王道くんと、俺。

葉津緒

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終章

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 ドヨッ ザワザワザワッ


『会長って千賀と仲悪かったはずだよな。え、クリーニング?』
『会長の前で郁人くんが服を脱いで裸になったってことか?』
『嘘だろ、まさかあの二人が』

『こないだ、っていつ?』
『一昨日と昨日、郁人様が学校を休んだのは風邪じゃなく、本当はもしかして』
『三日前に会長様とついにそういう関係になった……? もももしや郁人様、後ろは初めてなのにあまりにも会長様が何度も激しくねちっこくヤりすぎて、きっと朝まで離してもらえなかったのでは。そのせいで熱を出して寝込んじゃったとか!?』


――って、当然こうなるよねえぇ。
うん、わかってましたッ。わざとかなこのヤロー。

それと今絶対、腐男子が一人いたでしょ。
変なストーリー展開編み出すのやめてよおぉ!
俺は受けキャラじゃなくてチャラ男攻め様だからっ。
百歩譲るとしても、なんでバ会長受けの妄想じゃないのかな。『ついに』ってなんだよ、まさか校内に会長×俺の派閥とか有ったりしないよね!?
くっそぉ、ひどい屈辱うぅッ。


「ふ、郁人……お前まさか本当に会長と寝たのか!?」

「郁人様ッ」
「ち、違いますよね絶対」
「会長様のくだらない嘘か妄想ですよね、そうですよね!?」

「あぁ゙あ゙? ふふっ、どうしたの皆。俺と会長がなぁに? それに俺が(抱き枕にして一緒に)寝たのは優ちゃんとでしょ。忘れたのぉ?」


『うおおおおーッ!?』
『ぎゃああああーっ!!』


うわ、びっくりした。
いきなり大勢の生徒達ギャラリーが野太い声とやや低めの黄色い声で、雄叫びと歓声(悲鳴寄り?)を上げだしちゃった。うるさっ。
優ちゃんは隊長さんのぶりっ子口調じゃなかったけど良いのかな。一応小声だし周囲も騒がしくて聞こえてないのかなぁ。

それよりも親衛隊の皆まで会長×俺を疑うだなんて本当にひどいよね。ムカついて変な声が出ちゃったじゃん。
うう、やっぱりこれ会長の嫌がらせでしょ。
橘飛鳥バ会長め、許すまじッ。



『聞いたか今の。郁人くんの、優馬くんと寝てます発言!』
『やっぱ千賀と優馬ちゃん、ヤりまくってんのかー』
『これで例の噂は本当だったって証明されたな』

『じゃあさっき会長様が言ってたのはなんだったの』
『くだらない嘘か妄想って聞こえたけど。まさか郁人様への嫌がらせ?』
『ハッ、もしやこれは……会長様と優馬くんが、愛する郁人様を寝取り合う魅惑の三角関係!? ハァハァ……あの三人がベッドの上で組んず解れつううぅッ』


あ。
ギャラリーの誰かが鼻血まみれでぶっ倒れたみたいです。やけに興奮した腐男子がいた気がするけど大丈夫かなぁ。


「い、いや、そういうことじゃなくて。なんで会長がお前の制服や下着を持ってくるんだよッ。どこで脱いだ!」

「んー。こないだノアに温室へ連れてかれてシャワー浴びた際に、会長と鉢合わせたよぉ。そのとき脱いでた服がそのままだったから」

「あ、ああ。そういえば……って、まさか会長にもお前の裸を見せたのか!?」

「ううん。俺ジャージ着てたし。あ、でも」

「何かされたのかッ襲われたのか!?」

「えっ、ち、違うよ。大丈夫、ちょっと噛みつかれて舐められただけ」

「はああッ?! どういうことだ郁人!」

「か、会長さぁん。とりあえず服届けてくれてありがとー。クリーニング代は払うから……あれ、会長?」


優ちゃんを間に挟み、正面の少し先にいるはずの会長はいつのまにか瞬間移動してた。
再び俺の真横すぐの所に、なぜか無言で立ち尽くしてます。え、どしたの?
不思議に思って下から顔を覗き込んだら、俺の肩と頬に会長の手が添えられて。


ふにっ「んっ」
かぷっ「んぅ……」
ちゅっ「ふ、ぁ……?」


喋りさえしなければ本当に綺麗でかっこいい文句なしの美形。学園内・抱かれたいランキング一位の生徒会長、橘飛鳥。
その男前で美しい顔が、ドアップすぎて焦点も合わなくなるほどに近づき――――離れてく。

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