英雄テイマーの後継者~無能と罵られて追放されたテイマー、伝説の勇者と同じスキルを覚醒させて巨悪に立ち向かっていく。本物のテイムを見せてやる~

友理潤

文字の大きさ
21 / 88

第21話 まさかマジでこんなこともできるなんて……。モンスター・オートメーションは神スキルすぎだな

しおりを挟む
 モンスター・オートメーションでモンスターと主従契約を結ぶことができるのか――。
 いや、普通に考えて無理だと思うよ。
 でもこれまで普通じゃないことばっかり起こしてきたからな。
 今回もいけるんじゃないか?
 根拠のない自信を胸に秘め、ステータス画面を開く。
 発動条件は『もし相手のモンスターから主従契約を結ぶことの了承を得られれば』にして、発動内容は『主従契約を結ぶ』と……。
 シナリオ名は【主従契約シナリオ】でいいか。
 とりあえずダメもとでセットしてみたら、すぐに無機質な女性の声が聞こえてきた。

『主従契約シナリオの発動条件を満たしました』

 おいおい、まじかよ……。
 本当に成功するとは思いもよらなかった。
 こうなると何でもアリなのかもしれないな。
 と、ピピの体がほのかな光に包まれ、彼女はそっと目を閉じた。
 同時に俺の全身からも同じ光が発せられる。

「なんじ。我と主従の契りを結び、我を永遠の主と認めるか」

 俺の口が勝手に動く。
 ピピはそれまでと違って、低い声でおごそかに答えた。

「はい」

 手が勝手に動き、ピピの小さな額に右の人差し指を当てる。
 まばゆい光が洞窟の中を明るく照らした。
 そうして光が収まると、ピピのひたいに薄紫の印があらわれたのだった。
 これが主従関係の儀式か……。意外とあっさり終わるものなんだな。
 儀式っていうくらいだから生贄をささげて……みたいな、ちょっとグロいのを想像してたけど、違っていたから助かった。

「これでごはんいけるの?」

 半信半疑といった様子のピピが上目づかいで俺の顔を覗き込んでくる。
 俺だって確信はない。
 しかしモンスター・オートメーションが間違うなんてことは今まで一度もなかったからな。
 きっと大丈夫だろう。

「じゃあ、試してみようか」
「へっ? う、うん!」

 俺はピピの手を引いて洞窟の出口へ向かって歩き出す。
 ピピは出口の一歩手前のところで怖がって目をつむる。
 俺はそんな彼女の手をきゅっと握って、洞窟を出た。
 ピピの黒いドレスに外の光が当たる――。

「ふあっ……。ふあああああっ!!」

 ゆっくり目を開けたピピが驚きと喜びの入り混じった明るい声をあげた。
 よしっ! 成功だ!
 ピピは嬉しそうに空中を舞った。

「わーい! わーい! ごはんっ! ごはんっ!」

 初めてゴーレム以外のモンスターを使役できた――。
 胸がドキドキする。
 素直に嬉しい。視界がぱっと開けたような、爽快な気分だ。
 モンスタートークでモンスターとは話せるからな。
 交渉次第ではあるが、いろんなモンスターを使役できるチャンスが巡ってくるかもしれない。
 ちょっと想像しただけで、テンションがあがってしょうがない。
 そしてもう一つ。
 俺にとっておいしいのは、使役したモンスターのステータスが加わるということ。当然、ピピも同様だ。

 ――【ホワイトスパーク】を覚えました!
 ――【超索敵】のスキルを覚えました!
 ――【飛翔】のスキルを覚えました!
 ――【人間に変化】のスキルを覚えました!
 ――スピードが大幅に上昇!
 ――魔力が大幅に上昇!
 ――最大MPが大幅に上昇!

 サンたちプラチナゴーレムの腕力と防御力に、ピピのスピードと魔力が加わる、ということだよな……。
 魔王アルゼオンがどれだけ強いか分からないが、ステータスだけでいえば俺もかなり強い方だと思う。
 だからといってアルゼオンに挑もうなんて微塵も考えちゃいないけどな。
 俺は今の生活でじゅうぶん満足しているんだ。

 さてと。
 ピピとの約束どおり、帰って飯にしよう。
 ちょうど良いイノシシの肉も手に入れたしな。
 燻製にしたドラゴンのもも肉もある。
 ピピの好みを聞いて、上手い料理を作ってやる。
 
----------------
名前;ピート・アイリス
レベル:102
HP:12360
MP:3150(+22148)
腕力:240(+1190)
防御力:225(+1220)
魔力:452(+1630)
スピード:501(+1842)
スキル:
モンスター・オートメーション、モンスタートーク、ステータスオープン、ステータス同化、一定ダメージ以下物理無効、精神魔法無効、物理耐性Up(極大)、魔法耐性Up(極大)、会心率Up(極大)、素手攻撃力Up(極大)、ホワイトスパーク、超索敵、飛翔、人間に変化
----------------
しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

荷物持ちを追放したら、酷い目にあった件について。

しばたろう
ファンタジー
無能だと思い込み、荷物持ちのレンジャーを追放した戦士アレクス。 しかし―― 彼が切り捨てた仲間こそが、 実はパーティを陰で支えていたレアスキル持ちだった。 事実に気づいた時にはもう遅い。 道に迷い、魔獣に襲われ、些細な任務すらまともにこなせない。 “荷物持ちがいなくなった瞬間”から、 アレクスの日常は静かに崩壊していく。 短絡的な判断で、かけがえのない存在を手放した戦士。 そんな彼と再び肩を並べることになったのは―― 美しいのに中二が暴走する魔法使い ノー天気で鈍感な僧侶 そして天性の才を秘めた愛くるしい弟子レンジャー かつての仲間たちと共に、アレクスはもう一度歩き出す。 自らの愚かさと向き合い、後悔し、懺悔し、それでも進むために。 これは、 “間違いを犯した男が、仲間と共に再び立ち上がる” 再生の物語である。 《小説家になろうにも投稿しています》

