11 / 17
人助けin夜の帰り道
しおりを挟む
この話は国道で起きた交通事故の前日の夜の話だ。
俺は自転車で夜の道を走っていた。
何度も言うが、電動だ。
その日は遅番だった。
遅番ってなんか疲れるんだよなぁ。
俺の働いていた病院は、4交代勤務のシフト制だった。
早番、日勤、遅番、夜勤
この四種類の勤務がある。
遅番は21時までなんだが、昼から夜にかけて働くせいなのか、早番や日勤をやる時より疲れるんだ。
遅番あるあるなんじゃなかろうか。
俺は歩道橋を渡るために自転車で駆け登った。
電動だから楽々だ!
階段部分のスロープを登り終わり、平坦な歩道橋を颯爽と走る。
その時に仕事帰りであろう自転車の女性を追い越した。
そして下りのスロープを降り、歩道を走り抜ける。
夜の帰り道なんてやることはない。
家に帰りたくて仕方ないんだ。
俺の気持ちは前へ前へ。
車道を挟んで歩道がある場合、たまに斜度がキツイ歩道ってないか?
そんなに段差つける?みたいな歩道だ。
俺の10m前にその歩道の切れ目がある。
車道側からおばあちゃんが出てきた。
距離はあるため避ける必要も危険な位置でもない。
俺はスピードを落とさずおばあちゃんの横をすり抜けて行く気満々だ。
右から攻めるか左から攻めるか。
安全に抜くにはどちらがいいか。
無駄に回転する俺の脳は、幅が広い方を見極めようとする。
おばあちゃんが車道から右に曲がり、歩道の盛り上がってる所に差し掛かったところだった。
ガッシャーン!
ああ、おばあちゃんなにしてんの⋯⋯
何も俺の目の前で倒れなくても良くないか?
自転車の籠からは買い物をしたであろう食材などが飛散している。
俺は近くに行き自転車を止め駆け寄った。
「大丈夫ですか!」
「は、はい、いててて、」
「急に曲がったら危ないよ!夜だし気をつけないと!」
「急にふらついちゃって⋯⋯」
そりゃーそうだろう。
この歩道にそのスピードと侵入角度なら倒れでもおかしくはないだろうな。
俺は飛び散っている食材を集めながらおばあちゃんに声をかけている。
その時先程俺が歩道橋で抜かした女性がこっちを見ながら通り過ぎていった。
あー、これ絶対俺と接触して転ばせたとか思われてるやつだろ。
全然違うのに⋯かなし!
まぁいい、今はおばあちゃんだ。
「大丈夫?痛いとこない?」
「はい、打ったみたいだけど大丈夫⋯」
本当に大丈夫かなぁ。
「ちょっと足を触るよ!」
うん、腫れてそうなところもないし、頭も打っていなかったから大丈夫だろう。
俺はおばあちゃんの自転車を立たせ、おばあちゃんにも手を貸して立たせた。
しっかり立ててるし大丈夫だろ。
「自転車乗れそうかい?」
「なんとか大丈夫だと思うけど」
「あんまり無茶な運転しないで気をつけようね。骨折ったらほんと大変だから」
「ありがとうお兄さん」
「それじゃ気をつけてね!」
なんとか走れるようだな。
さて、俺も帰るか。
明日は夜勤だし、夜更かしでもしちゃおうかな~
なんて考えながら家まで帰った。
まさか次の日また人助けすることになるなんてな。
しかも大事故だ。
人助けをしたところで清々しいとか、いいことしたなんて気持ちには一切ならない。
だって当たり前の事だから。
誰も助けてくれなかったら、みんな悲しい気持ちになる。
見て見ぬふりなんて特にな。
電車で席を譲ろうか迷ってる若い子達なんてよく見かけるな。
なんて声かけよう
声掛けても失礼じゃないかな
こんなこと考えながらモジモジしてるような子はよくいる。
だから俺は手本を見せてあげるんだ。
席の譲り方ってやつをな。
助けるのもそうだし、なんでも一欠片の勇気なんだ。
やらないでモジモジして後悔するなら、1歩踏み出す勇気を捻り出す方が建設的だし楽しいんだ。
この踏み出す勇気は色んなとこで使えるんだ。
人助けにのみならずな。
みんなもなにかする時、勇気を振り絞るだろう。
それを如何に簡単に放出できるか、それが今後のみんなの課題でもある。
練習でどうにかなるから、ちっちゃいことから勇気を出してみるといい。
fin.実話です
俺は自転車で夜の道を走っていた。
何度も言うが、電動だ。
その日は遅番だった。
遅番ってなんか疲れるんだよなぁ。
俺の働いていた病院は、4交代勤務のシフト制だった。
早番、日勤、遅番、夜勤
この四種類の勤務がある。
遅番は21時までなんだが、昼から夜にかけて働くせいなのか、早番や日勤をやる時より疲れるんだ。
遅番あるあるなんじゃなかろうか。
俺は歩道橋を渡るために自転車で駆け登った。
電動だから楽々だ!
