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プロポーズ
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先にシャワーを浴びて、ガウンを羽織る。すると史もそれをみて、シャワーを浴びに行った。一緒に風呂にはいるとか言いたかったのかもしれないのに、それをしなかった理由がよくわからない。気を使っているのだろうか。だったらもう少し本当のことを言って欲しい。
そう思うが自分だってそうだ。流されている自分が怖い。
晶と今日セックスをするかもしれなかった。一度目は史との関係が曖昧だったからまだましだったかもしれない。しかし今は恋人だ。親に紹介して、親族にも紹介した。まだ結婚しないとは言っても、いずれそうなると言われているようだ。
こんなに中途半端で良いのだろうか。清子はその広いベッドの上で横になる。このベッドの上でどれだけの人がセックスをしたのだろう。不倫カップルや体を売る人もいるのかもしれない。
やはりはっきりさせておいた方が良い。社長の指示で近づいているだけなら、もう目的は達成されたのだから。そして自分も今日はだれといたのか言っておいた方が良い。
「眠ってる?」
声をかけられて我に返った。体を起こしてベッドの横を見る。するとそこには史の姿があった。
「いいえ。ちょっと考え事を。」
「飲み過ぎた?我孫子さんはお酒が強そうだね。」
「そうですね。それに少しきついことも言われました。」
「俺でわかるかな。」
「……IT部門の部長は、我孫子さんの息子さんでしたから。」
「へぇ……やっぱりそうだったんだ。似てるなって思ったよ。」
「世界中を放浪していたようで、世界のネット事情とかこの国の先を行っている国のこととか話してくれました。」
「ん?その人も同席したの?」
「いいえ。朝倉部長は居ませんでしたけど、我孫子さんからは「もっと広い世界にでるべきだ」と。」
するとその言葉に史は清子の頭をなでる。
「会社にいるって事は、その世界が狭くなると言うことを危惧しているんだね。わからないでもないけど、俺はこの国のことも知らないのに「世界」って言っているのが、滑稽に見えるよ。」
「史は行こうと思いませんでしたか。」
史は少し笑って、清子に言う。
「昔、AVをしていたとき、外国の有名なポルノスターに会ったことがある。絡んだわけではないのだけど、話をさせて貰った。」
「外国の?」
「あぁ。洋物を観たことがあるかな。」
「ないですね。あっちの方は規制が緩いから、ちょっと刺激が強くて。」
「一度観てみると良いよ。あっちのポルノは、極端だから。」
「極端?」
「セックスは対等だと思っている。こっちの国のAVはどうしても女性が主体だ。それは男が観るものだと思っているから。だから男の姿が映らないときもあるし、声だって女性のあえぐ声はバンバン入るけど、男の声はほとんど入らない。余計な物は入らない方が良いんだ。」
「……確かにそうかもしれませんね。」
男性向けのAVはやはり見る人は男性が中心だろう。だから女性が感じまくっている物が売れる。反対の女性向けのAVは男性があおるような言葉を女性に話しかけ、やはり感じている映像が多い。どちらにしても女性が主体なのだ。
「あっちの国の物は違う。遠慮無く男も声を出すし、イキそうならうめき声を出す。セックスは対等だと言っているようだ。」
すると史は少しベッドから離れると、テレビのリモコンを手に取った。テレビをつけると、アダルトチャンネルに切り替える。
「洋物はやってないかな。」
大きなテレビ画面には、横たわる男性の上に乗りあげて腰を振っている女性が映し出された。動く度に大きな胸がぷるぷると動き、モザイクがかかっているところからはぐちゃぐちゃと音がする。
どのチャンネルも似たようなものだ。史は手を止めて、少しその画面を見る。それは昔自分が出ていた物だった。男性向けのAVで一人の女性を輪姦するもので、女子高生に扮した女性が山奥に連れ込まれ数人の男に代わる代わる入れ込まれる。史はそこで挿入することはなかったが、モザイクの向こうで性器をしごき女優の綺麗な顔にそれをかけている。
「こんな若いのがまだ流れているんだ。」
「どれくらい前の物ですか?」
振り返って清子を観るが、清子の表情は変わらない。ただの映像だと思っているのだろう。
「二十三くらいかな。」
女性は嫌がっているように見える。だが演技なのだ。本当にしたら犯罪なのだから。
女子高生の役だから黒髪だが、よく見ればそんなに若くはない。あまり大きな胸を持っている人ではないし、小柄だから女子高生の役が出来るのだろう。
ブレザーのボタンとブラウスのボタンははずされて、下着のホックは取られている。だが首に巻かれているリボンはそのままだ。スカートもはいたままだが下着はすでに取られていて、男優がその性器に指を入れたり他の男優が胸を揉みしだいたり、手には男の性器が握られている。史はそれを遠目で見ているようだった。