『捨てられシスターと傷ついた獣の修繕日誌』~「修理が遅い」と追放されたけど、DIY知識チートで壊れた家も心も直して、幸せな家庭を築きます

エリモコピコット
ファンタジー
【12/6 日間ランキング17位!】 「魔法で直せば一瞬だ。お前の手作業は時間の無駄なんだよ」 そう言われて勇者パーティを追放されたシスター、エリス。 彼女の魔法は弱く、派手な活躍はできない。 けれど彼女には、物の声を聞く『構造把握』の力と、前世から受け継いだ『DIY(日曜大工)』の知識があった。 傷心のまま辺境の村「ココン」に流れ着いた彼女は、一軒のボロ家と出会う。 隙間風だらけの壁、腐りかけた床。けれど、エリスは目を輝かせた。 「直せる。ここを、世界で一番温かい『帰る場所』にしよう!」 釘を使わない頑丈な家具、水汲み不要の自動ポンプ、冬でもポカポカの床暖房。 魔法文明が見落としていた「手間暇かけた技術」は、不便な辺境生活を快適な楽園へと変えていく。 やがてその温かい家には、 傷ついた銀髪の狼少女や、 素直になれないツンデレ黒猫、 人見知りな犬耳の鍛冶師が集まってきて――。 「エリス姉、あったか~い……」「……悔しいけど、この家から出られないわね」 これは、不器用なシスターが、壊れた家と、傷ついた心を修繕していく物語。 優しくて温かい、手作りのスローライフ・ファンタジー! (※一方その頃、メンテナンス係を失った勇者パーティの装備はボロボロになり、冷たい野営で後悔の日々を送るのですが……それはまた別のお話)

追放された無能鑑定士、実は世界最強の万物解析スキル持ち。パーティーと国が泣きついてももう遅い。辺境で美少女とスローライフ(?)を送る

夏見ナイ
ファンタジー
貴族の三男に転生したカイトは、【鑑定】スキルしか持てず家からも勇者パーティーからも無能扱いされ、ついには追放されてしまう。全てを失い辺境に流れ着いた彼だが、そこで自身のスキルが万物の情報を読み解く最強スキル【万物解析】だと覚醒する! 隠された才能を見抜いて助けた美少女エルフや獣人と共に、カイトは辺境の村を豊かにし、古代遺跡の謎を解き明かし、強力な魔物を従え、着実に力をつけていく。一方、カイトを切り捨てた元パーティーと王国は凋落の一途を辿り、彼の築いた豊かさに気づくが……もう遅い! 不遇から成り上がる、痛快な逆転劇と辺境スローライフ(?)が今、始まる!

侯爵家の愛されない娘でしたが、前世の記憶を思い出したらお父様がバリ好みのイケメン過ぎて毎日が楽しくなりました

下菊みこと
ファンタジー
前世の記憶を思い出したらなにもかも上手くいったお話。 ご都合主義のSS。 お父様、キャラチェンジが激しくないですか。 小説家になろう様でも投稿しています。 突然ですが長編化します!ごめんなさい!ぜひ見てください!

無能なので辞めさせていただきます!

サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。 マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。 えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって? 残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、 無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって? はいはいわかりました。 辞めますよ。 退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。 自分無能なんで、なんにもわかりませんから。 カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

帝国の王子は無能だからと追放されたので僕はチートスキル【建築】で勝手に最強の国を作る!

雪奈 水無月
ファンタジー
帝国の第二王子として生まれたノルは15才を迎えた時、この世界では必ず『ギフト授与式』を教会で受けなくてはいけない。 ギフトは神からの祝福で様々な能力を与えてくれる。 観衆や皇帝の父、母、兄が見守る中… ノルは祝福を受けるのだが…手にしたのはハズレと言われているギフト…【建築】だった。 それを見た皇帝は激怒してノルを国外追放処分してしまう。 帝国から南西の最果ての森林地帯をノルは仲間と共に開拓していく… さぁ〜て今日も一日、街作りの始まりだ!!

「お前の戦い方は地味すぎる」とギルドをクビになったおっさん、その正体は大陸を震撼させた伝説の暗殺者。

夏見ナイ
ファンタジー
「地味すぎる」とギルドをクビになったおっさん冒険者アラン(40)。彼はこれを機に、血塗られた過去を捨てて辺境の村で静かに暮らすことを決意する。その正体は、10年前に姿を消した伝説の暗殺者“神の影”。 もう戦いはこりごりなのだが、体に染みついた暗殺術が無意識に発動。気配だけでチンピラを黙らせ、小石で魔物を一撃で仕留める姿が「神業」だと勘違いされ、噂が噂を呼ぶ。 純粋な少女には師匠と慕われ、元騎士には神と崇められ、挙句の果てには王女や諸国の密偵まで押しかけてくる始末。本人は畑仕事に精を出したいだけなのに、彼の周りでは勝手に伝説が更新されていく! 最強の元暗殺者による、勘違いスローライフファンタジー、開幕!

魔法筆職人の俺が居なくなったら、お前ら魔法使えないけど良いんだよな?!

川井田ナツナ
ファンタジー
俺は慈悲深い人間だ。 だから、魔法の『ま』の字も理解していない住民たちに俺の作った魔法筆を使わせてあげていた。 だが、国の総意は『国家転覆罪で国外追放』だとよ。 馬鹿だとは思っていたが、俺の想像を絶する馬鹿だったとはな……。 俺が居なくなったら、お前ら魔法使えなくて生活困るだろうけど良いってことだよな??

処理中です...