104 / 124
第六章
15
しおりを挟む
直後、扉の向こうがやけに騒がしかったけれど。
気にせず俺は、真っ赤になってた幼なじみの顔を思い出し、くすくすと笑うのだった。
「大丈夫ですか優馬隊長、耳まで真っ赤っ赤になってますよ。立てますか?」
(くっ、保健室でのことも相まって、久々に郁人の破壊力にやられた……あいつの裸なんて子供の頃から見慣れてんのに。落とした物を拾おうとして偶然ドエロいポーズになってただけだろが! い、いや、多分たまたま俺の位置から見える角度がめちゃくちゃアレだっただけで。くそおおお、落ち着け俺。心頭滅却……っ)
「いつまで床の上で四つん這いになってるのさ、優馬しゃんだけズルイ! 煙る浴室、白い肌、水も滴る郁人きゅん。俺もその国宝級な裸身をしっかりこの目で見たい! そして撮影――ごふっ」
「黙れ敦兼。とりあえずこいつは縛って自室に放り込む」
「俺がやろうか?」
「いやあああッ殺られる!? 土屋亮介に殺されちゃうよおぉ助けて郁人きゅーんッ」
「うるさい、口にガムテ貼るぞ」
「むがーッ!」
「ん? あ。これ、間違えて優ちゃんの着替えを持ってきちゃったのかー」
あのあとすぐに床を片付け、少し温まってから浴室を出た俺。
だけど着替えようとしたら……どうやら持ってくる服を間違えてたみたいです。
うーん、しょうがない。
バスタオルを腰に巻き、キスマークが隠れるよう小さめのタオルを首にもかけて、と。
ガチャッ
「優ちゃんごめんねー。服、間違えて持ってっちゃってたよぉ。俺の着替えどこだっけー」
「…………」
リビングは今までぎゃあぎゃあ騒がしかったはずなのに、全員が俺を凝視したままピタリと動きを止めちゃいました。
あれ?
やがて、わなわなと肩を震わせはじめる優ちゃん。
「――なんっでそんな格好して出てくるんだバカ郁人!!」
「ひいいぃい?! ごご、ごめんなさいーッ」
そうして俺はこっぴどく叱られ、慎ちゃん先輩に苦笑され、亮ちゃんはため息を。敦くんはスマホを没収されましたとさ。
うわーん、優ちゃん許してぇぇ。
その後、真っ赤な顔でお怒りモードが継続したままの優ちゃんに薬を塗って(※下腹部は除きます)もらったところ、余計に怒気が強まりました。
俺ではなく加害者への怒りらしいんだけどね。
かすり傷と内出血程度とはいえ確かに自分でもうわぁって思ったし、見た目気持ち悪いよねー。
でも、お願いだから俺の耳元で呪詛するのはやめてえぇッ!?
……正直チビリそうなくらい怖かったです(泣)
あ、慎ちゃん先輩は隣の寮棟(※学年ごとに別の棟が建っています)なので、遅くなる前にと亮ちゃんが送っていきましたよー。むふ♪
でもって俺は今夜、優ちゃんのお部屋にお泊まりです。
「大丈夫だよ?」って言ったんだけど、心配性の優ちゃんに
「顔色も悪いし、今のお前を一人にするのは俺が不安なんだ。俺を助けると思って今夜はここに泊まっていけよ郁人、頼むから」
とツンデレのデレなお願いをされちゃったので!
んもぉ、貴重なデレ優ちゃんは本っ当に可愛いよねぇ。
なんてヘラヘラ笑ってたら
「ところで、そもそもお前はなぜ親衛隊のお茶会を脱走して中庭へ行ったんだ?」
そう質問されて。
え、なんでだっけ…………あ。
「あああーっ、王道くん!? そうだよ俺、歩くんと生徒会役員達の絡みを覗き見するために行ったんだった。え、でも全然見られてないしっ。あの中庭からもう少し行った先の木を登れば、とっておきの生徒会室・覗き見ベストスポットがあったのにいぃッ」
.
