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第一部・第一章 臥龍飛翔
景虎の性分
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◇◇
弘治3年(1557年)6月18日――
長尾景虎は叔父、高梨政頼(たかなしまさより)の救援の為に飯山城へと入った。
既に陽は大きく傾き、蒸し暑さもひと段落して山間の城の中はひんやりと感じられるほどだ。
犀川と千曲川の交差する、いわゆる川中島からは千曲川を北へと進むことおよそ四刻(約八時間)の道のりに位置する飯山城。
川中島の地を巡る戦いの上では、最北の城であり、越後から攻め寄ってきた長尾軍にしてみれば最後尾の拠点と言えた。
つまり総大将である長尾景虎が飯山城に入ったということは、長尾軍にとっては決して優位に戦が進んでいないことを意味していたのである。
荒々しい音を立てながら城の廊下を早足で行く景虎。
そして城の中では最も大きい部屋である評定の間の襖を乱暴に開けると、部屋の上座にどかりと腰を下ろした。
「お屋形様! ご無事でなによりでございます! 流石はお屋形様ですな! 」
そう声をかけてきたのは先に駿河と呼ばれた老人、すなわち宇佐美駿河守定満(うさみするがのかみさだみつ)であった。
そんな定満に対して景虎はいら立った声で答えた。
「世辞はよい。それより早く状況を伝えよ」
景虎の帰還に安堵した長尾家の重臣たちであったが、景虎の不機嫌な語調に一気に緊張が走った。
景虎の纏った近寄りがたい雰囲気にその場の全員が息を飲み、言葉を発するのを躊躇っている。
そんな中、一人の壮年が膝を進めてきた。
「下野(しもつけ)か。申せ」
「はっ……」
下野と呼ばれた壮年の名は斎藤下野守朝信(さいとうしもつけのかみとものぶ)。
この時、三十二歳の壮年であったが優れた武勇と知略に景虎は惚れこんで重臣のうちの一人に加えられていたのだ。
「川中島より南の上田に北条からの援軍として、北条綱成(ほうじょうつなしげ)が入った模様。これにより武田は総勢二万の軍勢となりましてございます」
二万という数字に人々がざわつく。
なぜなら川中島に進軍中の長尾軍は総勢1万。
武田軍とは倍の兵力差があるのだ。
しかもこの頃は既に川中島の城のほとんどを奪われ、もはやこの飯山城以外に長尾軍の拠点となる城は残されていないという絶望的な状況であった。
しかし景虎の表情は全く変わらなかった。
とは言え、この部屋に入ってきたその時から既に苦虫をつぶしたような顔なのだ。
定満はその様子を見て、景虎が不機嫌な理由は戦況が芳しくないからではないと直感した。
だがその事を問いただすこともはばかれる為、彼は景虎の顔を見つめながら次の言葉を待った。
「そうか。では今日はこれにて解散。明日朝よりこれからのことを協議いたす」
早口でそう言い残した景虎。その語気は相変わらず不機嫌さを如実に表している。
そして誰の反応を待つまでもなく彼はすくりと立ち上がると、大股でその場を後にしていったのだった。
既に兵たちは寝静まり、あたりは静寂に包まれている。
かすかに近くを流れる千曲川の流れる音が聞こえてくると、重臣たちの間に張り詰められていた緊張がようやく解けた。
彼らも皆朝まで戦場にいた者たちばかりだ。
疲れたものを顔に浮かべながら続々と部屋を去っていった。
そんな中、定満は素早く目当ての人を見つけると側に寄って一つ問いかけた。
「対馬殿! ちょっとよろしいか? 」
定満の慌てたような声に対馬と呼ばれた若者は、「はて? 何でございましょう」と、驚いた顔をして振り向いた。
彼の名は千坂対馬守景親(ちさかつしまのかみかげちか)。
この時、歳はまだ二十一。
彼もまた若くして景虎の目に止まり、重臣たちの席に加わっている優秀な武将だ。
そして彼の役目は本陣の護衛。
つまり戦場においては常に景虎の側にあって、時には君主を守る盾となって働いているのだ。
そんな彼に定満は声を小さくして問いかけた。
「お屋形様に何かあったのだろうか……? 」
「何かとは? 何でしょう」
「いや、何でもよいのだ。あのように不機嫌だったのは、戦況が思わしくないからではなかろう。むしろ戦況が悪ければ悪い程に燃え上がるお方ではないか」
すると景親は「あーあ、そう言われれば……」と何かを思い出したように手をポンと叩いた。
そして定満に対して、彼もまた声の調子を落として言った。
