腐男子完全計画!

葉津緒

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其の三

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※副会長さま視点
※物語の時期はスマホ普及以前の設定となります。




<SIDE:花本伊織/副会長>


生徒会室にて。
私たちが自己紹介を終えしばらくすると、ケータイを弄り出した幸明くん。
なんでも、

「あのさー何か書く物と紙あるかな? 俺、人の名前や顔覚えるの苦手だから皆の名前メモっときたいんだけど」

とのことだったのですが。


「紙ですか? 生徒会室内には余るだけ有りますが」

「んなもの要らねーだろ今すぐ頭に叩き込め」

「いや無理、面倒臭いし疲れるから」

「ひどッ!」
「幸明くん何気にヒドっ!」

「ん? ケータイ使えば良くね? 俺のアドレスも特別に教えちゃうよ」


そう告げた会計の園明良に大きくうなずくと、真剣な眼差しでポチポチカコカコと文字を入力し始めました。
(赤外線通信を使わないのは、そのほうが名前などを覚えやすいからだそうです)


「抜け駆けズルイ!」
「僕たちのも教えたげるしー」

「チッ、さっさと俺様の名前を登録しやがれ」


その隣で騒ぎはじめる書記の志崎 かなう・かなめ先輩方や、乱暴な口調に反してなぜか嬉しそうな会長の國井俊也。

皆にせっつかれて多少煩わしそうにも見えますが、時折眉を寄せ、むう~と何かを考え込む幸明くんの表情がまた……素敵です。



ハッ!?
私は一体、何を考えているのでしょうか。

コホン。いやしかし、それにしても。
まさかあの幸明くんがこれほどの美形だったとは、本当に驚きました。
初めてお会いしたのは一昨日、学園の門の前ですがその時は昨日同様、奇抜な仮装をされていましたし。

転入生の案内は初めてですが、そもそも本来そういったことは我々生徒会の仕事ではありません。
突然、理事長の方から直々にと頼まれたのです。
……なぜでしょう。


「編入試験も満点だったし、面白そうな子だよ」


とのことでしたが、まあ確かに変わっていましたね。門の前であの姿を初めて見た時は柄にもなく爆笑しそうになりました。

もちろん、そんなはしたない真似はしませんが。

ですが幸明くんは、微妙に視線を外して作り笑いを浮かべながら話す私に、意外な反応を示したのです。


「嘘くさい笑顔はやめろよ、俺の前では無理に笑わなくても良いんだゼ!(※棒読み)」


……は?

まるで「してやったぜ」と言わんばかりに親指を立てた握り拳をこちらに向けられ、私は思わず自分の耳を疑いました。

『嘘くさい笑顔はやめろ』
『無理して笑わなくても良い』

そんなふうに人から言われるのは生まれて初めてです。けれどなぜ、彼は初対面の私にそんなことを?
憤りよりも強い疑問を感じ、私は改めて目の前にいる相手をじっくり観察しようとしました。

…………。


「ブフォッ!」

「え? だ、大丈夫か副会長さん!?」

.
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