階段部分のスロープを登り終わり、平坦な歩道橋を颯爽と走る。
その時に仕事帰りであろう自転車の女性を追い越した。
そして下りのスロープを降り、歩道を走り抜ける。
夜の帰り道なんてやることはない。
家に帰りたくて仕方ないんだ。
俺の気持ちは前へ前へ。
車道を挟んで歩道がある場合、たまに斜度がキツイ歩道ってないか?
そんなに段差つける?みたいな歩道だ。
俺の10m前にその歩道の切れ目がある。
車道側からおばあちゃんが出てきた。
距離はあるため避ける必要も危険な位置でもない。
俺はスピードを落とさずおばあちゃんの横をすり抜けて行く気満々だ。
右から攻めるか左から攻めるか。
安全に抜くにはどちらがいいか。
無駄に回転する俺の脳は、幅が広い方を見極めようとする。
おばあちゃんが車道から右に曲がり、歩道の盛り上がってる所に差し掛かったところだった。
ガッシャーン!
ああ、おばあちゃんなにしてんの⋯⋯
何も俺の目の前で倒れなくても良くないか?
自転車の籠からは買い物をしたであろう食材などが飛散している。
俺は近くに行き自転車を止め駆け寄った。
「大丈夫ですか!」
「は、はい、いててて、」
「急に曲がったら危ないよ!夜だし気をつけないと!」
「急にふらついちゃって⋯⋯」
そりゃーそうだろう。
この歩道にそのスピードと侵入角度なら倒れでもおかしくはないだろうな。
俺は飛び散っている食材を集めながらおばあちゃんに声をかけている。
その時先程俺が歩道橋で抜かした女性がこっちを見ながら通り過ぎていった。
あー、これ絶対俺と接触して転ばせたとか思われてるやつだろ。
全然違うのに⋯かなし!
まぁいい、今はおばあちゃんだ。
「大丈夫?痛いとこない?」
「はい、打ったみたいだけど大丈夫⋯」
本当に大丈夫かなぁ。
「ちょっと足を触るよ!」
うん、腫れてそうなところもないし、頭も打っていなかったから大丈夫だろう。
俺はおばあちゃんの自転車を立たせ、おばあちゃんにも手を貸して立たせた。
しっかり立ててるし大丈夫だろ。
「自転車乗れそうかい?」
「なんとか大丈夫だと思うけど」
「あんまり無茶な運転しないで気をつけようね。骨折ったらほんと大変だから」
「ありがとうお兄さん」
「それじゃ気をつけてね!」
なんとか走れるようだな。
さて、俺も帰るか。
明日は夜勤だし、夜更かしでもしちゃおうかな~
なんて考えながら家まで帰った。
まさか次の日また人助けすることになるなんてな。
しかも大事故だ。
人助けをしたところで清々しいとか、いいことしたなんて気持ちには一切ならない。
だって当たり前の事だから。
誰も助けてくれなかったら、みんな悲しい気持ちになる。
見て見ぬふりなんて特にな。
電車で席を譲ろうか迷ってる若い子達なんてよく見かけるな。
なんて声かけよう
声掛けても失礼じゃないかな
こんなこと考えながらモジモジしてるような子はよくいる。
だから俺は手本を見せてあげるんだ。
席の譲り方ってやつをな。
助けるのもそうだし、なんでも一欠片の勇気なんだ。
やらないでモジモジして後悔するなら、1歩踏み出す勇気を捻り出す方が建設的だし楽しいんだ。
この踏み出す勇気は色んなとこで使えるんだ。
人助けにのみならずな。
みんなもなにかする時、勇気を振り絞るだろう。
それを如何に簡単に放出できるか、それが今後のみんなの課題でもある。
練習でどうにかなるから、ちっちゃいことから勇気を出してみるといい。
fin.実話です
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち
ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。
クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。
それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。
そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決!
その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる