴を睨んだ。
「はい、おかわりよ」
美貴は自分の分をタカシにあげた。
「あふ~ん!!」
タカシは目をハートマークにして鶏カツにがっついた。
興奮したタカシは勢いで鼻からみそ汁を飲んだ。
「それはダメだっつーのに...」
態度をコロコロ変えるタカシに、美貴は呆れながら注意した。
「わーってるって」
テレビを見ながらタカシは鼻から飲み続けた。
(人の話聞けよ..この野郎...)
美貴は座った目でタカシを見ていた。
土曜日。
美貴がテキパキと掃除をする間、タカシは裸でデスクに座り、パソコンでいろんな鳥を見ていた。
「お義母さんとこに行くわよ」
掃除を終えた美貴が身支度をしながら言うと、タカシは誰のことかと考えた。
「...ああ、入院している喬のお母さんね..」
「そうよ。再来週には退院するから、同居の準備もしなきゃね」
「一緒に住むの?」
「うん。だってお義母さん、一人暮らしだし、病気だから心配でしょ?」
「ん~、べつに。どっちかって言うとオレはコレと一緒に住みたいな」
タカシはデレッとした顔で画面を見ていた。
美貴は裸のタカシにシャツやズボン、パンツ、靴下をポンポン投げながら画面を見た。
(ダチョウかよ...)
はぁ~、美貴はため息をついた。
「パンツくらいはいてよね。あなたのお母さんなんだから大事しなきゃよ。さ、病院へ行くわよ!」
(まだまだ、始まったばっかり。ガンバレ、私)
(は~ん、英語ってヤツを勉強してんのか...どれどれ、こっちは何だ? あ~音楽ね。はんはん...こっちは...ん?)
覗いていた中年の男はマンガを読んでいた。裸の男女が抱き合うベッドシーンだった。
(こ、これは!?...まさか、これがこの星の挨拶なのか!!)
スマホを持ってる男は、自分の肩越しにガン見しているタカシの鼻息に気付き、サッと離れスマホを見られないようにした。
(なんだよ! どケチ野郎め!)
タカシは鬼のような顔つきで男を睨んだ。
そんなタカシは周りから異様な人に映っていた。
「あ~、今日もいっぱい勉強したな~」
電車を降りるとルンルン気分で家に向かった。
こっちへ向かって歩いてくる人をジッと睨みつけ、目が合うとニコッと笑った。
相手が気味悪がって足早に去っていくと、
「オレってば、すっかり人間してるよな~。キャッ」
タカシは照れ笑いして喜んだ。
家のドアを開けるとふわぁっといい匂いが漂った。
美貴が鶏のささみチーズカツを作っていた。
「おかえり! 鶏が安くってさ。2日続けて鶏で悪いけど、味付けは変えてるから我慢してね」
美貴は笑顔でテーブルに食べ物を並べた。
タカシは無言でテーブルに近づき、チーズカツを一切れ取ろうとした。
「こらっ! ちゃんと手を洗ってうがいしてからよ!」
美貴が怒るので、タカシは言う通りに洗面所に行って手を洗った。
ガラガラガラガラ.....ゴックン!
(やっぱ飲んだ...)
洗面所の様子を窺っていた美貴は見なかったことにした。
「手洗いうがいしたぞ」
タカシは笑顔でテーブルに戻ると、早速、手でカツをつまみ上げ、「あ~ん」とパクッと食べた。
「美味っ!」耳がパタパタ羽ばたくように動いた。「昨日もすごくおいしかったけど今日もすごくおいしい! 鶏って何?」
「ニワトリっていう動物のお肉よ」
喜ぶタカシに美貴は微笑んだ。
タカシはすぐにスマホでニワトリを調べた。
「ニワトリ.....」タカシの顔が不機嫌になった。「...君たちは共食いをするのか?」
「へ? 共食い? イヤだ。私達は人間で、ニワトリは動物だから共食いじゃないわ」
「同じ地球上の生物だろ? 仲間じゃないか。それなのに食べるのか?」
「まぁ、地球上の生物っていうくくりにされるとそうなるわね..でも...」
「君たちはサイテーだな。共食いをするなんて、どんだけ文明が低いんだ」
批判するような目でタカシは美貴を見た。
「う~ん...」
美貴が答えに困っている横で、タカシは耳をパタパタ動かしながら鶏ささみカツを美味しそうにパクパク食べていた。
口の周りにご飯粒をいっぱいつけたタカシが美貴を見た。
「んふー、これサイコー! まだある? おかわり!」
「タカシも今は人間なんだから共食いするのやめたら?」
ふふーんと、美貴は仕返しするように嫌味っぽく言った。
「オレ、宇宙人だし、関係ないよ! おかわりちょうだい! じゃんじゃん持ってきて!」
(くっ...この野郎...)
「違う星だったら食べていいの? 星は違っても同じ宇宙の生物だから、結局は共食いになるんじゃないの?」
美貴はムキになった。
「ならないよ」タカシはテレビを見ながら答えた。
「なんでそう言い切れるの?」
「種類が違うじゃん」
「人間と鶏だって種類が違います!」
「そう思ってんのは美貴だけだよ」
「あ~っそう! じゃ、その体は人間である、私の夫の体だから、今後は鶏の料理は作りません!」
「えー! なに言ってんの! オレ、宇宙人だから関係ないって言ったじゃん!」
「体は人間です。関係大アリです。共食いになりますからね~」
美貴はツーンっとそっぽを向いた。
「くっ...」
タカシはギリッと唇を噛んだ。悔しそうな顔をプルプルッと横に振り、
「...わかった。そこまで言うなら共食いじゃないことにしてやろう!」
こぶしを上げて大声で叫んだ。
「なら、人間は鶏を食べてもいいのね」
美貴はほくそ笑んだ。
「ああ、許可してやる...」
拳を震わせながら美貴を睨んだ。
「はい、おかわりよ」
美貴は自分の分をタカシにあげた。
「あふ~ん!!」
タカシは目をハートマークにして鶏カツにがっついた。
興奮したタカシは勢いで鼻からみそ汁を飲んだ。
「それはダメだっつーのに...」
態度をコロコロ変えるタカシに、美貴は呆れながら注意した。
「わーってるって」
テレビを見ながらタカシは鼻から飲み続けた。
(人の話聞けよ..この野郎...)
美貴は座った目でタカシを見ていた。
土曜日。
美貴がテキパキと掃除をする間、タカシは裸でデスクに座り、パソコンでいろんな鳥を見ていた。
「お義母さんとこに行くわよ」
掃除を終えた美貴が身支度をしながら言うと、タカシは誰のことかと考えた。
「...ああ、入院している喬のお母さんね..」
「そうよ。再来週には退院するから、同居の準備もしなきゃね」
「一緒に住むの?」
「うん。だってお義母さん、一人暮らしだし、病気だから心配でしょ?」
「ん~、べつに。どっちかって言うとオレはコレと一緒に住みたいな」
タカシはデレッとした顔で画面を見ていた。
美貴は裸のタカシにシャツやズボン、パンツ、靴下をポンポン投げながら画面を見た。
(ダチョウかよ...)
はぁ~、美貴はため息をついた。
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