不完全な人達

神崎

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プロポーズ

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 セックスをしたのだろうか。部屋まで行って、二人っきりだったのだ。晶は清子に気があるのだから、それくらいしても不思議はない。史はぐっと拳に力を入れて、清子に聞く。
「部屋で……何もないわけがない。久住は、君のことが好きだと言っていた。」
 相変わらずテレビでは男女がスポーツのようにセックスをしている。だがそんな物が今更目にはいるわけがない。清子は戸惑いながら、史に言う。
「ハードディスクの中身を……見せて貰いました。」
「え?ハードディスク?」
 意外な言葉だった。思わず聞き返してしまう。
「写真があって……父の顔を見ました。」
 まだ幼さが残る父だった。だがその容姿はとても綺麗で、今でも役者やモデルにでもなれそうだと思った。
「顔写真だけでは身元がわかりません。でも……やっぱり戸惑ってしまって……。」
「久住はどうしてそんな写真を?」
「久住さんの祖母の遺品整理をしていたら出てきたそうです。昔の物だし、劣化するかもしれないとスキャンしていたそうで……私にいつか見せてやりたいと思ってた。だから……あのデーターが壊れるのをひどく恐れてたんです。」
 それだけ晶も清子のことを想っている。そう言っているようだった。
「ありがたいのですが……あの写真だけでは父はわかりません。」
「それを見せたかったから、誘ったのか。でも……。」
 それだけじゃない。そう言いたいのに言えなかった。だが史は少し笑って、ベッドの上の清子に近づいた。
「君が今日、少しおかしいと思っていたのは、そのせいだったのか。動揺していたんだな。そんなときにこんなところに誘って、悪かったね。」
「いいえ。あの……。」
 罪悪感があった。晶ともう少しであの部屋でセックスをするところだった。以前にホテルに連れ込まれてセックスをしたのと、先ほどのこととは事情が全く違う。恋人は史であり、晶ではないのだ。揺れている自分が悪いし、史に対する罪悪感がある。
「……史……あの……。」
「ん?」
 一生言うことはないと思っていた。しかし言わなければ伝わらない。何のための言語なのだ。そう言われているようだった。
「キス……してもらえませんか。」
 顔を見ないまま言った。顔が赤くなり、視線を逸らしている。それがとても可愛く、綺麗だと思う。だからこそその顔を壊したい。求め合って、求められたい。
「清子。こっちを見て言って。」
「恥ずかしい。」
 ますます赤くなる。思わずその体を抱きしめた。柔らかくて、同じシャンプーの匂いがする。さっきまでシャワーを浴びていたのだ。同じ匂いになるのは当たり前かもしれない。
「俺の方を向いて。」
 その言葉に清子は史の方を見上げる。そして顔を赤らめたまま、口走った。
「キスをしてもらえませんか。」
 すると史は清子を少し離すと、その唇に軽くキスをした。後ろ頭に手を置いて倒れそうな清子を支える。そして清子も離れないようにと、史の首に手を回した。
「そのまま居て。」
 そう言うと史はそのまままた唇にキスをする。舌で唇を割り、その口内の中に舌を入れ込んだ。
「ん……。」
 おどおどしながらも清子もまたそれに答える。こういう所も学習するのだろう。最初にしたときよりもずいぶん慣れた。
 そしてそのまま史は片手で清子のガウン越しの胸元に手を当てる。下着は付けていない。柔らかい感触が手のひらに伝わった。
「もっと答えてくれる?」
 舌を絡ませると、清子は苦しそうに声を上げる。感じているのは舌先なのか、それともガウン越しの胸なのかわからない。
「上手になったね。キス。」
「……そうですか?」
「でもここが一番敏感。」
 そういってガウンの中に手を入れた。すべすべした肌が手に吸い付くようで、その先の乳首は少し尖っている。指先でそこをいじると、徐々に堅くなっていく。
「あっ……あっ……。」
「乳首好きだよね。ん……でも危ないかな。」
 史はそう言うと、胸から手を離して清子の眼鏡を取ると、ベッドサイドに置いた。そこにはコンドームが二つ置いてある。それを使うことはないだろう。そう思いながら、史は一度ベッドから降りるとバッグの中からポーチを取り出してベッドサイドに置いた。
「何ですか?それ。」
「ゴム。いつか買ったやつだよ。」
 アダルトショップで買ったものだ。こう言うところに置いてあるコンドームも悪くはないが、自分で買った物の方がより薄く清子を感じられる。それにおそらく一般的なサイズの物を置いているのだろうが、史には少しきつく感じるから。
「普通の物とは違うんですか?」
「そんなに変わらないよ。」
 史はそう言って少し笑う。ベッドにまた上がると、座り込んでいる清子の後ろに回った。そしてわきの下から手を入れて、胸に直接触れる。
「んっ……ふっ……。」
 清子の正面ではテレビの映像が流れている。複数人の外国人は一人がそこに入れ込んだら、次々に入れ込んでいる。男が突き上げる度に、メロンのような胸が大きく揺れていた。
「この先、好きだよね。」
 乳首をつまみ上げて、その先をコリコリといじる。それだけで清子は声を上げた。乳首が好きだ。だからぐっとその乳首を少し強めにつまみ上げると、また声色が変わった。
「あっ!あっ!駄目……。い……。」
 がくがくと体が震えている。もうイキそうなのだ。胸だけでいくような敏感な人は多くはない。だがここまで敏感な人も珍しいだろう。
「体をもたれて。うん……。」
 両方の乳首をぎゅっとつまみ上げて、ぱっと離す。するとがくがくと体を震わせた。
「もう……駄目……あっ……ああああ!」
 声を上げた後、史の体にもたれ掛かった。そして息を切らせている。
「おっぱいだけでイったんだね。可愛いな。」
 そうなるとこの下がどうなっているのか想像にたやすい。だが清子は無意識のうちに少し体を動かしている。それがお尻に史の性器がこすれているようで、こっちも気持ちが良かった。
 ガウンの紐を解いて、それを脱がせる。そして文も自分が着ている物を脱いだ。向かい合わせになって、改めて互いの体を見ていた。
「なんか……恥ずかしい……。」
「そういうプレイをしてイるみたいだね。」
 史も自分のモノがもうすでに立っているのを、清子に見られているのが少し恥ずかしかった。
 清子はそのまま手をその堅いところに這わせた。熱くて、堅くてぬるぬるしたモノが少し出てきているようだと思った。
「んっ……。気持ちいいな……。」
 すると清子はそのまま体を沈ませて、それに舌を這わせる。それをしたがる人は結構少ないのに、清子は最初からそれを嫌がらない。むしろ出して欲しいという。
「無理にしなくても……。」
「したいんです。」
 晶に転びそうだった罪悪感と、史が社長の指示で清子に近づいているという疑心暗鬼。それが混ざって自分がわからない。
 この行為の中に愛があるのかさえわからなかった。
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