「実は川中島にて不思議な少年と出会いましてな……」
そう切り出した景親は、景虎と辰丸とのやり取りのこと、そして景虎が自ら仕官を誘ったにも関わらず、辰丸があっさりと断ったことをつぶさに話したのだった。
定満は終始驚きのあまり目を大きくして聞いていたが、全てを聞き終えるとどこか納得したようにうなずいた。
そして「呼びとめてかたじけなかった。ありがとう」と景親に声をかけて、彼もまた自分の床へと向かっていったのだった。
ひんやりと冷たい廊下が足の裏に心地よい刺激を与えると、疲れた体が少しだけ活力を取り戻す。
すると自然と頭の中も考え事をするには十分なほどに冴えてきた。
「しかしお屋形様にも困ったものだのう……」
もちろん定満の考え事の対象は、当主長尾景虎のことであった。
長尾景虎という若い当主は、とにかく感情に流されやすい人であると定満は危ぶんでいる。
そして感情をすぐに表に出し、それを行動に移してしまうきらいがあるのだ。
他人に助けを求められれば、右も左も確認せずに自ら救援に向かい、涙を流して許しを乞われればどんな相手も許してしまう。
そして気に食わないことがあればすぐに放り出してしまう癖もある。
この前の年、長尾家当主にも関わらず、家臣たちのいざこざに嫌気がさして越後から出奔したのには、長尾家中だけではなく、敵方である武田や北条ですら驚いたという。
今回の川中島での争いも、元をただせば景虎が出奔したことを好機と見た武田晴信(後の武田信玄)が北信濃に侵攻を始めたことが由来と言えよう。
情に篤く、己の信念を貫き通す強さもある、そして何よりも戦上手なのは天賦の才。
しかしこの感情で動く気質だけはどうにかせねば、今後の長尾家を揺るがしかねないのではないかと強く思っていた。
そんな中で起こった今回の件。
自ら欲しいと思ったものが手に入らなかったというだけではなく、天地ほどに身分差のある者に仕官を断られたのだ。
これほどの屈辱は、宿敵武田信玄に戦で負けた時と同じかそれ以上のものであるに違いない。
あれほど不機嫌さを表に出していたのだ、恐らく腹の中は煮えくりかえっていることだろう。
しかし景虎の性分は、今すぐにどうにかなるものでもない。
となれば、景虎が機嫌を直して戦の勝利に向けて集中させるには、ただ一つしかあるまい。
「うむ…… 仕方ないのう……」
そう定満は呟いて、深夜にも関わらずとある人物の元へと足を進めていったのだった。
弘治3年(1557年)6月18日――
長尾景虎は叔父、高梨政頼(たかなしまさより)の救援の為に飯山城へと入った。
既に陽は大きく傾き、蒸し暑さもひと段落して山間の城の中はひんやりと感じられるほどだ。
犀川と千曲川の交差する、いわゆる川中島からは千曲川を北へと進むことおよそ四刻(約八時間)の道のりに位置する飯山城。
川中島の地を巡る戦いの上では、最北の城であり、越後から攻め寄ってきた長尾軍にしてみれば最後尾の拠点と言えた。
つまり総大将である長尾景虎が飯山城に入ったということは、長尾軍にとっては決して優位に戦が進んでいないことを意味していたのである。
荒々しい音を立てながら城の廊下を早足で行く景虎。
そして城の中では最も大きい部屋である評定の間の襖を乱暴に開けると、部屋の上座にどかりと腰を下ろした。
「お屋形様! ご無事でなによりでございます! 流石はお屋形様ですな! 」
そう声をかけてきたのは先に駿河と呼ばれた老人、すなわち宇佐美駿河守定満(うさみするがのかみさだみつ)であった。
そんな定満に対して景虎はいら立った声で答えた。
「世辞はよい。それより早く状況を伝えよ」
景虎の帰還に安堵した長尾家の重臣たちであったが、景虎の不機嫌な語調に一気に緊張が走った。
景虎の纏った近寄りがたい雰囲気にその場の全員が息を飲み、言葉を発するのを躊躇っている。
そんな中、一人の壮年が膝を進めてきた。
「下野(しもつけ)か。申せ」
「はっ……」
下野と呼ばれた壮年の名は斎藤下野守朝信(さいとうしもつけのかみとものぶ)。
この時、三十二歳の壮年であったが優れた武勇と知略に景虎は惚れこんで重臣のうちの一人に加えられていたのだ。
「川中島より南の上田に北条からの援軍として、北条綱成(ほうじょうつなしげ)が入った模様。これにより武田は総勢二万の軍勢となりましてございます」
二万という数字に人々がざわつく。
なぜなら川中島に進軍中の長尾軍は総勢1万。
武田軍とは倍の兵力差があるのだ。
しかもこの頃は既に川中島の城のほとんどを奪われ、もはやこの飯山城以外に長尾軍の拠点となる城は残されていないという絶望的な状況であった。
