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第2章
サウスオーシャン海戦5
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俺は空中で魔力を収束させていく。
そしてそれが整った頃、ようやく空中で俺を押し出していた水の勢いが止まり、俺は落下を始めた。
それに合わせるように、さらに俺の周りに集まり出す魔物たち。
「…今だ!」
俺は自分自身に言い聞かせると、魔法を詠唱した。
「氷の戦神シヴァよ、今こそ力を示す時。この目に入る全てを氷の彫刻へと変えよ!
超階位魔法!『カーヴ・フロム・ダイヤモンズアイス』!!」
俺の手から白い霧が放たれる。
触れた全てを凍らせる霧。
異変に気付いたマーマンソルジャーが
「何か来るぞ!皆!海の中に潜って回避だ!」
と叫ぶ。
海面に上半身を出していたマーマンたちが一斉に海の中に潜る。
「…無駄だ」
ゆっくりと霧が海へと降りていく。
そしてそれが海面に触れた瞬間、凍りついた。
全てが…
半径数十mの範囲で…
はるか海底に至るまで…
遠くに、ザンザや乗組員たちの唖然とする視線を感じる。
この光景に驚かない人間がいたら…そいつはテレシアの手先に違いない。
タン…
俺はゆっくりと凍りついた海面に降り立った。
透き通った綺麗な氷。
その中にはマーマンソルジャーを始めとした海の魔物たち全てが含まれていた。
少し離れた場所のセイレーンたちも、その美しい四肢を氷の彫刻に変えている。
俺はこの魔法の仕上げをする事にした。
静かに剣を抜く。
そしてそれを天にかがげる。
「…終わりだ」
この魔法でかなりの魔力を消費した。
このままでは船の結界を張るのは困難だ。
俺はこの戦闘を終了させる事で、レベルアップを目論んでいた。
そうすれば魔力は全快するはず。
この魔法の終了とともに、俺はまた一つ無双に近付く。
しかしそこには愉悦はない。
まだ足りないのだ。あの女をぶちのめすには…
俺は振りかざした剣を凍った海面に突き刺す。
そして魔法を完成させた。
「…ブレイク・トゥ・パウダー」
バリ…バリバリバリ!
氷の芸術は大きな音とともに崩れ、同時に冷たい粉まで細かくなり、辺りを舞った。
幻想的とも言える氷の結晶の中に俺は立っていた。
海に大きな穴が開く。
氷だった部分がそのまま粉となって空中に舞った為だ。
ザザーッ!
そこに大量の水が流れ込んでくる。
まるで四方を落差数百メートルの大きな滝が囲うように。
俺は水の勢いに身を任せていた。
そして完全に海が俺が開けた穴を埋めた時、俺は海面から顔を出した。
四方を見回す。
海には魔物の姿は一切ない。
「…終わったか…」
俺は息をつき、海面に漂う。
その時、俺たちの船が俺に接近してきた。
魔物たちが消え去ったのを見ていたのだろう。
船の結界は既に解かれていた。
甲板にはザンザが身を乗り出している。
しかしそこには魔物退治の後の安堵感は感じられない。むしろ顔面蒼白で焦燥感を漂わせていた。
何かあったのだ。
船から一本のロープが垂れ落ちてくる。
しかし俺はそれを掴むことなく、先ほど同じ要領で水の力を利用して甲板まで飛び上がって乗り込んだ。
そこにザンザが駆けよってきて叫んだ。
「サヤさんが…サヤさんが危ない!!」
そしてそれが整った頃、ようやく空中で俺を押し出していた水の勢いが止まり、俺は落下を始めた。
それに合わせるように、さらに俺の周りに集まり出す魔物たち。
「…今だ!」
俺は自分自身に言い聞かせると、魔法を詠唱した。
「氷の戦神シヴァよ、今こそ力を示す時。この目に入る全てを氷の彫刻へと変えよ!
超階位魔法!『カーヴ・フロム・ダイヤモンズアイス』!!」
俺の手から白い霧が放たれる。
触れた全てを凍らせる霧。
異変に気付いたマーマンソルジャーが
「何か来るぞ!皆!海の中に潜って回避だ!」
と叫ぶ。
海面に上半身を出していたマーマンたちが一斉に海の中に潜る。
「…無駄だ」
ゆっくりと霧が海へと降りていく。
そしてそれが海面に触れた瞬間、凍りついた。
全てが…
半径数十mの範囲で…
はるか海底に至るまで…
遠くに、ザンザや乗組員たちの唖然とする視線を感じる。
この光景に驚かない人間がいたら…そいつはテレシアの手先に違いない。
タン…
俺はゆっくりと凍りついた海面に降り立った。
透き通った綺麗な氷。
その中にはマーマンソルジャーを始めとした海の魔物たち全てが含まれていた。
少し離れた場所のセイレーンたちも、その美しい四肢を氷の彫刻に変えている。
俺はこの魔法の仕上げをする事にした。
静かに剣を抜く。
そしてそれを天にかがげる。
「…終わりだ」
この魔法でかなりの魔力を消費した。
このままでは船の結界を張るのは困難だ。
俺はこの戦闘を終了させる事で、レベルアップを目論んでいた。
そうすれば魔力は全快するはず。
この魔法の終了とともに、俺はまた一つ無双に近付く。
しかしそこには愉悦はない。
まだ足りないのだ。あの女をぶちのめすには…
俺は振りかざした剣を凍った海面に突き刺す。
そして魔法を完成させた。
「…ブレイク・トゥ・パウダー」
バリ…バリバリバリ!
氷の芸術は大きな音とともに崩れ、同時に冷たい粉まで細かくなり、辺りを舞った。
幻想的とも言える氷の結晶の中に俺は立っていた。
海に大きな穴が開く。
氷だった部分がそのまま粉となって空中に舞った為だ。
ザザーッ!
そこに大量の水が流れ込んでくる。
まるで四方を落差数百メートルの大きな滝が囲うように。
俺は水の勢いに身を任せていた。
そして完全に海が俺が開けた穴を埋めた時、俺は海面から顔を出した。
四方を見回す。
海には魔物の姿は一切ない。
「…終わったか…」
俺は息をつき、海面に漂う。
その時、俺たちの船が俺に接近してきた。
魔物たちが消え去ったのを見ていたのだろう。
船の結界は既に解かれていた。
甲板にはザンザが身を乗り出している。
しかしそこには魔物退治の後の安堵感は感じられない。むしろ顔面蒼白で焦燥感を漂わせていた。
何かあったのだ。
船から一本のロープが垂れ落ちてくる。
しかし俺はそれを掴むことなく、先ほど同じ要領で水の力を利用して甲板まで飛び上がって乗り込んだ。
そこにザンザが駆けよってきて叫んだ。
「サヤさんが…サヤさんが危ない!!」
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