「気分は良くないかな。」
「別に……。ただの映像ですよ。」
確かに男の声はほとんど聞こえない。本当にリアルを求めているのだったら、男がもっと女をあおって良いはずなのに。
「この女優は明日会うことになっているんだ。」
「まだ現役なんですか?」
「ううん。今は引退して、ストリップにいたりソープにいたりする。「元AV女優」って肩書きがあると、指名も多くなるからね。」
「そうでしたか。」
チャンネルを変えると、洋物のチャンネルがあった。それを付けると、どうやら乱交プレイの物だった。
四、五人ずつの男女が楽しそうにフェ○チオや激しい女性への愛撫をしている。どちらにしても見せるものだ。
史はリモコンをもったまま、ベッドに上がる。そしてその画面を見ている清子の横顔をみた。おそらく普通の映画を見てもこんな表情なのだろう。いつか映画が好きだと言っていた。そして本も好きだ。よく読んでいるところを見ている。
現実から逃げたいのだという。映画や本を見ている間くらいは、忘れない現実があるのだろう。
「……確かに……女性も男性も遠慮はないですね。」
これがこの国との違いなのだろう。清子はそう思いながら、史をみる。
「君もセックスは対等だと思う?」
すると清子は首を横に振った。対等であるべきだというと思ったのに意外な反応に少し驚く。
「何にしても対等であるためには、双方の実力や経験値が対等でなければいけないと思います。私はその経験がほとんどないから……。」
「そうだったね。俺とした前は、久住と十年前にしたっきりだったか。」
今しかない。清子は少し視線を逸らし、そして史を再び見上げる。
「あの……史。実は……。」
「俺は君がどんどん淫らになるのが好きだな。」
「……あの……聞いてください。」
「え?」
髪を避けて、清子の首筋にキスをしようとしたときだった。清子がそれを止める。
「今日……久住さんとも一緒にいたんです。」
「久住の用事だったから、我孫子さんと飲みに行ったというのに久住がいないのは不自然だから、一緒に行ったんだろうとは思っていた。それに、場所も久住の家の近所の居酒屋だろう?家にでも行った?」
わざとからかうように言った。なのに清子は戸惑いながらゆっくりうなづいた。
「パソコンの起動がうまくいかないと言って、誘ってきました。」
あの部屋に二人っきりだったのだ。明が清子に気があると自分でも言っていた。その状況で手を出さないわけがない。
「手を出された?」
「……。」
更に臆病な自分が顔を出す。正直に言わなければいけないと思っているのに、言えなかった。
そう思うが自分だってそうだ。流されている自分が怖い。
晶と今日セックスをするかもしれなかった。一度目は史との関係が曖昧だったからまだましだったかもしれない。しかし今は恋人だ。親に紹介して、親族にも紹介した。まだ結婚しないとは言っても、いずれそうなると言われているようだ。
こんなに中途半端で良いのだろうか。清子はその広いベッドの上で横になる。このベッドの上でどれだけの人がセックスをしたのだろう。不倫カップルや体を売る人もいるのかもしれない。
やはりはっきりさせておいた方が良い。社長の指示で近づいているだけなら、もう目的は達成されたのだから。そして自分も今日はだれといたのか言っておいた方が良い。
「眠ってる?」
声をかけられて我に返った。体を起こしてベッドの横を見る。するとそこには史の姿があった。
「いいえ。ちょっと考え事を。」
「飲み過ぎた?我孫子さんはお酒が強そうだね。」
「そうですね。それに少しきついことも言われました。」
「俺でわかるかな。」
「……IT部門の部長は、我孫子さんの息子さんでしたから。」
「へぇ……やっぱりそうだったんだ。似てるなって思ったよ。」
「世界中を放浪していたようで、世界のネット事情とかこの国の先を行っている国のこととか話してくれました。」
「ん?その人も同席したの?」
「いいえ。朝倉部長は居ませんでしたけど、我孫子さんからは「もっと広い世界にでるべきだ」と。」
するとその言葉に史は清子の頭をなでる。
「会社にいるって事は、その世界が狭くなると言うことを危惧しているんだね。わからないでもないけど、俺はこの国のことも知らないのに「世界」って言っているのが、滑稽に見えるよ。」
「史は行こうと思いませんでしたか。」
史は少し笑って、清子に言う。
「昔、AVをしていたとき、外国の有名なポルノスターに会ったことがある。絡んだわけではないのだけど、話をさせて貰った。」
「外国の?」
「あぁ。洋物を観たことがあるかな。」
「ないですね。あっちの方は規制が緩いから、ちょっと刺激が強くて。」
「一度観てみると良いよ。あっちのポルノは、極端だから。」
「極端?」
