腐男子完全計画!

葉津緒

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其の五

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「俺様の幸明に触るな!」

「ねえねえ、そいつより俺の方がカッコいいよね。絶対幸明くんもそう思うよねー」

「幸明くんを返して」「幸明くん泥棒!」

「生徒会室には美味しいお菓子がありますよ。転入生など放っといて私たちと一緒に行きましょう?」


それから、毎日飽きもせずに押しかける生徒会役員ども。一応先輩らしいが。
……幸明泥棒って何だよ。
おいこら、高校生にもなって『美味しいお菓子』に釣られそうになるんじゃない。よだれを拭け。お預けくらった犬のような目でこっち見んな!

他にもかなりアレな発言の風紀委員長とか同じクラスの学級委員長やぼっちな不良、学食のシェフに学校医などなど、あらゆる美形(全部男)が幸明に言い寄り、奪い合おうとする姿を目の当たりにして――ひどいめまいを覚えた。


「やっぱ野放しにするべきじゃなかった……いや、これもういっそ見捨てても良くね?
王道だか腐男子だか総受けだか知らねぇが、責任取って全員に掘られちまえ。これだけ人数いれば『二輪挿し』やら『フィスト』やら、お前の言うBLファンタジーな有りと有らゆる体験ができるだろ。良かったな、本当にア●ルローズとか縦割れア●ルになったら記念撮影してやるよ」


そんな俺の脅しで、ようやく事態を理解できたらしい。


「いやあぁぁッお願い見捨てないで、俺の大事な、一生大切なお尻を見捨てないで。おおお、俺のお尻は出口オンリーな一方通行ですぞ。逆走禁止、うんちは通しても、ちんこだけは決して何人(なんびと)たりとて通しませぬ!
てか、全員に掘られるとか無理無理無理、絶対俺の肛門括約筋が死んじゃうよね!? うわあああん助けて周さん、この年でオムツ生活は嫌だーッ!!」


…………とりあえず、一発ぶん殴っといた。
鼻水たらしながら人の足にすがり付くんじゃねえ。発言内容といい、すべてがあまりにも残念すぎてむしろお前の美形要素そのものが無駄なオプションだわ。

よし、今すぐ不細工に生まれ変われ。


「えー無理ですぅー。親からもらった顔は尻と同じくらい大事なんやで?」

「お前はいったいどこの生まれだ、エセ関西人」

「ふごごごごっ!?」

「わあ、ひょっとこ顔の幸明くんも愛嬌があって面白いね」

「ゆ、悠布うぅぅ?」


ニコニコと俺たちのやり取りを眺めるのは、日野西悠布。
幸明がいうところの『王道平凡脇役・嫌われ後、総受けキャラ』らしい。
それが王道学園においてどういう存在でどんな立場にあるか、は不本意ながら理解している。幸明から耳に胼胝(たこ)ができるくらいしつこく聞かされまくったからな。

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