腐男子完全計画!

葉津緒

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其の五

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中学生になって、身長が伸び声変わりする頃には性別を間違われることもなくなった幸明。
やたらと女子にモテはじめ、告白されて付き合うもすぐ中身のアホさがバレて「やっぱり遠くから見てる方が良い」と振られてた。
……だろうな。
本当にそうなんだよ。
外見は無駄に良いくせにアホで、頭は良いはずなのにバカで。思考と行動が残念すぎる美形とか始末に負えない。
俺だって遠く離れたいわ。が、試しに放っとくと必ず想定外のことをやらかす。

「こんなことになるなら、ちゃんと見張っとけばよかった」

そう後悔させるほどの何かをだ。
なんなのお前、俺に殺されたいの?


んで、しばらくすると今度はまた妙な方向に行きやがった。何だよフダンシって。
男×男? イチャイチャを見るだけ?
……なるほど、母さんとおばさんの影響か。
しかも突然

「王道転校生の脇」
「健気な平凡くん」
「嫌われからの総受け」

を生で見たいから全寮制男子校に転校するとか騒ぎだすし。
いや、無理でしょ。高校に入学したばかりで親が許すはずねーわ。そもそもおじさんが絶対お前を離さないから。

と、適当に流してたらマジで転校?
おじさんが海外転勤するから寮で暮らす?
それを知って最初は「何やってんだ、あの馬鹿!」と焦った。同時に「これで離れられる」とホッとしたのも事実。

いつも隣で心配ばかりするのはもういいだろ。正直ちょっと疲れたし、今のあいつは幼い頃の幸ちゃんじゃない。
高校生にもなれば自己責任で考えて行動するだろうし一人でも多分まぁ、頑張ってくれるさ。


――なんて甘い考えは通用しなかった。
おじさんと両親に泣きつかれ、結局俺まで転校することに。
そして約二週間ぶりに再会した幸明は案の定、いや、予想以上にやらかしていた。

男しかいない全寮制の学園でアホみたいにモテまくっていたのだ。
それも自ら積極的に相手を誘惑している。男前な奴も、女子みたいなちっこい奴らも、生徒だけじゃなく教師や職員などにまで無駄に愛想をふりまき次々と魅了していく現状。

幸明てめえ

 な に を し て い る



「え、嘘、周? うっわあ久しぶり、会いたかったよー。何でここにいるの?」

「本当に何でだろうな、一体誰のせいで俺がここにいると思う」

「痛だだだだ、ち、周さんやめてっごめ、ごめんなさい!?」


同じクラスに編入されての再会直後。
見えない尻尾をぶんぶん振り回すアホな笑顔にイラつき、思っくそ力を込めて頭を鷲掴んでやった……ことに後悔はない。
痛みで半泣きの幸明はどうでもいいが、途端に突き刺さる周囲からの殺意に頭痛がした。

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