「セックスは対等だと思っている。こっちの国のAVはどうしても女性が主体だ。それは男が観るものだと思っているから。だから男の姿が映らないときもあるし、声だって女性のあえぐ声はバンバン入るけど、男の声はほとんど入らない。余計な物は入らない方が良いんだ。」
「……確かにそうかもしれませんね。」
男性向けのAVはやはり見る人は男性が中心だろう。だから女性が感じまくっている物が売れる。反対の女性向けのAVは男性があおるような言葉を女性に話しかけ、やはり感じている映像が多い。どちらにしても女性が主体なのだ。
「あっちの国の物は違う。遠慮無く男も声を出すし、イキそうならうめき声を出す。セックスは対等だと言っているようだ。」
すると史は少しベッドから離れると、テレビのリモコンを手に取った。テレビをつけると、アダルトチャンネルに切り替える。
「洋物はやってないかな。」
大きなテレビ画面には、横たわる男性の上に乗りあげて腰を振っている女性が映し出された。動く度に大きな胸がぷるぷると動き、モザイクがかかっているところからはぐちゃぐちゃと音がする。
どのチャンネルも似たようなものだ。史は手を止めて、少しその画面を見る。それは昔自分が出ていた物だった。男性向けのAVで一人の女性を輪姦するもので、女子高生に扮した女性が山奥に連れ込まれ数人の男に代わる代わる入れ込まれる。史はそこで挿入することはなかったが、モザイクの向こうで性器をしごき女優の綺麗な顔にそれをかけている。
「こんな若いのがまだ流れているんだ。」
「どれくらい前の物ですか?」
振り返って清子を観るが、清子の表情は変わらない。ただの映像だと思っているのだろう。
「二十三くらいかな。」
女性は嫌がっているように見える。だが演技なのだ。本当にしたら犯罪なのだから。
女子高生の役だから黒髪だが、よく見ればそんなに若くはない。あまり大きな胸を持っている人ではないし、小柄だから女子高生の役が出来るのだろう。
ブレザーのボタンとブラウスのボタンははずされて、下着のホックは取られている。だが首に巻かれているリボンはそのままだ。スカートもはいたままだが下着はすでに取られていて、男優がその性器に指を入れたり他の男優が胸を揉みしだいたり、手には男の性器が握られている。史はそれを遠目で見ているようだった。
「気分は良くないかな。」
「別に……。ただの映像ですよ。」
確かに男の声はほとんど聞こえない。本当にリアルを求めているのだったら、男がもっと女をあおって良いはずなのに。
「この女優は明日会うことになっているんだ。」
「まだ現役なんですか?」
「ううん。今は引退して、ストリップにいたりソープにいたりする。「元AV女優」って肩書きがあると、指名も多くなるからね。」
「そうでしたか。」
チャンネルを変えると、洋物のチャンネルがあった。それを付けると、どうやら乱交プレイの物だった。
四、五人ずつの男女が楽しそうにフェ○チオや激しい女性への愛撫をしている。どちらにしても見せるものだ。
史はリモコンをもったまま、ベッドに上がる。そしてその画面を見ている清子の横顔をみた。おそらく普通の映画を見てもこんな表情なのだろう。いつか映画が好きだと言っていた。そして本も好きだ。よく読んでいるところを見ている。
現実から逃げたいのだという。映画や本を見ている間くらいは、忘れない現実があるのだろう。
「……確かに……女性も男性も遠慮はないですね。」
これがこの国との違いなのだろう。清子はそう思いながら、史をみる。
「君もセックスは対等だと思う?」
すると清子は首を横に振った。対等であるべきだというと思ったのに意外な反応に少し驚く。
「何にしても対等であるためには、双方の実力や経験値が対等でなければいけないと思います。私はその経験がほとんどないから……。」
「そうだったね。俺とした前は、久住と十年前にしたっきりだったか。」
今しかない。清子は少し視線を逸らし、そして史を再び見上げる。
「あの……史。実は……。」
「俺は君がどんどん淫らになるのが好きだな。」
「……あの……聞いてください。」
「え?」
髪を避けて、清子の首筋にキスをしようとしたときだった。清子がそれを止める。
「今日……久住さんとも一緒にいたんです。」
「久住の用事だったから、我孫子さんと飲みに行ったというのに久住がいないのは不自然だから、一緒に行ったんだろうとは思っていた。それに、場所も久住の家の近所の居酒屋だろう?家にでも行った?」
わざとからかうように言った。なのに清子は戸惑いながらゆっくりうなづいた。
「パソコンの起動がうまくいかないと言って、誘ってきました。」
あの部屋に二人っきりだったのだ。明が清子に気があると自分でも言っていた。その状況で手を出さないわけがない。
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