デバッグ中のゲームにバグとして転送されてしまったのでとにかく逃げようと思う

友理潤

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第2章 バグ同士集まって何が悪い!

幕間 まさか…わたし…恋してる?

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◇◇
こんにちは、イオリと申します。

わたしはすっごく鈍臭いんです…
だから、こっちの世界に来ても初めて組んだパーティでいじめられました。

そんなわたしでも、ユーさんとシェリーちゃんは、いつも優しく接してくれます。

わたしの料理も『美味しい』って言ってくれます。

それどころか、シェリーちゃんは
「お姉ちゃん」
ってなついてくれるの!

わたし、こんな可愛い妹が欲しかったから、すごく嬉しい!

それに、ユーさんは…
「イオリたんは『天使』だ!」
と、よく分からない事を言ってくれるのですが、褒め言葉と捉えているわたしは、傲慢かしら?

トクンッ

そして、ユーさんの事を考えると、いつも心臓の音が大きくなるの…
最近は、その頻度が高いの…
わたし、病気なのかな?

と、とにかく、今のわたしはすっごく幸せ!

それに新しいお友達も出来そうだし…

わたしは、その新しいお友達の、アカネさんと上手くやっていけるかな?

時々アカネさんに向けられる視線が、すごく鋭いんだけど、わたし鈍いから嫌われてるのかな…?

◇◇

「ふ~~ん、ユーはあんたにねぇ」


わたしたちは今宵の野営地にいます。

ユーさんは、水浴びと洗濯中で、トカゲさんは森の中へ食事に出ました。
だから今は、女子3人だけなの!
なんか女子トーク出来そうでワクワクしちゃう!


そんな中でアカネさんはジロジロとわたしを見ているの…
わたしスタイルも良くないし…
恥ずかしいな…

「あは、まぁいいわ。違う方を向いているなら、こっちを向く様に努力するまでよ」

「シェリーも努力するかしら!」

「ちみっこはまずその『まな板』をどうにかする努力をしたら?」

「ぐぬぬぬ~っ!く、悔しいけど、ここで怒ったら、負け惜しみにしかならないかしら!」

「あは、良い心掛けじゃない?
ちみっこの成長に、お姉さん感動しちゃうな~」

「絶対にいつかギャフンと言わせてやるかしら!!」
「私も絶対にいつか『愛してる』と言わせてみせるかしら!!」

なんだか二人とも燃えている…
わたしも何か熱中できる事見付けなきゃ!

ひとしきり燃えると、アカネさんは何やら準備を始めてる…
勇気を持って、聞いてみよう!

「…ア、アカネさん!?な、何をしてるの…?」

アカネさんがわたしの方を振り返る。
目が少し怖い…

わたしは思わず、
「…ご、ごめんなさい…!」
と謝ってしまった…

そして、ツカツカとわたしの目の前まで近付いてきた。
…また、他人を怒らせちゃったかな…

「あんたね~…私すっごく怒ってるんだけど、何故か分かる?」

やっぱり怒られた…
でも、何でだろう…?
いつもわたしは他人から怒られるけど、自分でも理由がよく分からないの…

オドオドしていると、アカネさんは溜め息をついた。

「はぁ、なんでユーはこんな子がいいんだろ?
大方『思わず守ってあげたくなっちゃう』とか、そんなバカげた理由なのよね~」

「…ごめんなさい…」

「まぁいいわ!教えてあげる!」

何を教えてくれるのかな…
わたしが鈍くさいって指摘かな…

「私があんたに怒ってる理由よ!」

「あ…お、お願いします!」

「呆れるわ…なんでそんなに嬉しそうなの?」

「…ごめんなさい…」

わたしは思わずまた謝ってしまう。
それを見逃すまいと、アカネさんがわたしに向かって指を差す。

「まず、それ!!
何ですぐ謝るの?
あんた全然悪い事してないのに、すぐ謝るから、かえってイラっとするのよね~」

「…ごめんなさい…」

「イオリお姉ちゃん…また謝ってるかしら」

シェリーちゃんにまで呆れられちゃてるわたしって…
ダメだなぁ…

「次ぃ!その表情!
何でいつも『わたしってダメな女なの』って悲壮感まるだしなのかね?
あんた普通にしていれば、悔しいけど、可愛いんだから、普通にしてればいいのよ~」


「か、可愛いなんて…アカネさん…滅相もございません…」

「そして、次ぃ!次ぃ!次ぃ!
今のだけで3つもあるわよ!」

やっぱりわたしってダメダメだなぁ…

「何で仲間に対して、緊張して話すの?
もっと肩の力抜いてくれなきゃ、こっちまで緊張しちゃうじゃない!?」

「は、はい」

「そして『アカネさん』って、自己紹介の時に言ったよね?『アカネ』でいいよって。
他人行儀すぎると、壁を感じるのよね」

「わ、わたしなんか恐れ多くて…」

「それそれ!一番の問題よ!」

問題だらけのわたしの一番の問題って…なんだろう…?