気にせず俺は、真っ赤になってた幼なじみの顔を思い出し、くすくすと笑うのだった。
「大丈夫ですか優馬隊長、耳まで真っ赤っ赤になってますよ。立てますか?」
(くっ、保健室でのことも相まって、久々に郁人の破壊力にやられた……あいつの裸なんて子供の頃から見慣れてんのに。落とした物を拾おうとして偶然ドエロいポーズになってただけだろが! い、いや、多分たまたま俺の位置から見える角度がめちゃくちゃアレだっただけで。くそおおお、落ち着け俺。心頭滅却……っ)
「いつまで床の上で四つん這いになってるのさ、優馬しゃんだけズルイ! 煙る浴室、白い肌、水も滴る郁人きゅん。俺もその国宝級な裸身をしっかりこの目で見たい! そして撮影――ごふっ」
「黙れ敦兼。とりあえずこいつは縛って自室に放り込む」
「俺がやろうか?」
「いやあああッ殺られる!? 土屋亮介に殺されちゃうよおぉ助けて郁人きゅーんッ」
「うるさい、口にガムテ貼るぞ」
「むがーッ!」
「ん? あ。これ、間違えて優ちゃんの着替えを持ってきちゃったのかー」
あのあとすぐに床を片付け、少し温まってから浴室を出た俺。
だけど着替えようとしたら……どうやら持ってくる服を間違えてたみたいです。
うーん、しょうがない。
バスタオルを腰に巻き、キスマークが隠れるよう小さめのタオルを首にもかけて、と。
ガチャッ
「優ちゃんごめんねー。服、間違えて持ってっちゃってたよぉ。俺の着替えどこだっけー」
「…………」
リビングは今までぎゃあぎゃあ騒がしかったはずなのに、全員が俺を凝視したままピタリと動きを止めちゃいました。
あれ?
やがて、わなわなと肩を震わせはじめる優ちゃん。
「――なんっでそんな格好して出てくるんだバカ郁人!!」
「ひいいぃい?! ごご、ごめんなさいーッ」
そうして俺はこっぴどく叱られ、慎ちゃん先輩に苦笑され、亮ちゃんはため息を。敦くんはスマホを没収されましたとさ。
うわーん、優ちゃん許してぇぇ。
その後、真っ赤な顔でお怒りモードが継続したままの優ちゃんに薬を塗って(※下腹部は除きます)もらったところ、余計に怒気が強まりました。
俺ではなく加害者への怒りらしいんだけどね。
かすり傷と内出血程度とはいえ確かに自分でもうわぁって思ったし、見た目気持ち悪いよねー。
でも、お願いだから俺の耳元で呪詛するのはやめてえぇッ!?
……正直チビリそうなくらい怖かったです(泣)
あ、慎ちゃん先輩は隣の寮棟(※学年ごとに別の棟が建っています)なので、遅くなる前にと亮ちゃんが送っていきましたよー。むふ♪
でもって俺は今夜、優ちゃんのお部屋にお泊まりです。
「大丈夫だよ?」って言ったんだけど、心配性の優ちゃんに
「顔色も悪いし、今のお前を一人にするのは俺が不安なんだ。俺を助けると思って今夜はここに泊まっていけよ郁人、頼むから」
とツンデレのデレなお願いをされちゃったので!
んもぉ、貴重なデレ優ちゃんは本っ当に可愛いよねぇ。
なんてヘラヘラ笑ってたら
「ところで、そもそもお前はなぜ親衛隊のお茶会を脱走して中庭へ行ったんだ?」
そう質問されて。
え、なんでだっけ…………あ。
「あああーっ、王道くん!? そうだよ俺、歩くんと生徒会役員達の絡みを覗き見するために行ったんだった。え、でも全然見られてないしっ。あの中庭からもう少し行った先の木を登れば、とっておきの生徒会室・覗き見ベストスポットがあったのにいぃッ」
.
60
あなたにおすすめの小説
ひみつのモデルくん
おにぎり
BL
有名モデルであることを隠して、平凡に目立たず学校生活を送りたい男の子のお話。
高校一年生、この春からお金持ち高校、白玖龍学園に奨学生として入学することになった雨貝 翠。そんな彼にはある秘密があった。彼の正体は、今をときめく有名モデルの『シェル』。なんとか秘密がバレないように、黒髪ウィッグとカラコン、マスクで奮闘するが、学園にはくせもの揃いで⁉︎
主人公総受け、総愛され予定です。
思いつきで始めた物語なので展開も一切決まっておりません。感想でお好きなキャラを書いてくれたらそことの絡みが増えるかも…?作者は執筆初心者です。
後から編集することがあるかと思います。ご承知おきください。
メインキャラ達の様子がおかしい件について
白鳩 唯斗
BL
前世で遊んでいた乙女ゲームの世界に転生した。
サポートキャラとして、攻略対象キャラたちと過ごしていたフィンレーだが・・・・・・。
どうも攻略対象キャラ達の様子がおかしい。
ヒロインが登場しても、興味を示されないのだ。
世界を救うためにも、僕としては皆さん仲良くされて欲しいのですが・・・。
どうして僕の周りにメインキャラ達が集まるんですかっ!!
