セックスの価値

人体改造の男

47

　誰もいないとは言っていない。嘘は言っていないのはわかっている。だが隠さなければいけないのだ。
　桂が触れる度に体が熱くなること。愛の言葉を囁くこと。
　春川は彼に身をゆだね、頭がどうにかなりそうだった。
「あなたが触れる度におかしくなりそう。」
　ベッドに座り、着ているものを自ら脱いだ。桂もそれを脱ぎ捨てる。
「おかしくなって。ルー。俺はとっくにおかしいから。」
　普通ならこんなことをしない。人妻だけは手を出さないと思ってこれまで押さえてきたのに、そんな頭だけの理性を押さえられないなど考えてもなかった。
　一糸まとわぬ姿になり、彼は座っている彼女の横に座る。そして彼女の頬に手を置いた。
「好き。」
「……。」
「まだ慣れない？」
「……うん。」
「何度でも言おうか。ルー。好きだ。」
　唇に指を這わせて、その顎に手を置いた。彼女も彼の方に顔を上げる。唇が触れ合い、舌を絡ませる。
「んっ……。」
　苦しそうに声を上げる。やがて唇を離されると、彼は彼女を抱き寄せた。
「お前が見てて、今日は立たないと思った。」
「だから必死に？」
「あぁ。役になり切った。」
　彼女は少し笑い、彼の頭を撫でる。
「頑張ったわね。」
「バカにされてる気がする。」
「してないわよ。私だって、「顔色悪い」って言われてたのよ。」
「俺が他の女を抱いてるところを見てか？」
　すると彼女は少し赤くなって言う。
「当然じゃない。イヤに決まってるでしょう？」
「可愛いな。お前は。」
　そういって彼は彼女を押し倒す。そしてピンと立っているその乳首にいきなり指を這わせた。
「……あっ！」
「すごい。もう立ってる。」
　乳房に触れて揉みしだくと、彼女の表情がどんどんと変わっていく。白い肌がピンク色に染まる。
「んっ！」
「あぁ。敏感だな。達哉に見せなくて良かった。」
「見せたくないわ。」
「誰にも見せたくない。俺だけのものにしたい。ルー。好き。」
「啓治。んっ……。駄目。そこばっかりいじってたら……。」
　その乳首に彼は舌を這わせ、吸い付くように舌を這わせた。
「あっ……。」
「ルー。そんな顔を見せないで。」
　そういって彼はその下にも手を伸ばす。僅かな茂みの奥。そこはもうすでに柔らかく、そして指を当てただけで卑猥な音がした。
「すげぇ。トロトロ。何これ。ぐちゃぐちゃだな、ルー。」
「んっ！」
　その入り口はすでにぐちゃぐちゃに濡れていて、お尻にまで愛液が垂れている。彼は体をそこに沈め、彼女の足を立てた。
「何？啓治。何？」
「すごい。綺麗な色だな。」
「見ないで良いから。」
　恥ずかしそうに彼女は言う。しかし彼はますます顔を近づけてくる。そしてそこを広げた。するとその奥からさらに愛液が溢れてくる。
「見られてて恥ずかしいの？」
「恥ずかしいに決まってるでしょう？啓治。やめて。」
「やめたくない。」
　自分のそこの下から彼の声が聞こえてくる。そしてぬるっとした感触が伝わってきた。
「ああああ！」
　じゅるじゅると音を立てて、それを舐めあげていく。舌でそこを突き立てて、中にいれるとさらに彼女は喘いだ。
「んんんん！」
「ルー。すごいな。舐めても舐めても溢れてくる。本当に、嫌らしい女。達哉に訂正した方がいい？」
「やだ。やめて。」
「達哉には渡したくないな。」
　やっと口を離されたかと思ったら、今度は指をいれてきた。
「んっ！」
　彼女の中は、指を離さないようにぎゅんぎゅん締め上げてくる。やばい。こんな狭い中にはいるのかと思えてきた。いいや。一度入れた。入らないはずはない。それにこんなに温かくて、ぬるぬるしたところに自分ので突き上げたい。
「啓治。啓治……。」
　彼女はそういってシーツを掴む。もう息が絶え絶えだ。イキそうなのだろう。
「イかせて欲しい？」
　すると彼女は素直にうなづいた。
「駄目。俺でイって。」
　そういって彼は自分のものを彼女にあてがった。
「っと……。ちょっと待って。」
　前は生でしたけれど、やはり駄目だろう。彼女は何も言わないが、旦那以外の子供が出来でもしたら大変なのだから。
　本当は作ってもいい。本来はそういうためのものなのだから。だけど自分のものじゃないから。
「入れるよ。」
　そういって彼は彼女にあてがった。
「ああああ！」
　入れただけでイキそうになる。すごいぬるぬるして気持ちいい。
「すげぇ。ぎゅんぎゅん絞まる。」
「啓治……。」
　すると彼はそのまま彼女を抱きしめる。彼女はきっと入れただけで絶頂を迎えてしまったのだ。
「んっ！」
　ゆっくりと動くと、彼女はまたあえぎ始めた。
「奥……入ってるな。わかる？」
　正常位で彼女に打ち込んでいると、こつっとしたものが彼の先に当たっていた。
「あっ。」
「ここ当たる度に絞まる。食いちぎられそうだ。なぁ。ルー。」
　そして彼は彼女を抱き起こすと、自分の膝の上に乗せる。すると彼は彼女からすっと出ていった。彼女は切なそうに彼をみる。
「どこに入れようか？ルー。言って。どこに入れて欲しいか。」
　あのときはただ単に言葉だと思ったから言えた。だが彼がそこから出ていき、思った以上に彼を求めているのがわかると、口に出すのが急激に恥ずかしくなる。
「お○んこ。入れて。」
「そう？ここがいい？ほらもうダラダラしてて、やーらしいんだ。」
「やだ。言わないで。」
「じゃあ、このまま入れて。」
　思ったよりもMっ気があったらしい。彼女はそのまま膝を折り、そこを自分で広げると、彼を突き立てる。
「ん……！ああああ！」
　奥まではいると、彼女は彼をぎゅっと抱きしめた。
「奥まで入ったね。動ける？」
　何度も絶頂を繰り返し、頭の中が変になるかと思った。
　彼も何度も果て、コンドームを取る度にゴム臭いそれを彼女が舐めてくれる。そのたびにまた彼女の中に入れたくなる。
　何度もイキ、彼女はその倍はイキ、力つきたように二人は抱きしめ合いながら眠った。