「自信なさすぎ!もっと自分を好きになりなさいな!」

「そうだよ!イオリお姉ちゃん!」

シェリーちゃんまで、話に乗ってきた。

「イオリお姉ちゃんは、お料理も上手だし、優しいし…すっごくわたしは好きかしら!
でも、お姉ちゃん自身が好きになれないなんて、ダメかしら!」

「あは!ちみっこにしては良い事言った!誉めてあげる!」

アカネさんが、シェリーちゃんの頭を撫でている。

シェリーちゃんは、嫌がる素振りを見せながらも、少し喜んでいるよう。

ふふ、可愛い!

思わず笑みがこぼれちゃう。

それをキラリと鋭い眼光でアカネさんが見て、指差す。

「そ~~う!その表情!いいねぇ」

「アカネお姉ちゃん、ちょっとオッサンくさいかしら」

「ちみっこは余計な事言わないの」

シェリーちゃんが少し頬を膨らませているわ。

素直に自分を表現出来るって素敵だなぁと思うの…
わたしには出来ないかな…


「いやっ!君にも出来る!自信を持つんだ!」

「アカネさ…」
アカネさんがすかさず繰り返す。
「アカネさ…?」

「アカネ…なんでわたしの考えている事が分かったの!?」

「あは、あんた分かりやすすぎなのよ。その辺はユーとそっくりね」

トクンッ

あれ?
また心臓の音が大きくなった。

その様子もアカネさ…アカネは見逃さない。
鋭すぎるわ…

「今なんか胸が苦しくなったでしょ?」

「う、うん…何でだろう?
わたしにも分からなくて…」

アカネとシェリーちゃんが顔を見合わせる。
そして二人して
「「ハァ~~~(かしら)…」」
と溜め息をつく。


「これはユーも苦労するわね…」

「アカネお姉ちゃん、これはむしろチャンスかしら」

「おお!ちみっこ!今日は冴えてるわね!」

「『今日は』って、わたしたち今日知り合ったかしら!?」

「あは!細かい事は気にしないの!
とにかくこれはチャンスね!」

「…なんのチャンスなの?」

「あは!ライバルにそれを教える程、私は甘くないわ!」

「ライバル??」

「そうよ!でもあんた、このままだとライバルにもならないわよ!」

「ど、どういう事??」

「そのまんまの意味よ!
自分に自信を持たないと、恋のチャンスも逃すわよ!って事よ!」

「…アカネお姉ちゃん…結局ちゃんと教えちゃってるかしら…」

「あは!ちみっこよ!ライバルは強い程、燃えるってもんよ!」
「確かに!そうかしら~!!」

また二人で燃えてる…
なんか羨ましいなぁ…

恋のチャンスか…
わたしの恋っていつ訪れるんだろう?

トクンッ

その時、また心臓の音が大きくなった…

これって…
まさか…ね…

わたしはふとよぎった考えを否定したの…

まさかユーさんがわたしの恋の相手なんて…そんなわけ…

トクン、トクン、トクン、トクン

心臓が連続して音を立てる。
こんなの初めて…

まさか…わたし…ユーさんに…


恋してる…?


顔が一気に赤くなる!
心臓の音も止まらない!
ど、どうしよう~!!?

「それ見たことかしら?アカネお姉ちゃんのせいだからね!」

「あは!ライバル覚醒って事ね!くぅ~~~!燃えるわ!」

次に出てきた言葉にわたしの言葉は、自分でも驚く言葉だったの…

「…わたし…燃えてきた…」

だって本当に、何かが燃えてくる感覚がしたんだもの!
でも、それが『恋』かなんかは分からないの…
でも、もっと自分に自信を持ちたいって、皆に…ユーさんに認めてもらいたいって、そう思ったら、燃えてきちゃったんだから!


「よーし!みんな盛り上がってきたわね!
じゃあ、早速ゲーム始めるわよ!」

「え……!??」
「何をするのかしら!?」

するとアカネさんは、どこから仕入れたのか分からないけど、トランプを持って宣言したの。

「今夜、ユーと同じテントで朝まで二人きりで過ごす権利を賭けたゲームよ!!!」

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