主人公が老若男女問わず好かれる話です。
登場キャラは全員闇を抱えています。
精神的に重めの描写、残酷な描写などがあります。
BL作品ですが、舞台が乙女ゲームなので、女性キャラも登場します。
恋愛というよりも、執着や依存といった重めの感情を主人公が向けられる作品となっております。
「王道くんと、俺。」番外編
葉津緒
BL
こちらは「王道くんと、俺。」の番外編になります。
会話文中心、if設定など。
ほぼパラレルワールド的な内容だと思ってお読み頂ければ……。
全寮制学園/王道/脇役/美形/腐男子/偽チャラ男/親衛隊持ち/訳あり/攻め複数
※先に「本編」をお読みになってからご覧ください。
※一部、記号や擬音を使用しています。苦手な方は回避をお願い致します。
平凡な男子高校生が、素敵な、ある意味必然的な運命をつかむお話。
しゅ
BL
平凡な男子高校生が、非凡な男子高校生にベタベタで甘々に可愛がられて、ただただ幸せになる話です。
基本主人公目線で進行しますが、1部友人達の目線になることがあります。
一部ファンタジー。基本ありきたりな話です。
それでも宜しければどうぞ。
愛だの恋だの馬鹿馬鹿しい!
蘇鉄
BL
「俺は誰とも関わりたくないんだけどなあ、おかしいなあ?」
『回答。ユーザー様の行動が微妙に裏目に出ています。シミュレーション通りにならず当システムは困惑しております( ゚Д゚)』
平和な学生生活を手に入れるために生活サポートAIシュレディンガーと共に色々と先回りして行動していたらいつの間にか風紀委員やら生徒会やらに追い回される羽目になっていた物部戯藍。
街を牛耳る二大不良チームも加わる中、執着される理由がわからず困惑しつつも彼は平穏な生活の為に逃げ回る。
彼は愛も恋も信じない。それはとても不確かなものだから。バカバカしいまやかしだと決めつけて。
※ 不定期更新です
悪の策士のうまくいかなかった計画
迷路を跳ぶ狐
BL
いつか必ず返り咲く。それだけを目標に、俺はこの学園に戻ってきた。過去に、破壊と使役の魔法を研究したとして、退学になったこの学園に。
今こそ、復活の時だ。俺を切り捨てた者たちに目に物見せ、研究所を再興する。
そのために、王子と伯爵の息子を利用することを考えた俺は、長く温めた策を決行し、学園に潜り込んだ。
これから俺を陥れた連中を、騙して嵌めて蹂躙するっ! ……はず、だった……のに??
王子は跪き、俺に向かって言った。
「あなたの破壊の魔法をどうか教えてください。教えるまでこの部屋から出しません」と。
そして、伯爵の息子は俺の手をとって言った。
「ずっと好きだった」と。
…………どうなってるんだ?
とある金持ち学園に通う脇役の日常~フラグより飯をくれ~
無月陸兎
BL
山奥にある全寮制男子校、桜白峰学園。食べ物目当てで入学した主人公は、学園の権力者『REGAL4』の一人、一条貴春の不興を買い、学園中からハブられることに。美味しい食事さえ楽しめれば問題ないと気にせず過ごしてたが、転入生の扇谷時雨がやってきたことで、彼の日常は波乱に満ちたものとなる──。
自分の親友となった時雨が学園の人気者たちに迫られるのを横目で見つつ、主人公は巻き込まれて恋人のフリをしたり、ゆるく立ちそうな恋愛フラグを避けようと奮闘する物語です。
王道学園のモブ
四季織
BL
王道学園に転生した俺が出会ったのは、寡黙書記の先輩だった。
私立白鳳学園。山の上のこの学園は、政財界、文化界を担う子息達が通う超名門校で、特に、有名なのは生徒会だった。
そう、俺、小坂威(おさかたける)は王道学園BLゲームの世界に転生してしまったんだ。もちろんゲームに登場しない、名前も見た目も平凡なモブとして。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる