不完全な人達

神崎

文字の大きさ
180 / 289
火祭り

179

しおりを挟む
 太股まで垂れている愛液がシーツを濡らして、それでも史はその行為をやめられなかった。うつ伏せにして腰を持ち上げると、その中に容赦なく入れ込んだ。
「あっ!奥に……奥……。」
 ピンク色に染まる肌。抑えきれない声。前戯だけでも何度も絶頂を迎えているのに、挿入してさらに絶頂を迎えている。動かす度に水の音が部屋に響き、息も絶え絶えに声を枯らしていた。
「久住のとどっちが良い?」
「え……んっ!」
 そんなことわからない。清子は首を横に振って、恨めしげに史をみる。
「わからないです……そんなこと……昔過ぎて……。」
「本当にしてないの?んっ……突く度に、こんなに濡れて絞まって、久住も夢中になっただろう?」
「そんなの……知りません……。」
「強情だな。」
 そういって史はその入れ込んでいるところの、上に手を這わせる。
「ひゃ……いや!そこは……。」
 置いていた機械を手にして、そこにあてがうとスイッチを入れた。するとぎゅっとそこが絞まる。
「いやぁ!やめて!」
「動かないで。入れないから。触るだけ。」
 そこでしろという指示もあるし、経験がないわけではない。だがその場合は、慣れている女優だけだ。清子のそこは全く慣れていないし、下処理だってしていない。だが指を這わせるだけで清子は声を上げた。
「ああああ!」
 そのときベッドサイドに置いてあった史の携帯電話が鳴る。一旦、清子から出てくると、携帯電話を手にした。その相手に少し史の目が笑う。
「清子。声を抑えて。」
 体を仰向けにして、足を持ち上げる。そしてまたそこにあてがうと、その中に入れ込んだ。そして携帯電話の通話ボタンを押す。
「うん。久住。何だ。」
 晶からの電話だった。その答えに清子は声を抑えるように、つながれた手で口をふさいだ。だが水の音は押さえきれない。その音までも晶に届いているのだろうか。
「ん……そうだな。そっち終わったか?ふーん。やっぱ観客がいないと駄目か。で、そっちの方は間に合いそうか?」
 よくもまぁ、涼しい顔をして会話が出来るものだ。清子はそう思いながら、イキそうになっている感覚を押さえる。それがわかるのだろう。清子の中がぎゅっとさっきよりも絞まってきた。
「……んっ。何でもない……。洗濯をしててね。そろそろ買い換えないといけないと思ってた。で……何時になりそうだ。」
 そろそろ終わってくれないだろうか。そう思いながら、清子は口を押さえていたが、急に史は角度を変えて挿入してきた。それが変なところに当たり、思わず声がでた。
「んっ……。」
 顔が真っ赤になっている。がくがくと体も震えてきた。もう限界なのだろう。
「わかった……。十七時だな。それまでには用意しておくから。あぁ……またあとで。」
 そういって史は通話を終えると清子の足を持ち上げて、奥に入れ込んだ。
「ああああ!」
「よく我慢したね。でももうイキそう。俺も……イキそうだから……。んあっ……。ねぇ……どこで出されたい?」
「あっ……外で……。外……。」
「でも君のここは離したくないみたいだ。本当に外でいいの?」
「外で……。」
「あっ……無理……無理……。んっ。」
 逃げようとしているその腰をつかみ、史はその奥に自分を入れ込んだ。
「……あぁ……すごい気持ちいい。清子の中……超良い……。」
「ひどい……。」
「ん……ほら……沢山出たよ。」
 史はそこから性器を出し、清子の性器に指を這わせる。するとその奥から白いものが流れた。
「嫌らしいな。清子のここ。」
 そこを広げて、中に指を入れる。すると指に白いものが絡んできた。
「シャワーを浴びようか。」
 まだぼんやりとしている清子の手にはまっている手錠をはずすと、清子を抱き抱えた。

 十七時を少し過ぎた頃、晶は部屋に戻ってきた。その間、シーツや洗濯物を洗い、近所に買い物へ行ったりした。歓楽街とはいっても、駅前まで行けばアンテナショップがある。そこで漬け物を買ったのだ。
 清子は後部座席に乗り、史は助手席に乗った。その間、清子は不機嫌そうに史と口を聞かなかった。
 イヤだというのに手錠をはめられたり、おもちゃを使われたり、尻の穴を責められるようなアブノーマルなことをしたくなかったから。挙げ句の果てには中で出した。子供が出来ないとでも思っているのだろうか。
「どうしたんだよ。お通夜みたいだな。」
 ついに気を利かせて晶が声をかける。だが清子の不機嫌なのはそんなことで収まるはずはない。
「別に……。」
 史と清子が居た時間はたぶん五時間足らずくらいだろう。それまでに何回シタのだろう。そう思うと晶の機嫌も悪くなりそうだ。
「お、ちょっと俺、コーヒー買うわ。清子。お前もいる?」
 山道にも自販機はある。史はちゃっかり車に乗る前に買っていたのだ。清子は素直に車から降りると、携帯電話のキャッシュレスで買おうと思っていた。
「あ……。」
 まだキャッシュレスが出来ないタイプの自販機だった。仕方ない。車から財布を取り出そうとしたときだった。
「これくらいおごってやるよ。」
 晶はそういってコインを取り出した。
「ありがとうございます。」
 素直に清子はそういうと、ボタンを押した。清子は甘いものがあまり好きではない。だから、いつもブラックだ。
「なんかあったか?」
「……え?」
 史は車の中で電話が鳴ったらしく、何か話をしている。その間に、晶が清子に声をかける。
「セックスした?」
「……何でそんなことを久住さんに言わないといけないんですか?」
「さぁな。やっぱ好きだからじゃねぇ?好きな女がそんな暗い顔をしてたら、なんかあったんだろうって聞きたくなるじゃん。」
 晶も自販機のボタンを押す。
「……性癖が合わないかもしれない。」
「は?」
「別に、私マゾヒストじゃないんですけどね。」
 コーヒーの缶を開けるその手元を見て、納得した。縛られたりしたのか、何かをしたのだろう。呆れたように、史をみる。
「でもまぁ……編集長も、優しいだけじゃないんだろ。」
「え?」
「爽やかで優しいお兄さんって感じでずっと過ごしてたんだ。そんなんじゃねぇって自分でも思ってたんだろ。お前だってそう。そのイメージのまま編集長に接してたら、編集長だって疲れるだろうな。」
「……。」
「もっと話せば?それでも受け入れられなかったら、俺が引き取ってやるから。」
「やです。」
 清子はそういって車の後ろに乗り込んでいく。その後ろ姿を見て、晶もほっとした。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

母の下着 タンスと洗濯籠の秘密

MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。 颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。 物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。 しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。 センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。 これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。 どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。

処理中です...