しかし景虎の表情は全く変わらなかった。
とは言え、この部屋に入ってきたその時から既に苦虫をつぶしたような顔なのだ。
定満はその様子を見て、景虎が不機嫌な理由は戦況が芳しくないからではないと直感した。
だがその事を問いただすこともはばかれる為、彼は景虎の顔を見つめながら次の言葉を待った。
「そうか。では今日はこれにて解散。明日朝よりこれからのことを協議いたす」
早口でそう言い残した景虎。その語気は相変わらず不機嫌さを如実に表している。
そして誰の反応を待つまでもなく彼はすくりと立ち上がると、大股でその場を後にしていったのだった。
既に兵たちは寝静まり、あたりは静寂に包まれている。
かすかに近くを流れる千曲川の流れる音が聞こえてくると、重臣たちの間に張り詰められていた緊張がようやく解けた。
彼らも皆朝まで戦場にいた者たちばかりだ。
疲れたものを顔に浮かべながら続々と部屋を去っていった。
そんな中、定満は素早く目当ての人を見つけると側に寄って一つ問いかけた。
「対馬殿! ちょっとよろしいか? 」
定満の慌てたような声に対馬と呼ばれた若者は、「はて? 何でございましょう」と、驚いた顔をして振り向いた。
彼の名は千坂対馬守景親(ちさかつしまのかみかげちか)。
この時、歳はまだ二十一。
彼もまた若くして景虎の目に止まり、重臣たちの席に加わっている優秀な武将だ。
そして彼の役目は本陣の護衛。
つまり戦場においては常に景虎の側にあって、時には君主を守る盾となって働いているのだ。
そんな彼に定満は声を小さくして問いかけた。
「お屋形様に何かあったのだろうか……? 」
「何かとは? 何でしょう」
「いや、何でもよいのだ。あのように不機嫌だったのは、戦況が思わしくないからではなかろう。むしろ戦況が悪ければ悪い程に燃え上がるお方ではないか」
すると景親は「あーあ、そう言われれば……」と何かを思い出したように手をポンと叩いた。
そして定満に対して、彼もまた声の調子を落として言った。
「実は川中島にて不思議な少年と出会いましてな……」
そう切り出した景親は、景虎と辰丸とのやり取りのこと、そして景虎が自ら仕官を誘ったにも関わらず、辰丸があっさりと断ったことをつぶさに話したのだった。
定満は終始驚きのあまり目を大きくして聞いていたが、全てを聞き終えるとどこか納得したようにうなずいた。
そして「呼びとめてかたじけなかった。ありがとう」と景親に声をかけて、彼もまた自分の床へと向かっていったのだった。
ひんやりと冷たい廊下が足の裏に心地よい刺激を与えると、疲れた体が少しだけ活力を取り戻す。
すると自然と頭の中も考え事をするには十分なほどに冴えてきた。
「しかしお屋形様にも困ったものだのう……」
もちろん定満の考え事の対象は、当主長尾景虎のことであった。
長尾景虎という若い当主は、とにかく感情に流されやすい人であると定満は危ぶんでいる。
そして感情をすぐに表に出し、それを行動に移してしまうきらいがあるのだ。
他人に助けを求められれば、右も左も確認せずに自ら救援に向かい、涙を流して許しを乞われればどんな相手も許してしまう。
そして気に食わないことがあればすぐに放り出してしまう癖もある。
この前の年、長尾家当主にも関わらず、家臣たちのいざこざに嫌気がさして越後から出奔したのには、長尾家中だけではなく、敵方である武田や北条ですら驚いたという。
今回の川中島での争いも、元をただせば景虎が出奔したことを好機と見た武田晴信(後の武田信玄)が北信濃に侵攻を始めたことが由来と言えよう。
情に篤く、己の信念を貫き通す強さもある、そして何よりも戦上手なのは天賦の才。
しかしこの感情で動く気質だけはどうにかせねば、今後の長尾家を揺るがしかねないのではないかと強く思っていた。
そんな中で起こった今回の件。
自ら欲しいと思ったものが手に入らなかったというだけではなく、天地ほどに身分差のある者に仕官を断られたのだ。
これほどの屈辱は、宿敵武田信玄に戦で負けた時と同じかそれ以上のものであるに違いない。
あれほど不機嫌さを表に出していたのだ、恐らく腹の中は煮えくりかえっていることだろう。
しかし景虎の性分は、今すぐにどうにかなるものでもない。
となれば、景虎が機嫌を直して戦の勝利に向けて集中させるには、ただ一つしかあるまい。
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